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日産の中国事業:鄭州日産汽車を核に、小型商用車事業も

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日産の中国事業:鄭州日産汽車を核に、小型商用車事業も
2016/4/5
日産の中国事業:鄭州日産汽車を 核に、小型商用車事業も拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
日産の中国事業:鄭州日産汽車を核に、小型商用車事業も拡大
東風汽車有限公司の2012年目標は、100万台販売、売上高1,000億元
2008.10.22 No.720
日産は、中国事業を東風汽車グループとの提携に一本化しており、東風汽車グループの資産統括会社である東
風汽車集団股份有限公司と折半出資している東風汽車有限公司 (DFL:Dongfeng Motor Co., Ltd.) 傘下に生産
体制を集約している。
DFL の東風日産乗用車公司を中心とする日産ブランド乗用車の生産は、2007年が287,592台で、08年1~8月は
232,252台 (SUV/MPVを含み、日産モデルベースの東風ブランド車も一部に含む)。小型商用車生産は、DFL の
東風汽車股份傘下の鄭州日産汽車が、ダットサントラックD22 ベースの pickup を中心に、2007年は2.6万台程度を
生産した。
東風汽車有限公司は2008年5月、2008~2012年新中期事業計画 " プラン13 (プラン・ワン・キュービック) " を発
表した。2012年までの 5年間に、日産ブランド乗用車10車種超、東風/日産ブランド合わせて小型商用車 5車種超
の新型車を投入し、2012年目標は完成車販売 100万台 (輸出を含む)、売上高1,000億元。
2012年販売目標 100万台のうち、乗用車は55万台超で、商用車が40万台超。商用車のうち、小型商用車生産の
中心の東風汽車股份が30万台。うち、東風汽車股份傘下で、日産ブランド車生産の核となる鄭州日産汽車の2012
年販売目標は、SUVとMPV を含めて 20万台。
このための生産体制として、東風日産乗用車は、湖北省襄樊と広東省広州の 2工場の年産体制を現在の36万台
から08年内に45万台に引き上げ、2010年を目処に55万台以上に拡大する計画。広州エンジン工場も、2010年まで
に、年産能力を36万基から48万基に拡充する。
小型商用車の生産体制は、鄭州日産汽車の年産能力を現在の 6万台から、2010年に21万台に拡充し、2015年
構想は35万台 (SUV/MPV 生産能力を含む)。また、東風汽車股份も、日産ブランド高級小型商用車と日産モデル
ベース軽型バスの生産体制を襄樊に構築し、小型商用車用エンジンを生産する新会社も湖北省十堰に設立する予
定。
東風汽車有限公司の 2008~2012年新中期事業計画骨子 (2008年 5月発表)
東風汽車有限公司 (DFL) は日産と東風汽車の折半出資会社で、東風汽車股份に 60.1% 出資している。
鄭州日産汽車には東風汽車股份が 51% 出資し、日産(中国)投資有限公司も 20.349% 出資している。
計画名称 "プラン 13" は、プラン・ワン・キュービックで、事業方針 3分野での "1" を意味する。
概要
事
業
力強い成長: 2012年までに年販 100万台、年間売上高 1,000億元を目標に、事業拡大を図る。
方
針 オペレーションの質的向上: 商品、販売・サービス、コスト競争力など、すべての領域の品質でトップクラスを
プ 目指す。
ラ
ン
13
信頼される企業: 日産と東風グループが融合した企業文化を創造し、信頼される企業となる。
中国市場で、商用車で 1位、乗用車でトップグループ入りを目指す。 東風汽車股份は中国小型商用車市
場で、第 2位となる 15% シェアを目指す (さらに第 1位を目指す)。東風汽車股份傘下の常州東風汽車は国
内 pickup 市場トップを目指す。
販
売 完成車を、2008年に 68万台 (07年実績 61万台)、2012年までに 100万台。 うち、東風汽車股份が、08年
目 18万台、09年 20万台、2012年 30万台 (2012年売上高 300~330億元)。東風汽車股份のうち、鄭州日産汽
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標 車の小型商用車が、08年 5万台、09年 10万台、2010年 14万台、2012年 20万台。
