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北名古屋市人口ビジョン - 健康快適都市北名古屋市役所ホームページ
北名古屋市人口ビジョン 平成28年2月 北 名 古 屋 市 目 次 第 1 章 人口ビジョンの概要 1 はじめに............................................................................................................................................ 1 2 国及び愛知県の考え方 .............................................................................................................. 2 (1) 長期ビジョン ............................................................................................................................. 2 (2) 県の人口ビジョン .................................................................................................................... 4 第 2 章 本市の人口動向 1 人口の現状分析 ............................................................................................................................. 5 (1) 総人口の推移 ............................................................................................................................. 5 (2) 年齢3区分別人口の推移 ..................................................................................................... 6 (3) 世帯の動向 .................................................................................................................................. 7 (4) 地区別の人口動態 .................................................................................................................... 8 2 自然増減の現状分析..................................................................................................................... 10 (1) 出生・死亡数の推移 ............................................................................................................... 10 (2) 合計特殊出生率の推移 .......................................................................................................... 11 (3) 若年女性人口の推移 ............................................................................................................... 12 (4) 未婚率の比較 ............................................................................................................................. 13 (5) 母親の年齢別出生数の推移................................................................................................. 14 (6) 出産に関する意識 .................................................................................................................... 14 3 社会増減の現状分析..................................................................................................................... 16 (1) 転入・転出の推移 .................................................................................................................... 16 (2) 5歳階級別人口移動の状況................................................................................................. 17 (3) 転入・転出先の状況 ............................................................................................................... 18 (4) 転入・転出者の意向 ............................................................................................................... 20 (5) 人口動態の推移......................................................................................................................... 21 4 就労状況の現状分析 ................................................................................................................... 22 (1) 産業別就業者数の推移 .......................................................................................................... 22 (2) 労働力率の推移......................................................................................................................... 24 (3) 非正規雇用者割合の推移 ..................................................................................................... 25 (4) 女性の労働状況......................................................................................................................... 26 (5) 子育て世帯の労働状況 .......................................................................................................... 27 (6) 通勤・通学先の状況 ............................................................................................................... 28 (7) 昼夜間人口比率......................................................................................................................... 30 第3章 将来人口の推計と分析 1 仮定値による将来人口の推計と分析.................................................................................. 31 (1) 本市の将来人口推計 ............................................................................................................... 31 (2) 人口減少段階の分析 ............................................................................................................... 33 (3) 将来人口に及ぼす自然増減、社会増減の影響度 ..................................................... 33 2 将来人口推計 .................................................................................................................................. 34 (1) 市独自による人口推計 .......................................................................................................... 34 (2) 人口構造の分析......................................................................................................................... 35 3 人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察 ................................................ 