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Title ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析 Author 菅野, 奈々

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Title ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析 Author 菅野, 奈々
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ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析
菅野, 奈々
慶應義塾大学湘南藤沢学会
生命と情報 No.21 (2014. ) ,p.151- 158
卒業論文のテーマである「皮膚疾患と皮膚常在菌との関係解明に向けて」から,
本卒業論文ダイジェストでは, 「ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析」について述べる。ニキビ
は代表的な皮膚疾患の一つであり, 皮膚中の毛包やその脂腺部位において細菌等との相互作用によ
って引き起こされる炎症性疾患である。中でも皮膚常在菌であるPropionibacterium
acnesとの関連が以前より指摘されている。しかし, 常在しているP.
acnesの割合は健常者とニキビ患者で相違は無く,
その組成は菌株レベルで異なるという報告がある。また, P. acnesによって生成されるリパーゼは
皮膚中のトリアシルグリセロールを分解して遊離脂肪酸を産生し,
それらがニキビの炎症に関与している可能性も示唆されている。これらのことから,
ニキビは皮膚常在菌であるP. acnesと何らかの関係があると考えられるが,
病理メカニズムは未だ明らかになっていない部分も多い。そこで本研究ではまず,
ニキビと関連のある細菌同定のために, 次世代シーケンサーであるMiSeq(Illumina)を用いて,
ニキビ患者における皮膚常在菌の16S rRNA遺伝子解析を行った。東京女子医科大学の出来尾格氏
から提供されたニキビ患者8名の皮膚サンプルにおいて, ニキビ発症部位である顔面,
さらに発症部位でない頭部および臀部を解析対象とした。得られた結果から,
ニキビ発症部位とそうでない部位における細菌叢の違い, および部位ごとのP.
acnes占有率の相違などが明らかとなった。今後の展望として, 健常者の同部位と比較することで,
ニキビ患者に特異的な細菌叢を検出したり, 検出されたP. acnesのリパーゼ活性評価を行うことで,
ニキビ患者特有のP. acnes株と健常者で見られる菌株との機能面での違いを明らかにしたい。
Technical Report
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO92001004-00000021
-0151
2014 年 度 卒 業 論 文 ダ イ ジ ュ ス ト
ニキビ患者における皮膚常在菌叢解析
Skin microbiome analysis on acne patients
総 合 政 策 学 部 4年
菅 野 奈 々
要旨
卒 業 論 文 の テ ー マ で あ る 「皮 膚 疾 患 と 皮 膚 常 在 菌 と の 関 係 解 明 に 向 け て 」 か ら , 本 卒 業 論
文 ダ イ ジ ヱ ス ト で は , 「ニ キ ビ 患 者 に お け る 皮 膚 常 在 菌 叢 解 析 」 に つ い て 述 べ る . ニ キ ビ
は代表的な皮膚疾患の一つであり,皮膚中の毛包やその脂腺部位において細菌等との相互
作 用 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ る 炎 症 性 疾 患 で あ る . 中 で も 皮 膚 常 在 菌 で あ る
化
ac 肥 s と の 関 連 が 以 前 よ り 指 摘 さ れ て い る .
し か し , 常 在 し て い る P.
の割合は健常者とニキビ患者で相違は無く, その組成は菌株レベルで異なるという
報告がある.
また,
■によって生成されるリパーゼは皮膚中のトリアシルグリセロー
ルを分解して遊離脂肪酸を産生し, それらがニキビの炎症に閨与している可能性も示唆さ
れている.
これらのことから, ニ キ ビ は 皮 膚 常 在 菌 で あ る 尸 と 何 ら か の 関 係 が あ る
と 考 え ら れ る が , 病 理 メ カ ニ ズ ム は 未 だ 明 ら か に な っ て い な い 部 分 も 多 い .そ こ で 本 研 究
ではまず, ニキビと閨連のある細菌同定のために,次世代シーケンサーである
MiSeq (I llu m in a ) を 用 い て , ニ キ ビ 患 者 に お け る 皮 膚 常 在 菌 の 16S rRNA 遺 伝 子 解 析 を
行 っ た . 東 京 女 子 医 科 大 学 の 出 来 尾 格 氏 か ら 提 供 さ れ た ニ キ ビ 患 者 8名 の 皮 膚 サ ン プ ル に
おいて, ニキビ発症部位である顔面, さらに発症部位でない頭部および臀部を解析対象と
した . 得 ら れ た 結 果 か ら , ニ キ ビ 発 症 部 位 と そ う で な い 部 位 に お け る 細 菌 叢 の 違 い , およ
び 部 位 ご と の 尸 . a⑶ 以 占 有 率 の 相 違 な ど が 明 ら か と な っ た . 今 後 の 展 望 と し て , 健 常 者 の
同 部 位 と 比 較 す る こ と で , ニ キ ビ 患 者 に 特 異 的 な 細 菌 叢 を 検 出 し た り , 検 出 さ れ た /^
如 脱 9の リ パ ー ゼ 活 性 評 価 を 行 う こ と で , ニ キ ビ 患 者 特 有 の 尸 株 と 健 常 者 で 見 ら れ る
菌株との機能面での違いを明らかにしたい.
