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河川水辺の国勢調査結果を利用した魚類および 底生動物の水温・水質へ

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河川水辺の国勢調査結果を利用した魚類および 底生動物の水温・水質へ
河川技術論文集,第17巻,2011年7月
論文
河川水辺の国勢調査結果を利用した魚類および
底生動物の水温・水質への依存性評価
AN ASSESSMENT OF THE DEPENDENCY OF FISH AND AQUATIC
INVERTEBRATES ON WATER QUALITY USING THE NATIONAL SURVEY
FOR RIVER AND RIPERIAN ENVIRONMENT
天野
邦彦1・望月
貴文2
Kunihiko AMANO and Takafumi MOCHIZUKI
1正会員
2正会員
博(工)
工修
国土技術政策総合研究所 環境研究部
(〒305-0804 つくば市旭一番地)
国土技術政策総合研究所
環境研究部
河川環境研究室
河川環境研究室
室長
研究官(同上)
We have analyzed the dependency of fish and aquatic invertebrates on temperature and several water quality
indices using the national survey for river and riparian environment. Several species were selected and their living
places have been located. Water temperature, pH, dissolved oxygen, BOD, COD, and suspended solids have been
statistically analyzed to see their distribution among above mentioned locations.
Generalist species showed no dependency on water quality within observed variation. However, five cold water
fish species showed their dependency on cold water of which annual mean maximum temperature does not exceed 26
C. Climate change, which is considered to increase atmospheric temperature may increase water temperature. It was
assessed that if the water temperature rise by 1 C throughout Japan, cold water fish habitat will be reduced by 9%.
Key Words : Aquatic species, water quality, temperature, and assessment
息との関連性を明らかにすることを目的とした.
河川の環境要素が水生生物の生息に与える影響を評価
しようとする場合,対象とする環境要素を還元的に取り
上げ,この環境要素の条件を系統的に変化させた実験が
河川域に生息する魚類や底生動物の生息場所は,河川
可能であれば,このような実験は影響評価の有力な手段
の種々の環境要素によって規定されていると考えられる
1-3)
.彼らの生息場所を強く規定する環境要素としては, となり得る.実際,水温や水質に関する水生生物の耐性
河川水量,水温を含む水質,河床材料,河川形状,他の
に関する実験は水産対象種を中心に従来数多く実施され
生物との相互関係など種々のものが想定される4-6).ま
てきており,相当な知見が得られてきている5).しかし,
た通常の河川では,これらの環境要素同士も相互関係を
要素還元的な影響評価は,他の要素の影響を排除するの
有している.このように魚類や底生動物といった水生生
が困難な事もあり,本質でない間接的な疑似相関に惑わ
物と河川域の環境要素は複雑な関係を持っており,個別
されたりする可能性も否めず,その解釈には細心の注意
の環境要素が水生生物に与える影響を評価することはた
が必要である.
やすいことではない.しかし,すでに人為的影響を強く
今回の検討においては,水生生物種の存在可能な環境
受けている上に,今後も気候変動による影響が予測され
を水温・水質の観点で評価するために,実河川において,
たり人為的影響も継続される日本の河川においては,上
ある水生生物種の存在が確認された地点における水温・
記のような河川の環境要素が水生生物の生息とどのよう
水質特性を解析することで,その水生生物種の生息可能
な関連を有しているかについての知見を得ることができ
範囲を推定することを試みた.この様な解析を実施する
れば,水生生物の生息環境保全に有効な河川管理や影響
ことで上述の実験的アプローチとは異なり,生息のため
緩和措置の立案に役立つと考えられる.
の水温・水質に関する必要条件の絞り込みを行うことに
このような視点に立ち,本研究は,河川の環境要素の
なる.この方法を用いて種々の環境下において取得され
うち,水温を含む水質に着目し,魚類及び底生動物の生
た大量のデータを一度に解析することで,検討対象とす
1.はじめに
る環境要素以外の影響を含みつつも,大量データの持つ
ランダム性によりこの影響を極力排除することを期待し
た.
そこで,全国109一級水系を対象に水質データ,河川
水辺の国勢調査データを整理し,全国の最も多くの河川
で確認された魚類5種,底生動物5種,狭温性の冷水魚等
6種,主要な目に属する底生動物9種に関して,その生息
における水温・水質への依存性について検討を行った.
