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グレビレア・アルピナ GUREVILLEA ALPINE Olympic Flame
概 要 グレビレア・アルピナ オリンピック・フレイム Grevillea alpine Olympic Flame グレビレア・アルピナ オリンピック・フレイム(オリンピックの炎)は園芸品種。 ヤマモガシ科 グレビレア(ハゴロモノキ)属 通称:マウンテン・グレビレア (Mountain grevillea) ・オリンピック・フレイム、猫の爪 グレビレア(Cat's claws grevillea)・オリンピック・フレイム グレビレア・アルピナ オリンピック・フレイムは、鉢植えでは、適度の剪定で樹形はコ ンパクトでふわふわした感じで丸くなる。地植の場合は、樹高約1.5m位になり、横に枝 を張り、径2m位になるほど横に広がる。葉は真直ぐで濃い緑色で先が尖り、針のようであ る。花は数個が群がり、多くは下向きになるが、花の数が少ないと上向きにも咲く。花の色 は赤ピンクとクリーム色の 2 色の色花で、オーストラリアでは、年中咲く。日本では主に 3 月から 6 月にかけて咲く。 グレビレア・アルピナ オリンピック・フレイムは、カーディニア(Cardinia)地方のグレ ビレア・アルピナの実生の選抜種である。 日本では、主に春先にグレビレア・アルピナ、ハゴロモノキのような名前で、20㎝前後 の樹高のポット苗が園芸店で売られている。 グレビレア・アルピナ オリンピック・フレイムは、グレビレア・‘キャンベラ・ゲム’ (Canberra Gem)に大変似ている。区別は難しい。オリンピック・フレイムの方が赤味が強 い。また、オリンピック・フレームは、横に広がる傾向があるが、キャンベラ・ゲムはやや 立ち性で、成木ではキャンベラ・ゲムの方が大きくなると言われている。 グレビレア・‘キャンベラ・ゲム’は、G. ジュニペリナ(juniperina) × G. ロスマリニ フォリア(rosmarinifolia)の交配種である。 グレビレア・アルピナは、G.ジュニペリナ(juniperina)、G. ロスマリニフォリア (rosmarinifolia)、G. ラバンドュラセア(lavandulacea)、G. ドライオフィラ (dryophylla)、G. オブテクタ(obtecta)などと容易に交雑する。 ・グレビレア・アルピナ グレビレア・アルピナは、花の主な色はオレンジ色から黄色、赤またはオレンジ又はピ ンク色で、花の縁に沿って通常赤から黄色、赤からクリーム色の組み合わせが見られる2 色花である。他にも花は白から緑、赤からピンク、黄色又はクリーム色、いくつかの色の 模様など色々な種がある。花は花被がカールし、1 から3cm長である。蜜が多く虫が沢 山来る。 しばしば花はオーストラリアでは 8 月から 12 月、日本では 3 月から 6 月頃である。 葉は、通常は楕円形であり、葉の裏表とも毛はなく、葉の縁は、裏側に巻いている。葉 にも様々な形態がある。楕円形から針状で、葉は、まっすぐで4mmから 1.5cm位であ る。樹高 0.3~2m位になる。 グレビレア・アルピナのある種は背が低く地面に付く位で、ある種は、よく広がる灌木 である。 花が咲いたあと、毛の多い、硬い、卵型の実が付くことがある。8.5 から 12mm 位で、実 がはじけると羽根のある種が出てくる。 グレビレア・アルピナは、変種が多い。ビクトリア州とニューサウスウェールズ州に至 る乾燥地に森や木立の地に生育し、その中で5つの型が報告されている。 1.グランピアンス(The Grampians form)型: 照りのあるオレンジと黄色の花で、這い性で横に広がる。 2.北ビクトリア型(The Northern Victorian form): ストラスボギー(Strathbogie)山脈とワーバイ(Warby)山脈に見られるタイプ.黄色やオ レンジで3mの樹高になる魅力的な木である。 3.南丘型(The Southern Hills form): メルボルンの周辺でラーデルデルグ・ゴーギ(Lerderderg Gorge)、キングレイク (Kinglake)、マウント・スライド(Mount Slide)、マウント・エヴリン、ダンデノング (Dandenong)山脈とカーデニア(Cardinia)で見られるタイプ。やや立ち性の木で樹高、樹 幅とも0.8mから2m位、よく茂り、葉は毛があり、灰緑色で卵型で15㎜位である。 枝先に猫の爪のような毛の多い総状花を付ける。花の色は明るい赤と黄色で、オーストラ リアでは8月から12月に咲く。