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日産:BRICsと中東での事業に注力、新興国市場を早期に

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日産:BRICsと中東での事業に注力、新興国市場を早期に
2016/4/5
日産:BRICsと中東での事業に注力、新興国市場を 早期に収益源化 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
日産:BRICsと中東での事業に注力、新興国市場を早期に収益源化
タイ/インド/中国で、グローバルエントリーカーを2010年から生産
2009.9.30 No.816
グローバルエントリーカーを2010年から生産、年販目標 100万台
ブラジルで FFV、ロシアで Teana 生産を開始、中東の販売体制も強化
中国:2008年販売は 55万台、2012年目標は 80万台
南アフリカの生産体制を強化、パキスタンとベトナムでも現地生産
2008年度に 8車種、2009年度も 8車種の新型車を投入
日米欧を除いた地域の2009年度生産は、増加見込み
要 約
日産は、グローバル危機に対応する新たな業績改善策を2009年 2月に発表した。投資圧縮や経費節減を徹底
し、将来のビジネスチャンスに向けた積極策として、電気自動車とグローバルエントリーカーに注力するとしている。
地域としては BRICs と中東に注力し、新興国市場を早期に収益源に育てるとしており、以下は、日産の新興国事
業強化の最近動向である。
グローバルエントリーカーは、タイ, インド, 中国で、2010年に生産を開始する。新興国市場向け生産が中心だ
が、その一環として、国内販売する March をタイに、欧州販売する Micra をインドに生産移管する。
ブラジルでは、Livina シリーズのフレックスフューエル車 (FFV) 生産、ロシアでは Teana 生産を2009年に開始し
た。中東では販売体制を強化して、2012年には年販 40万台に倍増する計画。
2008年販売が 54.5万台に拡大した中国では (07年は 45.8万台)、2012年の 80万台販売を目標に、生産体制を
拡充中 (東風ブランドの中大型商用車を含めると、2012年目標は 100万台)。
この他、南アフリカでの年産能力を 4万台から 6.8万台に拡充し、日産が2012年までに開発する計画の 13車種
の LCV の最初のモデルとして、小型 pickup の NP200 生産を2008年に開始した。また、2009年にはパキスタンで
現地生産を再開し、ベトナム生産も開始する計画。
(注)日産が2009年 2月に発表した業績改善策の詳細は、2009年 4月掲載 MarkLines Repor No.762
"日産:エントリーカーと電気自動車に集中投資して、2010年に投入" を参照方。
日産の電気自動車とハイブリッド車計画は、2009年 9月掲載 MarkLines Report No.803
"日本の乗用車メーカーの HEV/EV 計画:トヨタは新型 HEV を積極投入"を参照方。
■グローバルエントリーカーを2010年から生産、年販目標 100万台
日産は2010年から、タイ, インド (Chennai新工場で生産), 中国で、新開発した専用 A platform をベースとするグ
ローバルエントリーカーを生産する。本格稼動時には LCC 5ヶ国 (低コスト国)で生産し、世界 150ヶ国以上に投入
し、年販 100万台を目指す。
その一環として、国内専用車だった March をタイに、March の欧州仕様だった Micra をインドに生産移管し、グ
ローバルエントリーカーとして生産する。
日産:グローバルエントリーカーを2010年から生産、世界で年販 100万台を目指す
2009年度末に、新開発した A platform ベースのグローバルエントリーカーの生産を開始する。部品点数を
削減し、現地調達率を 90%に高め、コストを現行 March に比べ約 3割削減したとされる。(注3)
タ 国内販売する March の生産もタイに全面移管して、グローバルエントリーカーの一環として生産し、逆輸入
イ する計画。
タイの Siam との合弁 2社は、年産能力を現在の 14万台から、2010年には 20万台に拡充し、グローバルエ
ントリーカーを年 10万台程度生産する計画。
中
国
2010年半ばに、グローバルエントリーカーの生産を開始する。
http://www.marklines.com/ja/report/rep816_200910