2.方法
全国109一級水系を対象に水質データ,河川水辺の国
勢調査データを整理し,全国の最も多くの河川で確認さ
れた魚類5種,底生動物5種,狭温性の冷水魚等6種,主
要な目に属する底生動物9種について,これらの種が確
認された地点における水温・水質(水素イオン濃度(以
下pH), 溶存酸素濃度(以下DO), 生化学的酸素要求
量(以下BOD), 化学的酸素要求量(以下COD), 懸濁
物質濃度(以下SS))の分布をとりまとめた.また水
温・水質に関しては,全国の全測定データを対象にその
分布を整理し,上記の個々の生物種の確認地点における
分布と比較することで,個々の生物種の水温・水質への
依存性について検討を行った.
今回の検討では,気候変動による水生生物への影響評
価も考慮し,水質の中でも特に水温に注目した解析を
行った.魚類や河川の底生動物は,変温動物であり,そ
の体温は水温に応じて変化する.従って水温は彼らの全
生活史における代謝速度を支配し,種々の生理生態に大
きな影響を及ぼしている5)ことから,水質の中でも魚類
や河川の底生動物の生息に与える影響が大きいと考えら
れる.以下に,データ整理および解析方法を示す.
(1) 整理・解析対象データベース
整理・解析対象としたのは,全国の公共用水域で測定
されている水質データ(国立環境研究所「環境数値デー
タベース」公共用水域水質検体値データファイル)と河
川水辺の国勢調査データ(国土交通省)の2種類のデー
タベースである.
これら2種類のデータベースを比較し,河川水辺の国
勢調査が実施されている地点から距離が2km未満であり
かつ同一の河川内であるという条件で公共用水域水質測
定地点を探索し,この条件を満たす公共用水域水質測定
地点が存在すれば,この河川水辺国勢調査地点と上記条
件を満たした公共用水域水質測定地点とを組み合わせて
関連づける様に抽出した.
本稿では使用しなかったが,調査地点の抽出では,同
時に流量観測所も2km未満に存在する条件を付加してい
るため,結果として全国で94カ所の地点を解析対象とし
て選定した(図-1).
●抽出した生物生息環境解析対象調査地点
●全ての水温観測地点
図-1 生物生息環境解析対象調査地点と水温調査地点
(2) 水温を含む水質データの整理
国立環境研究所「環境数値データベース」公共用水域
水質検体値データファイルから上記(1)の基準で抽出し
た地点について水温・水質(pH, DO, BOD, COD, SS)
データを整理した.対象とした期間は昭和56~平成19年
度である.
(3) 河川水辺の国勢調査データの整理
国土交通省により実施された河川水辺の国勢調査(魚
類,底生動物)について,第1~3巡調査の結果を整理し
た(対象河川数は132).これらの調査が行われた期間
は平成元~20年である.平成22年時点における最新の生
物リストを見ると,魚類に関しては729タクサ,底生動
物については4720タクサに分類されている.これらの中
から,まず広域に分布する種として,魚類・底生動物と
も,最も多くの河川で確認された上位5種を抽出した.
また,狭温性の冷水魚として5種(ナマズ目のアカザ,
カサゴ目のカジカ,サケ目のニッコウイワナ,ヤマメ,
アマゴ),南方系の外来種として1種(カダヤシ),底
生動物の主要な目(カゲロウ目,トビケラ目,エビ目)
でかつ種が特定されている9種(シロハラコカゲロウ,
チラカゲロウ,フタバコカゲロウ,ニンギョウトビケラ,
ムナグロナガレトビケラ,ヤマナカナガレトビケラ,ス
ジエビ,モクズガニ,ミナミヌマエビ)を選定した.
(4) 選定した水生生物の水温・水質への依存性検討
上記(3)で述べた上位5種として抽出された魚類及び底
生動物(計10種)と上記15種を合わせた25種の生物につ
いて,それぞれ確認された地点に対応する公共用水域水
質測定地点における水質への依存性について解析を行っ
た.方法としては,まず水温・水質について全ての観測
値を頻度図化すると共に,各生物種が確認された地点に
おける水温・水質の頻度図をこれに重ね合わせて,差異
が認められるかについて確認を行った.
