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2014 年に世界が直面する最大のリスクは所得格差の

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2014 年に世界が直面する最大のリスクは所得格差の
2014 年に世界が直面する最大のリスクは所得格差の悪化
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世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書 2014 年版」において、所得格差は、今後 10 年間で世界
全体に影響を及ぼす可能性が最も高いリスクであることが示された
その他の重大なリスクとして、異常気象、失業および財政危機が取り上げられている
報告書では、31 のグローバルリスクについて分析を行い、特に、若者の失業、デジタル崩壊および地政学
的リスクについては詳細な調査が実施された
グローバルリスク報告書 2014 年版の全文は、http://reports.weforum.org/global-risks-2014 をご覧ください
紹介ビデオは http://wef.ch/GRR2014video をご覧ください
2014 年 1 月 16 日 英国、ロンドン – 本日発表の世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書 2014 年版」の
中で、世界各地の 700 名以上の専門家は、裕福な市民と貧しい市民との間にある慢性的な収入格差は、今後 10 年
間で発生する可能性が最も高く、世界全体に重大な損害をもたらす原因となるリスクであると明らかにしました。
報告書では、本質的にグローバルなものであり、全世界および全産業界に対して重大な悪影響を及ぼす可能性があ
る 31 のリスクを抽出し、それに関する今後 10 年間の展望が示されています。これらのリスクは、経済、環境、地
政学、社会的およびテクノロジーという 5 つのグループに分類され、それらのリスクが発生する可能性や及ぼし得
る影響に関して評価が行われました。
最も発生する可能性が高いグローバルリスク: 専門家は、異常気象が収入格差に次いで、世界規模で構造的な衝撃
を与える可能性が高いグローバルリスクであると考えています。失業および不完全雇用、気候変動、サイバー攻撃
がこれらに続きます。
最も影響が大きいと思われるグローバルリスク:財政危機は、今後 10 年間にわたって、国やシステムに対して極め
て大きな影響を及ぼす可能性があるグローバルリスクとして、専門家に取り上げられました。この経済リスクの次
に、気候変動と水危機という 2 つの環境リスクが続き、その次に失業および不完全雇用、5 つ目に重要情報インフ
ラ(クリティカル・インフラストラクチャ)の故障というテクノロジーリスクが取り上げられました。
世界経済フォーラムのチーフエコノミストであるジェニファー・ブランクは次のように
述べています。「この報告書で検討されたリスクはどれか一つを取っても、世界規模で
の破綻をもたらす原因になり得ます。しかし、マイナス要素を一層顕著にするのは、こ
れらのリスクは相互に結びつく性質があるという点です。複数が同時に発生することで、
もたらす影響がより大きくなり得るのです。各利害関係者が協力して、私たちの現代社
会に存在するグローバルリスクに取り組み、変化させていくことがきわめて重要になっ
てきます。」
「グローバルリスク報告書 2014 年版」では、これらの 31 のグローバルリスクについて、
重大性、発生する可能性および及ぼし得る影響の三項目を評価したのに加えて、インタ
ーネットの世界で増加している「サイバーゲドン」と呼ばれるリスク、世界全体で進む
国力および影響力の分布の多極化に伴い一層複雑化する地政学的リスク、ならびに若者
の失業および不完全雇用という 3 つの事例に関して、特に調査が行われました。
最も発生する可能性の
高いリスク
所得格差(社会リスク)
異常気象(環境リスク)
失業および不完全雇用
(経済リスク)
気候変動(環境リスク)
サイバー攻撃
(テクノロジーリスク)
最も影響が大きいと
思われるリスク
財政危機(経済リスク)
気候変動(環境リスク)
水危機(環境リスク)
失業および不完全雇用
「グローバルリスク報告書 2014 年版」では、特に、この 10 年間で成人する世代が直面
(経済リスク)
することになる、雇用機会の減少および教育費の増加という、対になる難題について取
重要情報インフラの故障
り上げました。また、政治および社会の安定とともに、経済成長についても考慮してい
(テクノロジーリスク)
ます。中には 50%以上の若者が現在求職中という先進国市場もあり、また世界全体の若
い世代の 90%が暮らす発展途上の地域では、不安定就業層(Informal Employment)が増加しています。このよう
な状況を鑑み、報告書ではこのリスクを緩和するための技術的、またはその他の措置を実施する方法に関する洞察
を示しています。
スイス・リインシュアランス・カンパニーズのグループ最高リスク管理責任者であるデイヴィッド・コールは次の
ように述べています。「財政危機とグローバル化によって、成熟市場の若い世代は、縮小する求人市場と高齢者を
支える必要性とで、苦しむ状況です。一方、新興市場では、求人は豊富にあるのに、非常に多様化された労働力に
対して求められる、広範にわたる人材の供給が追いつかないという状況が見られます。今こそ私たちは、目的に適
した教育システム、機能的な求人市場、効果的な技能交流、我々の拠り所となる持続可能な未来を創出する力をも
って、若者たちをこれらの問題に対する実践的な解決策についての協議に巻き込んでいかなければなりません」
必須業務を実施するためにインターネットへの依存が深まり、インターネットに繋がるデバイスの規模も極めて大
きくなったことで、2014 年には構造的な破綻のリスクがこれまでで最大の規模に達し、システムばかりでなく社会
までも破壊できるほどになると、報告書には示されています。最近、政府による監視が発覚したことで、インター
ネットが持つこの弱点に対処するためのガバナンスモデルを、国際社会が協力して構築しようという意欲が減退し
てしまいました。これはインターネットの小国乱立化や、いわゆる「サイバーゲドン」状態、すなわちハッカーた
ちが圧倒的優位に立ち、大規模な混乱が頻発するという状態を招きかねません。
チューリッヒ・インシュアランス・グループの最高リスク管理責任者であるアクセル・P・レーマンは次のように
述べています。「インターネットに対する信頼は、データの不正使用、ハッキング、プライバシーの侵害などのた
めに失われつつあります。インターネットそのものを断片化させることは、ウェブ社会が私たち全員にもたらして
くれた恩恵を損ねることであり、したがって、この問題の解決にはなりません。庭に塀を巡らせるのではなく、セ
キュリティ基準を定め、信頼を取り戻しながら行動する時期が来ているのです」
現代の多極化した世界には、今後 5 年から 10 年の間に、世界の安定性に影響を及ぼすことになると思われる脅威
が主に 4 つ存在します。
1. 新興市場の不確実性。社会的、政治的または経済的な圧力を受けた結果、世界の主な新興市場は不安定になる。
2. 国家間での商業的および政治的な摩擦。貿易や投資は、地政学的勢力の代わりとして次第に利用されるように
なり、その結果紛争の火種となる。
3. 低レベルな対立の拡散。技術的変化および大国の干渉への躊躇が、容易に全面戦争へと拡大する可能性がある。
4. グローバルな課題に対する取り組みの遅れ。グローバルな統治機関の行き詰まりが続いていることにより、環
境および開発という真にグローバルな性質を持つ難題に適切に対処することができない。
マーシュのグローバルリスク・アンド・スペシャルティ部門の統括責任者であるジョン・ドゥリジックは次のよう
に述べています。「地政学的環境の崩壊が進むのにつれて、金融サービス、ヘルスケア、エネルギーなど、グロー
バルな開発にとって重要な産業界での進展を妨げる恐れがあります。ゆっくりと燃え広がる構造的リスクが本格的
な危機へと発展しないよう、世界にはもっと協調的な管理体制が必要なのです」
グローバルリスク 報告書2014年版はマーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ、スイス・リインシュアラン
ス・カンパニーズ、チューリッヒ・インシュアランス・グループ、オックスフォード大学のマーティン・スクール、
シンガポール国立大学、およびペンシルベニア大学のウォルトン校リスク・マネージメント・センターの専門家た
ちの協力を得て編纂されております。
編集注記
「グローバルリスク報告書2014年版」に関するお問い合わせ先は次の通りです。