乗用車は、2008年 34.5万台、2009年 40万台超、2010年 50万台、2012年 55万台超。
海外市場開拓: 商用車輸出の車種と仕向地を拡大し、2012年までに、小型/中型/大型商用車の総販売台
数に占める輸出比率を05年の 5% から 10% 以上に倍増する。
販
売 ディーラー店舗数 (2007 → 2012年):乗用車店を 300 → 420、小型商用車店を 420 → 630、大型・中型
体 商用車店を 250 → 380 に拡充。
制
モ
デ
ル
乗用車は、2008~2012年には日産ブランド 10車種以上の新型車を投入 (08年に 3車種)。Tiida と新型
Teana に次いで、年販 10万台以上の第 3車種を育成する。
計
画
小型商用車は日産/東風ブランド合わせて 5車種以上を投入。
資料:日産/東風汽車有限公司広報資料 08.5.28, 日産広報資料 08.5.29, その他
(注) 1.東風汽車グループが2007年12月に発表した、ホンダとの提携事業等も含む 2008~2012年 5ヶ年計画の
2010年生産/販売目標は180万台 (うち乗用車135万台)。
2.日産の中国販売は、輸入車を含めて、Infiniti ブランドを含む乗用車と小型商用車合計で、2006年が 36.3
万台、07年が 45.8万台。08年度販売目標は 50万台。
東風汽車有限公司の日産ブランド乗用車生産 (台)
工場 (年産能力)
花都工場
(270→360)
48,019
58,884
38,565
44,965
騏達 1.6L
Tiida 2box
58,152
66,289
40,998
40,554
軒逸 1.6/2.0L
Sylphy
20,058
53,950
29,672
38,189
驪威 1.6L
Livina
45,371
27,326
45,453
駿逸 1.8L
Geniss
10,868
10,394
2,331
逍客 4WD 2.0L
乗用車公司
陽光 2.0L
(360→450)
天籟 2.0L
天籟 2.3L
Quashqai
5,335
224
14,904
4,291
Sunny
5,608
Teana
生産中止
5,959
6,755
5,077
2,855
37,486
31,435
23,277
9,141
1,176
328
209
4
襄樊工場
天籟 3.5L
(90→90)
新型天籟 2.0L
3,827
新型天籟 2.5L
新型Teana 14,477
新型天籟 3.5L
2,513
襄樊第 2工場
藍鳥 2.0L
Bluebird
19,458
合計
(60→86)
1~8月
Tiida 3box
東風日産
鄭州日産汽車
1~8月
頤達 1.6L
逍客 2WD 2.0L
2007年
2008年
ベース車
逍客 1.6L
2006年
2007年
モデル
鄭州工場
(60→86)
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生産中止
201,251
273,880
175,518
223,728
帕拉丁 2WD 2.4L
3,468
5,214
3,177
3,448
帕拉丁 4WD 2.4L
3,684
4,652
3,372
3,771
643
392
288
197
帕拉丁 4WD 3.3L
D22
奥丁 2WD 2.4L
963
617
21
奥丁 4WD 2.9/3.2L
1,297
743
23
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御軒 2.5L
Serena
1,194
172
1,064
7,795
13,712
8,369
8,524
209,046
287,592
183,887
232,252
2006年
2007年
2007年
2008年
1~8月
1~8月
合計
総合計
(参考) 東風汽車有限公司の、その他の乗用車生産 (台)
工場
モデル
(年産能力)
常州東風汽車
東風柳州汽車
ベース車
常州工場
途逸 2.0/2.3L
柳州工場
風行
(60→80)
景逸
19,237
Space Gear
240
189
35
19,266
12,167
9,905
5,167
(注) 1.SUV/MPVを含み、日産モデルベースの東風ブランド車も一部に含む。工場年産能力の単位は 1,000台で、
現時点(08年 9月) → 2009年、を示した。鄭州日産汽車の年産能力には pickup を含み、将来計画は 21万