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2010年 5月に Chennai 新工場を稼動し、2010年からの 3年間で A platform ベースの 3車種を生産・発売
する。先ず、2010年 6月に現地生産第 1弾として新型 Micra を発売する。1200cc エンジンを搭載するハッチ
バック車で、欧州を含む世界 100ヶ国以上に輸出する計画。
イ 第 2弾は、2011年に、同じ A platform ベースで開発する小型セダンを発売する。(第 3弾のモデルは未発
ン 表)
ド
日産は現地のエノール港会社と提携した。エノール港会社は Chennai 近郊のエノール港に車両輸出できる
14万m2 の埠頭を新たに整備し、日産に優先的使用権を提供する。輸出台数は2011年に 11万台を予定し、
将来的には 18万台に引き上げる計画。
インドでの販売車種は、現在の Teana と X-Trail の 2車種から、2012年までに 9車種に増強する。
資料:日産2008年度決算報告, 広報資料 08.6.6/08.10.18, 日本経済新聞 09.1.16, 日経産業新聞 09.9.18
(注) 日産は、グローバルエントリーカーは A platform ベースとするが、Bセグメント車に匹敵する広さ, 技術, 快適
1. 性と、Aセグメント車の燃費と維持費を両立させるとしている。
2. 日産は、グローバルエントリーカー生産を手始めに、コスト競争力のある国々で生産する新車の 9割以上の部
品を現地生産する計画。
3. 現行 March は国内専用車。追浜工場で生産し、2008年国内販売は 46,686台。日本の自動車メーカーが、
主力量販車の生産を海外に全面移管するのは初。March を生産移管する追浜工場は、2010年から電気自動
車や新開発小型車を生産する見込み。
4. 日産は Chennai 工場建設を2008年 6月に開始し、その時点では日産のグローバルエントリーカーと Renault
の Logan ベース車を生産するとしていた。その後の環境変化から計画を縮小し、当面 Reanult は参加を延期
する。
5. 日産は、上記 3ヶ国の他に、メキシコでもグローバルエントリーカーを生産する計画とされる。
ブラジルで FFV、ロシアで Teana 生産を開始、中東の販売体制も強化
日産は、先進国市場の早期回復が見込めないなか、BRICs と中東での事業に注力し、早期に収益源化を目指す
としている。
ブラジルでは、2009年から Livina シリーズのフレックスフューエル車 (FFV) 生産を開始し、FFV の Tiida と
Sentra も投入する。ロシアでは、Teana 生産を2009年 6月に開始した。中東では販売体制を強化して、新型
Patrol を2009年度に投入する。
日産:ブラジルとロシア、および中東での事業体制を強化
日産は2009年 1月、Renault のブラジル工場で、任意のエタノール混合率に対応するエンジンを搭載した
ブ
ラ
FFV (フレックスフューエル車) の Livina (5座席) 生産を開始した。(Renault のブラジル工場は、これまで、日
産ブランド車は Frontier と Xterra を生産してきた)
ジ
ル
2009年内に、FFV の Grand Livina (7座席) 生産も開始し、FFV 仕様の Tiida と Sentra の輸入販売も開
始する。
日産は2009年 6月、192億円を投資したロシア St. Petersburg 新工場で、Teana 生産を開始した。秋には
ロ X-Trail 生産も開始する。年産能力は 5万台で、初年度計画は 2.5万台。
シ 日産のロシアでの2008年販売は 14.6万台。2009年 1~6月のロシア市場は08年比 46%減少しているが
ア (75.1万台)、近い将来回復すると見込んで現地生産を開始した。高級車生産から開始するが、将来的には中
小型車生産も検討する。
日産は、中期 5ヶ年計画 ”日産GT 1012 (08年 5月発表)” で、中東での販売を2007年の 20万台から、
2012年には 40万台に倍増すると発表した (新型車投入は、先ず2009年度に、新型 Patrol を投入する)。
2008年10月、UAE のドバイに本社を置く Al Dahana 社と合弁で ”日産ガルフ” を設立すると発表した。サ
中 ウジアラビア, アブダビ, クエート, バーレーンの 4ヶ国の販売・マーケティングで、地域統括会社である中東日
東 産会社の機能を補完し、2012年までに年販 16万台を目指す (中東全域での年販目標は 40万台)。
また、ドバイに本社を置く GAPCorp 社とも提携し、中東全域と北アフリカで、新車延長保証, ロード・サイド・
