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Page 1 【2007年度 第1回】 法政大学専門職大学院イノベーション
2007年 度 第 1回 】 【 法 政 大 学 専 門職 大学 院イ ノベ ー シ ョン ・マ ネ ジメ ン ト専攻入 学試験問題 外 国人 ・小論文問題 [ 問題] 以下 の資料 1 か ら 3 を 読 み 、設 間 に答 えよ。 資料 1 . 米 メデ ィア 最 大 手 の タイ ム ワー ナ ー は、有 料会員制 のイ ン ター ネ ッ トサ ー ビス 「 AOL」 を無料 に す る と発 表 した。 従 来 のプ ロバ イ ダー ( ネッ ト接 続 ) 事 業 を大幅 に縮 小 し、米 ヤ フー や グー グル と同 様 の無 料 ポー タル サイ トサ ー ビス に軸 足 を移す 。 ヤ フー な どが利用 者 を増や してい る の に対 抗 、収入源 を会 費 か ら広告 に切 り替 える。 ネ ッ トサ ー ビス の代名詞 に もな った A O L の 戦略見直 しは 、ネ ッ ト事業 のモ デ ル が 無料 化 に向か つ て い る こ とを象徴 してい るよ うだ。 月会 費 は最 大 で 2 6 ド ル 。 会員 だ けに提供 していた電子 メー ル ア ドレス 、独 自 コ ンテ ンツ を閲 覧す るた めの 専用 ソフ ト、セ キ ュ リテ ィー機 能 な どのサ ー ビス を無料 にす る。 AOLの A O L 以 外 にネ ッ ト接 続 手段 がない場合 は、ネ ッ ト接続 に限 り有 料 とな る見通 し。 現在 、A O L の 利 用者 は会 費 に加 え、ケ ー ブルテ レビ会社 な どが提 供す る高速通信 や電話 の料金 を払 つてい る。 「 多 くの利用者 は A O L と 電話会社 の 両方 に料金 を払 い た くな い 」 ( タ イ ム ワー ナ ー の ジ ェ フ ・ビュー クス社長) と 判断 し、無料 化 を決 めた。 無料 化 されれ ば 、 利 用者 はヤ フー な ど と同 じ負担 で済む。 A O L は 会 費 とホ ー ムペ ー ジに掲載す るネ ッ ト広 告 の 2 つ を収入源 と してい る。 タイ ム ヮ ー ナ ー が発表 した 4 ∼6 月 決算 に よる と A O L 部 期 、 門 の営業利益 は前 年 同期比 5 . 2 % 減の 3 億 2 , 8 0 0 万 ドル 、売 上 高 は同 2 . 4 % 減の 2 0 億 4 , 6 0 0 万 ドル 。 この うち会費収入 は 1 1 % 減 の 1 5 億 ドル だ つ たが 、 広告 収入 は 4 0 0 / 0 増 の 5 億 ドル に達 した。 会員 数 は ピー クだ っ た 2 0 0 2 年 9 月 の 2 , 6 7 0 万人か ら 1 , 7 7 0 万人 に減 つた。無料 にす る こ とで 一 時的 に収入 は激減す るが 、利用者増加 に伴 う広告収入 の拡大 で生 き残 りを 目指す 。 A O L と 競争す るヤ フー や グー グル な どは広 告収入 に前面依存 してい る。4 ∼6 月 期 のネ ッ ト広告収入 は グー グル が 2 4 億 3 , 0 0 0 万 ドル 、ヤ フー が 1 5 億 8 , 0 0 0 万 ドル とA O L を 大 き く 引 き離 した。 、 2 0 0 1 年 に タイ ム ワー ナ ー と合 併。 当初 はタイ ム ヮー ナ ー の C A T V 部 門 が提 供 す る高速通信 網 と A O L の コ ンテ ンツ を組 み合わせ 、ネ ッ トサ ー ビス で覇権 を握 る戦略 だ っ AOLは たが 、社 内 の連携 が 取れず に競合他社 に市場 を奪われ た。 