0.06
水温ヒストグラム(全国の全地点、期間:S56~H19)
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
0.50
39-40
37-38
35-36
33-34
31-32
29-30
27-28
25-26
23-24
21-22
19-20
17-18
15-16
13-14
11-12
7-8
9-10
5-6
3-4
1-2
-1-0
-3- -2
- -4
0.00
水温(℃)
pHヒストグラム
0.40
相対度数
(5) 水温上昇による簡易影響評価
気候変動により予想されている気温上昇により河川水
温も上昇するという仮定の基に,上記(2)で整理した
水温データの空間分布の変化を求め,これによる狭温性
の冷水魚への影響について検討を行った.
0.30
0.20
0.10
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
9.0-9.5
9.5-10.0
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
10.0-10.5
pH
18.5-19.0
18.0-18.5
17.5-18.0
17.0-17.5
16.5-17.0
16.0-16.5
15.5-16.0
15.0-15.5
14.5-15.0
14.0-14.5
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
9.5-10
10.0-10.5
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
DOヒストグラム
4.5-5.0
0.30
0.25
0.20
0.15
0.10
0.05
0.00
0.40
DO(mg/l)
BODヒストグラム
相対度数
0.30
0.20
0.10
9.5-10.0
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
0.0-0.5
0.00
BOD(mg/l)
0.12
CODヒストグラム
相対度数
0.10
0.08
0.06
0.04
0.02
9.5-10.0
10-
950.-100.0
100.0-
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
0.0-0.5
0.00
COD(mg/l)
0.50
SSヒストグラム
0.40
0.30
0.20
0.10
90.0-95.0
85.0-90.0
80.0-85.0
75.0-80.0
70.0-75.0
65.0-70.0
60.0-65.0
55.0-60.0
50.0-55.0
45.0-50.0
40.0-45.0
35.0-40.0
30.0-35.0
25.0-30.0
20.0-25.0
15.0-20.0
10.0-15.0
0.0-5.0
0.00
5.0-10.0
相対度数
(1) 水質データ整理結果
水温・水質(pH, DO, BOD, COD, SS)の全国全地点全
期間における測定値の頻度図を図-2に示す.水質項目
毎に頻度分布の形状が異なっていることが分かる.
a) 水温
水温は,10℃前後と20℃前後に2つのピークを有する
双こぶの分布形状を示した.13℃付近の水温帯で頻度が
低くなるのは,地方別に見ても北海道を除く各地方で共
通に見られる傾向であった.この理由としては,春から
夏への昇温期,秋から冬にかけての降温期にかけて計測
される水温帯である13℃付近の水温を示す時期が期間的
に短いことによると考えられる.
b) pH
pHはほとんどが中性を示す7から8の間の値を取った.
酸性河川における測定値と考えられるpHが6以下の値は
全体の0.3%程度の頻度でしか存在しない.pHが9を超え
るのは,富栄養化した湖沼や貯水池において植物プラン
クトンの光合成に伴って計測されることがしばしばある
ものの,河川においてはpHが9以上の値は全体の1.5%程
度の頻度であり低いものであった.
c) DO
DOは8.5~9.0mg/lをピークにそれ以下では徐々に頻度
が減り,それ以上ではまばらに分布する形状を示した.
この値は,水温20~23℃における飽和濃度に相当する.
上記よりも低水温時には,9.0mg/lより高濃度のDOが測
定されうると考えられるが,このようなDO濃度が測定
された頻度は全体の20%程度であった.順流域の河川水
質測定結果からは,水生生物の生息に著しい悪影響を与
えるような貧酸素は測定されていない.
d) BOD
BODは0.5~1.0mg/lをピークにそれ以上の値では徐々
に頻度が減少した.近年の河川水質の向上を反映した結
果と考えられ,貧酸素が発生しない結果とも整合性がと
れている.ただし,BOD=5mg/l以上の比較的高濃度を示
す頻度は10%程度を占めている.
e) COD
CODは1.5~2.5mg/lをピークにそれ以下,以上の値は
徐々に減少する分布であった(図-2では10mg/l以上の
頻度は合計しているために頻度が高くなっている.).
BODの値に比べて全体的に高い値を示す傾向が示された.
