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JIS B 7728改正に伴うJCSS技術文書の改正内容について【PDF:193KB】

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JIS B 7728改正に伴うJCSS技術文書の改正内容について【PDF:193KB】
JIS B 7728の改正に伴う
JCSS技術文書(力/力計)の改正点
平成25年11月14日
JCSS登録校正事業者(力分野)向け説明会
於 (独)製品評価技術基盤機構
JCSS等技術委員会 力分科会
上田和永
1/16
■JIS B 7728:2013の二つの主な改正点(1/2)
①不確かさの評価方法に関する附属書C(情報)の追加
- クリープ・繰返し性(設置変更なし)・力計の温度の
不確かさ要因を新たに追加
- ゼロ点出力の変動の不確かさの評価方法の変更
- ヒステリシスの不確かさを力計の校正結果の不確か
さに含めるか否かは選択に
②校正力の増加のみの校正手順の追加
- 校正力増加のみの校正手順と校正力を増減する校正
手順(従来どおり)とを選択可能に
(クリープ試験に関する手順・相対誤差の計算式・
試験条件の校正証明書への記載を追加、等級分類
の基準・力計の使用方法を4通りに場合分け)
- 校正結果は、校正力の増加方向の結果から求めるこ
とがより明確に
2/16
■JIS B 7728:2013の二つの主な改正点(2/2)
①不確かさの評価方法に関する附属書C(情報)の追加
→ JCSS不確かさの見積りに関するガイド(力/力計/
力計(JIS B 7728による方法))の改正(本体)
②校正力を増加させるだけの校正手順の追加
→ 技術的要求事項適用指針(力/力計/力計(JIS B
7728による方法))の改正(校正証明書の見本)
3/16
■力計の校正結果(校正力の増加方向)の不確かさ
校正力の増加及び減少の校正
校正力の増加のみの校正
内挿校正式 ・力計に加えた校正力
・校正結果の再現性
なし
・力計に加えた校正力
・校正結果の再現性
・校正結果の繰返し性
・指示装置の分解能
・クリープ
・ゼロ点出力の変動
・力計の温度変動
(内挿の不確かさは考慮不要)
内挿校正式 ・力計に加えた校正力
・校正結果の再現性
あり
・力計に加えた校正力
・校正結果の再現性
・校正結果の繰返し性
・指示装置の分解能
・クリープ
・ゼロ点出力の変動
・力計の温度変動
・内挿
・校正結果の繰返し性
・指示装置の分解能
・クリープ(ヒスリシスの1/3で評価)
・ゼロ点出力の変動
・力計の温度変動
(内挿の不確かさは考慮不要)
・校正結果の繰返し性
・指示装置の分解能
・クリープ(ヒスリシスの1/3で評価)
・ゼロ点出力の変動
・力計の温度変動
・内挿
4/16
■力計の諸特性と等級分類
校正力の増加及び減少の校正
校正力の増加のみの校正
内挿校正式 ・力の増加及び減少でかつ特定の ・力の増加方向だけかつ特定の
力だけで使用可。
力だけで使用可。
なし
・等級分類には、再現性誤差、繰
返し性誤差、ゼロ誤差、往復誤差
を考慮。
・クリープ評価は必須ではない。
・内挿誤差は考慮不要。
・等級分類には、再現性誤差、繰
返し性誤差、ゼロ誤差、クリープ
誤差を考慮。
・ヒステリシスの評価は不要。
・内挿誤差は考慮不要。
内挿校正式 ・力の増加及び減少でかつ内挿範 ・力の増加方向だけかつ内挿範
囲内の任意の力で使用可。
囲内の任意の力で使用可。
あり
・等級分類には、再現性誤差、繰
返し性誤差、ゼロ誤差、往復誤差、
内挿誤差を考慮。
・クリープ評価は必須ではない。
・等級分類には、再現性誤差、繰
返し性誤差、ゼロ誤差、クリープ
誤差、内挿誤差を考慮。
・ヒステリシスの評価は不要。
5/16
■クリープについて
- 校正力を増加・減少する校正(現行どおり)では、
クリープ試験は必須ではない。ただし、クリープの
不確かさは(相対クリープ誤差は相対往復誤差の
1/3であると評価して)必ず考慮する。