36 (1) 財政への影響 ............................................................................................................................. 36 (2) 公共サービス・施設の長期的な維持・管理への影響 ........................................... 36 (3) 地域経済及びまちづくりの仕組みへの影響 ............................................................... 37 (4) 就労への影響 ............................................................................................................................. 37 第4章 本市の将来展望 1 めざすべき将来の方向.............................................................................................................. 38 2 人口の将来展望 ............................................................................................................................ 39 第1章 人口ビジョンの概要 第 1 章 人口ビジョンの概要 1 はじめに 国では、2008(平成 20)年から始まった人口減少が、若い世代の人口が減少し、 老年人口1の増加を伴いながら、今後加速度的に進むと想定しています。 こうしたなか、国では、人口減少や急速な少子高齢化に的確に対応し、地方の人口 減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、将来にわた って活力ある社会を維持していくことを目的として、「まち・ひと・しごと創生に関 する基本方針」を平成 26 年 9 月 12 日に示しています。また、同年 9 月 29 日に は「まち・ひと・しごと創生法」 (以下「法」という。)を閣議決定しました。 同年 12 月には、法に基づいた「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(以下「長 期ビジョン」という。)と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しており、そ のなかでは中長期展望として、2060(平成 72)年に 1 億人程度の人口を確保する 目標が掲げられています。 本市においてもこれを受け、長期ビジョンや愛知県人口ビジョン(以下「県の人口 ビジョン」という。 )の趣旨を踏まえ、本市における人口の現状分析をもとに、今後 めざすべき将来の方向と人口の将来展望を示す「北名古屋市人口ビジョン(以下「市 の人口ビジョン」という。 )を策定します。 なお、市の人口ビジョンの対象期間は、長期ビジョン、県の人口ビジョンの期間に 合わせ、2060(平成 72)年までとします。また、基礎数値として、国立社会保障・ 人口問題研究所2(以下「社人研」という。 )の人口推計を用います。 1 2 65 歳以上の人口 厚生省人口問題研究所と特殊法人社会保障研究所との統合によって誕生した。厚生労働省に所 属する国立の研究機関であり、人口や世帯の動向をとらえるとともに、内外の社会保障政策や 制度についての研究を行っている。 1 第1章 2 人口ビジョンの概要 国及び愛知県の考え方 (1) 長期ビジョン 国においては、人口問題に対する基本認識をもとに、めざすべき将来の方向とし て、2060(平成 72)年に 1 億人程度の人口の確保を掲げています。 <今後の基本的視点> ◎ 3つの基本的視点 ①「東京一極集中」の是正 ②若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現 ③地域の特性に即した地域課題の解決 ◎ 国民の希望の実現に全力を注ぐことが重要 <めざすべき将来の方向> ○ 若い世代の希望が実現すると、出生率は1.8 程度に向上する ○ 人口減少に歯止めがかかると50年後1億人程度の人口が確保される ○ さらに、人口構造が「若返る時期」を迎える ○ 「人口の安定化」とともに「生産性の向上」が図られると、50年後も実質GDP成長率は、 1.5~2%程度が維持される ■図 我が国の人口の長期的な見通し 実績(1960~2013 年) 「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計) 」(出生中位(死亡中位) ) 合計特殊出生率が上昇した場合(2030 年 1.8 程度、2040 年 2.07 程度) (参考 1)合計特殊出生率が 2035 年に 1.8 程度、2045 年に 2.07 程度となった場合 (参考 2)合計特殊出生率が 2040 年に 1.8 程度、2050 年に 2.07 程度となった場合 ・ 社人研「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)」 (中位推計)によると、2060(平成 72)年の総人口は約 8,700 万人まで減少すると見通されています。 ・ 仮に、合計特殊出生率が 2030(平成 42)年に 1.8 程度、2040(平成 52)年に 2.07 程度 (2020(平成 32)年)には 1.6 程度)まで上昇すると、2060(平成 72)年の人口は約 1 億 200 万人となり、長期的には 9,000 万人程度で概ね安定的に推移するものと推計されて います。 ・ なお、仮に、合計特殊出生率が 1.8 や 2.07 となる年次が 5 年ずつ遅くなると、将来の定 常人口が概ね 300 万人程度少なくなると推計されています。 長期ビジョン 抜粋 2 第1章 人口ビジョンの概要 ■ 国民希望出生率について(若い世代の希望が実現した場合の出生率) 社人研「出生動向基本調査」 (第 14 回、平成 22 年)によると、18~34 歳の独 身者では、男女ともに約 9 割は「いずれ結婚するつもり」であり、結婚した場合の 希望子ども数は男性 2.04 人、女性 2.12 人となっています。また、同調査によると、 夫婦の予定子ども数は 2.07 人となっています。 若い世代における、こうした希望等が叶うとした場合に想定される出生率を「国民 希望出生率」として、一定の仮定に基づく計算を行えば、概ね 1.8 程度となります。 ◆ 国民希望出生率 =(有配偶者割合1 × 夫婦の予定子ども数2 + 独身者割合3 × 独身者のうち結 婚を希望する者の割合4 × 独身者の希望子ども数5)× 離死別等の影響6 =(34% × 2.07 人 + 66% × 89% × 2.12 人)× 0.938 = 1.83 ≒ 1.8 程度 ■ 人口置換水準について(現在の人口を維持できる合計特殊出生率の目安) 人口置換水準とは、人口が将来にわたって増えも減りもしないで、親の世代と同数 で置き換わるための大きさを表す指標です。人口置換水準に見合う合計特殊出生率は、 女性の死亡率等によって変動するので一概にはいえないが、日本における平成 25 年 の値は 2.07 です。なお、人口置換水準は、社人研で算出しています。 ◆ 人口置換水準(静止粗再生産率) = 合計特殊出生率 7÷ 純再生産率8 = 1.43 ÷ 0.69 ≒ 2.07 程度 1 総務省統計局「国勢調査」 (平成 22 年)における 18~34 歳の有配偶者の割合 33.8%(女性) 「出生動向基本調査」における夫婦の平均予定子ども数 2.07 人 3 1-有配偶者割合 4 社人研「出生動向基本調査」 (第 14 回、平成 22 年)における 18~34 歳の独身者のうち「いず れ結婚するつもり」と答えた者の割合 89.4%(女性) 5 「出生動向基本調査」における 18~34 歳の独身者(「いずれ結婚するつもり」と答えた者)の 平均希望子ども数 2.12 人(女性) 6 社人研「日本の将来推計人口」における出生中位の仮定に用いられた離死別等の影響 0.938 7 ある年の人口について、再生産年齢(ここでは 15~49 歳をとる)にある女性の年齢別出生率 を算出し、それら各年齢の出生率の合計値。この指標は,算定された年齢別出生率に基づいて、 1 人の女性が再生産年齢を経過する間に子どもを生んだと仮定した場合の平均出生児数。 8 合計特殊出生率の計算において生まれる子どもは男女児を両方含んでいるが、これを女児だけ について求めた総再生産率の出生女児について、さらに各年次の死亡率を考え、生命表の静止 人口によって生き残って次の世代に母となるべき女児の数を示す。 2 3 第1章 人口ビジョンの概要 (2) 県の人口ビジョン 愛知県においては、めざすべき方向をふまえ、若い世代の結婚・出産・子育てに 関する希望をかなえ、日本一の産業力をさらに強くし、人を継続的に呼び込むこと により、2060(平成 72)年に約 700 万人を確保するものとしています。 <めざすべき方向> ○ 若い世代を中心とした東京圏への人口流入は我が国全体の人口減少に拍車をかけてお り、この流れを是正する必要がある。 ○ 愛知の強みをさらに伸ばし、課題を克服することで、日本一の産業県として、東京一 極集中にストップをかけるとともに、日本の活力を取り戻す核としての役割を果たして いく。 ◆ 若い世代の結婚・出産・子育てに関する希望をかなえる ・ 1.8 という出生率を念頭に置きつつ、若い世代の結婚、出産、子育てに関する希望の 実現に向けて努力していくことが必要 ◆ 日本一の産業力をさらに強くし、人を継続的に呼び込む ・ 少子化により若年層が減少していく中にあっても、人口流入のトレンドを維持・継続 させていくことが必要 ■図 将来人口推計 ○ 県の人口ビジョンでは、ケース②が実現できれば、2060(平成 72)年時点において も約 700 万人の人口が確保できるだけでなく、生産年齢人口の維持、高齢化率の低下 にもつながることから、ケース②を愛知県が活力を維持していく上での人口の目安と し、様々な施策を講じることによって、これに近づけていくことが求められる。 県の人口ビジョン 4 抜粋 第2章 本市の人口動向 第 2 章 本市の人口動向 1 人口の現状分析 (1) 総人口の推移 総人口《図 1》は、これまで増加を続けており、2010(平成 22)年では 81,571 人となっています。 本市の人口ピラミッド《図 2》をみると、2つの大きな膨らみがある「ひょうた ん形」となっています。 《図 1 総人口の推移》 (人) 90,000 81,571 80,000 63,165 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 16,604 10,198 10,000 0 [出典:国勢調査] 《図 2 男女別 5 歳階級別人口(2010(平成 22)年)》 90歳以上 85~89歳 80~84歳 75~79歳 70~74歳 65~69歳 60~64歳 55~59歳 50~54歳 45~49歳 40~44歳 35~39歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳 15~19歳 10~14歳 5~9歳 0~4歳 男性 40,899人 老年人口 7,733人 19.0% 生産年齢人口 26,399人 64.9% 年少人口 6,543人 16.1% 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 女性 40,672人 老年人口 8,749人 21.6% 生産年齢人口 25,755人 63.5% 年少人口 6,064人 14.9% 0 (人) 1,000 2,000 注)年齢不詳の人数を含まないため、合計値が総人口と異なります。 