資料 2 . AOL タイ ム ワー ナ ー 傘 下 の イ ン ター ネ ッ トサ ー ビス大手。 タイ ム ワー ナ ー 元会長 のステ ィー ブ ・ヶ― ス氏 らが 1985 年 にサ ー ビス を始 めた。90年 代後半にネ ッ ト接続 で急 成 長 、2001年 にタイ ム ワー ナ ー と合併 した。米国 での月 間 利用者 は 1億 700万 人で、ヤ フーや グー グル な どと並ぶ 人気サイ ト。 日本 には 96年 に進 出。ADSL(非 対称デ ジタル 加入者 線 )サ ー ビスのイ ー ・アクセ ス が 04年 7月 に AOL日 本 法人 の 営業権 を取 得 した。現在 は、 ニ ュー ス な どの コ ン テ ンツや メー ル ア ドレス サ ー ビス を提供 し、加入者 数 は 約 30万 件。 A O L ホ ー ムペ ー ジ ( 一部 ) 資料 3 . A O L の 歩み ・ 1 9 8 5 年 ス テ ィー ブ ・ケー ス氏 らがパ ソコ ン通信サ ー ビスの A O L 開 始。 ・1 9 9 0 年 出 版 大手 の タイ ム と娯楽大手 の ワー ナ ー ・コ ミュニ ケー シ ョンズが合併。 旧タイ ム ワー ナ ー 発足。 1998年 競 合 の コン ピュサ ー ブを買収。 1999年 ネ ッ トスケ ー プ を 42億 ドル で買収 。 2001年 タ イ ム ヮー ナー と合 併、 「 AOLタ イ ム ヮー ナ ー 」発足。 2002年 12月 通期 に約 1,000億 ドル の最終赤字 を計上。 2003年 社 名 か らAOLを 外 して 「 タイ ム ワー ナ ー 」 に。 2006年 AOL部 門 に米 グー グルが 5%出 資。 AOL部 門 が 会費制 か ら無料 に移行。 (資料 出所)日 本経済新聞 2006年 8月 3日 の 国際 面記事 よ り、一 部修 正 し引用 一 ― 一 ― ― ― ― B [設問 1]本 文に表記 された、以下の漢字 の読み方を、ひ らがなで記せ。 ① 傘 下 ② 合 併 ③ 覇権 ④ 買収 ⑤ 競 合 [設問 2]こ の記事に付ける適切な見出 しを、 15文 字以内で示せ。 [設問 3]以 下の文章 の、(A)と (B)に 当てはまる語句 をそれぞれ 10文 字以内で示せ。 「 AOLは 、収入源 の軸足 を、従来の (A)お よび (B)か ら、(B)の みに転換す る。」 [設問 4]AOLが 、なぜ [設問 3]の よ うな転換 を強い られたのか、原因を 2つ それぞれ 50文 字以内で示せ。 [設問 5]あ なたの現在 の ビジネ スまたはこれか ら起業す る ビジネ スにおいて、イ ンター ネ ッ トを利用する場合、 どのよ うな活用方法が考え られるか、200字 以内で述べ よ。 以上 【2007年 度 第 2回 】 法政大学専門職大学院イ ノベ ー シ ョン ・マネ ジメン ト研究科入学試験 問題 外国人 ・小論文 問題 次 の 文 章 を読 み 、設 間 に答 え な さい 。 遊び とい うもの は解放 の よ うで い て①束運 であ り、束縛 の よ うでいて解放 であるとい う特徴 を もつてい る。 そ の 両方 がな けれ ば遊びは遊びにな りに くい。 また 、一 人遊 び と二 人遊び と集 団遊 び との あい だには 、②微妙 なズ レが ある。 このズ レは子供 に とつてはたいせつ な もので 、た とえば二 人や集 団で遊んだ楽 しさをいつか一 一 人演 じ 人 で再現 した くな る ときに、子供 は このズ レを意識 しなが ら 「 分け」とい う方 ー 法 を習 得す る。 ロ ル プ レイ の 内在化 がお こるのだ。すなわち、楽 しかった遊びを一 人 で再現 しよ うとす る と、そ こに体験 の 「 情報化」 とい う作業 が必 要になる。楽 しかった 記憶 をア タマ の 中で再 構成す る必 要 が あるわけだ。