K eyw o rd s ••皮 膚 常 在 菌 , ニ キ ビ , P ropionibacten'um acnes
151
1
.
序論
1.1.皮膚常在菌とニキビについて
ヒ ト の 皮 膚 表 面 に は 多 数 の 微 生 物 が 生 息 し て お り , こ れ ら は 皮 膚 常 在 菌 と 呼 ば れ る .こ の 皮 膚 常 在
菌は,体表面の部位ごとに多様な構成を示し, これらが病原菌の増殖抑制や,皮膚タンパク質のプロ
セッシング遊離脂 肪 酸 や 皮 脂 の 生 産 を 抑 制 す る こ と で ,皮膚の健康維持やバリア機能に寄与している
と 考 え ら れ て い る ( Roth and James, 1 9 8 8 ) . こ の よ う に 皮 膚 に 有 益 な 役 割 を 有 し , 多 く の 人 に 共 通 す る
皮
膚
常
在
菌
と
し
て
e/?/ゴerw/fifoが 知 ら れ て お り , こ れ ら は 主 に 角 質 層 や 表 皮 の 上 層 な ど に
存 在 す る . 一 方 で 皮 膚 に 生 息 す る 細 菌 の 中 に は ,汾 ■ を は じ め と し た 皮 膚 バ リ ア 機 能
を 低 下 さ せ る 病 原 菌 も 存 在 す る .こ の よ う に 皮 膚 の 様 々 な 部 位 に 存 在 す る 皮 膚 常 在 菌 を 研 究 す る こ と
で, 皮 膚 の 健 康 状 態 や 疾 患 発 症 に 関 す る メ カ ニ ズ ム を 解 明 す る 手 が か り に な る 可 能 性 が 高 い .
代表的な皮膚疾患の一つにニキビがある.
嫌気性細菌である/
この P
こ れ は 皮 膚 の 毛 包 や そ の 脂 腺 部 位 で 発 症 し , グラム陽性
が深く関与していることが知られている(
T i l l が a/., 2000) .
ぬ は リ パ ー ゼ を 生 成 し , 皮 脂 中 の ト リ ア シ ル グ リ セ ロ ー ル を 分 解 す る .そ れ に よ っ て 生 じ た
遊離脂肪酸が炎症メディエー夕一として作用し, ニキビにつながるということが示唆されている
(Toyoda and Morohashi, 2 0 0 1 ) .
し か し な が ら 户
は , 皮 膚 に お い て グ リ セ ロ ー ル を 代 謝 し , プロ
ピ オ ン 酸 を 産 生 す る こ と で 病 原 菌 が 皮 膚 に 定 着 す る こ と を 防 ぐ と い う 有 益 な 役 割 も 有 し , 実 際 に 多く
の人が共通して持つ皮膚常在菌である. 近年の報告により, P
の割合で存在しているが, ニキビの有無によって定着しているP
は健常者にもニキビ患者にも同様
ぬが菌株レベルで異なることが明
らかになっている(
Fitz-Gibbon e? a/., 2 0 1 3 ) . こ れ ら の こ と か ら ニ キ ビ に お い て , 皮 膚 常 在 菌 で あ る P
acnes が 菌 株 レ ベ ル の 相 違 に よ っ て 何 ら か の 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 が 考 え ら れ る .
1.2• 只 flewぬ株とニキビとの関係
先行研究により, P
從 の 菌 株 レ ベ ル で の 違 い を 16S rRNA 遺 伝 子 配 列 の サ ブ 夕 イ プ (リ ボ 夕 イ プ )
や Multi Locus Sequence Typing (M L S T ) 法 に よ っ て 分 類 さ れ た タ イ プ 分 け の 定 義 が あ る .そ れ に よ り ニ
キビ患者に多く存在する菌株,健 常 者 に の み 存 在 す る 菌 株 な ど が あ る こ と が 明 ら か と な っ た 的 か
Gibbon ef a/., 2 0 1 3 ) . 例 え ば , 昃 の 基 準 株 で あ る KPA171202 株 は リ ボ 夕 イ プ 1 に 属 し , これはニキ
ビ の 炎 症 に 閨 係 が な い と さ れ る ■ 一 方 で , ニ キ ビ に 閨 連 す る 菌 株 の 代 表 で あ る HL096PA1株 は リ ボ タ イ
プ5 と い う 定 義 が な さ れ て い る .