5 3,000 4,000 5,000 (人) [出典:国勢調査] 第2章 本市の人口動向 (2) 年齢 3 区分別人口の推移 年齢 3 区分別人口割合の推移《図 3》をみると、老年人口の割合は増加傾向に あり、2005(平成 17)年に年少人口の割合を逆転しています。また、生産年齢 人口も 1995(平成 7)年から減少傾向となっています。 一人の高齢者を支える現役世代の人数推移《図4》をみると、1985(昭和 60) 年に 12.2 人であったものが、2010(平成 22)年では 3.2 人まで落ち込んでい ます。 《図 3 年齢 3 区分別人口割合の推移》 年少人口 (%) 生産年齢人口 老年人口 100 90 75.0 80 76.2 73.6 68.9 69.8 70 64.2 60 50 40 30 24.5 18.2 20 10 0 8.8 5.7 S60年 11.8 20.3 16.1 14.5 15.1 15.5 15.1 6.8 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 《図 4 1 人の高齢者を支える現役世代の人数推移(生産年齢人口/老年人口)》 (人) 14 12.2 12 11.0 10 8.7 8 6.2 6 4.3 4 3.2 2 0 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 6 第2章 本市の人口動向 (3) 世帯の動向 世帯数及び世帯人員の推移《図 5》をみると、世帯数は増加傾向にありますが、 世帯人員は減少傾向にあり、1995(平成 7)年には 3 人を下回り、2010(平 成 22)年には1世帯当たり 2.6 人/世帯となっています。 また、世帯の構成の推移《図 6》をみると、単独世帯の割合が大きく増加してい ます。一方、夫婦と子どもの世帯は減少しています。 《図 5 世帯数、世帯人員推移》 (世帯) (人/世帯) 1世帯当り 3人以下に 4.0 3.4 3.4 3.5 60,000 3.2 50,000 2.9 3.0 2.8 2.7 2.6 2.5 40,000 31,820 2.0 1.5 22,875 20,997 20,426 25,140 29,186 27,271 30,000 20,000 1.0 10,000 0.5 0.0 0 S55年 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 《図 6 世帯の構成の推移》 夫婦のみ 0% H12年 夫婦と子ども 10% 19.9 H17年 21.6 H22年 21.7 片親と子ども 20% 30% 三世代以上同居 40% 50% 親族世帯その他 60% 37.8 6.9 35.2 7.5 33.4 7.7 非親族世帯 70% 8.0 7.1 5.1 3.7 80% 0.5 4.0 4.2 1.2 0.8 単独世帯 90% 100% 22.9 23.5 27.2 [出典:国勢調査] 7 第2章 本市の人口動向 (4) 地区別の人口動態 直近の男女別地区別人口の推移《図 7》《図 8》をみると、ほとんどの地区で増 加傾向となっています。 《図7 男女別地区別人口の推移》 女性 男性 (人) 8000 (人) 6000 4000 2000 0 0 6506 7019 2000 4000 6000 6677 7236 鹿 田鹿 田 3800 4277 3091 3484 4043 4346 熊之庄 熊之庄 2948 3520 六ツ師 六ツ師 1096 1262 1316 1702 1159 1561 1066 1195 941 1035 643 666 448 433 4312 4320 片 場片 場 高田寺 高田寺 久地野 久地野 二 子二 子 井瀬木 井瀬木 能 田能 田 薬師寺 薬師寺 1741 1843 加島新田 加島新田 野 崎野 崎 2222 2536 石 橋石 橋 中之郷 中之郷 宇福寺 宇福寺 北 野北 野 法成寺 法成寺 鍜治ケ一色 鍜治ケ一色 657 663 961 947 534 657 393 436 473 567 1291 1182 2143 2495 1164 1352 2312 2667 西之保 西之保 125 157 山之腰 山之腰 H22年 1700 1864 弥勒寺 弥勒寺 2442 2755 H17年 297 315 338 339 徳 重徳 重 1122 1386 H12年 4107 4088 沖 村沖 村 674 707 986 1055 566 687 379 432 503 539 1198 1134 H7年 1080 1212 1412 1741 1127 1530 1048 1209 963 1068 616 652 444 454 九之坪 九之坪 309 375 334 339 8000 163 132 [出典:国勢調査] 8 第2章 《図8 本市の人口動向 男女別地区別人口の伸び率の推移(H7年を100とした値)》 男性 女性 (%) 140 (%) 130 120 110 100 90 80 70 70 80 90 100 110 108.4 熊之庄 熊之庄 112.6 H17年 H22年 119.4 片 場片 場 115.1 112.2 高田寺 高田寺 129.3 140 H12年 107.5 六ツ師 六ツ師 112.7 130 H7年 鹿 田鹿 田 107.9 120 123.3 久地野 久地野 134.7 135.8 二 子二 子 112.1 115.4 井瀬木 井瀬木 110.0 110.9 能 田能 田 103.6 96.7 100.2 105.8 薬師寺 薬師寺 102.3 九之坪 九之坪 99.5 加島新田 加島新田 121.4 106.1 野 崎野 崎 101.5 100.3 沖 村沖 村 105.9 109.6 石 橋石 橋 104.9 100.9 中之郷 中之郷 107.0 98.5 宇福寺 宇福寺 121.4 123.0 北 野北 野 114.0 110.9 法成寺 法成寺 107.2 94.7 114.1 119.9 鍜治ケ一色 91.6 徳 重徳 重 116.4 弥勒寺 弥勒寺 123.5 112.8 山之腰 山之腰 125.6 116.2 西之保 西之保 115.4 81.0 [出典:国勢調査] 注) 伸び率が大きい上位3地区 9 第2章 2 本市の人口動向 自然増減の現状分析 (1) 出生・死亡数の推移 出生数と死亡数の差による自然増減の推移《図 9》をみると、増加が続いている ものの、2009(平成 21)年から増加数が鈍化傾向にあります。この要因として は、死亡数が大幅に増加する一方で、出生数が徐々に減少していることがあげられ ます。 《図 9 自然増減の推移》 (人) 出 生 死 亡 自然増減数 1,200 1,000 901 962 896 903 924 921 892 872 800 600 404 403 426 411 400 364 373 325 218 200 0 -200 -400 -600 △ 497 △ 493 △ 536 △ 492 △ 560 △ 548 △ 567 △ 654 -800 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 [出典:愛知県の人口動態統計] 10 第2章 本市の人口動向 (2) 合計特殊出生率の推移 合計特殊出生率(ベイズ推定値1)の推移《図 10》をみると、1993(平成 5) 年~1997(平成 9)年までは低下傾向となっており、愛知県を下回っていました が、その後上昇に転じ、2008(平成 20)年~2012(平成 24)年では愛知県 平均を上回る 1.65 となっています。 また、県及び近隣市町比較《図 11》をみると、周辺市町のなかでは4番目に高 く、周辺市のなかでは最も高くなっています。 《図 10 合計特殊出生率(ベイズ推定値)の推移》 北名古屋市 1.90 1.80 1.70 1.60 愛知県 全国 1.82 1.81 1.65 1.57 1.73 1.53 1.55 1.48 1.43 1.44 1.50 1.42 1.51 1.39 1.49 1.40 1.38 1.30 1.37 1.36 1.31 1.20 1.10 1.00 S58年~ S62年 S63年~ H4年 H5年~ H9年 H10年~ H14年 H15年~ H19年 H20年~ H24年 [出典:厚生労働省 人口動態保健所・市区町村別統計] 《図 11 合計特殊出生率(ベイズ推定値)の県及び近隣市町比較(2008(平成 20) 年~2012(平成 24)年)》 2.00 1.80 1.60 1.40 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.00 1.65 1.52 1.59 1.51 1.35 1.41 1.42 1.55 1.59 1.63 1.74 1.72 1.84 1.62 1.40 [出典:厚生労働省 人口動態保健所・市区町村別統計] 1 標本数(出生数や死亡数)が少ないことによる、偶然変動の影響や、数値が不安定な動きがお こることから、観測データ以外にも対象に関する情報を推定に反映させる方法 11 第2章 本市の人口動向 (3) 若年女性人口の推移 20~39 歳の若年女性人口《図 12》の推移をみると、2000(平成 12)年の 11,898 人から減少傾向となっており、2010(平成 22)年には 11,320 人と なっています。 総人口、若年女性人口の増減率の推移《図 13》をみると、2005(平成 17) 年~2010(平成 22)年の増減率は 4.5%のマイナスと減少が顕著となっていま す。 《図 12 若年女性人口の推移》 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 (人) 14,000 14,000 12,319 11,898 12,000 10,000 10,180 3,588 3,779 2,278 1,887 2,162 2,688 S55年 S60年 8,000 3,756 3,146 2,984 4,000 2,876 2,000 3,380 6,000 3,724 2,387 2,026 10,000 3,034 1,920 2,569 2,624 2,960 12,000 3,696 2,260 3,944 4,000 11,320 2,493 8,000 6,000 11,848 11,166 11,062 2,490 4,034 2,000 2,862 2,257 1,988 H17年 H22年 0 0 H2年 H7年 H12年 [出典:国勢調査] 《図 13 総人口、若年女性人口の増減率の推移》 総人口の増減率 20~39歳女性人口の増減率 15% 9.7% 10% 6.6% 5% 2.7% 2.3% 3.1% 1.8% 2.5% 0% 4.5% -0.4% -4.5% -5% -8.0% -10% -10.2% -15% S55年→S60年 S60年→H2年 H2年→H7年 H7年→H12年 H12年→H17年 H17年→H22年 [出典:国勢調査] 12 第2章 本市の人口動向 (4) 未婚率の比較 未婚率の愛知県、周辺市町比較《図 14、15》をみると、性別・年代別の状況 のなかで、女性の 35~39 歳が少し高い値となっています。 