台。
2.東風日産乗用車公司の(広州)花都工場は04年 5月稼動の新工場。陽光 (Sunny) を生産していた旧工場
は、現在は生産休止中。花都工場は、既に X-Trail ベースの奇駿生産も開始しており、08年11月発売予
定。襄樊工場 (襄樊風神汽車の第 1工場) は、旧・東風汽車股份の襄樊軽型トラック工場だった。襄樊第 2
工場は、襄樊風神汽車の第 2工場で (旧・神龍汽車襄樊工場)、現在は生産休止中。
3.鄭州日産汽車の SUV 帕拉丁 (Paladin) のベース車 D22 は pickup のダットサントラック。青色表示した
SUV 奥丁 (Oting) と MPV 御軒 (Yumsun) は東風ブランドで、奥丁のベース車は Paladin、御軒のベース
車は台湾・裕隆汽車製 Serena。
4.常州東風汽車の途逸 (Tuyi) は自主開発モデル。
5.東風柳州汽車は、年産能力 6万台の乗用車工場を05年に稼動し、現在は 8万台に拡張中。三菱自動車の
Space Gear ベースの MPV 風行 (Future) は01年12月に発売している。05年 5月には風行をマイナーチェ
ンジした風行・菱越/菱通を発売、08年 4月に自主ブランドハッチバック景逸 (Joyear) を発売した。日産の
platform を採用する MPV 2車種の生産も検討しているとされるが、詳細は不明。
東風汽車有限公司の軽型商用車生産 (台)
完成車
シャシー
2005年
2006年
2007年
2005年
2006年
2007年
東風襄樊旅行車
721
1,319
796
13,602
9,962
12,866
東風客車底盤
551
716
577
5,401
6,832
7,724
49,342
46,261
70,951
33,287
37,217
43,899
鄭州日産汽車
13,837
24,498
26,000 東風汽車股份の生産合計
64,451
72,794
98,324
東風汽車股份汽車分公司
常州東風汽車
その他工場の生産
57
52,290
71 54,011
64,489
1,821
東風汽車有限公司の生産合計
64,451
72,851
98,395
52,290
54,011
66,310
(参考) 東風汽車有限公司の商用車生産
111,046
103,960
146,403
135,552
115,361
187,601
423
476
809
(参考) 東風日産柴汽車有限公司
(注) 1.Pickup を含む軽型トラックと軽型バスの生産台数で、MPV と SUV は含まない。
2.東風襄樊旅行車と東風客車底盤の生産は軽型バス。
3.東風汽車股份有限公司汽車分公司の襄樊軽型トラック工場の年産能力は 13万台。常州東風汽車の常州工
場の軽型トラック年産能力は 3万台。鄭州日産汽車の Paladin 等を含む鄭州工場の年産能力は 6万台。
4.常州東風汽車は、pickup の暢遊/虎視/信天遊、随風シリーズ軽型トラック、微型トラック等の自主ブランド小
型商用車を生産している。pickup は中東/東欧/南米/アフリカ等にも輸出しており、2012年までに pickup
で中国トップ企業を目標としている (08年の販売目標は 1.5万台)。
5.鄭州日産汽車の2007年は、MarkLines 推計による概数。 鄭州日産は、95年から pickup のダットサントラッ
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ク D21、99年から D22 を生産しており、SUV の Paladin (D22ベース車) 等よりも生産は多い (ディーゼル仕
様や多機能仕様などの派生仕様生産も追加してきた)。08年から Frontier (D22ベースの北米モデル) も生
産予定。
6.その他工場の生産は、いずれも東風汽車有限公司の商用車事業部門の商用車公司に属する、十堰本工
場、東風柳州汽車の広西柳州工場、東風杭州汽車の浙江省杭州工場が生産する軽型商用車の合計。
7.参考表示した東風汽車有限公司の商用車生産は、東風汽車股份を含む商用車事業部門の全生産台数で、
軽型商用車生産も内数として含む。(東風日産柴汽車は含まない)
8.参考表示した東風日産柴汽車有限公司は、東風汽車公司と日産ディーゼルの折半出資会社だが、東風汽
車有限公司の商用車公司には属していない。
東風日産乗用車の年産能力を45万台に拡充、さらに新工場も検討中