づく分類法においては, P
ま た , MLST 法 に よ る 複 数 の ハ ウ ス キ ー ピ ン グ 遺 伝 子 の 塩 基 配 列 に 基
が 8種 の タ イ プ (
IA-1 ,IA-2, ro-1, IB-2, IB-3, 1C, II,III) に 分 け ら れ て い
る (
Tom ida が a/.,2 〇13) . IA-1, IA-2, IB-1,ffi-2 は ニ キ ビ 患 者 に 多 く 見 ら れ る 夕 イ プ で あ り , 一 方 で IB-3
とII は ニ キ ビ に 関 係 が な い と 言 わ れ て い る . 先 述 の よ う に , P.
似はリパーゼを生成してトリアシルグ
リ セ ロ ー ル を 分 解 す る こ と で 炎 症 を 引 き 起 こ す と の 報 告 も あ る が , IB -3 とII に お い て は ト リ ア シ ル グリ
セロー ル リ パ ー ゼ 遺 伝 子 の プ ロ モ ー タ ー 領 域 の 欠 損 や ,遺伝子領域中の丨塩基欠損によるフレームシフ
トが起きており(
Tom ida が < 2 0 1 3 ) , 実 験 的 に も こ れ ら の 菌 株 で は リ パ ー ゼ 活 性 が 低 い こ と が 証 明 さ
れている(
M cD ow ell が a/.,2008)
. これらの知見より,A
の ト リ ア シ ル グリセロールリパーゼ遺
伝子が生成するリパーゼがニキビに関与している可能性が高いと考えられる.
1.3.本研究の目的
前項までに示した知見から,ニ キ ビ は 户 沉 を は じ め と す る 皮 膚 常 在 菌 と 何 ら か の 関 係 が あ る と 考
え ら れ る が , 病 理 メ カ ニ ズ ム や , 細 菌 と 皮 膚 と の 相 互 作 用 に つ い て , 未 だ 明 ら か に な っ て い な い 部分も
多い.
そ こ で 本 研 究 で は ま ず ; ニ キ ビ 患 者 に お け る 皮 膚 常 在 菌 の 16S rRNA 遺 伝 子 解 析 を 行 っ た . ニ キ
ビ 発 症 部 位 と そ う で な い部位における細菌叢の比較, お よ び 部 位 ご と に お け る /^■ の 分 布 の 相 違 な
どを明らかにすることで, ニキビと関連のある細菌同定を試みることとした.
152
さらに,今後は健常者
の同部位と比較することで,ニキビ患者に特異的な細菌叢の検出や,菌株レベルの細菌の同定が期待
できる.
また, P
が 生 成 す る リ パ ー ゼ が ニ キ ビ の 炎 症 を 引 き 起 こ す 可 能 性 が あ る こ と か ら , ニキ
ビ患者特有の/
^
法 と し て /:
の 除 菌 な ど も 検 討 さ れ て き た が , 尸 ao ies は 上 述 の よ う に 有 益 な 面 も 持 つ こ と か ら , 単
にニキビ患者からA
株 と 健 常 者 で 見 ら れ る 菌 株 と で リ パ ー ゼ 活 性 評 価 試 験 を し た い .こ れ ま で に 治 療
似を排除することが適切な治療法とは言えない. そこで本研究では, ニキビ患
者 固 有 の 尸 ぬ が 有 す る リ パ ー ゼ 活 性 を 低 下 さ せ , そ の 菌 株 を 患 者 本 人 に 塗 布 す る こ と で , ニキビの
炎 症 に 間 与 し な い 尸 acwes を 定 着 さ せ る こ と を 試 み , 最 終 的 に 患 者 本 人 に 塗 布 す る こ と で , ニ キ ビ 治
療 • 予防に用いる新規医療基盤の創出を目指す.
2.
対象と手法
2 . 1 . ニキビ患者の皮膚常在菌DNA抽出
ニ キ ビ 患 者 の 皮 膚 常 在 菌 に お け る 16S rRNA 遺 伝 子 解 析 を 行 う に あ た り , サ ン プ ル は 東 京 女 子 医 科 大
学 の 出 来 尾 格 氏 か ら 提 供 さ れ た . 8人 の ニ キ ビ 患 者 に お い て , ニ キ ビ 発 症 部 位 で あ る 顔 面 , さ ら に 発 症
部 位 で な い 頭 部 お よ び 臀 部 を 解 析 対 象 と し た . 4 0 0 此 〜 3 m L の TE10 ( 1 mM Tris-HCl pH 8.0, 0.5 mM
K)TA pH 8 . 0 ) に 各 部 位 を 30 秒 こ す っ た 綿 棒 を 浸 し , -80°Cで 冷 凍 保 存 さ れ た サ ン プ ル か ら , DNA 抽 出
を 行 っ た . 5 0 0 叫 に 満 た な い サ ン プ ル に お い て は , 予 め 5 0 0 叫 に な る よ う に TE10 を 加 え て 調 整 し た .