CODはBODに比べて難分解性の有機物を捉えるために,
相対度数
3.結果
0.5-1.0
0.0-0.5
0.00
SS(mg/l)
図-2 全国河川水質測定値頻度分布図
このような傾向が示されたと考えられる.また10mg/l以
上の高い値は,降雨後に陸域から供給される微少な植物
片などの有機物を多く含むサンプルで得られた可能性が
高いと考えられる.
f) SS
SSは5mg/l以下の値を取ることが多く,これより高い
値の頻度は徐々に減少するという分布であった.公共用
水域水質測定が出水時を避けて実施されていることを示
唆するとともに,環境基準を超える値がほとんど測定さ
れない結果となっている.
(2) 河川水辺の国勢調査データ整理結果
広域に分布する魚類および底生動物の上位5種を確認
された河川数により選定した結果を見ると,魚類では多
い順に,ヌマチチブ(112),アユ(110),ギンブナ(108),
ウグイ(106),オイカワ(104),また底生動物では,ミズ
ムシ(118),ウルマーシマトビケラ(118),サカマキ
ガイ(115),アカマダラカゲロウ(115),ヒゲナガカ
ワトビケラ(107)であった(括弧内の数字は確認され
た河川数を示す).
(3)選定した水生生物の水温・水質への依存性検討結果
a) 水温
広域に分布する上位5種の魚類(ヌマチチブ,アユ,
水温ヒストグラム(アユ)
ギンブナ,ウグイ,オイカワ)と狭温性の冷水魚として
アユ確認箇所
の水温分布
選定した5種の魚類(ナマズ目のアカザ,カサゴ目のカ
全地点の水温分布
(S59~H19)
ジカ,サケ目のニッコウイワナ,ヤマメ,アマゴ)が確
認された地点における水温の頻度分布図を重ね合わせた
水温ヒストグラム(ギンブナ)
ものを図-3および図-4に示して比較する.
ギンブナ確認箇所
の水温分布
広域に分布する上位5種の魚類が確認された地点にお
全地点の水温分布
(S59~H19)
ける水温の頻度分布は,全測定地点において計測された
水温の頻度分布とほとんど同一の分布形状を示している
(図-3)ことから,日本におけるこれら5種の魚種の分
水温ヒストグラム(ヌマチチブ)
ヌマチチブ確認箇所
の水温分布
布は現在の河川水温には規定されていないと考えられる.
全地点の水温分布
(S59~H19)
これに対して,狭温性の冷水魚とされる5種の魚類
(アカザ,カジカ,ニッコウイワナ,ヤマメ,アマゴ)
が確認された地点における水温頻度分布は,全測定地点
水温ヒストグラム(オイカワ)
オイカワ確認箇所
の水温分布
において計測された水温の頻度分布と比較して低水温側
全地点の水温分布
(S59~H19)
に偏在しており,これら魚種の生息場所は水温が低い場
所であるということが示された.
今回検討対象とした底生動物種については,結果とし
水温ヒストグラム(ウグイ)
ウグイ確認箇所
て広く分布する種を選定したためと考えられるが,水温
の水温分布
全地点の水温分布
(S59~H19)
に対する依存性は特に見られなかった(図は割愛).
b) 水温以外の水質項目
広域に分布する魚種と狭温性の冷水魚の確認地点にお
図-3 広域に分布する魚類の確認地点と全水質調査
ける水質の相違について遊泳魚であるオイカワとヤマメ
地点での水温頻度分布の比較
を取り上げて比較すると,図-5,6に見られるようにオ
水温ヒストグラム(アマゴ)
イカワが確認された地点における水質(pH, DO, BOD,
アマゴ確認箇所の
水温分布
全地点の水温分布
COD, SS)頻度分布は,全河川における測定値のそれと
(S59~H19)
ほぼ同様の分布を示した.これに対してヤマメではpH
では,全河川での頻度分布とほぼ同様であるものの,
水温ヒストグラム(ニッコウイワナ)
DOでは8mg/l未満の値が計測されることが10%(全河川
ニッコウイワナ確認
箇所の水温分布
における測定値では33%)とDOが高い地点に生息して
全地点の水温分布
(S59~H19)
いることが示された. BODについては,2mg/l以上の値
が計測されるのが確認地点で9%に対して全地点で35%,
CODについて見ると,4mg/l以上の値が計測されるのが
水温ヒストグラム(カジカ)
カジカ確認箇所の
水温分布
確認地点で12%に対して全地点で44%という様に河川全
全地点の水温分布
(S59~H19)
体と比較してDOが高く,BODとCODが低い傾向の箇所
に生息していることが示された.これに対して SSの頻
度分布をヤマメ確認地点と河川全体とで見ると,5mg/l
水温ヒストグラム(ヤマメ)
ヤマメ確認箇所の
以下の低い値をとる頻度は確認地点で53%,全体で44%
水温分布
全地点の水温分布
となるのに対して,25mg/l以上の比較的高い値をとる頻
(S59~H19)
度は,確認地点で8%,全体で9%とほぼ同等の値であっ
た.ここでは,広域に分布する魚種と狭温性の冷水魚の
水温ヒストグラム(アカザ)
アカザ確認箇所の
確認地点における水質の相違について遊泳魚であるオイ
水温分布
全地点の水温分布
カワとヤマメを取り上げて比較したが,他の広域に分布
(S59~H19)
する魚種についてはオイカワと他の狭温性の冷水魚につ
いてはヤマメと類似の結果を示した.