- 最大校正力を負荷した後又は除荷した後の30秒後と
300秒後に力計の出力i30 とi300を記録し、次式で相
対クリープ誤差cを評価する。
i 300  i 30
c
 100
XN
- 無負荷時のクリープ(ゼロ点の回復)を測定する場
合は、負荷を除く前に少なくとも60秒間は最大校正
力を負荷しなければならない。
- クリープ試験は、校正中に予備負荷の後のどの時点
で行ってもよい。
6/16
■ヒステリシスの不確かさについて
- 顧客が校正した力計を減少方向の力の測定に使い、
補正を行わない場合は、ヒステリシスの不確かさも
考慮が必要。
- 顧客の選択により、力計の校正結果の不確かさにヒ
ステリシスの不確かさを含めておくことは可能。
※ 現行の力計の校正結果の不確かさ評価では、ヒステリシスの
不確かさはデフォルトで考慮されているので、顧客は、減少
方向の力を測定する時にもヒステリシスの不確かさを改めて
考慮する必要はなかった。
※ 改正後は、力計の校正結果の不確かさにはヒステリシスの不
確かさがデフォルトでは含まれないので、減少方向の力の測
定のためには、
・力計の校正結果の不確かさにヒステリシスの不確かさを含
めるよう、力計の校正事業者に予め依頼する
・顧客が自らヒステリシスの不確かさを考慮する
のいずれかの対応が必要。
7/16
■校正力-不確かさ関係への最良近似式の適用
- 最小二乗法により各校正点で計算した不確かさから
全ての校正点にわたる校正力-不確さの最良近似曲
線の係数を決定
- 近似曲線の形(一次式/多項式/指数関数など)は、
校正結果に応じて選択
- 最良近似式で計算した不確かさが各校正点で評価し
た不確かさの最小値より小さくなる場合は、より保
守的な近似を採用
→ 不確かさの最小値を指定する(各校正点で評価
した不確かさの最小の値を、近似における下限
値とする)のが実際的
8/16
■校正力-不確かさ関係への最良近似式の適用
wc
0.002 00
2,000
0.001 80
1,800
0.001 60
1,600
0.001 40
1,400
0.001 20
1,200
0.001 00
uc / N
1,000
0.000 80
800
0.000 60
600
0.000 40
400
0.000 20
200
0.000 00
0
0
1,000
2,000
3,000
Force / kN
校正力-相対不確かさの最良近似
曲線(双曲線を当てはめた例)
0
1,000
2,000
3,000
Force / kN
校正力-絶対不確かさの最良近似
曲線(直線を当てはめた例)
※ 不確かさの最小値を指定するのが実際的
9/16
■最高測定能力(CMC)の評価について
- 現行は、力計校正の最高測定能力を評価する際に、
校正器物(DUT)に起因する不確かさを考慮すること
は推奨事項。
↓
- 改正後は、力計校正の最高測定能力を評価する際に、
校正器物(DUT)に起因する不確かさを考慮することが
必須に。
10/16
■力計の校正証明書の見本の改正(1/2)
- 校正結果には、校正力の増加方向の結果のみを記載
(全ての例)。
また、内挿校正式を付与する場合は、校正力の増加
方向の内挿校正式のみを記載(例3)。
- 校正力の増加のみの校正についても例示(例4)。
上記の校正結果は、増加する力の測定のみに限り
適用できる。
また、相対往復誤差の代わりに相対クリープ誤差を
諸特性(参考)として記載。
11/16
■力計の校正証明書の見本の改正(2/2)
- 校正結果の適用に関する注釈を追記(全ての例) 。
上記の校正結果は、増加及び減少する力の測定に
適用できる(例1~例3)
または
上記の校正結果は、増加する力の測定のみに限り
適用できる(例4)
- 校正結果の不確かさに、ヒステリシスの不確かさが
考慮されているか否かの注釈を追記(例4以外) 。
ただし、減少する力の測定に適用する場合は、ヒステリ
シスの不確かさを加える必要がある。 (例1、例3)
または
上記の相対拡張不確かさには、ヒステリシスの不確かさ