2 5 叫 の Lysozyme (300 m g /m L ) を 加 え , チ ュ ー ブ を ロ ー テ ー シ ョ ン し な が ら 37°Cで ー 晚 イ ン キ ュ ベ ー
トした . さ ら に , 15 |iL の Achromopeptidase (20,000 u n its /m L ) を 加 え , 37°Cで 8 時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し
た 後 , 5 0 叫 の 10% SDS (pH 7 . 2 ) とProteinase K (25 m g /m L ) を 1 5 叫 加 え , ヒ ー ト ブ ロ ッ ク を 用 い て
55°Cで ー 晚 イ ン キ ュ ベ ー ト し た . 600
の Phenol Chloroform Isoamylalcoholを 加 え , Micro Shakerを用い
て 1,500 rpm/3 min 攪 拌 し た .1 7 ,8 0 0 x g /i 〇 min/20°Cで 遠 心 し , 上 清 に 再 度 600 叫 の Phenol Chloroform
13〇311^1也〇11〇丨を加え, ]^(:
1'〇811〇1^1'を用いて1,
50011)111/3111丨 11攪 拌 し た .同 条 件 で 遠 心 し , 上 清 に 6 0 叫 の
3M Sodium Acetate (pH 5 . 2 ) を 加 え よ く 混 合 し た . そ の 後 , 1.2 mL の 100% Ethanol (-30°C に 冷 却 し た も
の ) を 加 え , ボ ル テ ッ ク ス で よ く 混 合 し , -80°C で 1時 間 冷 却 し た . 再 び 同 条 件 で 遠 心 し た 後 , 70%
Ethanolを 500 pL 加 え , さ ら に 同 条 件 で 5分 間 遠 心 し た . 減 圧 乾 燥 器 で 残 留 す る Ethanolを 除 去 し た 後 , 50
卟
の lxTE Bufferを 加 え , Micro Shakerを 用 い て 1,500 rpm/30 min で 攪 拌 し , DNA を 溶 解 し た . 本 研 究 で
使用したサンプノレリストを以下に示す(
表 1 ) . 被 験 者 2 , 3 , 5, 6, 8番 に お い て は ニ キ ビ 部 位 の 膿 の サ
ン プ ル が 提 供 さ れ た た め , 同 様 に DNA 抽 出 を 行 っ た .
さ ら に , こ の 手 法 を 用 い た DNA 抽 出 法 に よ っ て
抽 出 さ れ て し ま う , 環 境 由 来 の DNA を ネ ガ テ ィ ブ コ ン ト ロ ー ル (
N C ) と し て 使 用 す る た め , サンプノレ
の 代 わ り に 5 0 0 叫 の TE10 か ら 同 様 の 手 順 で DNA 抽 出 操 作 を 行 っ た .
