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いのちのつながり「森の生態系」
徳地環境学習アクティビティ アクティビティ №4 ~Ⅰ:自然の生態系~ いのちのつながり 「森の生態系」 <こんな時に,使える> 「食物連鎖」について知りたい 「生態系」について知りたい ● 実 習 の 概 要 ● ○ 木を中心とする「食物連鎖」(食物網)の図を書くことにより「森の生態系」について知る。 ● 実 習 の ね ら い ● ● 生態系では物質が循環していることを知る。 ● 生態系を支えているのは,植物であることに気づく。 ● 人間も,自然の生態系あるいは,地球の生態系の一部であることを理解する。 ■参加人数 40人(1グループ5~6人) ■対象 小学校5年~中学生 ■所要時間 80分 ■場所 室内 ■会場レイアウト テーブル2台を1組としグループ数分 ■準備物 所 :水性マジック,色鉛筆,ホワイトボード,ボードマーカー,モグラのフリップ 食物連鎖のフリップ,森の生態系のフリップ,マグネット 団体:模造紙,筆記用具 ● 実 習 の 流 れ ( 6 0 分 ) ● 1 導 入(10分) 徳地の森に棲む生き物の名前を聞く。 2 展 開(40分) ⑴ 実習の進め方を説明する。 ① モグラの話 ② 「食物連鎖」「食物網」についての解説 ⑵ グループ作業について説明する。 ① 作業の進め方について ② 「食物連鎖」の図を描く ③ グループの発表の準備 3 まとめ(振り返り・シェアー・コメント)(5分) ⑴ グループごとに発表してもらう。 ⑵ 生態系について考える。 ⑶ コメントをする。 人間も,自然の生態系あるいは,地球の生態系の一部であることを伝える。 徳地の森 環境学習 21 調査研究「国立山口徳地青少年自然の家環境学習プログラム」 導入(10分)徳地の森に棲む生き物は? ■導入で伝えたいこと ⑴ 徳地の森に棲む生き物の名前を聞く。 ・徳地の森に棲む生き物 に興味を持つ。 ◎動物 タヌキ,サル,イノシ シ,アナグマ,モグラ ◎昆虫 クモ,チョウ,カブト ムシ,ミミズ ◎鳥 ツバメ,メジロ,コゲ ラ,ウグイス,キビタ キ,ヤマドリ,イカル, モズ,ほおじろ ◎ハ虫類 マムシ,ヤマカガシ 「徳地の森を棲み家としてい る生き物がたくさんいます。ど んな生き物が棲んでいると思い ますか」 ・ 参加者から名前が出た生き物の絵をホワイトボードに描く。 (文字でもよい) 展開(40分)「食物連鎖」の図を描く。 ⑴ 実習の進め方を説明する。 ■展開で伝えたいこと ① コモグラの話 ・「食物連鎖」について 理解する。 「モグラ」が出ない場 合は徳地にはモグラは いることを伝える。 「みんなが発表してくれたよ うに徳地の森にはコモグラが棲 んでいます。(参加者から出な ければ,指導者が提示する。) このコモグラがどんな物を食べ て生活しているか,これから話 コモグラ をします」 コモグラのフリップを見せながら話す 「コモグラはミミズを食べます。ミミズは土といっしょにその中の落 ち葉や小さな生物(微生物)を食べて栄養としています。その小さな生 物(微生物)は落ち葉やフンを食べて分解します。そして,それは木の 栄養となります。このように森では,落ち葉から始まり,多くの生物が つながりをもって生活しています」 ② 「食物連鎖」「食物網」についての解説 「そのつながりの中の食う,食われる関係を「食物連鎖」,「食物網」 とよんでいます。」 22 徳地の森 環境学習 ■コモグラを取り上げ た理由 ・徳地の森に昔から棲ん でいる在来種なので今 回,この例を取りあげ た。 徳地環境学習アクティビティ 「食物連鎖」のフリップを見せながら話す。 「食物連鎖というのは,例え ば,草をバッタが食べ,バッタ をカエルが食べ,そのカエルを ヘビが食べ,ヘビを鳥が食べる というように,食う,食われる が一連の鎖のようにつながって いる関係をいいます」 「また,食物網は,食う,食 われるが一本につながるのでは なく,複雑な網目状になっているものを言います」 ⑵ グループ作業で「食物連鎖」の図を描く。 ① 作業の進め方について説明をする。 「みなさんには,これから森の中の「食物連鎖」の図を書いてもらい たいと思います。図は,森の木の葉からはじめて,「食う」「食われる」 の関係を矢印でつないでいってください。できるだけたくさんの生き物 を書いてくださいね。絵でも,文字でもかまいません」 ・模造紙とマーカーを配る。 ② 食物連鎖の図を描く(20分間) 「グループの中で出た意見は大切にしましょう」 ■展開での注意点 ・「食物連鎖」の図は, 森の木(葉)からはじ める。 徳地の森 環境学習 23 調査研究「国立山口徳地青少年自然の家環境学習プログラム」 ③ グループ発表の準備をする。 「各グループの食物連鎖の図について,1グループ3~4分の発表を してもらいたいと思います。発表者を誰にするか,また,発表の内容に ついても話し合ってください」 発表の仕方は 「葉からはじめて,ど のようなつながりがある かを模造紙に記入した順 に発表していく。 まとめ(30分) 「生態系」について知る ⑴ グループ発表 ・1グループの発表が終わるごとに,指導者がコメントをする。 ・指導者のコメントは,発表の中で良かった点(発表のまとめ方など) や,参加者の気づき(図が輪になっている。循環している。木の食物 連鎖における重要性など)などを大切にして認めるようにする。 ⑵ 生態系について 「みなさんに描いてもらった「食物連鎖」の図を見ながら,森の生き 物の命を支えているものを考えてみてください。・・・そうですね。そ れは木(葉)ですね。また,木も,光や水や空気,そして,まわりの生 き物によって支えられています。このような生き物とそれをとりまく環 境をまとめて「生態系」といいます。 「生態系」の中では,物質は循環しています。もし,この循環がどこ かで絶たれてしまったら,どうなるでしょうか。まわりの環境すべてに 大きな影響をあたえることになります」 「森の生態系」の図を使って,話してもよい。 ⑶ コメント 「ここまでは,「森の生態系」について考えてきましたが,もちろん, 「山の生態系」も「海の生態系」もあります。それらは,全てつながっ ており,地球全体が1つの生態系なのです。そして,わたしたち,人間 も動物もその生態系の一部であることを忘れてはいけません」 24 徳地の森 環境学習 ■まとめで伝えたいこと ・森の生き物の命を支え ているのは木であり, 木もまた,まわりの環 境に支えられている。 ・生き物とそれをとりま く環境をまとめて, 「生 態系」といい,その中 では,物質が循環して いる。 ・人間も,自然の生態系 または,地球の生態系 の一部である。