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アシスタンス, 車両価値保証保険, 車両保険を含む、包括的な販売金融・保険サービスを行い、ワン・ストップ・
ショップを展開する。
資料:日産広報資料 08.10.12/09.1.13/09.6.2/09.7.29
中国:2008年販売は 55万台、2012年目標は 80万台
日産は2008年度に、中国市場に新型 4車種、Qashqai, Livina C-gear, Teana, X-Trail を投入、2008年度の販
売は 54.5万台に拡大した (日産ブランド車と東風ブランド LCV・SUV の合計で、07年度実績は 45.8万台)。2009
年度販売も、9月中旬時点で、年販計画 57万台を 10万台上回るペースとしている。
日産は、2012年の年販 80万台を目標に (東風ブランド中大型商用車を含めると 100万台)、東風汽車有限公司:
Dongfeng Motor Co., Ltd. の生産体制を拡充中。年産能力 12万台の鄭州の商用車組立工場が2010年、花都乗
用車工場の新工場棟・新生産ラインが2012年に稼動する計画。
日産:中国事業の生産体制拡充
生産車種
現状及び強化計画
Tiida,
Sylphy,
広州
(花都
工場)
Livina シリ 年産能力を現在の 36万台から、段階的に 60万台に拡充する (09年 7月発表)。そのための
ーズ,
新工場棟と新生産ラインが、2012年に稼動予定 (投資額は約 694億円)。
Qashqai,
X-Trail
襄樊
Teana, 小
年産能力は 10万台。2009年に、日産ブランドの NT400 Cabstar (日本名はアトラスF24)
工場
型商用車
の生産を開始する。
鄭州
Paladin, ピ 当初年産能力 12万台の第 2工場が2010年に稼動し (投資額は約 149億円)、年産能力が
日産
ックアップ
十堰
工場
約 20万台に拡大する。
バス, 中・
大型商用
東風ブランドの中大型商用車を生産。
車
資料:日産の2008年度決算報告, 日産広報資料 08.5.28/09.6.16/09.7.29
(注) 日産の中国拠点の東風汽車有限公司は (略称 DFL:Dongfeng Motor Co., Ltd.)、(1)日産ブランド乗用車、
1. (2)日産ブランド小型商用車、(3)東風ブランド小型商用車、(4)東風ブランド中大型商用車、を生産・販売して
いる。 (日産は、(1)~(3) の合計を、日産の販売台数として発表している)
2. 日産は2008年 5月、DFL の 5ヶ年中期計画を発表した。2012年までに、新型乗用車 10車種以上、新型小型
商用車 5車種以上を投入し、年販 100万台とする計画 (うち、中大型商用車を除く日産の販売が 80万台)。
3. 日産の中国事業(DFL) の2008年販売台数は、日系自動車メーカーのなかで乗用車販売は 3位、小型商用車
を含めると 2位、東風ブランドの中大型商用車を含めると 1位 (日産発表)。
■日産:中国事業の販売実績と計画(1,000台)
2006年
2007年
2008年
2009年計画
2012年計画
日産ブランドの乗用車と小型商用車
297
379
東風ブランド小型商用車
161
166
日産の販売合計
363
458
545
570
800
東風ブランド中大型商用車
152
163
200
東風汽車有限公司 (DFL) 合計
610
708
1,000
資料:日産2008年度決算報告, 広報資料 08.5.28
(注) 日産は、小型商用車は、幅広いお客様に東風ブランド車、上級嗜好のお客様に日産ブランド車を販売すると
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している。
南アフリカの生産体制を強化、パキスタンとベトナムでも現地生産
日産は、2008年に南アフリカの Rosslyn 工場の年産能力を 4万台から 6.8万台に拡充し、小型 pickup の
NP200 生産を開始した。
2009年 1月にはパキスタンで現地生産を再開し、2009年末にベトナム生産も開始する計画。
日産:南アフリカの生産体制を強化、ベトナムとパキスタンで生産開始
日産と Renault は、2008年に、南アフリカの Rosslyn 工場の、商品開発, 国産化部品の物流整備, 年産能
南
ア
フ
リ
カ
力拡充 (4万台から 6.8万台に拡充) に約 136億円を投資した。
日産は、1400 Bakkie の後継モデル NP200 の生産を Rosslyn 工場で開始し、2008年10月に発売した。