表 1 : 16SrRNA 遺 伝 子 解 析 に 用 い た ニ キ ビ 患 者 の サ ン プ ル リ ス ト
被験者番号
頭 部 (
A)
顔 面 (
B)
臀 部 (
C)
膿 (
D)
※ニキビ発症部位
1
2
3
4
5
6
7
8
1A
2A
3A
4A
5A
6A
7A
8A
1B
2B
3B
4B
5B
6B
7B
8B
153
1C
2C
3C
4C
5C
6C
7C
8C
—
2D
3D
—
5D
6D
—
8D
2 . 2 . 16S rRNA遺伝子増幅およびIndex PCR
皮 膚 サ ン プ ル か ら バ ク テ リ ア の 16S rRNA 遺 伝 子 を 増 幅 す る た め に , D N A 抽 出 に よ っ て 得 ら れ た 細 菌
のゲノム D N A を テ ン プ レ ー ト と し て P C R を 行 っ た . 増 幅 に 用 い た プ ラ イ マ ー は , ノぺ'クテリア特異的な
ユ ニ バ ー サ ル プ ラ イ マ ー で あ る 2 7 F _m od
(5'-A G R G T T T G A T C M T G G C T C A G -3 ,
)
b33SR
(5 '-
(Hongoh が “/.,2008) で, ポリ メ ラ ー ゼ は Tks Gflex (TaKaRa)を用い
TGCTGCCTCCCGTAGGAGT -3')
た . P C R 条 件 は , 初 期 変 性 反 応 を 9 4 T で 5 分 間 , そ の 後 98°C を 1 0 秒 間 , 55°C を 15秒 間 , 6 8 °C を 3分
間 の 3 ス テ ッ プ を , 2 5 ま た は 28 サ イ ク ル 行 い , 最 終 伸 張 反 応 を 68°C で 3分 間 行 っ た . サ イ ク ル 数 は 事 前
にqPC R を 行 い , サ ン プ ル ご と に 最 適 値 を 推 定 し た . P C R 後 の 残 留 プ ラ イ マ ー を 取 り 除 く た め ,
Agencourt AMPure X P を 用 い て 精 製 し た . そ の 後 , Picogreen を 用 い て P C R 産 物 の 濃 度 を 定 量 し , さら
に 2% ア ガ ロ ー ス ゲ ル 電 気 泳 動 を 行 い , 目 的 の 長 さ の 塩 基 対 が 増 幅 さ れ て い る こ と を 確 か め た . こ こ ま
で 得 ら れ た 結 果 よ り PCR 産 物 の 体 積 モ ル 濃 度 を 算 出 し , 次 ス テ ッ プ の PCR に お い て , テ ン プ レ ー ト DNA
の 終 濃 度 が 0.25 nM に な る よ う 各 サ ン プ ル を 希 釈 し 調 整 し た . 次 ス テ ッ プ で は , MiSeq (Illumina ) を用
い た シ ー ケ ン ス に 必 要 な ア ダ プ タ ー 配 列 お よ び サ ン プ ル 識 別 の た め の Index 配 列 を 付 加 す る た め の 2nd
PCR
(Index
P C R ) を 行 っ た . 増 幅 に 用 い た プ ラ イ マ ー は F o r w a r d プ ラ イ マ ー (5 , -
A A T G A T A C G G C G A C C A C C G A G A T C T A C A C - N N N N N N N N T A T G G T A A T T G T A G R G T T T G A T Y M T G G C T C A G - 3 ' ) , R e v e r s e プ ラ イ マ ー (5 , CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT-NNNNNNNN-AGTCAGTCAGCCTGCTGCCTCCCGTAGGAGT-3')
( プ ラ イ マ ー 中 央 の 8塩 基 が Index を 表 す . こ れ は サ ン プ ル ご と に 異 な る 塩 基 配 列 と な る ) で , ポリメ
ラ ー ゼ は Tks Gflex (TaKaRa)を 用 い た . PCR 条 件 は , 初 期 変 性 反 応 を 98°C で 1分 間 , そ の 後 98°C で 10秒
間 , 55°C を 15秒 間 , 68°C を 30 秒 間 の 3 ス テ ッ プ を 8 サ イ ク ル の み 行 い , 最 終 伸 長 反 応 を 68°C で 3 分 間 行 っ
た 後 , 再 び Agecourt AMPure X P を 用 い て 精 製 し た . そ の 後 , Index PCR 時 に 付 加 し た ア ダ プ タ ー 配 列 の
末端付近に設計したプライマー(
Forward プ ラ イ マ ー :5’-GCGACCACCGAGATCTACAC-3', Reverse プ
ラ イ マ ー :5 ,
-CAAG CA GAAGA CG GCATAC-3') を 使 用 し て qPCR を 行 っ た .
この際, 濃度が既知であ
り, 両 末 端 に 同 様 の ア ダ プ タ ー が 付 加 さ れ て い る DNA (PhiX C ontrolv3 (Illu m in a)) を 用 い る こ と で ,
Index PCR 産 物 の 絶 対 定 量 を 行 っ た .
2.3. MiSeqによるシーケンスラン
M iSeq に よ る シ ー ケ ン ス の た め , 濃 度 定 量 済 み サ ン プ ル の ラ イ ブ ラ リ ー 調 製 を 行 っ た .各 サ ン プ ル を
4 nM に 希 釈 し た ラ イ ブ ラ リ ー 溶 液 を 5 叫 ず つ 取 り 出 し , 新 し い チ ュ ー ブ 中 で 混 合 し , そ の う ち の 5 [iL
に 0.2 N NaOH を 5 叫 加 え , 室 温 で 5分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト す る こ と で , ラ イ ブ ラ リ ー を 一 本 鎖 に 変 性 さ せ
た . 変 性 後 の ラ イ ブ ラ リ ー 溶 液 に , 水 冷 し た H T 1 b u ffe r (Illu m in a ) を 9 9 0 叫 加 え た .
