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平成26年度事業報告書 - 一般社団法人 日本航空宇宙工業会
平成26年度事業報告書 自 平成26年 4月01日 至 平成27年 3月31日 一般社団法人 日本航空宇宙工業会 平成 26 年度事業報告書 自 至 平成 26 年 4 月 01 日 平成 27 年 3 月 31 日 世界の経済は、中国や新興国等一部に弱さがみられるものの、米国が回復する中で、全体として は、25 年度と同水準の緩やかな成長が続いた。わが国においても、政府の景気浮揚策が功を奏し、 企業収益が拡大している。航空宇宙産業に目を転じれば、格安航空会社(LCC)の世界的な台頭や アジアにおける航空旅客の増大による、世界的な民間航空機需要の伸びが持続しており、2014 年暦 年のジェット機(旅客機及び貨物機)納入機数が 2013 年を上回り過去最高となるなど、航空機の 生産が拡大している。 このような環境の中、平成 26 年度には、航空・宇宙とも将来の発展に向け、各種のプロジェク トが進展した。 民間機分野では、ボ-イング 787 機体部品の生産高は順調に伸び、更なる増産への体制整備も日 本各社で進んだ。また、777X プログラムにおいても主要構造部に日本企業が参画することが合意さ れた。国産のリージョナルジェット機 MRJ は、10 月のロールアウト式典でその姿を世界に発信した。 航空エンジン分野においては、ボーイング 787 用エンジンの生産が拡大する一方、ボーイング 777X 用エンジンとして開発される GE9X のプログラムに日本企業が参画することが決まった。また国際 共同開発が進行中のエアバス社 A320neo 向け PW1100G-JM の型式承認が取得された。 防衛機分野では、武器輸出三原則等に代わる新たな原則として 4 月に「防衛装備移転三原則」が 閣議決定され、6 月には防衛省より「防衛生産・技術基盤戦略」が公表された。米国政府は F-35 のアジア太平洋地域における整備拠点を日本に設置すると 12 月に発表したが、これが更なる国内 基盤の強化につながることを期待したい。戦闘機以外の分野では US-2 救難大型飛行艇の海外輸出 の検討が進められている。 宇宙分野では、新しい宇宙基本計画が策定された。産業界としては、より一層計画性をもって事 業が推進できるようになることを期待したい。H-ⅡA ロケットは 12 月の 26 号機による「はやぶさ 2」打上げを含め、28 号機までの打上げを行い、22 回連続の成功を達成した。 こうした状況下、当工業会では、各般にわたる事業について、推進母体となる委員会を設けるな ど体制を整備し、政府に対する提言・要望、航空宇宙産業に関する調査研究、政府等からの受託事 業、(公財)JKAからの補助事業等を実施した。また、各国の工業会等との情報交換・交流、世 界に向けた発信などを積極的に行なった。これら事業は、全般的にほぼ期待された成果を収め、航 空宇宙工業の健全な発展に寄与することができた。 1 1.政府の諸施策に対応する諸活動 関係官庁等における航空宇宙政策の検討、推進に対し、以下のとおり参画、協力等を実施した。 (1)「防衛生産・技術基盤戦略」に関する防衛大臣との意見交換会に会長及び担当常務理事が出 席し、基盤戦略に対する要望を行った。(6 月) (2)経済産業省及び防衛省から講師を招いて「防衛装備移転三原則」講演会(9 月)、及び「防 衛取得セミナー」(9 月、3 月)を開催した。 (3)防衛省装備施設本部と会員企業との意見交換会を開催し(9 回)、PL 保険に関する契約要望等 を行った。 (4)平成 27 年度税制改正要望を取りまとめ、経済産業省、自由民主党及び公明党に提出した。 (5)産業構造審議会・航空機宇宙産業小委員会・航空機産業戦略WGに出席し、装備品分野の課 題と対応について発表した。(5 月) (6)上記 WG 検討結果等を受けて国土交通省及び経済産業省の呼びかけで設立された航空機整備 士・製造技術者養成連絡協議会とその傘下の製造技術者 WG に事務局として参加した。 (7)宇宙関連政策についての産業界意見集約と提言活動を以下のように行った。 ・経済産業省・宇宙産業室主催「商業宇宙事業の環境整備に係る勉強会」に出席し、「商業宇宙 法」に関して意見提言(6 回) ・宇宙航空研究開発機構主催の「宇宙政策検討会(テーマ:WTO 政府調達、日米衛星調達合意)」 に参加し、意見提言(3 回) ・内閣府・宇宙戦略室の策定する「新・宇宙基本計画」へ提言(10 月) ・宇宙資産議定書(ケープタウン条約)勉強会を開催し、規則細目に関して意見集約(12 月) (8)自由民主党の安全保障団体政策懇談会(10 月)及び公明党の外交安全保障部会(11 月)に 出席し、航空機産業の現状を説明するとともに、航空機産業施策に対する要望を行った。 (9)自由民主党 宇宙・海洋特別委員会 宇宙総合戦略小委員会からの要請を受け、早期警戒衛 星の説明を行った。(4 月) 2.航空宇宙産業に関する基礎的調査及び情報の収集並びに提供 (1)航空宇宙産業の実態調査及び各種統計データを整理し、ホームページに掲載した。 ①航空宇宙産業データベース ②日本の航空機工業資料集 ③航空機の生産・輸出・受注見通し ④航空機の月別・年別・年度別生産実績 (2)上期に「Aerospace Industry in Japan 2014」を編集・発行し、下期に編集委員会(5 回開催) にて平成 27 年版「日本の航空宇宙工業」及び「世界の航空宇宙工業」を編纂し発行した。 (3)経済産業省からの依頼で「航空機製造事業法(第八版)」を編集・発行し、会員企業等向け に提供を開始した。(7 月) 3.航空宇宙産業の産業基盤の整備 (1)航空機の国際標準規格の整備 2 以下の TC(専門委員会)において日本は P メンバー(投票権のあるメンバー)として活動を実施 した。 ①ISO/TC20(航空機および宇宙機) 「航空宇宙電気系統」、「航空貨物及び地上機材」及び「航空宇宙流体系統」の各分科会 において、国際会議での規格開発提案、国内分科会運営等を行った。また、新設された「無 人機システム」及び「空港インフラ」の分科会については、航空規格戦略検討委員会にて 積極参加方針を決め、国内分科会設置形態を検討することになった。 日本提案に関しては、「LED Taxi Light に関する国際標準化」、「航空用リチウムイオン バッテリーシステムに関する国際標準化」、「航空用 CFRP 補強高圧配管に関する国際標 準化」及び「航空用鉛フリー軸受に関する国際標準化」について国際会議でプレゼンを行 った。 ②IEC/TC107(航空電子部品のプロセスマネジメント) 国際会議において日本提案「素粒子等の2次放射線影響評価」について各国賛同を得て、 NWI(New Work Item)に登録した。 ③ISO/TC184(オートメーションシステム及びインテグレーション) 分科会 SC4(産業データ)について、昨年度まで休止していた国内分科会を再開し、分科 会の下に規格要望を検討する運営協議会を設立した。 ④ISO/TC206(ファインセラミックス) ワーキンググループ WG4(CMC)において日本提案「CMC(セラミック材料)試験方法」に関 する規格5件のうち3件を NWI に登録した。 (2)宇宙機の国際標準規格の整備 SC(分科会)における活動実績は以下の通り。 ①ISO/TC20/SC14(宇宙システム・運用)では春期(5 月日本)及び秋期(10~11 月欧米各地) の全 WG に委員を派遣、積極的に意見提言・審議した。 日本提案の推進では、以下の 1 件について ISO 制定を完了した。 ・高精度測位システムに関する標準 また、以下の4件を新たに NWI(New Work Item)に登録した。 ・超小型衛星の耐宇宙環境性評価基準 ・宇宙機帯電電位見積りに関する標準 ・射場におけるコンバインドオペレーションプランの標準 ・商用衛星用製品保証規格 既に NWI 登録している日本提案(宇宙用リチウムイオン電池に関する国際標準、宇宙機用デ ブリ対策設計・運用マニュアル)も順調に進捗した。 また、以下の規格の提案準備に取り掛かった。 ・民生部品の宇宙放射線試験に関する標準化 ・衛星搭載用受動系電波センサ間の校正要求事項に関する標準化 ・宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する標準化 なお、ISO/TC20/SC14 総会の日本開催を、成功裏に完了した(5 月 26~30 日、東京)。WG6 3 (材料・工程)の議長を正式に日本が獲得した(7 つの WG の内 2 つ目)。 ②ISO/TC20/SC13 (宇宙データ・情報伝送システム)では、春期(4 月オランダ)、及び秋期 国際会議(11 月イギリス)に参加、19件の DIS 投票の審議、6件の定期見直し(SR)を行 った。