《図 14 未婚率の愛知県、周辺市町比較(男性)2010(H22)年》 25~29歳 30~34歳 35~39歳 (%) 80 70 73.8 70.2 69.4 65.9 73.6 70.6 70.5 66.7 66.3 70.8 68.0 67.0 64.4 63.7 59.9 60 50 40 43.3 35.3 33.3 31.6 30.4 46.6 45.6 44.9 42.6 34.8 33.6 32.2 48.0 46.0 44.8 41.7 42.3 33.6 32.7 42.7 41.9 35.2 41.2 38.4 34.7 34.6 33.1 38.0 31.8 30.1 30 20 10 0 [出典:国勢調査] 《図 15 未婚率の愛知県、周辺市町比較(女性)2010(H22)年》 25~29歳 (%) 30~34歳 35~39歳 80 70 59.7 60 50 54.0 20 59.9 55.0 53.3 52.9 51.3 49.3 40 30 59.9 59.5 55.1 34.1 27.2 19.8 29.4 28.1 27.6 30.3 30.1 29.1 31.3 22.9 18.8 17.6 18.0 17.9 17.5 16.9 18.6 28.4 20.3 25.6 20.4 52.7 49.5 48.0 44.7 25.0 28.4 24.2 21.9 18.5 17.2 14.0 15.8 10 0 [出典:国勢調査] 13 第2章 本市の人口動向 (5) 母親の年齢別出生数の推移 母親の 5 歳階級別出生数の推移《図 16》をみると、多少の増減はあるものの、 20 歳代の出生数が減少傾向にある一方で、35 歳以上の出生数は増加傾向となっ ています。 《図 16 母親の 5 歳階級別出生数の推移》 (人) 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~44歳 450 394 380 400 342 350 384 368 359 313 354 250 200 100 173 50 6 8 92 115 107 126 6 102 244 15 87 19 194 182 177 162 80 15 330 269 265 248 105 100 104 103 322 290 300 150 340 311 302 86 18 72 25 28 0 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 [出典:愛知県人口動態調査] (6) 出産に関する意識 結婚と出産に関する意識《表 1》より、夫婦を対象に調査した理想的な子どもの 数をみると、全国で 2.42 人となっており、愛知県は 2.33 人となっています。 一方で、夫婦が実際に持つつもりの子どもの数は、全国で 2.07 人となっており、 愛知県は 2.03 人となっています。理想的な子どもの数と実際の子ども数との間に はギャップがあります。 県民に関する少子化意識調査《図 17》より、理想の子ども数を生まない理由を みると、 「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最も多く、次いで「働きな がら子育てできる職場環境がないから」があげられています。 また、本市実施の調査による出産しやすい環境として望まれる支援《図 18》を みると、 「産休・育休制度の充実」や「妊娠・出産時の経済的負担の軽減」が多く あげられています。 《表 1 結婚と出産に関する意識(全国・愛知県)》 夫婦調査 平均理想子ども数 平均予定子ども数 全国 2.42 人 2.07 人 愛知 2.33 人 2.03 人 [出典:社人研 第 14 回出生動向基本調査(H22 年) 愛知県・少子化に関する県民意識調査(H25 年)] 14 第2章 本市の人口動向 《図 17 予定子ども数が理想子ども数を下回る理由》 男女全体 男性 女性 (%) 0 20 40 54.9 57.9 子育てや教育にお金がかかりすぎるから 53.3 働きながら子育てできる職場環境がないから 14.2 自分や配偶者が高年齢で、産むのがいやだから 雇用が安定していないから 自分の仕事(勤めや家業)に差し支えるから 健康上の理由から 自分や配偶者が育児の負担に耐えられないから 子どもがのびのび育つ社会環境でないから 欲しいけれど今のところまだ赤ちゃんを授からないから 自分や夫婦の生活を大切にしたいから 保育サービスが整っていないから 家が狭いから 妊娠・出産のときの身体的・精神的な苦痛が嫌だから 配偶者の家事・育児への協力が得られないから 配偶者が望まないから その他 特にない わからない 無回答 60 8.6 21.4 25.4 18.4 17.3 20.1 17.9 23.4 14.1 16.1 14.7 17.7 12.5 15.3 11.8 14.2 10.8 10.9 13.7 9.9 8.9 6.1 11.1 8.2 8.1 8.4 8.1 8.6 8.4 7.7 6.1 9.0 7.4 4.1 10.2 5.8 2.5 7.8 5.1 6.6 4.2 16.5 12.2 18.9 2.5 3.6 2.1 1.1 1.5 0.3 3.0 4.1 1.2 [出典:愛知県・少子化に関する県民意識調査(H25 年)] 《図 18 出産しやすい環境として望まれる支援》 支援は必要 ない 2.1% その他 2.5% 無回答 2.3% 妊娠・出産 産休・育休制 時の経済 度の充実 42.0% 的負担の 軽減 妊娠・出産に 37.2% 関する相談・ 地域のサポー ト体制の充実 14.0% N=772 [出典:地方創生に関する市民アンケート調査(北名古屋市)] 15 第2章 3 本市の人口動向 社会増減の現状分析 (1) 転入・転出の推移 転入数と転出数の差による社会増減の推移《図 19》をみると、2009(平成 21)年及び 2010(平成 22)年が転出超過となっています。この要因としては、 リーマンショック1により、製造業の雇用情勢が厳しくなったことが考えられます。 《図 19 社会増減の推移》 (人) 転 入 転 出 社会増減数 6,000 5,000 4,612 4,576 4,044 4,000 4,125 4,293 3,830 3,765 3,977 3,000 2,000 1,000 830 170 5 183 0 -97 -3 493 209 -1,000 -2,000 -3,000 △ 3,746 -4,000 -5,000 △ 4,399 H17年 H18年 △ 4,039 △ 3,942 △ 3,927 △ 3,768 △ 3,800 △ 3,768 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 [出典:愛知県統計年鑑] 1 米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことにより、金融不安が国際的に広 まり、その影響で日本もマイナス成長に陥った。 16 第2章 本市の人口動向 (2) 5 歳階級別人口移動の状況 5 歳階級別に人口移動の状況《図 20、21》をみると、就職によるものと考え られる年代の転入超過が近年顕著にみられ、特に男性の転入が多くなっています。 一方、数としては少ないものの、小さな子どものいるファミリー世帯と考えられる 14 歳以下の子ども及び 30 代後半から 40 代の転出傾向がみられます。 《図 20 男性・5 歳階級別人口移動の状況》 H7年→H12年 H12年→H17年 H17年→H22年 (人) 85歳~→90歳~ 80~84歳→85~89歳 75~79歳→80~84歳 70~74歳→75~79歳 65~69歳→70~74歳 60~64歳→65~69歳 55~59歳→60~64歳 50~54歳→55~59歳 45~49歳→50~54歳 40~44歳→45~49歳 35~39歳→40~44歳 30~34歳→35~39歳 25~29歳→30~34歳 20~24歳→25~29歳 15~19歳→20~24歳 10~14歳→15~19歳 小さな子どものいるファミリー世帯の転出傾向 0~4歳→5~9歳 転 出 20~30代の 大幅な転入超過 5~9歳→10~14歳 転 入 600 500 400 300 200 100 0 -100 -200 -300 -400 [出典:国勢調査] 《図 21 女性・5 歳階級別人口移動の状況》 H7年→H12年 H12年→H17年 H17年→H22年 (人) 600 転 500 入 10代後半~30代前半の 転入超過 400 300 200 100 0 転 -100 出 -200 -300 -400 85歳~→90歳~ 80~84歳→85~89歳 75~79歳→80~84歳 70~74歳→75~79歳 65~69歳→70~74歳 60~64歳→65~69歳 55~59歳→60~64歳 50~54歳→55~59歳 45~49歳→50~54歳 40~44歳→45~49歳 35~39歳→40~44歳 30~34歳→35~39歳 25~29歳→30~34歳 20~24歳→25~29歳 15~19歳→20~24歳 10~14歳→15~19歳 5~9歳→10~14歳 0~4歳→5~9歳 小さな子どものいるファミリー世帯の転出傾向 [出典:国勢調査] 17 第2章 本市の人口動向 (3) 転入・転出先の状況 2013(平成 25)年の転入・転出上位 10 位《表2》をみると、転入・転出と もに名古屋市が特化して多く、次いで一宮市が多くなっています。 また、転入転出の差《表3》をみると、名古屋市の転入超過が 167 人と最も多 く、次いで清須市の 59 人となっています。転出超過では、一宮市が 72 人で最も 多く、次いで稲沢市の 37 人となっています。 《表2 転入数・転出数上位 10 位(2013(平成 25)年) 》《図 22、23》 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 総数 転入 市町名 名古屋市 一宮市 清須市 春日井市 岩倉市 小牧市 稲沢市 江南市 豊山町 犬山市 人数 981 176 163 136 136 108 76 74 66 43 3,480 注)総数には 10 位以下全てを含む 《表3 転出 市町名 名古屋市 一宮市 岩倉市 春日井市 小牧市 稲沢市 清須市 豊山町 横浜市 豊田市 人数 814 248 148 138 138 113 104 90 42 41 3,374 [出典:住民基本台帳人口移動報告] 転入超過、転出超過上位5位(2013(平成 25)年) 》 市町名 転入超過 転出超過 名古屋市 転入 981 転出 差(転入-転出) 814 167 清須市 163 104 59 犬山市 43 28 15 さいたま市 25 10 15 四日市市 23 8 15 一宮市 176 248 -72 稲沢市 76 113 -37 小牧市 108 138 -30 横浜市 16 42 -26 江南市 74 99 -25 [出典:住民基本台帳人口移動報告] 18 第2章 本市の人口動向 《図 22 転入の状況》 43人 176人 136人 108人 66人 136人 76人 163人 981人 33人 豊田市 [出典:住民基本台帳人口移動報告] 《図 23 転出の状況》 28人 248人 148人 138人 90人 113人 138人 104人 814人 41人 豊田市 [出典:住民基本台帳人口移動報告] 19 第2章 本市の人口動向 (4) 転入・転出者の意向 市窓口で実施した転入・転出者アンケート調査をみると、転入者の居住地の選定 《図 24》としては、 「北名古屋市に絞って探した」が 41.9%と最も多く、次いで 「愛知県内で探した」が多くなっています。