こ の 溶 液 を HT1
bufferで さ ら に 6 pM に な る よ う に 希 釈 し , ラ イ ブ ラ リ ー 溶 液 570 p L と, 同 様 の 手 順 で 作 製 し た コ ン ト
ロ ー ル DNA で あ る PhiXDNA (6pM ) 3 0 叫 を 混 合 し , 96°C で 2 分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し 熱 変 性 し た . そ の
後 , 水 上 で 5分 間 静 置 し , 6001liL 全 量 を MiSeq に よ る シ ー ケ ン ス 解 析 に 用 い た .
2.4. QIIMEによる解析
M iSeq に よ る シ ー ケ ン ス 解 析 に よ っ て 得 ら れ た デ ー タ を , 次 世 代 シ ー ケ ン サ ー デ ー タ の 解 析 ソ フ ト
ウ ェ ア で あ る QIIME (Quantitative Insight Into Microbial Ecology) を 用 い て 解 析 を 行 っ た .解 析 を 行 う に
あ た り , シ ー ケ ン サ ー で あ る M iSeq か ら 得 ら れ た デ ー タ を QIIM E で 解 析 可 能 な fasta 形 式 に 変 換 を 行 っ
た . そ の 際 , 本 研 究 で は ペ ア エ ン ド に よ る シ ー ケ ン ス を 行 っ て い る た め , R e a d 1配 列 と Read 2 配 列 を ア
セ ン ブ ル し , Q value の 平 均 値 が 2 5 以 下 の リ ー ド は 解 析 か ら 除 去 し た .
い , QIIME に よ る 解 析 を 行 っ た .
この fasta形 式 の フ ァ イ ル を 用
ま ず 得 ら れ た サ ン プ ル の 遺 伝 子 配 列 の う ち , 相 同 性 が 97% 以 上 の も の
で Operational Taxonomic Units ( O T U ) を 作 成 し , RDP (Ribosomal Database Project) の デ ータべースと
比較することで各O T U の近縁種の推定を行った.
さ ら に , O T U の 情 報 を 用 い て サ ン プ ル 間 の UniFrac
distance を 計 算 し , 主 座 標 分 析 を 行 っ た .
154
3.
結果と蠢論
3.1. UniFrac解析による主座標分析
MiSeq に よ る 細 菌 叢 解 析 の 結 果 , N C を 含 む 全 29 サ ン プ ル か ら 平 均 で 76,756 リ ー ド の 塩 基 配 列 が 得 ら れ
た.
こ れ ら の 塩 基 配 列 か ら QIIME に よ っ て OTU を 構 築 し , 最 も 近 縁 な 細 菌 群 を 特 定 し た . そ こ で , 皮膚
の 部 位 ご と , さ ら に 被 験 者 ご と の 細 菌 叢 の 関 係 を 視 覚 化 す る た め に , PCoA (Principal
Coordinate
A n aly sis: 主 座 標 分 析 ) を 行 っ た . PCoA は, 細 菌 叢 の 違 い を 数 値 化 し た UniFrac distance と い う 距 離 情 報
に 基 づ い て 実 施 し た . 細 菌 の 種 類 お よ び 各 細 菌 の 存 在 比 を 考 慮 し た Weighted UniFrac distance , お よ び 細
菌 の 種 類 の み を 考 慮 し た Unweighted UniFrac distance を 用 い た PCoA の 結 果 を 示 す (
図 1) . 皮 膚 に お い
て, 細 菌 叢 は 同 一 個 人 の 異 な る 部 位 よ り も , 異 な る 人 の 同 一 部 位 の 方 が 似 て い る こ と が 知 ら れ て い る
が (
G r ic e が a/., 2009) , 本 研 究 に お い て も 被 験 者 ご と に ク ラ ス タ 一 は 形 成 さ れ ず (図 1B) , 部位ごと
にクラスターを形成していることがわかる(
図1A).
A
Weiglited
ynwtlghted
_ 纖 _
麵_臀驪
%re 2
•~-
sci pm}
Weighted
ynweighled
B
1 翁
、
4
t
2
%
%
^ 0
似
麵
I麵 i
m!
珍屬 I
図 1 : UniFrac解 析 に よ る PCoA
各サンプルにおいて,W eighted およびU n w eigh ted
UniFrac 解析を行った際のP C o A の結果を示す.
(
A )各部位ごとに色分け
を行った際のP C oA 結果. 色は各部位を表す. (
B ) サンプルの被験者番号ごとに色分けを行った際のP C oA 結果。色は各被
験者の番号を表す.