Rolf Tanner, Director, Media Relations, Swiss Re, Switzerland, +41 (0)79 234 4642, [email protected] 
Jason Groves, Global Director Media Relations, Marsh & McLennan Companies, United Kingdom, +44 (0)20 7357 1455,
[email protected] 
Riccardo Moretto, Media Relations Manager, Zurich Insurance Group, Switzerland, +41 (0)44 625 2100, [email protected] 「グローバルリスク報告書2014年版」に関する詳細な情報については以下をご覧ください。

報告書に関する記者会見の模様:http://livestream.com/worldeconomicforum

報告書の紹介ビデオを見る:http://wef.ch/GRR2014video

フォーラムのブログを読む:http://wef.ch/blog 
ツイッターでフォーラムをフォローする:http://wef.ch/twitter and http://wef.ch/livetweet(ハッシュタグ#WEF)

フォーラムのニュースリリースを予約購読する: http://wef.ch/news

Scribdでフォーラムの報告書を読む:http://wef.ch/scribd

世界経済フォーラム2014年度年次総会の詳細: http://wef.ch/davos2014

フェイスブックでフォーラムのファンになる:http://wef.ch/facebook

Google+ でフォーラムをフォローする: http://wef.ch/gplus 世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、世界・地域・産業のアジェンダを形成し、各界のリーダーたちが連携して、世界情勢の改善
に取り組む独立した国際機関です。
1971 年に財団として設立され、スイス・ジュネーブに本部を置く世界経済フォーラムは、特定の政治、党派、国家などの利益に関与しない公正
で非営利の組織です。(http://www.weforum.org)
マーシュ・インクについて
保険仲介とリスクマネジメントの世界的リーディングカンパニーであるマーシュ・インクは、お客様と一体となり、革新的な各業界特有のソリ
ューションを定義、設計、提供し、お客様のリスク管理を支援しています。約 27,000 名の従業員が 100 ヶ国以上のお客様にサービスを提供し
ています。マーシュは、リスク、戦略そして人的資本の分野でお客様にアドバイスとソリューションを提供するグローバルプロフェッショナル
サービスカンパニーであるマーシュアンドマクレナンカンパニーズ(ニューヨーク証券取引所上場、取引銘柄は MMC)の 100%出資子会社です。
マーシュアンドマクレンナンカンパニーズには全世界で 54,000 名の従業員が在籍し、その年間総収入は 120 億米ドル超、マーシュの他にリス
クおよび再保険仲介のガイカーペンター、人事コンサルティングおよび関連サービスのマーサー、マネジメントコンサルティングのオリバーワ
イマンを傘下に置いています。ツイッターは@Marsh_Inc.
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広報 高田裕美子
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