図-4 狭温性の冷水魚の確認地点と全水質調査地点
今回解析対象とした底生動物が確認された地点におけ
る水質頻度分布については,若干CODが低い値を多く示
での水温頻度分布の比較
していることから水質の良好な箇所を選好していること
が示唆されるものの,全地点の水質頻度分布と比較して
(4) 水温上昇による簡易影響評価
際だって特徴的な相違は認められなかった(図は割愛).
全国の公共用水域調査全地点の各地点(図-1)にお
いて測定された最高水温を測定位置(緯度,経度)情報
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
17-18
18-19
19-20
20-21
21-22
22-23
23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
17-18
18-19
19-20
20-21
21-22
22-23
23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
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35-36
36-37
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38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
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相対度数
0.04
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12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
17-18
18-19
19-20
20-21
21-22
22-23
23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
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31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
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37-38
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0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
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13-14
14-15
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28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
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32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
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29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
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29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
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19-20
20-21
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23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
相対度数
0.04
0.03
0.02
0.01
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
17-18
18-19
19-20
20-21
21-22
22-23
23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
0.00
水温(℃)
0.06
0.05
0.03
0.02
0.01
0.00
- -4
-4- -3
-3- -2
-2- -1
-1-0
0-1
1-2
2-3
3-4
4-5
5-6
6-7
7-8
8-9
9-10
10-11
11-12
12-13
13-14
14-15
15-16
16-17
17-18
18-19
19-20
20-21
21-22
22-23
23-24
24-25
25-26
26-27
27-28
28-29
29-30
30-31
31-32
32-33
33-34
34-35
35-36
36-37
37-38
38-39
39-40
相対度数
0.04
水温(℃)
0.50
pHヒストグラム(オイカワ)
オイカワ確認箇所のpH分布
全観測地点のpH分布
0.40
相対度数
0.30
0.20
0.10
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
9.0-9.5
9.5-10.0
10.0-10.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
18.5-19.0
18.0-18.5
17.5-18.0
17.0-17.5
16.5-17.0
16.0-16.5
15.5-16.0
15.0-15.5
14.5-15.0
14.0-14.5
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
9.5-10
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
10.0-10.5
DO(mg/l)
オイカワ確認箇所のBOD分布
全観測地点のBOD分布
0.40
0.30
相対度数
pH
オイカワ確認箇所のDO分布
全観測地点のDO分布
9.0-9.5
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
BODヒストグラム(オイカワ)
6.0-6.5
0.50
5.5-6.0
DOヒストグラム(オイカワ)
5.0-5.5
0.30
0.25
0.20
0.15
0.10
0.05
0.00
4.5-5.0
相対度数
0.0-0.5
0.00
0.20
0.10
9.5-10.0
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
0.0-0.5
0.00
0.16
0.14
0.12
0.10
0.08
0.06
0.04
0.02
0.00
CODヒストグラム(オイカワ)
0.50
SSヒストグラム(オイカワ)
10.0-
9.5-10.0
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
オイカワ確認箇所のCOD分布
全観測地点のCOD分布
0.0-0.5
相対度数
BOD(mg/l)
COD(mg/l)
相対度数
0.40
オイカワ確認箇所のSS分布
0.30
全観測地点のSS分布
0.20
0.10
100.0-
950.-100.0
90.0-95.0
85.0-90.0
80.0-85.0
75.0-80.0
70.0-75.0
65.0-70.0
60.0-65.0
55.0-60.0
50.0-55.0
45.0-50.0
40.0-45.0
35.0-40.0
30.0-35.0
25.0-30.0
20.0-25.0
15.0-20.0
10.0-15.0
0.0-5.0
0.00
5.0-10.0
とともにIDW法により解析して作成した推定水温分布を
図-7に示す.この推定水温分布は,水域と陸域とを区
別していないため,河川の延長の中での水温分布の推定
とは異なっている.このため,全国の河川水温の空間的
分布の近似として認識する必要がある.この図からは,
関東以北および標高の高い山間部で水温が低くなること
が数値的に示されている.冷水魚の確認地点ではあまり
発現しない水温である26℃を最高水温が下回る箇所に着
目すると,東北以北が該当し,これより西の地域では信
州や山地等に部分的に分布している状態である.