155
3.2. 菌属レベルにおける細菌叢解析
UniFrac解 析 に よ っ て , 各 被 験 者 よ り も 各 部 位 の 細 菌 叢 組 成 が 似 て い る こ と が 示 唆 さ れ た (図 1) . そ
こ で 次 に , サ ン プ ル ご と に 菌 属 レ ベ ル で の 細 菌 叢 の 内 訳 を 示 し た (図 2 A ) . 菌 属 レ ベ ル に お い て , 全
体 的 に 多 く の 割 合 を 占 め る 菌 属 の う ち ,/
た.
属 や / ^ / がow_a属 は N C に お い て も 高 い 割 合 を 示 し
?
これらは広く存在している環境由来の細菌叢であると考えられる.
さ ら に , 被 験 者 1 ( 1A , 1B,
1 C ) は他サンプノレと異なり, 皮 膚 を こ す っ た 綿 棒 を TE10 に 浸 し た も の を 50 倍 希 釈 さ れ た 状 態 で 提 供 さ
れ た た め , 皮 膚 由 来 か ら 抽 出 さ れ た DNA 濃 度 が 低 か っ た 可 能 性 が あ り , そ の た め N C と 似 た 組 成 に な っ
て い る も の と 考 え ら れ る . 一 方 で , 2番 目 以 降 の 被 験 者 に お い て は /
の害』
合 が 多 く , 8D に お い て は 90% 以 上 を /
•
みacfeWt/w属 や 汾 a/?ァ ■ 属
•
ぬ 属 が 占 め て い る .
こ れ ら の よ う に , NC サ ン プ ル に お い て 検 出 さ れ た 菌 属 の 一 部 は 検 体 サ ン プ ル か ら も 検 出 さ れ た . そ
こで, 環 境 由 来 の DNA の 影 響 を 除 去 す る た め , PCR の サ イ ク ル 数 が N C と 異 な る サ ン プ ル に つ い て は ,
各菌属に対して「
NC で 検 出 さ れ た 割 合 / "2A (N C と サ ン プ ル の サ イ ク ル 数 の 差 ) * 」 を 差 し 引 い た . こ の
よ う に 処 理 を 施 し た 後 の 細 菌 叢 組 成 を 菌 属 レ ベ ル で 示 し た (図 2 B ) . 環 境 由 来 の D N A と 考 え ら れ る
R e n i b a c te r iu m
属や R a i s t o n i a 属などが餘去され,各サンプルはそれそれ P r o p i o n i b a c t e r i u m 属や
Staphylococcu s: 属,C o ry n e b a c te riu m 属が優位を占めている.
90% 以 上 を 占 め て い る が , ほ ぼ 全 て が P.
まナこP ro p io n ib a c te riu m 属は,2 B ,8 A ,沿)の
で あ っ た . 被 験 者 1番 目 の 細 菌 叢 組 成 か ら 明 ら か な よ う
に, 皮 膚 サ ン プ ル に お い て 得 ら れ る 細 菌 DNA の 濃 度 は 低 く , 環 境 由 来 の DNA の 影 響 を 大 き く 受 け る た
め , サ ン プ ル を 希 釈 す る こ と な く DNA 抽 出 に 用 い る こ と が 望 ま し い と 考 え ら れ る . ま た 先 述 し た よ う
に, ニ キ ビ の 発 症 に お い て は 户 acwesが 何 ら か の 影 響 を 与 え て い る と 考 え ら れ て い る が , 被 験 者 に お い
てニキビ部位である顔面(
サンプルB ) とニキビ部位でない頭部,膿 (
サ ン プ ル A ,D ) に お け る ぬ
の存在比に有意差はなく
(
図 3 ) , 本 研 究 で は 119の OTU が 検 出 さ れ た . し か し な が ら 同 部 位 に お い て
もその存在比にかなりのばらつきが見受けられる.
ル で , 共 通 し た 一 "5 の OTU が 優 位 で あ っ た .
ま た , 尸 が 検 出 さ れ た 26 サ ン プ ル 中 21 サ ン プ
これらは,健 常 者 も 含 め 多 く の 人 に 存 在 す る ニ キ ビ に 関
連 の な い 户 am m で あ る 可 能 性 が 考 え ら れ た た め , 今 後 は 健 常 者 の 同 部 位 と 比 較 し た い .
プル 2B に お い て は 90 もの OTU が 検 出 さ れ た .
おいては,泣
⑶
さ ら に , サン
ま た 被 験 者 3や 6 の ニ キ ビ 部 位 で あ る 顔 面 (
サ ン プ ル B) に
s属 の 方 が 優 勢 を 占 め る な ど , そ の 他 の 細 菌 種 が 病 変 部 に 閨 与 し て い る 可 能 性
も 不 唆 さ れ る . 一 方 で 臀 部 (サ ン プ ル C ) に お い て は /
属の害 J合 が 全 体 的 に 低 く (図
3 ) , こ の 部 位 に お い て は , 低 脂 質 で あ る た め 尸 沉 《似 が 存 在 し に く い と 考 え ら れ る . ニ キ ビ の 膿 (サン
プル D ) に 閨 し て も , 比 較 的 户
り, 一 様 に は 言 え な い .