東風汽車有限公司の乗用車部門の東風日産乗用車は、広州工場の年産能力を現在の27万台から、08年に36万
台に拡充し、襄樊工場の9万台と合わせて年産45万台体制を構築する。さらに、襄樊工場を拡充する見込みの他、
新工場建設も検討中 (Renault を含む3社合弁の可能性もあるとされる)。
広州エンジン工場の年産能力も、現在36万基から、2010年には48万基に拡充し、VQエンジンと小型エンジン生
産も追加する見込み。また、ジヤトコが全額出資する広州変速機工場が、日産車向けCVT生産を、09年前半に開始
する計画。
東風日産乗用車:花都工場の年産能力を、27万台から 36万台に拡充
東風汽車有限公司東風日産乗用車公司は、花都工場 (広州市) の年産能力を08年に 27万台から 36万台に拡
充し、襄樊工場の 9万台と合わせて年産 45万台体制を構築する。
花都工場は、08年 9月、SUV の奇駿 (X-Trail) をラインオフした (08年11月発売予定)。奇駿の生産により東風
日産乗用車の累計生産台数は 100万台に達し、生産ラインアップも、高級・中級セダン, ハッチバック, ミニバン,
クロスオーバー, SUV が揃い、フルライン化した。
■新乗用車工場を計画、新型 Teana を生産する襄樊工場も拡充
東風日産乗用車は新乗用車工場建設も検討中で、早ければ08年後半に立地や生産規模を最終決定し、09年
に着工する。新型 Teana を年産 10万台超生産する計画の襄樊工場も、拡張する見込み。
■広州エンジン工場の年産年力を 48万基に拡充、VQ エンジンも生産
東風日産乗用車は、06年 2月に稼働した花都エンジン工場の年産能力を、2010年までに現在の 36万基から
48万基に拡充する。拡充に合わせて、現在生産している 1.6L HR エンジンと 1.8/2.0L MR エンジンに加えて、
日産の VQ シリーズエンジンも生産する計画 (小型エンジン生産も追加する見込み)。
■ジヤトコ:広州で、2009年から中型車用 CVT を生産
東風日産乗用車は、現在 13% 程度の CVT 搭載率を 2012年までに 50% に拡大し、部品国産化率も 71% から
90% に引き上げる計画。これへの対応として、ジヤトコの広州子会社の加特可(広州)自動変速箱有限公司が、中
型 FF 乗用車用 CVT 生産を09年前半に新工場で開始する。
資料:日産広報資料 08.9.19, 日産(中国)広報資料 08.2.26, その他
(注)ジヤトコの広州子会社は07年 4月に設立 (100% 出資)。当初年産能力 15万基 (1直) の新工場を
07年11月に着工した。年産能力の将来計画は 40万基。
東風日産乗用車:Livina と Sylphy をエジプトに輸出 (初の自社輸出)
東風日産乗用車は08年 9月、花都工場で生産した驪威 (Livina) 500台と、軒逸 (Sylphy) 400台を、エジプトに
輸出した。代理店を通じた騏達/頤達 (Tiida) 等の小規模輸出は06年に開始しているが、自社輸出は初。エジプト
での販売は、現地の日産系ディーラーが担当する。
■襄樊工場で生産する新型 Teana も西欧輸出する計画
日産は08年 6月、東風日産乗用車の襄樊工場で新型天籟 (Teana) 生産を開始するとともに、Teana を西欧輸
出する方針を明らかにした。中国からは中国仕様と同じ左ハンドル車を輸出し、右ハンドル車は日本から輸出する
計画。
資料:日産広報資料 08.9.19, その他
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(注)日産は、中国拠点を、中東及び北アフリカ向け乗用車の輸出拠点に育成するとしている。
(参考) 東風汽車グループとの提携交渉を再開した Renault
Renault は、2008年北京モーターショーで、東風汽車グループとの提携交渉を既に再開したことを明らかにし
た。東風汽車有限公司の乗用車事業部門である東風日産乗用車に資本参加し、広州市花都区に、日産を含めた
3社による新たな合弁工場建設が浮上しているとされる。
Renault は現在、中国で乗用車 4モデル、Megane, Megane CC, Scenic, Laguna を輸入販売している (08年
10月に新型 Laguna、09年 3月にRenault Samsung 製 Koleos を投入する予定)。
また、生産を中止している三江雷諾汽車有限公司 (湖北省孝感市) のミニバン工場を、2010年に再稼働し (年産