日当たりの良い、又は半日蔭の水はけのい良い土壌を好 む。寒さにはやや強い。 4.ゴールドフィールド(The Goldfields form)型: カストルマイン(Castlemaine)、ベンディゴ(Bendigo)とワルー森林地(Bendigo and Whroo Forest)に自生している。その花は、冬から早春にかけて咲き、花色は変化に富 み、ワルー(Whroo)型は緑を含み、ゴールドフィールド(Goldfields)の型は赤色、他に赤/ 黄色、赤/白。黄色/白、赤/白、赤/オレンジ、オレンジ/黄色などがある。 5.小型花(The small-flowered form)型: ビークワース(Beechworth)、チツターン(Chiltern)、アルベリー(Albury)に見られる。 アルベリーからキャンベラに自生しているものは2つのペアになった花の間に葉があると いう明確な変異がある。トーボラック(Tooborac)の植物の型は、小型花に分類できるが、 現在、研究者は、別の種を立てようとしている。 No. 1 項目 特徴 説明 グレビレア・アルピナ・オリンピック・フレイムは、グレビレア・アルピ ナの園芸品種である。カーディニア(Cardinia)地方のグレビレア・アルピナ の実生の選抜種とのこと。 花は、花被のカールした赤味の強いピンクとクリーム色の 2 色花でオース トラリアでは一年中咲くが、日本では 3 月から 6 月にかけて咲く。赤いカー ルした花被から長い雌しべを突きだして咲く。 葉は尖っているが、柔らかく、樹全体はコンパクトで、枝吹きが良いので 剪定によって丸くなる常緑の灌木である。 2 花 3 葉 4 分布 葉や花には、皮膚炎を起こす物質を持っているが、誰でもアレルギーを起 こすというわけではない。 別名:マウンテン・グレビレア・オリンピック・フレイム、アルペン・グレ ビリア・オリンピック・フレイム、キャッツ・クロー(猫の爪)・オリンピ ック・フレイム 花被のカールした花は、1 個から 数個の花が集まって咲く。数花集ま った総状花は、やや下向きに咲き、 花のカールした形は猫のつめのよう で、花色は、赤からピンクと白色の 二色花である。オーストラリアでは 一年中、又は晩冬から夏にかけて咲 く。日本では主に晩冬3月(温室栽 培)から初夏の6月頃にかけて咲 く。 花披は赤く、雌しべの先頂部は緑色からクリーム色、茶色になる。雌しべ が伸び出す時、花被の先は 2 つに割れ、先端がクリーム色になり、内側にカ ールし、花粉を出す。花被は、花弁と雄しべの変化したもので、萼はない。 果実は袋果で、毛が生えていると言うが、文献の写真以外見たことはない。 グレビレア・アルピナ・オリンピ ックフレームの葉は松葉のような針 状で細いやや黄色がかったの薄緑色 葉の常緑葉である。葉の先端は尖っ ているが、それほど痛くはない。葉 の表は滑らかで、葉の裏は、裏側に 強く巻き込んで針のようになってい る。 葉の裏 葉の長さは、1cmから2cm位で ある。 グレビレア・アルピナの分布 オーストラリアの東南部、メルボ ルンの北部とニューサウスウェール ズ州アルバーリ(Albury)からビクト リア州に分布している。その最西部 はビクトリア州のグランピアンスで 発見されている。 この地方の特産種である。乾燥地 の樹林や森林、ユーカリの叢林など に生え、寒さにも強い。10 から 20 年で樹高2m、樹幅は2m位にも広 がるが、通常は、高さは 0.3~1m 前後、また、成長の良いものは樹高 2メートルになる。 5 栽培 6 繁殖 栽培地では高さ1m前後であるが、自生では2m 位になり、横によく広が る。水はけの良い日当たりの良い処を好む。 栽培では、横の広がりを抑えるため、地面に近い雑草と接するような枝は 切った方が良い。また、横方向の勢いのある枝は、葉のあるところで剪定す るとよい。 繁殖は、挿し木や接木で行う。挿し木では、1年枝(3月では昨年の枝、6月 なら今年伸びてやや固くなった枝)の10㎝前後の枝を使い、接木ではやや硬 い枝を使う。日本では接木の台木の入手が容易ではないので、挿し木による 繁殖となる。 グレビレア・アルピナ・オリンピック・フレイム 写真 説明 蕾の状態。これより前は緑色の名が細い ボール状である。 15 個位の花が集まって咲いた状態。個 の形を蜘蛛に見たて「スパイダーフラワ ー」とも言う。 雌しべの伸び出す前。花には細かい毛が あることがわかる。カールした先端の黄 緑部は雄しべの葯である。 雄しべ部の拡大。花被が4つに分かれ、 黄色い葯が付いていることがわかる。 写真 説明 鉢植えの側面の写真 150420 鉢植えで群がって咲いている。花は雌し べの先端までで約 2.5 ㎝。