が含まれている。 (例2)
12/16
■力計の校正事業者が改正を要する規定等
①【必須】不確かさ評価手順書と不確かさ計算ソフトの
改正・改修
※ ソフト改修後の妥当性確認とその記録も忘れずに。
②【必須】新しい不確かさ評価手順に則って、校正器物
に起因する不確かさ(DUT)も考慮に入れた不確かさバ
ジェット表の作成と最高測定能力(CMC)の再評価
※ 実測データに基づくCMCの評価の際には、DUTとして、例えば
管理用力計を校正したデータを使用する。
③【必須】校正証明書作成手順書(証明書の様式)の改正
※ 減少方向の力の測定を行う顧客の利便性のため、上記①と③
に関し、力計の校正結果にヒステリシスの不確かさを含める
選択肢も設けることが望ましい。
④【任意】クリープ評価や校正力増加のみの校正を行う
場合は、校正手順書(負荷パターンなど)の改正
※ 油圧式やこうかん式の力基準機でクリープ評価を行う場合は、
除荷後のゼロ点回復のクリープを評価するのが望ましい。
13/16
■一軸試験機の校正事業者(顧客)が留意すべき点(1/3)
- 移行期間中は、力計の現行方式(以下旧方式と標記)
と新方式の校正証明書が混在する。
- 新方式により校正力の増加のみで校正された力計は、
一軸試験機の校正において荷重の減少方向の測定に
は使えない。
- 一軸試験機の校正において、荷重の増加方向の測定
だけでなく減少方向の測定にも、力計の校正力増加
方向での校正結果を使用する。
※ 力計の校正力増加方向での校正結果を使用することは、
旧方式でも新方式でも変わりなし。
(旧方式の校正証明書には力計の校正力の減少方向での
校正結果も付記されているが、これは最大校正力から
除荷した場合にのみ有効であり、あくまでも参考値。)
14/16
■一軸試験機の校正事業者(顧客)が留意すべき点(2/3)
- 新方式の力計の校正結果の不確かさにはヒステリシ
スの不確かさは含まれないので、減少する力を測定
しその不確かさを評価する場合には、ヒステリシス
の不確かさを自ら考慮することが必要になる。
※ ただし、相対往復誤差の決定には、ヒステリシスの不
確かさを考慮する必要はない。
- 新方式の力計の校正結果の不確かさにヒステリシス
の不確かさを含めるよう、力計の校正を依頼する時
に選択することも可能。
※ そのようにすると、一軸試験機の校正事業者は、その
力計を使って減少する力を測定する時に、ヒステリシ
スの不確かさをその都度考慮する必要がなくなる。
※ ただしその場合、力計の校正力増加方向での校正結果
の不確かさも大きくなる。
※ この選択肢の用意がない力計の校正事業者も存在する。
力計の校正を依頼する際に、事前相談・確認が必要。
15/16
■一軸試験機の校正事業者(顧客)が留意すべき点(3/3)
校正力の増加と減少で校正した力計
を使った一軸試験機の校正
校正力の増加のみで校正した力計
を使った一軸試験機の校正
・参照標準の力計は、荷重の増加/減少
の測定に使用可。
・従来どおり力計の校正力増加方向での
校正結果を参照して、一軸試験機の校
正において荷重の増加/減少の測定を
行うのなら、校正手順書、不確かさ評価
手順書や計算ソフトの変更は不要。
・前項の場合、一軸試験機の校正結果の
不確かさの評価および相対往復誤差の
決定において、ヒステリシスの不確かさ
の考慮は不要。
・ただし、参考情報として、荷重の減少方
向の測定結果を不確かさ付きで顧客に
提供するのであれば、その不確かさに
はヒステリシスの不確かさを考慮するこ
とが必要になる。
・参照標準の力計は、荷重の増加方向
の測定にのみ使用可。
・「新方式(増加のみ)で校正した力計は
一軸試験機の校正において荷重の増
加の測定のみにしか使えない」旨を規
定する校正手順書の変更(追記)が必
要。
・不確かさ評価手順書や計算ソフトの変
更は不要。
・一軸試験機の校正結果の不確かさの
評価において、ヒステリシスの不確かさ
の考慮は不要。
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