能力は 4万台)、中国販売だけでなく、新興国に完成車輸出することを検討中とされる (工場再稼動により、中国で
の部品調達体制を整える狙いもあるとされる)。
(注)三江雷諾汽車は、94年に三江航天工業集団と合弁で設立、ミニバン Trafic を累計 4,000台生産したが、
経営不振で02年に生産を中止した。
鄭州日産汽車を核に小型商用車事業を拡大、年産能力12万台の新工場を着工
日産と東風汽車有限公司 (DFL) は2007年4月、日産/東風の2ブランドで小型商用車事業を強化する方針を発表
した。
日産ブランドは高級セグメント、東風ブランドはより競争の激しいセグメントを中心にモデルを棲み分け、2008~
2012年までに東風/日産ブランド合わせて 5車種以上の新型車を投入し、ディーラー店舗数を630店に1.5倍増する
計画。
日産ブランド車生産の核となるのは鄭州日産汽車で、2010年前半に稼動予定の新工場を含めて21万台の年産能
力を構築する (pickup ベースのSUV 等の生産能力も含む)。また、東風汽車有限公司の小型商用車生産の中核
で、鄭州日産汽車にも 51% 出資している東風汽車股份も、日産ブランド高級小型商用車と日産モデルベース軽型
バスの生産体制を襄樊に構築する他、小型商用車用エンジンを生産する新会社を設立する計画。
東風ブランド小型商用車生産の中心は、東風汽車股份有限公司汽車分公司の襄樊軽型トラック工場と常州東風
汽車の常州工場で、年産能力は合計で16万台。この 2工場で生産する軽型トラックを08年中に新型 (開発コード
B07) に切り替える予定の他、東風ブランド小型商用車の主力の位置付けとされる微型トラック (開発コードW01) を
08年に投入する予定。
鄭州日産汽車:2010年には年産 20万台体制
鄭州日産汽車有限公司 (ZNA) は08年 9月、河南省鄭州市で小型商用車 (LCV) 第 2工場の起工式を行った。
新工場の年産能力は 12万台超で、2010年 5月を目処に稼働する。ZNA は09年に、第 1工場の年産能力も 6万
台から 8.6万台に拡充する計画で、2工場を合わせた ZNA の年産能力は 20万台強となる。
新工場は日産と東風の両ブランド車を生産する。最初の生産モデルは、乗用と商用を兼ね備えた日産ブランドの
多目的車の予定。日産は、新工場をグローバル生産ネットワーク拠点のひとつに位置付けており、ZNA は同モデ
ルの輸出も検討する。
ZNA は、05年に 2万台超、06年に約 3万台、07年に約 4万台を生産・販売した (SUV と MPV を含む)。08年目
標は 5万台で、2010年目標は 10万台超、2012年目標は 20万台超 (輸出を含む。2010年を目処に輸出比率 1/3
~1/2 とする計画)。
ZNA は、新型車開発や現地調達率引き上げのため、テクニカルセンターも新設する計画。さらに2015年までに、
第 1工場の年産能力を 15万台、第 2工場の年産能力を 20万台、合計 35万台に拡充する構想。
資料:日産自動車広報資料 08.9.29, 日産/東風汽車股份広報資料 (08.9.29/08.7.11), その他
(注) 1.鄭州日産汽車有限公司 (ZNA) の資本構成は、東風汽車股份が 51%、東風汽車有限公司 (DFL) が
28.651%、日産の中国事業統括会社の日産(中国)投資が 20.349%。東風汽車股份への DFL 出資は
60.1%。DFL への日産出資は 50%。
2.東風汽車股份は08年 7月、ZNA の 10.4億元増資計画を発表した。増資による調達資金は主に ZNA の新
工場建設に充てる (新工場の投資総額は約 30.76億元で、1期建設投資は 9.85億元)。ZNA の増資後資本
金は 12.9億万元 (増資による出資比率変更はない)。
東風汽車股份:日産ブランド高級軽型商用車を生産する襄樊工場を、2009年に稼動
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東風汽車股份は07年10月、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司の工場で、生産休止中の湖北省工場 (襄
樊風神汽車の第 2工場) の溶接/塗装/組立て/動力施設など、一部の施設/設備を約 2,057万元で買取り、生産
能力が不足している小型商用車工場に改修すると発表した (改修投資は約 6,000万元)。工場は09年に再稼働
し、鄭州日産汽車が、年販計画 2万台の日産ブランド高級軽型商用車 (開発コード F91A) を生産する予定。