また、日本の活動状況等の報告を行った。 (3)航空宇宙産業の品質向上・コストダウン活動の推進 ①「航空宇宙品質センター(JAQG)」により、JIS Q 9100(航空宇宙品質マネジメントシステム 規格)の新認証基準 SJAC 9104-1 での運用を確実にするための活動として、関連基準 SJAC 9104-2(認証制度監視の要求事項)及び-3(認証審査員教育の要求事項)を改正し、JRMC(航 空宇宙審査登録管理委員会)拡大会議等を通じて、認定機関、認証機関へ情報を提供した。 ・平成 27 年 3 月末現在 JAQG メンバー数 341 社(昨年度より 56 社増加) ② IAQG が発行した SCMH(Supply Chain Management Handbook)のうち下記項目の日本語訳を JAQG ウェブに掲載した。 -納入に関する指標定義 -製品パフォーマンス及び詳細評価用チェックリスト -2 次供給者管理 -先行製品品質計画 -プロセスマッピング -ソフトウエアガイダンス(9115) -新規製造に対するヒューマンファクター ③「強固な QMS 構築」については、一般公開済みの6つのガイダンス文書の英語版が IAQG に 採用されることとなった。また、SJAC 9068(JIS Q 9100 補足事項)の一部の内容が 9100 規格次期改正に採用の方向となり作業ドラフト作成に参加した。 ④IAQG 9100 規格改正(2016)作業に参画し、作業ドラフトのレビュー等を実施した。 (4)プロダクトサポートに関する調査検討 ①プロダクトサポートに関する調査と国内適用の検討 米航空輸送協会(ATA)主催のフォーラムにて、国際規格 Spec 2000 及び S1000D が仕様を既定 する電子データの活用状況を調査し、その概要をプロダクトサポート研究会にて紹介した。 ②航空機個品情報共有システム 昨年度実証実験結果から試行システムの効果をまとめ、防衛省・経理装備局、空幕、エアバ スヘリ・ジャパン及び日本ヘリコプタ推進協議会に紹介した。また、航空自衛隊補給本部と の AIT(Autonomous Identification Technology)活用に関する勉強会を3回開催し導入の働 きかけを行った。 ③航空機業界の受発注業務の効率化推進 ・受注者側端末のソフトウェア改修 改修品の動作確認をワーキンググループにて実施し、問題点への対応を完了した。 ・航空機業界 EDI の必要性や EDI センターの今後の在り方の検討 主要幹事会社に対する調査により、サプライチェーン等の情報収集の仕組み、あるいは図 面データの送達等に関して高いニーズを確認した。また、セキュアネットワーク上で EDI を 4 運用する体制について、エグゾスター社の状況を調査して幹事会に報告し、体制の必要性、 内容、構成等を確認した。 ④防衛装備品の調達効率化に関する調査検討 ・防衛省における米国の防衛取得方式の導入検討に関し、防衛省を講師に「防衛取得に関する 勉強会」を開催し(3 回)、防衛省と会員企業の意見交換を行った。 ・米国のPBLに関しAIA(米国航空宇宙工業会)と米国防省から資料を入手し、PBL分 科会にて会員企業に情報提供した。また防衛省との意見交換会を行った。 ・契約等分科会にて、防衛省経費率及び PL 保険を中心とした契約の課題に関する会員企業間 での意見交換・情報共有を行った(10 回)。 (5)相互認証の推進 国土交通省が計画している日本版 PMA※について相互認証推進委員会を開催して情報収集・ 意見交換を実施した。 ※日本版 PMA(Parts Manufacturing Approval):米国の TC 保有者からライセンスを受けている日本 の部品メーカーが、米国の FAA-PMA 保有者を通さず、直接、エアライン等に部品を送付すること を可能とする部品製造認定制度 (6)必要な人材の確保 ①IAQG要員能力関連活動 IAQG ブリュッセル会議に参加し(4 月)、情報収集と意見交換を実施した。ヒューマンファ クター・エラー管理プログラムの導入ガイドライン日本語版を完成し JAQG ウェブに掲載し た。航空宇宙版知識体系(BoK: Body of Knowledge)については、ガイダンス文書の日本語版 作成を開始した。 ②製造技術者人材育成(新規) 国土交通省・経済産業省の呼びかけで設置された航空機整備士・製造技術者養成連絡協議 会(3 回)に事務局として参加した。製造技術者 WG(3 回)を経産省と協力して運営して、 製造技術者の各層の技能教育の状況、技能レベル標準化や技能認定に関する要望等について 製造会社メンバーから情報収集し、教育機関メンバーと認識を共有した。 4.航空機産業に関する調査研究 (1)航空機の技術動向等に関する調査・検討 ①次世代航空機システムに関する技術動向調査(NEDO 受託) 次世代航空機における装備品ビジネス戦略のための調査検討を、大学/研究機関/業界団体/ 関連企業有識者の協力の下、産業活性化シナリオ WG を4回、委員会を3回開催して進めた。 会社ヒアリングに基づくソフトウェア認証等の課題、各国の装備品技術動向等、各種調査・ 検討を総合して、我が国航空機産業の方向性(産業戦略、技術開発及び実証試験インフラ整 備構想)を主な内容とする「装備品を核とした我が国航空機産業活性化シナリオ」を作成し た。 ②技術委員会 5 技術委員会を1回開催し、「航空機産業戦略」(産業構造審議会・航空機宇宙産業小委員会・ 航空機産業戦略WG)に挙げられた戦略事項のひとつである「装備品の競争力強化」につい て、上記「航空機産業活性化シナリオ」の成果を紹介し、委員から意見・要望等を聴取した。 (2)産学連携の推進 革新航空機技術開発センターによる産学連携の研究課題として、民間移転が可能な防衛技術を とりあげ、外部有識者(大学、宇宙航空研究開発機構、エアライン OB)との意見交換会を2回実 施した。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による公募型研究募集(6 月)及び航空シンポジ ウム(8 月)を SJAC 会員企業に周知して参加の促進を図った。 (3)航空防衛技術に関する調査研究 航空防衛技術フォーラムについては、第 5 期のテーマ選定について空幕・先進技術室と意見交 換を行った。 (4)航空機部品・素材に関する調査研究 航空機部品・素材・装備品(航空電子システムを含む)に関する先端技術動向調査のために以 下に示す 4 つの分科会・専門委員会にて調査・検討活動を行い、委員会へ結果を報告した。 ①海外市場参入検討分科会 参加企業の民間機海外参入事例、米国における MRO ビジネスの状況、国際学会(ICAS)にお ける装備品関連技術研究の状況、海外における装備品の規格(SAE)検討状況などについて 情報収集・意見交換を行った。 ②装備品技術検討分科会 欧米の電気化開発プロジェクトの実態、及び他産業界における電気化の動向について情報収 集・意見交換を行った。 ③先進アビオ検討分科会 最新航空機におけるコクピット搭載機器の現状、及び表示器大型化、コンピュータ及びデー タバスの高速化などの技術動向について情報収集・意見交換を行った。 ④素材専門委員会 複合材料及び新素材に関する最先端の素材技術(複合材:3件)、加工技術(3D プリンタ: 3 件)の講演会を実施した。また、熊本大学において研修会を行い、先進マグネシウム研究 の現状などについて調査した。 (5)民間航空運輸に関する調査検討 国際民間航空機関(ICAO)及び国土交通省等と連携し、以下の委員会活動に参加し情報の収集と 展開を行った。 ① 「航空環境保全」 CAEP Working Group(5 月,7 月,11 月,2 月)及び CAEP Steering Group Meeting(9 月)に参 加して、航空環境保全に関する最新状況と動向について情報を入手し、説明会を開催した。 「CAEP 委員会」 及び 「航空機 CO2 削減検討委員会」を 3 月に開催した。 ②「耐空性」 FAA-EASA 航空安全会議および ICCAIA 耐空性委員会(6 月)に参加して、耐空性はじめ相互 承認に関する欧米当局の動向についての情報を入手した。 6 ③「新航空管制システム」 航空管制(ATM) 、性能準拠型航法(PBN) 、小型機広域航法(RNAV) 及び全地球衛星測位シス テム(GNSS) に関する検討会、並びに研究開発推進分科会に参加し情報収集した。 ④「無人機」 ICCAIA の UAS WG に参加し、ICAO UASSG の情報を入手した。 Manual on RPAS※最終版(Ver1.8)を入手し、翻訳の上、項目ごとの課題を整理し、SJAC 講 演会にて会員に報告した。