候補地として検討した市は名古屋市、 清須市、稲沢市などの隣接地が多くなっています。一方、転出の理由《図 25》と しては、 「仕事の都合(就職・転職・転勤)」が 32.2%と最も多く、次いで「家庭 の都合(結婚) 」、 「住宅の都合(家の購入、借家の借り換えなど) 」が多くなってい ます。 《図 24 居住地の選定》 その他 1.6% 入居先が決 まっていた 17.8% 愛知県外で探 した 0.0% 無回答 8.5% 北名古屋市に 絞って探した 41.9% 愛知県内で探 した 30.2% N=129 [出典:転入・転出者アンケート調査(北名古屋市)] 《図 25 転出理由》 0.0 10.0 20.0 30.0 仕事の都合(就職・転職・転勤) (%) 40.0 32.2 家庭の都合(結婚) 24.1 住宅の都合(家の購入・借家の借り換えなど) 14.9 家庭の都合(親・親族等との同居・近居) 10.3 家庭の都合(家族からの独立) 4.6 仕事の都合(退職) 2.3 生活環境を良くするため 2.3 あなたの学校の都合(進学・転校など) 1.1 子どもの学校の都合(進学・転校など) 1.1 自然災害(地震等)など安全面での不安が… 0.0 その他 3.4 無回答 3.4 [出典:転入・転出者アンケート調査(北名古屋市)] 20 第2章 本市の人口動向 (5) 人口動態の推移 自然増減数を縦軸とし、社会増減を横軸とした人口動態の推移《図 26》から、 人口増加における寄与度をみると、自然増加の寄与度が比較的高いものの、近年で みると自然増加数が減少傾向となっており、社会増加の影響が高くなっています。 ただし、社会増加は安定した増加となっておらず、2006(平成 18)年や 2011 (平成 23)年などのように 400 人を超える増加となる年がある一方で、2009 (平成 21)年、2010(平成 22)年では減少となっています。 《図 26 人口動態の推移》 自然増加寄与度 大 600 (人) H19年 400 H21年 社会増加寄与度 大 H20年 H18年 H17年 H22年 自 然 増 減 人口増加 エリア H23年 H24年 200 人口減少 エリア 社会増減 800 600 400 200 0 ▲ 200 0 (人) [出典:愛知県の人口動態統計] 《図 26 人口動態の推移》の見方 横軸は社会増減となっており、0より右側に行くほど社会増(転入超過)となり ます。逆に0より左側は社会減(転出超過)となります。 縦軸は自然増減となっており、0より上側に行くほど自然増(出生が死亡を上回 る)となります。逆に0より下側は自然減(死亡が出生を上回る)となります。 21 第2章 4 本市の人口動向 就労状況の現状分析 (1) 産業別就業者数の推移 産業 3 区分別1就業者数の推移《図 27》をみると、全産業の総就業者数は 2000 (平成 12)年をピークに減少しています。産業別にみると、第 2 次産業での減少 が顕著となっています。 産業大分類別就業者数《図 28》をみると、男性は「製造業」が最も多く、次い で「卸売業、小売業」 、 「建設業」、 「運輸業、郵便業」が多くなっています。女性は、 「卸売業、小売業」が最も多く、次いで「製造業」が多くなっていますが、 「医療、 福祉」が多いのが特徴となっています。 また、産業大分類別特化係数2をみると、男性・女性でほぼ同様の傾向となって おり、道路交通の利便性により「運輸業、郵便業」が男女とも高くなっています。 その他では、男性で「建設業」 「卸売業、小売業」が高く、女性では、 「情報通信業」 「サービス業(他に分類されないもの)」が高くなっています。 《図 27 産業 3 区分別就業者数の推移(2010(平成 22)年) 》 第1次産業 第2次産業 第3次産業 (人) 45,000 42,284 39,532 40,000 35,000 45,000 41,092 39,001 35,071 30,000 25,000 42,342 40,000 35,000 21,737 24,871 26,088 30,000 26,313 26,144 18,895 25,000 20,000 20,000 15,000 15,000 10,000 14,970 16,754 16,387 15,358 10,000 13,917 5,000 0 12,339 1,206 1,041 1,026 896 862 518 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 5,000 0 [出典:国勢調査] 1 2 第1次産業は自然の恩恵を利用した産業で農林業等、第2次産業は第1次産業で生産した原材料を 加工する産業で製造業や建設業、第3次産業は第1次にも第2次にも入らない産業で小売業・運送 業・飲食・宿泊・教育・介護・医療のこと 全国と比べ地域のある産業が、構成比としてどれだけ特化しているかを見る係数で、1を超えると全 国平均と比べ構成比が高い 22 第2章 本市の人口動向 《図 28 産業大分類別就業者数(2010(平成 22)年) 》 (従業者数:人) 男性 女性 特化係数(男) (特化係数) 特化係数(女) 7000 1.60 6000 1.40 1.20 5000 1.00 4000 0.80 3000 0.60 2000 0.40 1000 0.20 0 0.00 A 農 業 , 林 業 う ち 農 業 B C D 漁 鉱 建 砂 業 業 設 利 , 業 採 採 取 石 業 業 , E 製 造 業 F 電 気 ・ ・ 水ガ 道ス 業 ・ 熱 供 給 G 情 報 通 信 業 H 運 輸 業 , 郵 便 業 I 卸 売 業 , 小 売 業 J 金 融 業 , 保 険 業 K 不 動 産 業 , 物 品 賃 貸 業 P 医 療 , 福 祉 M N O 宿 生 教 泊 活 育 業 関 , 娯 , 連 学 飲 楽サ 習 食 業ー 支 ビ 援 サ ス 業 ー ビ 業 ス , 業 ・ L 技学 術術 サ研 ー究 ビ , ス専 業門 Q 複 合 サ ー ビ ス 事 業 分 R S 類サ 公 さ ー 務 も( れビ の他 ス な をに い業 ( 除分 も他 く 類 のに) さ ) れ る T 分 類 不 能 の 産 業 [出典:国勢調査] 《図 29 産業大分類別就業者の年齢構成(2010(平成 22)年) 》 15~29歳 30~39歳 40~49歳 0% 1.2 3.5 2.9 A 農業,林業 9.8 D 建設業 E 製造業 F 電気・ガス・熱供給・水道業 G 情報通信業 H 運輸業,郵便業 I 卸売業,小売業 J 金融業,保険業 K 不動産業,物品賃貸業 L 学術研究,専門・技術サービス業 20% 15.6 21.5 17.6 20.8 16.2 P 医療,福祉 21.1 Q 複合サービス事業 22.4 10.0 16.4 15.6 13.1 17.2 23.5 29.8 14.3 24.2 21.7 21.2 24.8 14.4 25.3 27.2 10.9 11.1 19.4 20.5 15.6 17.4 22.9 25.3 18.8 3.7 17.0 3.7 12.7 23.8 3.9 11.2 13.8 19.6 27.9 22.7 15.8 25.4 18.0 1.4 14.8 5.6 0.5 24.6 19.4 16.9 28.5 33.5 21.7 9.3 3.2 0.5 17.4 26.1 13.0 10.1 0.6 25.4 20.9 3.9 16.6 3.9 22.8 25.0 26.2 24.4 100% 18.6 16.3 27.2 27.3 24.0 16.6 39.0 12.0 O 教育,学習支援業 80% 21.3 22.6 70歳~ 49.6 30.4 24.8 T 分類不能の産業 60% 26.1 8.9 N 生活関連サービス業,娯楽業 S 公務(他に分類されるものを除く) 40% 27.1 25.8 60~69歳 33.0 12.5 M 宿泊業,飲食サービス業 R サービス業(他に分類されないもの) 50~59歳 12.0 6.5 9.9 2.4 9.8 1.8 6.8 1.9 8.7 9.7 0.6 12.2 5.7 [出典:国勢調査] 23 第2章 本市の人口動向 (2) 労働力率の推移 労働力人口1及び労働力率2の推移《図 30》をみると、高齢化の進行により、15 歳以上人口は増える一方で、労働力人口は 2000(平成 12)年をピークに減少し ています。また、労働力率も 1995(平成 7)年の 70.1%から低下しており、2010 (平成 22)年で 63.9%となっています。 労働力率の推移(国・県・市)を《図 31》をみると、男女ともに国及び県に比 べると高いものの、1995(平成 7)年から低下傾向となっています。 《図 30 労働力人口及び労働力率の推移》 労働力人口 15歳以上人口 (人) 労働力率 (%) 80,000 71 70.1 70,000 60,000 59,396 53,516 50,000 67.1 40,000 35,934 62,720 70 68,636 65,720 64,547 69 68.6 68.3 68 66.7 44,277 43,984 67 43,848 43,816 40,561 66 65 30,000 64 63.9 63 20,000 62 10,000 61 0 60 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 《図 31 性別 労働力率の推移(国・県・市)》 北名古屋市・男性 愛知県・男性 全国・男性 (%) 90.0 85.0 83.2 82.3 82.6 81.2 84.6 81.6 北名古屋市・女性 愛知県・女性 全国・女性 82.4 79.6 80.0 75.0 75.6 78.5 80.5 79.1 75.6 79.4 70.0 76.5 75.3 55.0 54.0 73.5 73.8 65.0 60.0 55.0 51.5 50.3 54.1 51.3 55.8 51.9 50.0 45.0 50.8 52.3 51.1 50.0 47.8 48.5 49.3 48.7 48.8 49.6 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 1 2 15 歳以上人口のうち、労働の意思と能力を有する人の数 15 歳以上人口に対する労働力人口の比率 24 第2章 本市の人口動向 (3) 非正規雇用者割合の推移 非正規雇用者割合の推移《図 32》をみると、全体の傾向としては、国及び県と 同じとなっています。 《図 32 非正規雇用者割合の推移》 北名古屋市 (%) 愛知県 40.0 全国 36.7 34.3 35.0 34.2 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 13.8 16.0 15.1 13.0 12.4 14.9 5.0 0.0 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 注) 国勢調査の調査表において、平成 17 年までは「常雇」 「臨時雇」の 2 区分が、平成 22 年では「正規 の職員・従業員」 「労働者派遣事業所の派遣社員」 「パート・アルバイト・その他」の 3 区分に変更さ れています。 