水域面積とは異なるが,図-7の推定水温分布に基づ
いて,既往の最高水温測定値により区分した国土面積の
累積分布を図-8に示す.最高水温が20℃未満の地域面
積は全体の約5%,20~25℃の地域面積がほぼ30%,25
~30℃の地域面積が約50%となっている.ここで,
25℃以下の地域面積に着目すると,全国の河川において
最高水温がおしなべて1℃上昇すると国土の約9%の生息
領域を失うことになり,アマゴなど西日本に多く分布す
る生物の生息に影響を及ぼす可能性がある.5℃上昇し
たとして,これに適応できない場合を想定すると,冷水
魚が生息可能な河川が分布する国土面積は約5%程度に
減少し,本州ではほぼ存在しなくなることから,冷水魚
の生息は困難になる可能性がある.
SS(mg/l)
図-5 オイカワの確認地点と全水質調査地点での
水質頻度分布の比較
0.50
ヤマメ確認箇所のpH分布
全観測地点のpH分布
0.40
相対度数
4.考察
pHヒストグラム(ヤマメ)
0.30
0.20
0.10
0.40
相対度数
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
10.0-10.5
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
9.5-10.0
pH
DOヒストグラム(ヤマメ)
ヤマメ確認箇所のDO分布
0.30
全観測地点のDO分布
0.20
0.10
BODヒストグラム(ヤマメ)
0.25
CODヒストグラム(ヤマメ)
18.5-19.0
18.0-18.5
17.5-18.0
17.0-17.5
16.5-17.0
16.0-16.5
15.5-16.0
15.0-15.5
14.5-15.0
14.0-14.5
13.5-14.0
13.0-13.5
12.5-13.0
12.0-12.5
11.5-12.0
11.0-11.5
10.5-11.0
10.0-10.5
9.5-10
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
0.70
0.60
0.50
0.40
0.30
0.20
0.10
0.00
DO(mg/l)
ヤマメ確認箇所のBOD分布
9.5-10.0
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
全観測地点のBOD分布
0.0-0.5
相対度数
4.5-5.0
0.00
BOD(mg/l)
ヤマメ確認箇所のCOD分布
0.20
全観測地点のCOD分布
相対度数
0.15
0.10
0.05
0.60
0.50
10.0-
9.5-10
9.0-9.5
8.5-9.0
8.0-8.5
7.5-8.0
7.0-7.5
6.5-7.0
6.0-6.5
5.5-6.0
5.0-5.5
4.5-5.0
4.0-4.5
3.5-4.0
3.0-3.5
2.5-3.0
2.0-2.5
1.5-2.0
1.0-1.5
0.5-1.0
0.0-0.5
0.00
相対度数
COD(mg/l)
SSヒストグラム(ヤマメ)
ヤマメ確認箇所のSS分布
全観測地点のSS分布
0.40
0.30
0.20
0.10
100.0-
950.100.0
90.0-95.0
85.0-90.0
80.0-85.0
75.0-80.0
70.0-75.0
65.0-70.0
60.0-65.0
55.0-60.0
50.0-55.0
45.0-50.0
40.0-45.0
35.0-40.0
30.0-35.0
25.0-30.0
20.0-25.0
15.0-20.0
10.0-15.0
0.0-5.0
0.00
5.0-10.0
今回の解析対象とした種々の水生生物が確認された地
点における水質頻度分布を見ると,狭温性の冷水魚につ
いては明らかに水温が低く,DOが高く有機物濃度の低い
箇所に生息していることを示す結果となった(図-4,
6).ただし,図-4を見ると,全体的に低水温帯に分布
しながら,狭温性の冷水魚が確認された地点において,
頻度は低いものの30℃を超える様な比較的高い水温も測
定されている.今回の検討では,一度でもヤマメの存在
が確認された地点におけるすべての水質観測値を集計し
ているため,上記のような高水温が計測された時点で観
測地点から離れた場所に移動していた可能性は否定でき
ないが,ヤマメが確認された地点でも,かなり水温が上