カ ラダで体験 した遊びは ここでア タ マ の 中 に移 ってい く。 これ が情報化 で ある。 そ こに はズ レが生 きて い る。 つい で 、この情報化 され た体験 を 自分 一人 の遊び に振 り分 ける。それ にはち ょっ と し た シナ リオや舞 台③設定や役割 の配分 が必要 になる。 なに しろ複数 で遊んだ体験 を 自分 一 人 の遊び に 変換す るのだか ら、い ろい ろな工夫 がい る。これが 「 編集化」な ので ある。 ④ ー 編集術 は、 この よ うに遊 びや グ ムの よ うな 発端 と終結 があ る情報 の流れ を、い くつ かの場面 に振 り分 け、組み替 えることに始まってい る。まず情報化、ついで編集化 、で あ る。 逆 に、 一 人遊 びや二 人遊び の体験 を集 団に⑤拡張 したい ときもある。 この とききま っ て 「 情報化」 と 「 編集化」 をお こす。 一 人遊び の⑥体験 が情報化 され て一般性 をもち、 それが編集化 され て 、 さらに③適応 力 をもつ。 ここに もズ レが生 きて くる。 そ してそ こ にあ らたな④工夫 が発 生 し、遊びはゲ ー ム として のシステ ム性 をもつ にいたるのだ。「ご つ こ」 「しりと り」 「 宝 さが し」 には、この よ うな しくみがまことに うま くと りこまれ て い た。 子供 の遊び には 、われ われが 学ぶ べ きことが いっぱいつ まっている。 とくに編 集 の方 法 に とって学 ば され ることが 多 い。 情報 を編集す る とい う目でみ る と、情報 の①特徴 のつかみかたは)、そ の情報 の再生 の しかたぃ)、覧 報 の探 し方 や入手 の しかたc)、そ の情報 の連絡 の しかた0)、次 の情報 へ の 進 みかた何)、そ して情報 の マ ッ ピン グの しかたば、 遊び にはこ うした ことが しっか リビ ル トイ ン され てい る。 われ われ は子供 時代か らの遊びを通 して 、編集 ①稽古 を して きた とい えよ う。 松岡正 岡」「 知 の編集術」よ り抜粋 問 1.本 文 中に表記 された、以下 の漢字 の読み方 を、ひ らがなで記せ。 ① 束 縛 ② 微 妙 ③ 設定 ④ 発 端 ⑤ 拡 張 ⑥ 体 験 ⑦ 工 夫 ③ 特 徴 ③ 適 応力 ⑩ 稽古 問 2。以下 の遊びには、情報 の編集 の 6つ の方法 の うちどれ とどれがふ くまれ てい るか、 A,B,Cな どの記号 で答 えな さい (複数回答 を許す)。 特徴 のつかみ かた (A) そ の情報 の再 生 の しかた (B) 情報 の探 し方や入手 の しかた (C) そ の情報 の連絡 の しかた (D) 次 の情報 へ の進 み かた (E) 情報 のマ ッピングの しかた (F) ① ごっ こ ② しりとり ③ 宝 さが し 問 3 . 「 体験 の情報化」 の例 を自分 の経験 の なかか らひ とつ選び、 2 0 0 字 しな さい。 問 4 . 遊 び を通 して編集 の稽古 ができるのはなぜ か 、 そ の理 由を筆者 の意見 に沿 って 8 0 0 字 以内でま とめな さい。 以 内で説明 [2007年 度 第 3回 ] 法政大 学専 門職 大学院イ ノベ ー シ ョン ・マネ ジメ ン ト研 究科入 学試 験 問題 外 国人 ・小論文 問題 以下 の資料 を読み 、設 問に答 え よ。 資料 今 、とて も奇妙 な こ とが 日本 に起 こってい る。これ まで 日本 の 弱点や欠 点 と言 われ て きた こ とが強 さに変わ る可能性 の ある、 きわめて面 白く刺 激 的 な時期 に さ しか か っ てい る 。 日本 は 「 世界第 2の 経 済大国」 と して 40年 近 くフ 8考 停 止 を続 けて きた。 