25 第2章 本市の人口動向 (4) 女性の労働状況 女性の労働力状態比較《図 33》により、年齢 5 歳階級別に 2010(平成 22) 年と 1995(平成 17)年を比較してみると、20 歳代後半から 30 歳代前半にか けて労働力率が低くなる、いわゆる「M字カーブ」が本市でもみられ、特に 30~ 34 歳で大きな落ち込みがみられます。 全国及び愛知県との比較《図 34》をみると、35 歳~69 歳では全国や愛知県 よりも労働力率はやや高くなっています。 《図 33 女性の労働力状態比較(2010(平成 22)年と 1995(平成 17)年との 比較)》 100.0% 71.5% 75.0% 73.5% 70.6% 75.3% 73.1% 63.1% 66.5% 70.2% 70.9% 67.3% 74.1% 75.4% 63.9% 71.1% 61.6% 50.0% 北名古屋市・女性(平成22年) 北名古屋市・女性(平成17年) 50.9% 64.4% 33.9% 48.4% 25.0% 19.8% 20.3% 0.0% M字カーブ30~34 歳で労働力率が低下 19.1% 29.0% 11.8% 6.1% 17.4% 2.0% 10.2% 7.0% 2.2% 15~ 20~ 25~ 30~ 35~ 40~ 45~ 50~ 55~ 60~ 65~ 70~ 75~ 80~ 85歳 19歳 24歳 29歳 34歳 39歳 44歳 49歳 54歳 59歳 64歳 69歳 74歳 79歳 84歳 以上 [出典:国勢調査] 《図 34 女性の労働力状態比較(全国及び愛知県との比較) 》 100.0% 北名古屋市・女性(平成22年) 愛知県・女性(平成22年) 70.2% 75.0% 71.5% 63.1% 73.5% 75.3% 全国・女性(平成22年) 73.1% 66.5% 63.9% やや高い 50.0% 50.9% 33.9% 19.8% 25.0% 17.4% 10.2% 6.1% 2.2% 0.0% 15~ 20~ 25~ 30~ 35~ 40~ 45~ 50~ 55~ 60~ 65~ 70~ 75~ 80~ 85歳 19歳 24歳 29歳 34歳 39歳 44歳 49歳 54歳 59歳 64歳 69歳 74歳 79歳 84歳 以上 [出典:国勢調査] 26 第2章 本市の人口動向 (5) 子育て世帯の労働状況 19 歳未満の子どものいる夫婦の労働状況《図 35》をみると、 「夫婦とも働いて いる」が、本市及び県ともに多くなっています。なお、本市は愛知県よりも「夫婦 とも働いている」割合が高くなっています。 《図 35 19 歳未満の子どものいる夫婦の労働状況(2010(平成 22)年)》 夫婦とも働いている 0% 10% 夫又は妻のみ働いている 20% 30% 40% 夫婦とも働いていない 50% 60% 70% 不明 80% 90% 100% 2.6% 北名古屋市 56.4% 40.0% 1.0% 2.3% 愛知県 54.5% 42.4% 0.8% [出典:国勢調査] 27 第2章 本市の人口動向 (6) 通勤・通学先の状況 通勤・通学における流入・流出先上位 10 位《表4》をみると、流入・流出とも に名古屋市が特化して多く、次いで流入では一宮市、流出では小牧市が多くなって います。 また、流入・流出の差《表5》をみると、一宮市の流入超過が 1,306 人で最も 多く、 次いで岩倉市の 529 人となっています。 一方、流出超過は名古屋市が 8,404 人と最も多く、次いで小牧市の 1,546 人となっています。 《表4 流出・流入数上位 10 位(2010(平成 22)年) 》《図 36、37》 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 総数 流入 市町名 名古屋市 一宮市 岩倉市 清須市 稲沢市 小牧市 春日井市 江南市 豊山町 あま市 流出 人数 5,393 2,406 1,285 1,281 979 969 938 923 414 391 19,130 注)総数には 10 位以下全てを含む 《表5 市町名 名古屋市 小牧市 清須市 豊山町 一宮市 春日井市 岩倉市 稲沢市 江南市 大口町 人数 13,797 2,515 1,321 1,137 1,100 918 756 755 519 365 27,221 [出典:国勢調査] 流出超過・流入超過上位 5 位(2010(平成 22)年) 》 区分 流入超過 流出超過 市町名 一宮市 岩倉市 江南市 あま市 稲沢市 名古屋市 小牧市 豊山町 大口町 刈谷市 流入 2,406 1,285 923 391 979 5,393 969 414 164 36 流出 差(流入ー流出) 1,100 1,306 529 756 404 519 230 161 224 755 13,797 -8,404 2, 515 -1,546 -723 1,137 -201 365 -128 164 [出典:国勢調査] 28 第2章 本市の人口動向 《図 36 通勤・通学による流入状況》 923人 164人 2,406人 1,285人 979人 969人 414人 938人 1,281人 5,393人 [出典:国勢調査] 《図 37 通勤・通学による流出状況》 519人 365人 1,100人 2,515 756人 755人 人 1,137人 918人 1,321人 13,797人 [出典:国勢調査] 29 第2章 本市の人口動向 (7) 昼夜間人口比率1 昼夜間人口比率の推移《図 38》をみると、夜間人口が増加するなか、昼間人口 はこれを上回る増加により、昼夜間人口比率は増加しており、2010(平成 22) 年では 91.4%となっています。 《図 38 昼夜間人口比率の推移》 昼間人口 夜間人口 昼夜間人口比率 (人) (%) 120,000 100 91.4 90.2 88.9 90 100,000 80 78,078 75,728 80,000 67,310 70,443 81,571 74,535 70 60 60,000 50 40 40,000 30 20 20,000 10 0 0 H12年 H17年 H22年 [出典:国勢調査] 1 夜間人口 100 人当たりの昼間人口の割合であり、100 を超えているときは通勤・通学人口の流 入超過、100 を下回っているときは流出超過を示している。 30 第3章 将来人口の推計と分析 第 3 章 将来人口の推計と分析 1 仮定値による将来人口の推計と分析 (1) 本市の将来人口推計 本市の総人口《図 39》はこれまで増加を続けていました。しかし、社人研準拠 の推計(中位推計)によると 2020(平成 32)年の 84,179 人をピークにゆる やかに減少することが予想されています。 社人研による人口推計は 2040(平成 52)年まで公表されていますが、それ以 降も社人研の推計値を 2060(平成 72)年まで一律に延長した結果、2060(平 成 72)年には 74,180 人になると予想されます。これは、2010(平成 22)年 と比べ、7,391 人少なくなります。 《図 39 総人口の推移》 (人) 90,000 80,000 平成 17 年 10 月 1 日現在 (市制施行平成 18 年 3 月 20 日) 78,078 84,179 74,180 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 将来推計値(社人研) 20,000 0 T9年 T14年 S5年 S10年 S15年 S22年 S25年 S30年 S35年 S40年 S45年 S50年 S55年 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 H67年 H72年 10,000 [出典:H22年までは国勢調査、 H27年以降はまち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] また、年齢 5 歳階級別男女別に 2010(平成 22)年の人口構成《図 40》をみ ると、団塊世代である 65 歳前後、団塊ジュニア世代である 40 歳代の人口が多く なっています。しかし、団塊ジュニア世代の子どもの層である 10 歳代は、それほ ど多くはありません。2040(平成 52)年の人口構成《図 41》をみると 65 歳 代に団塊ジュニア世代が移行するため老年人口の大幅な増加が見られ、その子供世 代はそれほど多くないため世代間構造が逆三角形型となり生産年齢世代の負担増 加が予想されます。また、社人研推計である 2060(平成 72)年の人口構成《図 42》をみると、40 歳以下の人口が逓減するつぼ型になっています。 31 第3章 将来人口の推計と分析 《図 40 男女別 5 歳階級別人口(2010(平成 22)年)》 90歳以上 85~89歳 80~84歳 75~79歳 70~74歳 65~69歳 60~64歳 55~59歳 50~54歳 45~49歳 40~44歳 35~39歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳 15~19歳 10~14歳 5~9歳 0~4歳 男性 40,898人 老年人口 7,759人 19.0% 生産年齢人口 26,596人 65.0% 年少人口 6,543人 16.0% 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 女性 40,671人 老年人口 8,787人 21.6% 生産年齢人口 25,820人 63.5% 年少人口 6,064人 14.9% 0 1,000 2,000 3,000 4,000 (人) 5,000 (人) 注)年齢不詳を案分しているため国勢調査値と異なります。 [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(国勢調査データを基に年齢不詳を案分した値)] 《図 41 男女別 5 歳階級別人口(2040(平成 52)年)》 90歳以上 85~89歳 80~84歳 75~79歳 70~74歳 65~69歳 60~64歳 55~59歳 50~54歳 45~49歳 40~44歳 35~39歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳 15~19歳 10~14歳 5~9歳 0~4歳 男性 40,516人 老年人口 10,527人 26.0% 生産年齢人口 24,685人 60.9% 年少人口 5,304人 13.1% 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 女性 40,458人 老年人口 12,821人 31.7% 生産年齢人口 22,616人 55.9% 年少人口 5,021人 12.4% 0 (人) 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 (人) [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] 《図 42 男女別 5 歳階級別人口(2060(平成 72)年)》 90歳以上 85~89歳 80~84歳 75~79歳 70~74歳 65~69歳 60~64歳 55~59歳 50~54歳 45~49歳 40~44歳 35~39歳 30~34歳 25~29歳 20~24歳 15~19歳 10~14歳 5~9歳 0~4歳 男性 37,017人 老年人口 10,252人 27.7% 生産年齢人口 22,104人 59.7% 年少人口 4,661人 12.6% 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 女性 37,163人 老年人口 12,531人 33.7% 生産年齢人口 20,220人 54.4% 年少人口 4,412人 11.9% 0 (人) 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 (人) [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] 32 第3章 将来人口の推計と分析 (2) 人口減少段階の分析 本市の人口減少段階は、2030(平成 42)年から総人口の減少が開始するなか、 老年人口のみが増加する「第1段階」を迎えます。