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B-4 アスファルト舗装用フィラーへのフライアッシュ利用技術の開発

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B-4 アスファルト舗装用フィラーへのフライアッシュ利用技術の開発
アスファルト舗装用フィラーへのフライアッシュ利用技術の開発
和光コンクリート工業㈱
1.
背 景
県北で排出されるフライアッシュは主に大手民間火力発電所からのもので、排出量は年間
約4万トンである。現状、そのすべてをセメント原材料として県外のセメントメーカーで再利用
されているが、セメントの需要が低迷しているため工場閉鎖が相次ぎ、新たな用途開発が求
められている。
そもそもフライアッシュは、コンクリート用混和材料として 40 年以上の使用実績を持つ材料
である。しかしながら排出地が限定されることから、平成 20 年までに宮崎県内での利用はほ
とんど見られなかった。
提案者会社は、過去数年間において、この火力発電所で排出した JIS を満足できるフライ
アッシュに関するコンクリート製品への添加利用を研究し、平成 20 年 12 月からコンクリート
製品の混和材として実用化に成功した。
しかし、コンクリート二次製品へのフライアッシュ利用は、市場規模とコンクリート製品の強
度や耐久性等の制限から利用量が限られている。そのため大半のフライアッシュは、県外の
セメント工場まで運搬しなければならないという状況である。
一方、道路用アスファルト舗装は、アスファルトの見かけの粘度を高め、アスファルト混合
物中の小さな隙間を埋めるため、アスファルトと同量程度の石灰石粉(フィラー)を添加する。
県北地域では、年間使用量として大分県産石灰石粉約 0.7 万トンを使用しているためその代
替として県北産フライアッシュが有効であると考え実用化研究を行った。
2. 研究目的
フライアッシュは、アスファルト合材に添加すると、フライアッシュの微細粒子が球形で、表
面が滑らかであることから、骨材の間隔を充填するボールベアリング効果が発揮でき、フィラ
ー材として適用できる。既に一部の電力会社は、道路アスファルト舗装へのフライアッシュの
利用を試みている。
提案者会社は、コンクリート製品への県北産フライアッシュの利用経験を踏まえて、アスフ
ァルト舗装用フィラー材としての利用技術を開発し、循環型社会の形成を図り、産業副産物
の有効利用や県外へのフライアッシュの搬出および県外から県内への石灰石粉の搬入をな
くすことで、これらの経済活動における二酸化炭素の排出を大幅に削減可能であり、継続的
な環境保全活動に貢献できることを目的とした。
3. 実験概要
提案者会社は、平成 16 年からコンクリート製品の製造に用いた高流動コンクリート用混
和材として県北産出フライアッシュの利用に取り組んできた。そのためフライアッシュの諸物
性と品質変動について熟知している。また、供給側との間に石炭産地変更や燃焼条件の変
更等の情報提供システムを構築し、フライアッシュの品質に関する変動状況に応じたコンクリ
ート製造技術を確立している。これらの利用実績から、フライアッシュ中の未燃炭素分などが
アスファルトコンクリートの諸物性(流動性、粘度等)に与える影響をある程度予測できるため、
材料実験では未燃炭素分量に重点を置きながら配合実験を行い、フライアッシュを利用した
最適な配合を決定した。
配合決定後は提案者会社内の作業通路約 1000 ㎡について施工実験を行い施工性、耐久
性、有害物の溶出試験について実験を行った。
4.結果
配合実験では、セメントコンクリートの場合と同様に未燃炭素分の多いフライアッシュでは
アスファルトコンクリートの基準を満足しない結果が得られ JIS に適合しないフライアッシュは
利用できないことが確認された。反面、JIS に適合するフライアッシュは未燃炭素分が基準量
以下に管理されているため、アスファルトフィラー材として所要の性能を満足することが確認
された。
施工性の実験では、作業性、仕上がり品質など、通常の石灰石粉を用いたものと差異は
なく良好であった。
6ヵ月後の路面性状性試験結果では、平坦性、わだち掘れ量、ひび割れ率、すべり抵抗値
のすべてにおいて基準を充たす結果であった。その他、 アスファルト混合物からの有害物
質の溶出について外部試験機関において分析を行ったが、すべての項目で基準値を下回り、
石灰石粉を用いたものと同程度であった。
5.
事業化の見通し
今回の実用化研究結果をもとに販売活動を行い、大手民間企業の工場内舗装用として8
㌧(舗装面積約 2000 ㎡分)の販売を行った。
現在、公共事業での利用に関して大手 舗装会社への売込みを実施しております。
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