NP200 は、1600cc ガソリンエンジン搭載、積載量 500kg の pickup トラックで、日産の中期5ヶ年計画 ”日産
GT 2012” 期間中に発売する 13車種の LCV の最初のモデル。
Renault ブランド車も、低価格車 Sandero の生産を2009年に開始する。
パ
キ
日産は2002年まで、Karachi にある生産・配給会社ガンダーラ日産で、旧型サニー B14型を生産していた。
ス
その後生産を中止し、輸入販売してきた (日産車の2008年販売は 430台)。2009年 1月に生産を再開し、現
タ
地製サニー N16型の販売を 2月に開始した。
ン
ベ
ト
日産は、2008年11月にベトナム日産を設立 (日産が 26%出資)、12月に X-Trail, Teana, Tiida, Patrol 等
ナ
の輸入販売を開始した。2009年末から現地生産も開始する計画。
ム
資料:日産広報資料 08.7.18/08.9.29/09.1.31/09.6.30
2008年度に 8車種、2009年度も 8車種の新型車を投入
日産は、2009~2012年に、グローバルエントリーカーのラインアップと電気自動車を含め、年平均 10車種の新型
車を発売する。
2008年度は、Teana, Cube, FX, Fairlady Z, NP200 など、グローバルで 8車種の新型車を発売した。2009年度
も、PIXO, FUGA, NV200, グローバルエントリーカーなど、8車種を発売する計画。
日米欧を除いた一般海外市場では、先進地域と共通モデルの他に、新型 Patrol, グローバルエントリーカー, 新
型 LCV の NP200 と NV200 を投入し、Livina シリーズの発売地域も拡大する。
日産の地域別新型車投入 (2008~2009年度)
*マークは、世界初投入の新型車。
一般海外市場は、日本/北米/欧州を除く地域 (中国を含む)。
一般海外市場
NP200* (注1)
2008年度
日本
Kix*, Cube* (注4),
Fairlady Z *(注5)
北米
欧州
FX* (注9), Maxima* Teana, Qashqai plus2*
Livina series (注2),
Teana, Murano (注3),
X-Trail, Nissan GT-R,
Teana, Murano
Nissan GT-R,
G37, G37 coupe,
370Z
EX, FX
370Z
新型 Patrol*,
FUGA* (注6), 新型軽*,
G37 convertible*,
グローバル entry car*
NV200 *(注7)
370Z convertible*
Maxima, 370Z,
http://www.marklines.com/ja/report/rep816_200910
PIXO* (注10)
Cube,
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2009年度 370Z convertible,
Fairlady Z convertible,
G37 convertible,
Skyline Crossover
NV200, NP300
(注8)
370Z convertible,
Cube
新型 Patrol,
G37 convertible,
NV200
資料:日産2008年度決算報告、日産広報資料 08.9.29/08.11.19/09.2.24/09.5.19/09.7.9/09.7.23、その他
(注) NP200 は、積載量 500kg の小型 pickup で Bakkie 1400 の後継車。日産が2012年までに投入する 13車種
1. の LCV の最初のモデル。
2. Livina series はグローバル市場向け世界戦略車。2006年11月、中国市場に初投入した。
3. Murano は、初代モデルを2002年に北米市場投入したプレミアム SUV で、国内発売は04年。新型車は、走
行性能や高級感を高め、08年 1月に北米、9月に日本、10月に欧州で発売し、順次世界 170ヶ国に投入する
計画。2500cc/3500cc エンジンと CVT を搭載。
4. Cube は国内専用モデルだったが、2008年11月に国内発売した新型車はグローバルモデルとしてモデチェン
ジし、快適性や居住性を高めたとしている。2009年春に北米、秋に欧州に投入する。追浜工場で生産し、
1500cc エンジンと CVT を搭載。
5. 新型 Fairlady Z は、ショートホイールベース化し、VVEL (バルブ作動角・リフト量連続可変システム) を採用
した 3700cc エンジンと 6速MT/新開発 7速AT を搭載、世界トップレベルの運動性能としている。
