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貿易改革への取り組み進まず、社会と経済の発展は危機的状況に

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貿易改革への取り組み進まず、社会と経済の発展は危機的状況に
Oliver Cann, Associate Director, Communications, Tel.: +41 22 869 1406; [email protected]
貿易改革への取り組み進まず、社会と経済の発展は危機的状況に
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世界経済フォーラムの「グローバル・イネーブリング・トレード・レポート 2014」は、WTO のバリ協
定に従った実質的な貿易改革が実行される段階には依然として到達していないと報告。
効率の悪さ、官僚的形式主義、インフラ整備の遅れが、貿易から十分な利益を得る上での主な障害とな
っている。
G20 加盟国の中では、英国が貿易円滑化指数のトップ、以下ドイツ、日本と続く。
「グローバル・イネーブリング・トレード・レポート 2014」の全文と追加資料は こちらからダウンロ
ードできます。
2014 年 4 月 1 日、スイス、ジュネーブ – 貿易に対する障害は、世界全体の景
気回復の妨げとなっています。本日発表された、「グローバル・イネーブリン
グ・トレード・レポート 2014」では、各国政府は依然として、成長や社会の
発展に対して広範囲にわたって効果を示し得る改革を、時には容易なものでさ
えも実行できない状況にあることが報告されました。
このレポートの貿易円滑化指数は、世界の主要な新興経済国が、貿易活動を円
滑にし、自国内の発展を次の段階へと推し進めていく上で、重大な課題に直面
していることを示しています。BRIC 諸国の中では、中国が世界の主要な輸出
国として、138 ヵ国中の第 54 位にランキングされ、第 59 位の南アフリカ共和
国をわずかにリードしました。
しかしブラジルは第 86 位、
インドは第 96 位、ロシア連
邦は第 105 位と、いずれも下位にランキングされるとい
う、期待外れの結果となっています。トルコは第 56 位で
MINT 諸国のトップとなり、第 58 位にインドネシア、第
61 位にメキシコと続きます。一方ナイジェリアは、最下
位に近い第 124 位でした。
開発途上国や新興経済国では、国境における官僚的形式
主義、汚職、不十分なインフラ、セキュリティ意識の低
さなどが、貿易に対する障害として多く見られます。先
進国のほとんどは、輸入関税を低く抑えていますが、ス
イス、ノルウェー、EU 加盟国などでは、複雑な関税制度
が定められているために、通関が困難になっています。
朗報として、これらの障害のうち、国境での通関手続き
に関する能率の悪さは、比較的迅速に、コストを抑えつ
つ、限られた政治資金を利用することで解消されている
ことが挙げられます。レポートでは多くの成功例が示さ
れました。たとえば、第 8 位のチリ、第 25 位のマレーシ
ア、第 29 位のモーリシャスは、ターゲットを定めた改革
と投資によって、大きく順位を上げました。
2014 年貿易円滑化指数ランキング
順位
(138国) 国と地域
点数
(1-7)
1
シンガポール
5.9
2
香港特別自治区
5.5
3
オランダ
5.3
6
英国
5.2
8
チリ
5.1
10
ドイツ
5.1
13
日本
5.1
15
アメリカ合衆国
5.0
25
マレーシア
4.8
54
中国
4.3
59
南アフリカ共和国
4.2
61
メキシコ
4.1
64
フィリピン
4.1
81
ブラジル
3.8
ロシア連邦
3.5
105
出典:世界経済フォーラム
「グローバル・イネーブリング・トレード・レポート 2014」では、138 ヵ国の実績について、市場アクセ
ス、通関手続き、インフラおよび事業環境という 4 つの分野ごとに評価を行っています。上位にランキング
されたのは、第 1 位がシンガポール、以下、香港特別自治区、オランダで、いずれも貿易の円滑化において
大きな成功を収めました。
世界経済フォーラムのマネージング・ディレクターEspen Barth Eide は、次のように述べています。「貿易
円滑化協定に重点を置くドーハ・ラウンドやバリ・パッケージを推進させる努力を、困難に負けず何年も続
ければ、貿易への具体的な障害を取り除くために待ち望まれてきた道が開けるでしょう。この点を考慮して、
このレポートにあるユニークな測定方法は、改善に成功した政策や分野を特定する上で役に立つでしょう」
各国の評価は貿易円滑化指数に基づいています。貿易円滑化指数は、各国で、商品が国境を越えて目的地に
到着するまでの流れを促進させるために行われている制度、政策、インフラおよびサービスの程度を測定す
るための方法です。このような貿易円滑化の要因は、1) 国内市場アクセス、2) 外国市場アクセス、3) 輸送
インフラの有効性および透明性、4) 輸送インフラの利用可能性および質、5) 輸送サービスの利用可能性お
よび質、6) ICT の利用可能性および使用、ならびに 7) 事業環境という、7 つの柱からなっています。第 5
版となる今回のレポートでは、枠組が改善され、多くの新しい指数が追加されました。
こうしたさまざまな側面を測定するため、計 56 の個別の指数を多くの国際組織から入手しました。これに
は、国際貿易センター、世界貿易機関、国際連合貿易開発会議、世界銀行ほか、世界経済フォーラムが行な
っている経営幹部意見調査が含まれます。その他、国際運送協会からの指数も含みます。
このレポートでは特別に章を設けて、ラテンアメリカにおける、貿易に対する障害排除の実績について分析
を行いました。その結果については、4 月 1 日から 3 日までパナマで開催される予定の、世界経済フォーラ
ムのラテンアメリカ会議の特別セッションで話し合われます。
「グローバル・イネーブリング・トレード・レポート 2014」は、世界経済フォーラムの貿易円滑化プログ
ラムの一環として、フォーラムのサプライチェーンおよび輸送業界パートナーシップからの支援を受けて作
成されています。このパートナーシップには、A.P. モラー・マースク、ボルボ、アジリティ、ブランブルズ、
ブライトスター、ドイツポスト、DNB ASA、エミレーツ・グループ、インターナショナル・コンテナ・タ
ーミナル・サービス、ロイヤルヴォパック、ステナ、スイスインターナショナルエアラインズ、トランスネ
ット、ユナイテッド・パーセル・サービス、フォルクスワーゲンが参加しています。
編集注記
「グローバル・イネーブリング・トレード・レポート 2014」の全文を読む: http://wef.ch/getr
ヒートマップで示した貿易円滑化指数(PDF または Excel フォーマット)をダウンロードする
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1971 年に財団として設立され、スイス・ジュネーブに本部を置く世界経済フォーラムは、特定の政治、党派、国家などの利益に関与
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