その後、2045(平成 57)年 からは、老年人口の増加が抑制され維持・微減となる「第 2 段階」を迎え、2050 (平成 62)年からは最終的に老年人口も減少する「第3段階」となり、本格的な 人口減少時代を迎える見通しとなっています《図 43》。 第1段階:老年人口増加+生産年齢・年少人口減少 第2段階:老年人口維持・微減+生産年齢・年少人口減少 第3段階:老年人口減少+生産年齢・年少人口減少⇒本格的な人口減少時代 《図 43 人口減少段階の見通し》 総人口 老年人口 生産年齢人口 年少人口 160 140 120 100 80 60 【第1段階】 老年人口増加 年少・生産年齢 人口減少 40 20 【第3段階】 老年人口減少 年少・生産年齢 人口減少 0 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 【第2段階】 老年人口維持 年少・生産年齢 人口減少 [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] (3) 将来人口に及ぼす自然増減、社会増減の影響度 本市では自然増減と社会増減のどちらが将来人口に及ぼす影響が高いかを「内閣 官房まち・ひと・しごと創生本部が示した方法」に基づいて検証を行いました。 その結果、本市においては、社会増減の影響度よりも自然増減の影響度の方が高 いことが明らかとなりました。 このことにより、本市の人口対策としては、出生数を増やすことがより効果的で あるといえます。ただし、将来的に社会増加が鈍化すると、社会増減の影響度が大 きくなることが懸念されるため、転入者を増やす施策も行っていくことが必要とな ります。 《表 6 将来人口に及ぼす影響度》 分 類 自然増減 社会増減 影響度 104.8% 93.5% 33 第3章 2 将来人口の推計と分析 将来人口推計 (1) 市独自による人口推計 将来人口を、以下の 2 パターンを設定し、人口を推計しました《図 44》 。 区 分 推計の考え方 出生率(合計特殊出生率) 移動率 シミュレーシ ョン 1 社人研推計準拠 シミュレーシ ョン 2 出生率回復 (国創生本部推奨) 「2005(平成 17)年→2010(平 実績値 1.67(2007 (平成 19) 成 22)年」の国勢調査(実績)に基 ~2011(平成 23)年平均値) づいて算出された純移動率が、その を基本に維持すると仮定 後段階的に縮減していくと仮定 2030(平成 42)年までに 1.8 (ベイズ推定値) 、2040(平 成 52)年までに 2.07(ベイ シミュレーション 1 と同じ ズ推定値)に回復その後は一定 と仮定 <出生率の仮定値> 区分 シミュレーショ ン1 シミュレーショ ン2 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52 H57 H62 H62 H67 1.65 1.69 1.65 1.62 1.62 1.63 1.63 1.63 1.63 1.63 1.63 1.65 1.69 1.73 1.76 1.80 1.94 2.07 2.07 2.07 2.07 2.07 《図 44 推計結果比較》 シミュレーション1(社人研推計準拠) シミュレーション2(出生率:国総合戦略、移動率:社人研) 人 86,000 83,480 84,000 82,000 81,569 84,350 84,473 84,061 84,179 83,993 83,634 83,507 83,413 83,134 83,206 82,477 81,516 82,103 80,974 80,000 79,834 78,000 78,436 76,000 76,543 74,000 74,180 72,000 70,000 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 社人研推計準拠(ホームページ等での公表数値とは異なる推計)「シミュレーシ ョン 1」では、2060(平成 72)年には 74,180 人まで減少する予測となってい ます。一方、長期ビジョンと同様に出生率が回復するとした「シミュレーション 2」 は、81,516 人となっています。 出生率が 2.07 まで回復しない「シミュレーション 1」は、2060(平成 72) 年においても、人口減少に歯止めがかからず、急激な人口減少が継続しています。 出生率が回復する「シミュレーション 2」においては、緩やかな人口減少となっ ています。 34 第3章 将来人口の推計と分析 (2) 人口構造の分析 シミュレーション 1《図 45》では、2060(平成 72)年には老年人口が 30.7% まで増加する一方、年少人口は 12.2%に減少します。ただし、老年人口は 2050 (平成 62)年に 31.8%まで増加してから改善しており、年少人口も横ばい傾向 で推移しています。 シミュレーション 2《図 46》では、2060(平成 72)年には老年人口が 2015 (平成 27)年よりも約 4%高い 27.9%まで増加するものの、年少人口は現状と ほぼ同様の 15.5%に維持されます。また、老年人口はシミュレーション 1 と同様 に 2050(平成 62)年から改善しています。 《図 45 シミュレーション 1 の年齢 3 区分人口の推計結果》 年少人口 (人) 90,000 83,480 84,179 83,993 83,206 生産年齢人口 老年人口 82,103 80,974 79,834 78,436 76,543 80,000 74,180 19,797人 20,596人 20,127人 19,967人 20,944人 23.7% 24.0% 23,348人 24.5% 24.0% 70,000 24,584人 24,933人 25.5% 28.8% 24,186人 30.8% 22,783人 31.8% 31.6% 30.7% 60,000 50,000 50,855人 60.9% 51,201人 40,000 52,249人 52,407人 60.8% 50,706人 47,301人 45,070人 62.2% 63.0% 43,612人 42,870人 42,324人 61.8% 58.4% 56.5% 30,000 55.6% 56.0% 57.1% 20,000 10,000 12,829人 12,383人 11,617人 10,833人 10,453人 10,325人 10,179人 9,892人 14.7% 13.8% 13.0% 12.7% 12.8% 12.8% 12.6% 15.4% 0 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 9,487人 12.4% 9,073人 12.2% H67年 H72年 《図 46 シミュレーション 2 の年齢 3 区分人口の推計結果》 年少人口 (人) 90,000 83,480 84,350 80,000 19,797人 20,596人 23.7% 24.4% 70,000 生産年齢人口 老年人口 84,473 84,061 83,634 83,507 83,413 83,134 82,477 20,127人 23.8% 19,967人 23.8% 20,944人 25.0% 23,348人 28.0% 24,584人 29.5% 24,933人 30.0% 24,186人 29.3% 52,249人 61.9% 52,407人 62.3% 50,874人 60.8% 47,781人 57.2% 45,949人 55.1% 45,209人 54.4% 45,527人 55.2% 12,096人 14.3% 11,687人 13.9% 11,816人 14.1% 12,378人 14.8% 12,880人 15.4% 12,992人 15.6% 12,764人 15.5% 12,621人 15.5% H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 H67年 H72年 81,516 22,783人 27.9% 60,000 50,000 50,855人 60.9% 51,201人 40,000 60.7% 30,000 46,112人 56.6% 20,000 10,000 12,829人 12,554人 14.9% 15.4% 0 H27年 H32年 35 第3章 3 将来人口の推計と分析 人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察 (1) 財政への影響 市の財政への影響としては、生産年齢人口が減少することにより、個人市民税が 減少します。一方で、老年人口が増加するため、医療や介護などの社会保障費の増 大が見込まれます。また、市の主要税収の 1 つである固定資産税についても、人 口減少に伴い新築家屋等の建設が減少することにより、減収が懸念されます《図 47》。 《図 47 将来の税収見通し》 (百万円) 14,000 12,457 12,086 12,168 12,418 12,455 12,051 12,000 11,242 10,712 10,365 10,189 10,059 H62年 H67年 H72年 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 H22年 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 注) 2010(平成 22)年度の市税収入額と国勢調査人口の生産年齢人口から、生産年齢人 口の1人当り市税収入額を算出し、これを将来の生産年齢人口(まち・ひと・しごと 創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠))に乗じて算出しています。 (2) 公共サービス・施設の長期的な維持・管理への影響 人口減少がおこると、市民税や固定資産税の減収のほか、人口に対して交付され る国からの普通交付税も減少することなどにより、市の財政状況が悪化し、福祉・ 医療、防災等の住民サービスの低下を招く恐れがあります。 また、市の公共施設をみると、建築から 30 年を経過している施設も多くみられ ることから、今後、老朽化に伴う修繕費用や改修費用がこれまで以上に必要となる ため、適正な維持管理ができなくなる恐れがあります《図 48》 。 