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乗用車新車登録台数について
日銀コーナー 統計の散歩道 −乗用車新車登録台数について− (図表2)をみると、12/10ー12月期以降、登録台数は増加 今月は、乗用車新車登録台数について取り上げます。 傾向にあることが確認できます。これは、消費者のニーズが 本統計は、自動車の新車登録台数を月次で公表している 小型で燃費性能に優れた車種にシフトする中、軽自動車や小 統計で、速報性も高く、個人消費の動向をみるうえで重要な 型車においてメーカー側が高性能の新型車を積極的に導入 指標のひとつです。乗用車のうち、普通・小型車は日本自動 車販売協会連合会、軽自動車は全国軽自動車協会連合会が したことが主な背景です。実際、13年度上半期の軽自動車の 本統計の利用にあたっては、 (1) 新車販売には季節変動が 今後の新車登録台数については、新型車の投入効果に加 累計登録台数 (11,090台) は過去最高となりました。 公表しています。 ある (例えば3月は販売店が決算に向けて販売を強化するほ え、14/4月に実施される消費税増税前の駆け込み需要もあっ 加する傾向がある一方、 8月は販売店の休業日が多いため の消費税率で自動車を購入するためには、14/3月末までに て当面は前年を上回って推移するとみられます。なお、現行 か、新生活の開始に向けて需要が高まるため登録台数が増 納車 (新車登録) される必要があり、納期が14/4月以降とな 登録台数が減少しがち)ため、本統計の利用にあたっては、 る場合、たとえ14/3月末までに販売店と売買契約を結んだ 前年同月比や季節調整済年率換算台数でみる必要があるこ と、 (2) 購入した自動車が新車登録された時点で統計に計上 としても増税後の税率が適用されます。そのため、13/9月頃 とは必ずしも一致しない (受注から納車<新車登録>まで相 みられ始めており、一部では既に納期が14/3月末に間に合 から納期が数か月かかる人気車種を中心に駆け込み需要が されるため、ディーラー等の販売店サイドの受注・販売動向 応のタイムラグがある) ことに留意する必要があります。また、 わない車種も出てきているようです。 げ等) に大きく左右されることから、 こうした状況と併せて動 反動減から、自動車需要が減少することが懸念されています 来年度以降については、消費税増税前の駆け込み需要の (3)新車販売は、政府の政策 (エコカー補助金、消費税引上 が、政府・与党では、こうした影響を緩和するため、自動車取 向を判断することも重要です。 得税 (地方税) や自動車重量税を廃止・軽減する方針を示して こうした本統計の特性を踏まえ、足もとの県内の新車登 います。もっとも、その一方で財源確保のために軽自動車税 (地 録台数 (図表1)をみると、12/4月に再導入されたエコカー 方税)を引き上げる案も出ており、①税制がどのように変更 補助金制度の終了 (12/9月) に伴う反動減により、12/10ー されるか、②変更された場合の影響がどのようなものとなるか、 12月期から13/4ー6月期まで前年を下回る状況が続いて について今後しっかりと把握する方針です。 いましたが、13/7ー9月期以降はその反動減が収束する形 日本銀行 大分支店 総務課 加藤 紀行氏 で前年を上回っています。この間、季節調整済年率換算台数 100 (図表1)乗用車新車登録台数(含む軽、車種別寄与度) (前年比、寄与度%) 80 60 100 普通車 小型車 軽自動車 大分県計 全国計 エコカー補助金再導入 (12/4月~12/9月) 80 60 エコカー補助金導入 (09/6月~10/9月) 40 40 20 20 0 0 ▲ 20 ▲ 20 ▲ 40 ▲ 40 ┗ 2008年 ┛ ┗ 0 9 ┛ ┗ 1 0 ┛ ┗ 1 1 ┛ ┗ 1 2 ┛ ┗ 1 3 13/7月 8 9 10 (資料)日本自動車販売協会連合会大分県支部、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会 6 (図表2) 乗用車新車登録台数(季節調整済年率換算台数) ( 万台) 6 軽自動車 5 乗用車(除軽) 5 乗用車(含軽) 4 4 3 3 2 2 1 1 0 0 ┗ 2008年 ┛ ┗ 0 9 ┛ ┗ 1 0 ┛ ┗ 1 1 ┛ ┗ 1 2 ┛ ┗ 1 3 13/4月 5 6 7 8 9 10 (注)季節調整値(X12-ARIMA)は日本銀行大分支店で算出。(資料)日本自動車販売協会連合会大分県支部、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会 創造おおいた 2014.1 15