昇することを示している.そこで,一年ごとに最高水温
を求めて,これらの平均をとった平均年最高水温を求め
て比較すると,アマゴやヤマメが確認された地点では,
平均年最高水温が26℃以上になる地点は見つからず,こ
の辺りの水温が冷水魚の生息限界と考えて良さそうであ
る.このことは,水生生物の生息を規定する水質影響に
ついて考察するために観測データを取り扱う際の留意点
を示唆している.今回の様な解析結果から水質(水温)
と水生生物の関係について考察する場合,彼らが常に耐
えながら生息することができる水温の範囲,すなわち耐
忍温度(最高および最低)と,生活史の中で経験はする
0.0-0.5
0.00
SS(mg/l)
図-6 ヤマメの確認地点と全水質調査地点での
水質頻度分布の比較
ものの,その期間が限定的であれば,耐えられる水温の
範囲を区別する必要があるということである.この例で
に対する水域環境における適用策として,冷水魚の生息
域の保全方法について,検討を進めておく必要があろう.
逆に,最低水温について図-7,8に示したものと同様の
解析を行うと,5℃未満の地域が60%強の面積を占めて
おり,10℃以下の地域面積では約90%以上となる.比
較的高温領域を好む生物にとっては,水温が上昇すれば
当然有利な状況となる.南方系の種や外来種の侵入抑制
に影響する低水温地帯の減少は,放流等による近年の生
物の移動性の高さも考慮すると,気候変動に伴う水温上
昇は彼らの分布領域を拡大させる可能性がある.
5.まとめ
図-7 最高水温の全国分布(推定水温分布)
河川水辺の国勢調査,水質データを利用することで,
魚類や底生動物の水温や水質に対する依存性を解析した.
多くの河川で確認された種については,現状の河川水質
変動の中では,水質は大きな規定要因にならないことが
示唆された.ただし,冷水性の魚類などは,水温が低い
地点に限定的に生息していることが示された.このよう
な生息に対する必要条件を検討する際には,水質の統計
処理に留意する必要がある.
図-8 現在の最高水温と水温上昇時の
国土の累積面積分布比較
は,年間の最大値にのみ着目しているが,水生生物の生
息の規定要因として水質に着目する場合,生活史の段階
に応じた確認などの検討が必要になる.人為的な影響と
しての河川水質の変化は,ダムの建設・運用や,下水処
理水の放流などにより発生する.このような場合,水生
生物への影響を最小限にするために,種々の検討が行わ
れるが,彼らが常に耐えながら生息することができる耐
忍限度と,その期間が限定的であれば,生物には適応力
があるため耐えられる水質の範囲を区別して検討するこ
とが重要であると考えられる.今後,より詳細な解析が
必要である.
今回の検討で対象とした冷水魚の確認地点における水
温分布の多くは,環境基準ではAA類型に分類される.日
本の環境基準では水温の類型化はされていないが,米国
のワシントン州における最高レベルの水質等級であるAA
級の水温基準はサケ科魚類に対して16℃であり,Naiman
and Andersonは,米国の太平洋側の河川水温の平均年最
高水温が15~25℃であることを示してこの条件を概ね満
たしていることを示している.今回の検討における冷水
魚の確認地点の平均年最高水温は26℃以下,平均水温自
体は15℃以下の地点がほとんどであったことから,サケ
科の冷水魚であるイワナやヤマメにとり最適な水温条件
の地点であったと思われる.このような条件を満たす国
土面積は水温が上昇すると減少することになる.現状で
すぐにこのような問題が生じる訳ではないが,気候変動
参考文献
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7) Naiman, R. J. and E.C. Anderson: Streams and rivers: Their physical
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8) Washington Department of Ecology: Water quality criteria,
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(2011.5.19受付)
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