6. 2009年秋に国内発売する新型 FUGA は (北米では Infiniti M)、新開発の軽量高剛性ボディー, 車両統合シ
ステム・エコペダル, Side Collision Prevention, フォレストエアコン (温度, 風の強さ, 湿度, においを総合的
に管理する新開発エアコン) など、12の新技術を搭載する。
7- 2009年 5月、NV200 Vanette を国内発売した。2人/5人乗りバンと、7人乗りワゴンを設定。1600cc ガソリンエ
1. ンジンと 5速MT/4速AT を搭載。
7- この車種は従来はマツダの Bongo バンを OEM調達してきた。小型 1Box バン市場は、日本では年販数万台
2. の市場だが、欧州で 60万台、中国では 100万台規模の市場のため、グローバルカーとして新規開発した。
Bongo の 4WD車とディーゼルエンジン車の OEM調達も続ける。
7- 2009年秋に欧州、2010年春に中国で発売する (いずれも現地生産車)。グローバルで年販 15万台が目標。
3. 欧州仕様は 1500cc ディーゼルエンジンも設定する。
8. Skyline Crossover は、北米で販売する Infiniti EX ベースの、クーペと SUV を融合したモデル。VVEL を採
用した 3700cc エンジンと 7速AT を搭載する。2009年 7月に国内発売した。
9. スポーツカーと SUV を融合したコンセプトの Infiniti FX は、2009MY でフルモデルチェンジし、従来の
FX45 に替わり FX50 を設定した。VVEL を採用した、新開発 V8 5000cc エンジンと 7速AT を搭載する。
2008年 6月に北米、10月に欧州で発売した (V6 3500cc エンジンを搭載する新型 FX35 も発売)。
10. PIXO はスズキから OEM調達し、欧州で販売する 1000cc車 (ちなみに、姉妹車のスズキ Alto MT車の CO2
排出量は 103g/km、燃費は 100km/4.4L)。
日米欧を除いた地域の2009年度生産は、増加見込み
日産の2009年度グローバル販売台数計画は、08年度比 9.7%減の 308万台 (小売ベース)。欧米は減少、日本も
61.2万台で横這いだが、中国は 54.5万台から 57.0万台に拡大する計画。また2009年度下期は、2008年下期を上
回るとしている。
2009年度のグローバル生産台数計画は 4.3%減の 295万台。国内生産は、09年 5月発表の当初計画では 95.3万
台だが、9月中旬時点では、市場の回復からほぼ 100万台を維持できる見込みとしている。海外生産は、北米・欧州
で減少するが、中国では 63.1万台で 15.2%増、中国を除いたその他地域も 20万台で 19.1%増を見込んでいる。
■日産のグローバル小売販売台数 (1,000台)
2004年度 2005年度 2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
4-6月
計画
2008年度
2009年度
日本 (軽を含む)
848
842
740
721
612
612
148
116
北米
1,318
1,380
1,334
1,352
1,133
1,000
330
225
(うち米国)
1,013
1,075
1,035
1,059
856
750
253
173
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欧州
544
541
540
636
530
400
156
118
その他
678
806
869
1,061
1,136
1,068
302
264
(うち中国)
-
-
-
458
545
570
132
145
合計
3,388
3,569
3,483
3,770
3,411
3,080
936
723
■日産のグローバル生産台数
2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度
日本
2009年度 4-6月
計画
2008年度 2009年度
1,482
1,365
1,192
1,263
1,050
953
318
192
1,129
1,171
1,123
1,151
868
792
272
164
欧州
463
509
507
594
450
374
156
100
その他
304
465
472
650
716
831
177
164
合計
3,378
3,510
3,294
3,658
3,084
2,950
923
620
北米 (メキシコを含
む)
資料:日産の2008年度決算報告, 日刊工業新聞 09.9.14
(注) 1.