の 割 合 が 大 き い が , 3D の よ う に 他 の 菌 属 で 占 め ら れ る も の も あ
さらに総合的にP
の存在比が大きかったのはニキビ部位でない頭部(
サ
ンプル A ) で あ り , こ れ は ニ キ ビ 患 者 特 有 の 現 象 で あ る か , 健 常 者 の 頭 部 と の 比 較 が 望 ま れ る .
156
A
趣^ ^ ^
嫌
场
s類 、
謂
>
B
図2 : 菌 属 レ ベ ル に よ る サ ン プ ル ご と の 細 菌 叢 の 割 合
棒グラフの下の英数字はサンプル番号を示す(
表 1参照) . (
A)検出された 308属のうち,皮膚常在菌, もしくは環境中に
広く生息すると知られて い る 細菌を任意に 8種類抜粋し, その内訳を示した . その他は Othersとしてまとめた . (
B)各サン
プルよりNCで検出された菌属の割合 * を差し引き, マ イ ナ ス の 値になった菌属においては〇に変換し,(
A)同様,任意に 5
種類の内訳を示した.*本文参照
»«»»
S0
0
顔面
_
議
_
図 3 :各 部 位 に お け る P
の割合
各部位(
顔面,頭部,臀部,膿 ) における P.acn四が占める割合に関して顔面をコントロールとし,他の群と/^⑶が占有
率に差があるか示すため,多群検定を行った . S .D .: 標準偏差,平均士S . D . (顔面,頭部,臀部 : n = 8 , 膿 : n = 5 ) ,*ゴ <
0.05, n.s.: not significant (Dunnett's t e s t ) .
157
まとめと展望
4.
本 研 究 で は , ニ キ ビ 患 者 8人 に お け る 病 変 部 位 , お よ び そ の 他 の 部 位 の 細 菌 叢 解 析 を 行 い , そ れ ぞ れ
の 細 菌 組 成 を 考 察 し た . 本研究では尸 .
の 菌 株 レ ベ ル の 相 違 に 閨 し て , 全 29 サ ン プ ル 中 26 サ ン プ ル
か ら 合 計 で 119の OTU が 得 ら れ た . そ の う ち 21 サンプノレで得られた尸 .
れ , この OTU は 健 常 者 に も 存 在 し て い る 可 能 性 が 高 い . P
の あ る 1種 の OTU が 検 出 さ
acwexに お い て 非 常 に 様 々 な 種 類 の 菌 株 が 存
在しており, ニキビに影響を与えない菌株,影響を与える菌株それぞれの役割を各々の菌株が有してい
ると考えられるため,展望として, これらのゲノムレベルでの相違に基づく機能面での違いを同定した
り, タ ン デ ム リ ピ ー ト 配 列 を と る リ パ ー ゼ 遺 伝 子 の 塩 基 配 列 を , 健 常 者 か ら の デ 一 夕 も 取 得 し 比 較 す る
ことで, ニ キ ビ 患 者 特 有 の P
キビ患者特有のP
株を特定していきたい.
さらに, リパーゼ活性評価試験を行い, ニ
⑵株と健常者で見られる菌株とで比較をしたい.
謝辞
本 研 究 を 行 う に あ た り ,研 究 の 進 め 方 等 の 全 面 的 な 指 導 を し て い た だ い た 村 上 慎 之 介 さ ん , 石井千 晴 さ ん
には大変お世話になりました.
ま た 同 じ グ ル ー プ の 吉 川 実 亜 さ ん , 引 地 志 織 さ ん に は ,後 輩 な が ら 研 究 の 相
談 に 乗 っ て も ら う な ど 助 け て い た だ き ま し た . そ し て 研 究 の 方 針 な ど ,様 々 指 導 を し て い た だ い た 福 田 真 嗣
特 任 准 教 授 , さ ら に サ ン プ ル の 提 供 に 協 力 し て く だ さ っ た 東 京 女 子 医 科 大 学 の 出 来 尾 格 先 生 , および研究に
携 わ っ て い た だ い た 皆 様 に 深 く 感 謝 い た し ま す . また, こ の よ う な 素 晴 ら し い 研 究 の 場 を 与 え て く だ さ っ た
冨田勝教授にこの場を借りて厚くお礼申し上げます.
参考文献
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