《図 48 公共施設の維持管理費》 (千円) 40年間の更新費用 943.3億円 5,000,000 4,500,000 1年当たりの 更新費用 23.6億円 4,000,000 3,500,000 3,000,000 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 0 築61年以上の公共施設の建替え 建替え 築31年以上50年未満の公共施設の大規模改修 大規模改修 [出典:北名古屋市公共施設等総合管理計画] 36 第3章 将来人口の推計と分析 (3) 地域経済及びまちづくりの仕組みへの影響 人口減少によって経済規模が縮小すると、これが更なる縮小を招く悪循環に陥る 可能性があります。特に、急激な人口減少や高齢化は、労働力人口の減少や消費市 場の縮小を引き起こし、それにより、社会生活サービスの低下を招き、更なる人口 流出を引き起こすことが危惧されます。 また、人口減少・少子高齢化により、高齢者を支える現役世代の人数が減るとと もに《図 49》 、自治会や地域防災組織、子ども会などの地域コミュニティの維持 が困難になり、地域の活力が低下することも懸念されます。 《図 49 1 人の高齢者を支える現役世代の人数推移予測(生産年齢人口/老年人口)》 (人) 4 4 3.2 3 2.6 3 2.5 2.6 2.6 2.4 2.0 2 1.8 1.7 1.8 H62年 H67年 1.9 2 1 1 0 H22年 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H72年 [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] (4) 就労への影響 人口減少及び高齢化の進行により生産年齢人口が減少していくため《図 50》、 労働力人口及び労働力率が低下し、これが市内事業所の経済活動を低下させる懸念 があります。また、労働力の確保に向けて、市内事業者の市外・国外への流出も懸 念されます。さらに、今後需要の増加が見込まれる介護ニーズに対して、労働力不 足が深刻化する懸念があります。 《図 50 生産年齢人口の推移予測》 (人) 60,000 52,339 50,000 50,855 51,201 52,249 52,407 50,706 47,301 45,070 43,612 42,870 42,324 H62年 H67年 H72年 40,000 30,000 20,000 10,000 0 H22年 H27年 H32年 H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 [出典:まち・ひと・しごと創生本部推計値(社人研推計(中位推計)準拠)] 37 第4章 第4章 1 本市の将来展望 本市の将来展望 めざすべき将来の方向 人口の減少への対応については、出生率の向上により人口構造の若返りを図ること及 び転出抑制と転入増加により人口規模の安定を図り、人口減少に歯止めをかける必要が あります。 本市においては、出生率の状況をみると、合計特殊出生率が 1.65 であり、国や愛知 県の平均値よりも高いものの、国民が希望する子どもの数を産んだ場合の合計特殊出生 率の 1.8 や、人口維持のための水準である人口置換水準の 2.07 よりも低くなっている ため、若い世代の結婚・妊娠・出産・子育ての希望をかなえる取組を進めることが必要 となります。 あわせて、新たな工業系の市街地整備を活用し、就労場所となる事業所を誘致すると ともに、本市の資源を活かした新たなビジネスを創出する取組により、若者や女性、高 齢者など多様な雇用を創出することにより、転出の抑制、転入を促進していく必要があ ります。 また、本市が全体的に転入超過の傾向となっている要因として、名古屋駅周辺の拠点 化が進むなか、名古屋駅からの交通利便性の良さから若い世代等の受け皿になっている ことが考えられます。短期的な居住地を求めて転入する住民は安定した人口とならない ものの、「北名古屋市だから住みたい」というような、北名古屋市らしさを活かした、 まちの魅力を高めるまちづくりが必要となります。 さらに、活力ある北名古屋市を今後も維持するためには、北名古屋市ならではの魅力 を発信し、本市に愛着のある市民及びこうした居住環境に魅力を感じる転入者を増やす 取組を進めることにより、次世代の人を確保していく必要があります。 以上のことから、近い将来生じる人口減少に歯止めをかけ、人口構造の若返りを図る ため、次のめざすべき将来の方向を定めます。 めざすべき将来の方向 ○結婚・出産・子育てしやすい環境づくり ○しごとづくり ○まちの魅力づくり ○住み続けられるまちづくり 38 第4章 2 本市の将来展望 人口の将来展望 人口減少社会を迎えるなか、現状の 1.65 程度の合計特殊出生率が続いた場合の「シ ミュレーション 1」によると人口減少が進み、2020(平成 32)年に約 84,000 人、 2045(平成 57)年には、80,000 人を下回り、2060(平成72)年には、約 74,000 人まで減少すると予測されています。 このような状況がつづいた場合、公共サービスの質・量の低下、社会保障分野におけ る若い世代の負担の増大など、様々な問題が懸念されます。 本市においては、長期ビジョン及び県の人口ビジョンを踏まえ、合計特殊出生率を 2030(平成 42)年で 1.8、2040(平成 52)年で 2.07 とした「シミュレーショ ン2」を、本市のめざすべき将来の方向を実現していくことで、2060(平成 72)年 に、人口 81,500 人の維持をめざします。 目 標 2060(平成72)年に人口 81,500 人を維持する。 《図 51 将来人口》 シミュレーション1(社人研推計準拠) シミュレーション2(出生率:国総合戦略、移動率:社人研) 人 86,000 83,480 84,000 82,000 81,569 84,350 84,473 84,061 84,179 83,993 83,634 83,507 83,413 83,134 83,206 82,477 81,516 82,103 80,974 80,000 79,834 78,000 78,436 76,000 7千人程度 76,543 74,000 74,180 72,000 70,000 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 39 第4章 本市の将来展望 《図 52 シミュレーション 2 の年齢 3 区分人口の推計》 年少人口 (人) 90,000 83,480 84,350 80,000 19,797人 20,596人 23.7% 24.4% 70,000 生産年齢人口 老年人口 84,473 84,061 83,634 83,507 83,413 83,134 82,477 20,127人 23.8% 19,967人 23.8% 20,944人 25.0% 23,348人 28.0% 24,584人 29.5% 24,933人 30.0% 24,186人 29.3% 52,249人 61.9% 52,407人 62.3% 50,874人 60.8% 47,781人 57.2% 45,949人 55.1% 45,209人 54.4% 45,527人 55.2% 12,096人 14.3% 11,687人 13.9% 11,816人 14.1% 12,378人 14.8% 12,880人 15.4% 12,992人 15.6% 12,764人 15.5% 12,621人 15.5% H37年 H42年 H47年 H52年 H57年 H62年 H67年 H72年 81,516 22,783人 27.9% 60,000 50,000 50,855人 60.9% 51,201人 40,000 60.7% 30,000 46,112人 56.6% 20,000 10,000 12,829人 12,554人 14.9% 15.4% 0 H27年 H32年 《表7 シミュレーション 2 の5歳階級別人口の推計》 男女計 総数 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 2035 年 2040 年 2045 年 2050 年 2055 年 2060 年 83,480 84,350 84,473 84,061 83,634 83,507 83,413 83,134 82,477 81,516 0~4 歳 4,316 4,053 3,891 3,894 4,178 4,458 4,407 4,295 4,227 4,261 5~9 歳 4,281 4,238 3,983 3,823 3,827 4,106 4,381 4,331 4,221 4,154 10~14 歳 4,233 4,263 4,223 3,970 3,811 3,814 4,092 4,366 4,316 4,206 15~19 歳 4,006 4,237 4,265 4,222 3,968 3,807 3,811 4,089 4,363 4,313 20~24 歳 3,761 4,215 4,448 4,468 4,412 4,143 3,975 3,979 4,269 4,555 25~29 歳 4,457 4,137 4,593 4,816 4,821 4,748 4,457 4,277 4,281 4,593 30~34 歳 5,560 4,704 4,379 4,830 5,039 5,031 4,953 4,650 4,463 4,467 35~39 歳 6,435 5,547 4,701 4,378 4,823 5,027 5,019 4,940 4,638 4,451 40~44 歳 7,769 6,410 5,531 4,690 4,368 4,809 5,012 5,004 4,926 4,625 45~49 歳 6,182 7,701 6,357 5,487 4,654 4,336 4,774 4,975 4,968 4,890 50~54 歳 4,642 6,111 7,612 6,287 5,428 4,606 4,291 4,724 4,924 4,916 55~59 歳 3,732 4,538 5,979 7,449 6,156 5,317 4,511 4,203 4,628 4,822 60~64 歳 4,311 3,600 4,383 5,780 7,205 5,959 5,146 4,366 4,068 4,479 65~69 歳 5,999 4,124 3,448 4,203 5,551 6,925 5,728 4,945 4,196 3,909 70~74 歳 5,664 5,619 3,868 3,238 3,954 5,234 6,529 5,401 4,661 3,956 75~79 歳 4,097 5,050 5,058 3,488 2,929 3,588 4,750 5,924 4,904 4,229 80~84 歳 2,344 3,337 4,172 4,243 2,935 2,479 3,031 4,014 5,004 4,145 85~89 歳 1,094 1,645 2,381 3,046 3,176 2,207 1,853 2,258 2,991 3,728 599 820 1,200 1,749 2,399 2,915 2,693 2,390 2,429 2,817 90 歳以上 注) 推計値であり、小数点以下を四捨五入して表記しています。このため、合計が総数と合わない場合が あります。 40 北名古屋市人口ビジョン 発行:北名古屋市 編集:総務部 経営企画課 〒481-8531 愛知県北名古屋市西之保清水田15番地 電話 (0568)22-1111 FAX (0568)25-1800 E-mail [email protected]