グローバル小売販売台数は、生産用部品として出荷され、在外持分法適用会社が組立した車両も含む。
2. 日産の2009年度グローバル販売計画は 308万台。グルーバル全体需要として、前年比 13%減の 5,400万台
を前提に、グローバルシェアは 0.2%アップの 5.7% (過去最高) を見込んでいる。
3. 日産は、国内工場の競争力を維持するため、国内生産 100万台レベルを確保したいとしている。09年 5月発
表の2009年度生産計画は 95.3万台だが、9月中旬時点では、国内や輸出先での政府支援による販売の回復
により、ほぼ 100万台に達する見込みとしている。
4. 2009年 4月、日産九州工場敷地内に建設していた、日産車体の九州工場が竣工した。年産能力は 12万台。
2009年末に Patrol 生産を開始する。当初計画していた ElGrand と Quest 生産は、需要動向を見ながら
2010年度に開始する計画。また、米国 Canton 工場で生産している高級SUV の Infiniti QX56 も九州新工
場に生産移管する見込み (Quest も Canton 工場からの生産移管。Canton 工場は2010年から、日産が新規
参入する小型商用車を生産する)。
■2009年度は営業赤字見込みだが、2009年 4~6月期は営業黒字
日産の2009年度業績見込みは、1ドル= 95円の前提で、連結売上高 6兆9,500億円 (17.6%減)、営業赤字 1,000
億円 (2008年度の営業赤字 1,379億円に続き 2期連続の営業赤字)、当期純損益は 1,700億円の赤字。
2009年 4~6月期は、売上高が 35.5%減少したが、経費削減効果と生産台数回復により 116億円の営業黒字とな
った。
■日産の連結業績 (100万円)
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
4-6月
見込み
2008年度
2009年度
売上高
9,428,292
10,468,583
10,824,238
8,436,974
6,950,000
2,347,251
1,514,835
営業利益
871,841
776,939
790,830
(137,921)
(100,000)
79,946
11,601
経常利益
845,872
761,051
766,400
(172,740)
(200,000)
82,467
(26,117)
当期純利益
518,050
460,796
482,261
(233,709)
(170,000)
52,798
(16,530)
設備投資
n.a.
545,900
516,400
383,600
350,000
70,700
35,700
研究開発費
447,600
464,800
455,500
460,000
400,000
104,100
85,900
為替レート (US$)
113.3円
117.0円
114.4円
100.7円
95円
104.6円
97.4円
為替レート (EUR)
136.9円
148.2円
161.6円
144.1円
125円
163.4円
132.7円
http://www.marklines.com/ja/report/rep816_200910
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2016/4/5
日産:BRICsと中東での事業に注力、新興国市場を 早期に収益源化 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
資料:日産の2008年度決算報告
(注) 2006年度実績には、多くの子会社の 15ヶ月決算を含んでいる。
1. 2005年度の設備投資の n.a. は、06年度以降と基準が異なるため。
2. 日産の当面の目標は、(1)連結営業利益の黒字化と、(2)プラスのフリーキャッシュフロー。また、(1)グローバル
市場の全体需要減少に歯止めがかかり、(2)日産の当期純利益の黒字を維持する目処がついたときに、危機
が去ったと判断するとしている。全体需要が回復しない場合でも、効率化を徹底することで、2010年度の最終
黒字化を目指すとしている。
3. 日産の2009年 4~6月期は、生産台数の増加と (1~3月期の 49.1万台から 62万台に増加)、経費削減効果
により (設備投資を、08年の 707億円から 357億円に圧縮など)、営業黒字化 (116億円) したが、政府支援終
了後の欧米市場の動向や為替のリスクが残るとして、2009年度通期の業績予想は変更していない。
出典:マークラインズ
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http://www.marklines.com/ja/report/rep816_200910
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