「 世界第 1の 経 済大 国」 で あるア メ リカ を常 に眺 め 、そ の後 を追 い続 ける こ とに熱 中 し、 自立的 に 考 え、 独 自に新 しい構想 を打 ち 出す訓1練を怠 っ て きた。 日本 には 今 、重 要 な こ とが あ る。 日本 は 「 課題先進 国」にな っ たので ある。す なわ ち 、世 界 で最初 に 日本 が新 たな課題 に直面す る ス テ ー ジに 来 たの であ る。 日本 の歴 史 に とって初 めての経 験 だ。 これ まで習 い性 にな っ ていた世界、特 に 「 欧米先進 国」 の事 例 か らな らう べ き先例 の な い 「 先進課題 」を世界 で最初 に 自力で解 決 しな けれ ばな らな い 時代 になった。 では 、 どの よ うな 「 先進課題 」 に直面 してい るか とい うと、 「 少子 高齢化」 で ある。気 をつ けな くて は い けな いの は 「 少子 化 」 と 「 高齢化 」 は別 問題 で あ り、 たまた ま 日本 で は 同時 に起 きて い るの で ある。 「 少子化 」 に関 しては既 にフ ラ ンス 、 ス ウェー デ ンな どに先 例 が あ り、出生率 を高め る対 策 が試 み られ てい る。 それ らの施策 を実施 すれ ば よい。 アメ リカ は 「 少子化」 の問題 はな く、 「 高齢化」 には直面 し、高齢者 医療費増加 で 日本 と同様 の 問題 を 抱 えている。 しか し、 日本 の 「 高齢化」は人類 が世界史上 初めて経験す る 「 超高齢 化」 と い う問題である。100歳 以上 の人が うんざりするほ どいる時代が来るのだ。このよ うな社会 をいまだかって誰 も 「 「 経営」 したことがない。 超高齢 化」 が 日本社会に及ぼ しえる影響を 示せ る団体や組織 は行在 しない。外国の研究機 関が 日本の こ とで研究予算 を取 ることは現 実的にあ りえない。 ' 日本で 日本人による 「 内向き」 では あるが、真剣 に考 えぬいて、 「 超高齢化社会 の経営構 想」を自力 で打ち出す よ りしよ うがないのである。 この 「 先進課題 」 の解決策 を具 体的に 指 し示 し、成果によって裏打ちす ることがで きれば、 日本 は 「 課題 解決先進 国」になれ る のである。 「 超高齢化」 とい う課題解決 は、 日本 がその先陣を切 るだ けの意味がある。 1)解決策 を見つ け出さなければ、最初に困るのは 日本である。 2)日常生活 の隅々まで変革 を起 こしえる幅広 くかつ複雑な課題である 3)世界に対 して 「 来 るべ き新たな社会構想 の提示」 とい う知的貢献が可能である。 4)単に技術やお金 の問題では解決 できないため、多面的な能力を必要 とす る。 横 山禎徳 「 アメ リカ と比 べ な い 日本 」(2006)より抜 粋 問1 日 本 の弱点や欠点に関 して、 1.1 文 中の、 日本 の弱′ 点や欠′ 点とは何を指 しているか説明せ よ。 1.? ま た、なぜそれが弱′ 点や欠″ 点なのかを論じよ。 間2 資 料 の文 中で、 2.1 先 例 がな く、 日本 が世界で最 初 に 自力 で解決 しな けれ ばな らない 「 先進課題 」 と は 何 を指 してい るかを説 明せ よ。 2.2 ま た 、そ の課題 をなぜ 日本 が 自力 で解決 せねば な らないのか を 、資料 の 内容 に基 づ い て説 明せ よ。 間3 日 本 が 「 課題 解決先進 国」にな るために は 、何 が な され なければな らないのか を資 料 の 内容 に基づいて説 明せ よ。 間4 資 料 では 、 「 超 高齢化 │と い 決は の とす る根拠の第 2″点として、日 課題 であるとされてい る。幅広 くかつ複雑な課題 とは具体的に何を指す と想定 される か を論 じよ。