資料:東風汽車股份の広報資料 (07.10.26/08.5.26) と 2007年 Annual Report
(注) 1.東風汽車有限公司 (DFL) は03年 9月、襄樊風神汽車に 74.25% 出資した。その第 2工場は06年12月に藍
鳥 (Bluebird) 生産を中止、休止工場となっていた。
2.東風汽車股份の、自主ブランド軽型トラック工場は、年産能力 13万台の汽車分公司工場 (湖北省襄樊) と、
年産能力 3万台の常州東風汽車 (河南省鄭州の旧・鄭州軽型汽車工場で生産していた pickup 信天遊の生
産は、07年に常州東風汽車に移管した)。この 2工場で生産する軽型トラックを、08年中に新型 (開発コード
B07) に切り替える計画。
3.東風汽車股份は08年 7月、武漢経済技術開発区に小型商用車研究開発センターも竣工している (敷地面
積 4.9万㎡、建屋面積 2万㎡)。
■日産モデルベースの軽型バスを生産する、専用工場を新設
東風汽車股份は08年 6月、湖北省襄樊市に、日産の欧州モデルをベースに開発中の軽型バス (開発コード
A08) 専用工場を着工した。当初年産能力は 2万台で、09年稼動予定。その後、2014年を目処に年産能力を 6万
台に拡充する計画。投資総額は 12.5億元で、1期建設投資は 5億元。
資料:東風汽車股份広報資料 07.10.26, その他
東風汽車股份:小型商用車用 3.0L 級ディーゼルエンジン工場を新設
東風汽車有限公司 (DFL) と東風汽車股份は、東風汽車有限公司発動機廠を母体に、小型商用車用エンジン
を生産する (仮称)東風軽型発動機有限公司を、湖北省十堰に新設する (08年 7月発表)。新会社の資本金は
720百万元で、東風汽車股份が 51%、DFL が 49% 出資する (設立認可申請中)。新会社は、主に 3.0L クラスの
日産ブランド ZD30 コモンレール型 DE を09年 3月から生産する予定で、投資総額は 1,524.4百万元 (約 240億
円)。
資料:東風汽車股份広報資料 08.07.11, その他
2008~2012年に、日産ブランド乗用車10車種超、LCV 5車種超の新型車を投入
東風汽車有限公司は2008~2012年の5年間で、日産ブランド乗用車10車種以上、日産/東風ブランド合わせて小
型商用車5車種以上の新型車を投入する計画。
既に、2008年1~10月に日産ブランド乗用車3車種、Qashqai, 新型Teana, X-Trail を投入 (派生モデルのLivina
C-Gear も投入した)、東風日産乗用車の生産モデルは、高級・中級セダン, ハッチバック, MPV, Crossover, SUV
が揃い、フルライン化した (販売価格帯は7~34万元)。
日産の中国事業:東風汽車有限公司の新モデル投入
生産工場
モデル
逍客
(Qashqai)
東
風
汽
車
有
広東
省
広州
工場
2008
年3
月
2008
(Livina
年4
C-Gear)
月
奇駿
公
(X-Trail)
概要
時期
驪威
限
司
発売
Crossover モデル。2.0L MR 20DE エンジンに、6MT/CVT を設定。販売価格は
16.78~21.98万元。月販目標 3,000台。
日産の世界戦略車 Livina シリーズの第 3弾モデル (別称 Livina X-Gear)。07年
発売した 5座席ハッチバック Livina ベースのスポーツタイプ車で、1.6L HR16DE
エンジンに 4AT/5MT を設定。販売価格は 9.87~11.05万元。Livina ハッチバック
仕様と合わせて、08年販売目標 6万台。
2008 SUV の 2代目 X-Trail。予定価格は 20~25万元。2.0L MR20DE/2.5L
年11 QR25DE エンジンに、6MT/CVT を設定。部品現地調達率は 60% 超。年販目標 3
月
万台以上。東風ホンダの CR-V 対抗としている。
東
2代目 Teana。VQ シリーズの 2.5/3.5L V6 エンジンに、新型 CVT を設定。中国
風
仕様として 2.0L MR20DE エンジンも設定。サンルーフや高級オーディオシステム
http://www.marklines.com/ja/report/rep720_200811
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2016/4/5