また、ICAO 主催の RPAS シンポジウム(3 月モントリオール)に 出席し、参加国の状況等を調査した。 ※RPAS:Remotely Piloted Aircraft System (6)有害化学物質等の規制に関する調査検討 世界各国の有害化学物質規制に航空宇宙産業界の要望を反映させることを目的として、欧米主 要メーカーで構成される新国際組織(IAEG:International Aerospace Environmental Group) が発足したので、その組織体制や活動方針について情報収集を行った。 5.宇宙産業に関する調査研究 (1)宇宙産業実態調査の実施 ・我が国の宇宙機器産業に携わる企業に売上高、輸出入、従業員数等のアンケート調査を実施 し、集計した。 ・宇宙利用サービス産業、宇宙関連民生機器産業、ユーザー産業及び日米欧宇宙産業比較調査 を実施し、宇宙機器産業と合わせて「宇宙産業データブック」として取りまとめた。 ・「Directory of Japanese Space Products & Services 2014」(宇宙関連製品カタログ 2014 年版)を作成し、関係先に配布した。 (2)宇宙政策に関する調査の実施 宇宙産業の競争力強化、信頼性向上等に向け、以下の活動を実施した。 ①我が国の安全保障における宇宙アセットの活用として、スペースポリシー委員会を開催し、 デュアルユースシステム(軍民両用)及びホステッドペイロード方式(民生衛星への軍事ペ イロード搭載)の適用検討を行った。 ②国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)が取り纏めるスペースデブリに関する国連の ドラフトガイドラインに対する各国からのコメント・提案について、国内関係各社の意見を まとめ外務省に報告した。 (3)宇宙機器産業基盤に関する調査研究の実施 経済産業省の「民生部品・技術を活用した宇宙機器の競争力向上に関する研究会」に参加(全 4 回)し、過去の検討結果をもとに宇宙産業の競争力拡大の施策に関する提言を行った。 (4)次世代宇宙プロジェクトに関する調査研究の実施 ・全電化衛星への注目が高まる中で、 「電化推進衛星」をテーマとして 5 回の委員会を開催し、 衛星メーカー、ロケットメーカ、電池メーカー、部品メーカー、衛星保険会社、ユーザー等 幅広い委員による議論を報告書に纏め、関連先に配布した。 ・世界のロケット、衛星、宇宙船等の宇宙関連施設を含むデータを「世界の宇宙インフラデー タブック 2015」として印刷、配布した。 7 6.国際産業動向調査及び国際産業交流・広報事業 (1)国際産業交流・広報事業 ①ファンボローエアショー(7 月) ・会員企業9社と共にブース出展し、前回より多い 1,468 名を集客した。 ・以下の工業会と交流を行った。 米国航空宇宙工業会(AIA) 欧州航空宇宙工業会(ASD) ②ILA ベルリンエアショー(5 月) ・宇宙セミナー(プレゼン:SJAC、NEC、IHI)を行い、日本の宇宙産業を紹介した。 ・ドイツ航空宇宙工業会(BDLI)と交流を行った。 ③DLR(ドイツ宇宙機関)を団長とする独・宇宙関連企業 6 社が来日し、日本側企業が参加す るワークショップを開催した。(6 月) ④ヒューストン空港システム部長が来日し、ヒューストン・スペースポート構想に関するワー クショップを開催した。(10 月) ⑤ASA(オーストリア宇宙機関)を団長とする墺・宇宙関連企業 4 社が来日し、日本企業が参 加するワークショップを開催した。(1 月) (2)国際産業動向調査 ①航空機ファイナンス利用促進の委員会を開催し、海外動向を紹介した。 ②経済産業省主催の海外貿易会議の支援 ・航空機(2 月):米国を訪問し、主要装備品企業との情報交換などを行った。 ・宇宙(9 月):ドイツ及びトルコを訪問し、宇宙機関、宇宙産業界とのワークショップを通 じて情報交換を行った。 ③企業倫理国際フォーラム(IFBEC 第 5 回国際会議)に KHI とともに出席し、KHI はパネルデ ィスカッションに参加した。 ④モスクワでの宇宙セミナー(9 月)にて、ロシア宇宙産業の情報を収集した。 (3)海外企業との企業間マッチング 経済産業省主導によりカナダミッション(11 月)、フランスミッション(12 月)が派遣され、そ の支援を行った。 (4)防衛装備品に関する動向調査及び産業間対話 以下の各国とのイベントに参加して情報収集と意見交換を行い、防衛生産・技術基盤検討委員 会(基盤分科会)に報告した。 ・仏:経済産業省主催(SJAC 開催支援)の防衛産業ワークショップ(4 月東京) ・米:経済産業省主催(SJAC 開催支援)のワシントンセミナー、日米技術フォーラム(5 月米 国)、米国合同ミッション(11 月米国)、ノースロップ・グラマン企業説明会(3 月東 京)、NDIA(米国国防産業協会)との防衛産業間対話開催(10 月東京・12 月電話・2 月米国) ・豪:豪国防大臣と日本防衛4団体との朝食懇談会(6 月東京)、日豪防衛産業交流(2 月豪 8 州) ・英:ADS(英国航空宇宙工業会)との第 1 回防衛産業間対話開催(7 月英国) ・独:独商工会議所主催の防衛産業シンポジウム(9 月東京) (5)国際航空宇宙工業会協議会(ICCAIA) 2 回の総会(ロンドン 7 月、モントリオール 10 月)にて ICAO 支援体制の強化などを協議した。 7.広報活動の推進 内外の報道関係者・航空宇宙関係者に対し適切な対応を行うとともに、航空宇宙産業全般につ いて、次のような活動を積極的に実施した。 ①会報「航空と宇宙」を毎月発行した。 「はばたく」および「Japanese Aerospace Industries」 の内容を見直し 2014 年版を発刊した。「組織と活動」改訂版を発行した。 ②当工業会ホームページ維持改定を定期(毎月)、非定期に実施した。 アクセス件数は 6~7 万件/月であった。 ③国土交通省主催「空の日」事業に協賛した。(9 月) ④SJAC 講演会を全6回実施した。 8.国際航空宇宙展の開催準備 国際航空宇宙展(JA2016)の開催に向けて以下の準備活動を行った。 ①以下の機会や媒体を利用して広告活動及び出展勧誘活動を行った。 ・海外エアショー(5 月ベルリン、7 月ファンボロー)における海外企業への告知 ・省庁(防衛省、経産省等)、大使館、海外企業日本駐在事務所への訪問説明 ・展示会等の場における、地方自治体並びにクラスターへの PR ・雑誌広告掲載 :週間「WING」(新年特集号)、「AVIATION WEEK」(3 月) ②平成 27 年 4 月 1 日からの出展申込受付の準備を完了した。 ・出展料、入場料、出展規則を決定 ・出展案内パンフレット、申込書、及び Web 申込受付を整備 ③以下の業務を委託する支援業者との協議を進め、契約を締結した。 ・米国地区での出展勧誘 ・BtoB Meeting 企画支援 ・会期中の英字新聞発行 9.政府等からの受託を実施した業務 関係官庁、関係機関等から以下の委託を受け調査研究等を実施した。 ① 宇宙用リチウムイオン電池に関する国際標準化事業(経済産業省) ② ISO 国際標準の整備等に係る検討作業(宇宙航空研究開発機構) ③ 宇宙関連 ISO に関する IAQG の国際動向調査(宇宙航空研究開発機構) ④ 海外衛星開発動向に係るモニタリング調査(内閣府) ⑤ 宇宙機帯電電位見積りに関する標準化(経済産業省-三菱総研経由) 9 ⑥ 軽量耐熱複合材の材料試験に関する国際標準化(経済産業省) ⑦ アジア太平洋諸国との確認作業連携を通じた超小型衛星市場拡大のための国際標準活動(経 済産業省) ⑧ 民生部品の宇宙放射線試験に関する国際標準化(経済産業省-三菱総研経由) ⑨ 衛星搭載用受動系電波センサ間の校正要求事項に関する国際標準化(経済産業省-三菱総研 経由) ⑩ 宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する国際標準化フィージビリティス タディ(経済産業省-三菱総研経由) ⑪ 省エネルギー等国際標準開発(Taxi Light に関する国際標準化)(経済産業省-三菱総研経由) ⑫ 次世代航空機システムに関する技術動向調査(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)) ⑬ 戦闘機の概念設計及び3次元デジタル・モックアップの作成に関する役務(その4)(防衛 省) ⑭ 人工衛星に関する運用・技術的調査及び分析(経済産業省) ⑮ 我が国の衛生分野に係る研究開発部門・産業部門が有する技術シーズの調査(内閣府宇宙戦 略室―宇宙航空研究開発機構経由) ⑯ 「通信・放送衛星の国際競争力強化及び技術開発のあり方に関する調査研究」(総務省) 10.その他 航空宇宙産業労働組合協議会との懇談会を実施した(11 月)。 10