日産の中国事業:鄭州日産汽車を 核に、小型商用車事業も拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
日
湖北 新型天籟 2008 等を装備する特別グレード (天籟・公爵) も投入。販売価格は、旧型より 5% 引き下
産
省
(新型
年6
げて 19.08~33.28万元。月販目標 8,000台以上。
乗
襄樊
Teana)
月
北京市交通信息中心が開発中の、プローブカー交通情報も取り込んだ渋滞回避
用
工場
システムに対応するナビゲーションシステム Star Wings を、最上級仕様に標準装
車
備、上級仕様にオプション設定した。
公
司
2009
工場
小型車
降
未発
表
年以 販売価格 7~9万元とされる、Tiida より小さい乗用車。
大型
MPV
n.a. 販売価格は約 23~27万元程度とされるが、詳細は不明。
2009
X11M
年以 X11M は開発コード。日産ブランド Crossover タイプの小型 MPV。
降
2009
C16A
年以
降
鄭州
日産
東
NV200
2009
ベース
年以
LCV
降
Pickup
NV200 は、日産が、次世代商用車コンセプトとして2007年東京モーターショーに
出展した。デリバリーバンイメージから脱皮した LCV としている。
年以 日産ブランド pickup。
汽
降
車
2010
Quest
股
ンを設定。販売価格は 7~8万元とされる。
2009
汽車
風
C16A は開発コード。東風ブランドの小型 MPV。1.4/1.6L の東風モデルエンジ
年1
MPV。2012年には年販 1万台が目標。
月
份
有
美倫奴
限
(Murano)
公
司
襄樊
F91A
2010
年7
月
A08
CVT を搭載し、販売価格は 40万元超。現地生産に先立ち、輸入販売する見込み。
2009 F91A は開発コード。日産ブランド軽型商用車で、鄭州日産汽車が生産する計
年
LCV
工場
日産が08年 9月に新型を日本発売した SUV。3.5L V6 エンジンと X-Tronic
2010
年
画。江鈴汽車の Transit、南京 Iveco モデル等の対抗車で、年販目標は 2万台。
A08 は開発コード。日産の欧州モデルベースの軽型バス。07年11月にプロジェク
トを開始、製品開発に 3.85億元を投資し、08年に開発を完了する計画。専用新工
場も09年に稼動する計画。
2008
常州
虎視
年5
自主開発 pickup モデルの 3代目。日産の pickup シャシーを採用する。
月
東風
汽車
W01
2008 W01 は開発コード。東風ブランド小型商用車の主力の位置付けとされる微型トラッ
年
ク。
東
風
汽
車
有
限
東風
公
柳州
司
汽車
景逸
(Joyear)
2008 1.8L エンジン搭載の自主ブランド 5座席ハッチバックで、三菱自動車の Space
年10 Gear ベース (三菱 1.8L 4G93 エンジン仕様も設定)。販売価格は8.98~12.38万
月
元。
商
http://www.marklines.com/ja/report/rep720_200811
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日産の中国事業:鄭州日産汽車を 核に、小型商用車事業も拡大 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
用
車
公
司
(注) 1.襄樊 LCV 工場は、生産休止中の既存乗用車工場を改修して、09年稼動予定。
2.東風汽車有限公司 (DFL) は、2008~2012年新中期事業計画で、Shift-Green をスローガンに、製品/技
術/生産/物流/販売/サービス等の分野にわたる環境対応を進めるとしている。乗用車では CVT 比率を高
める他、ディーゼルとハイブリッド技術の実用化も推進する計画。
3.その一環として、日産は2012年を目処に、Renault と共同開発中の電気自動車を投入する計画。
当初は輸入販売するが、販売状況を見極めて、東風日産乗用車での生産に切り替えるとしている。
出典:マークラインズ
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http://www.marklines.com/ja/report/rep720_200811
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