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スペイン:自由化を受けた、公益企業の海外/上流進出 ~天然ガス/LNG

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スペイン:自由化を受けた、公益企業の海外/上流進出 ~天然ガス/LNG
<更新日:2004/6/4>
<石油・天然ガス調査 G:齊藤 晃>
公開可
スペイン:自由化を受けた、公益企業の海外/上流進出 ~天然ガス/LNG を中心に~
(DOE レポート、UNION FENOSA HP 他)
① スペインの天然ガス需要は発電用を中心に増加している。LNG 輸入についても急増しており、2003
年において、日本と韓国に次いで世界第 3 位の規模(1,211 万 t)となっている。
② スペインのガス市場は、他の EU 諸国に比べて自由化が進んでおり、その結果、電力/ガスといった
公益企業も国内のみならず、生き残りをかけて国外や上流部門へ進出を行っている。
③ 例えば、電力会社の Union Fenosa グループが、エジプトの液化基地プラントに主体的に関与したり
ガス会社の Gas Natural グループがイタリアのガス市場に進出するなど、積極的な動きを見せてい
る。
スペインの天然ガス消費は、1993 年から 2002 年の間に、224%増加した。なお、スペインの LNG 輸入
は、2003 年は前年比約18%の 1,211 万t となった模様である。LNG については、日本・韓国に次いで世
界第 3 位の規模であり、発電用を中心に堅調に増加している。また、スペイン天然ガス市場は、EU 全体
の自由化に合わせて、他のEU諸国に比べて自由化が進んでおり、これまで規制に守られてきた電力会
社やガス会社といった公益企業も生き残りのため、上流分野へ進出するなど、積極的な展開を行ってい
る。また、スペインの企業は 1998 年制定の Hydrocarbon 法によって、供給セキュリティ上、一国からの輸
入は 60%まで制限されており、アルジェリア以外の国からの多様化が求められている状況にある。(アル
ジェリアからの輸入は、現在約 60%)本レポートでは、こういったスペインの天然ガス市場/LNG 市場の
現状と、自由化の影響を受けた公益企業(ガス業界・電力業界)の変化について、紹介していきたい。
●スペイン市場をめぐる、スペイン国内外企業の動き
スペインではガス市場の急成長が見込まれるため、国外の企業も自由化を契機にビジネスの拡大を
図っている。昨年イタリアの Eni は、スペイン第 3 位の電力会社 Union Fenosa(※1)のガス部門会社であ
る、Union Fenosa Gas の株式の 50%を買収した。出資比率は、Union Fenosa:50%、ENI:50%となった。
同社は 2006 年までの国内ガス市場の 15%のシェア獲得を目指しており、2004 年から 2007 年にかけて
-1Global Disclaimer(免責事項)
本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
約 4 億ユーロの投資を行う計画である。主な投資先として、新規受入基地(Sagunto・Reganosa)、エジプト
(Segas)の液化LNG 基地、オマーンのガスプロジェクト参加などである。本年3 月には、世界的な海上石
油社である、バハマの Teekayが、スペインの最大の石油輸送会社である Naviera F. Taipas の買収を行う
など、国外企業の参入について多々の動きがある。
逆に自由化を受けて、スペイン公益企業の海外展開も盛んとなっている。スペイン最大のガス配給会
社で、Repsol の子会社でもある Gas Natural は、本年1 月イタリア・シチリア島最大の民間ガス配給会社で
ある Brancato Group を買収した(1 億ユーロ)。同社は 2002 年にガス供給会社 Gas Natural Vendita を設
立し、イタリア向けガス供給を開始していたが(イタリア市場において 3-4%の市場獲得を目標)、配給市
場にも参入することとなった。Gas Natural は、電力市場の積極展開を図っており、2004 年から 2008 年に
投資する予定の 88 億ユーロのうち、27%を電力関係に投資する予定である。2003 年のスペイン市場に
おけるシェアは 5%(約 4,000GWh)であるが、2008 年までに 10%高めることを目標としている。また、同
社ではガス分野においても、隣国のフランスやポルトガルのガス市場にも進出を検討している。また同
社は、全世界の顧客数を、2008 年において、中南米への進出などを通して、現在より 420 万戸多い
1,300 万戸に増やすことを目指している。
(※1)Union Fenosa 社は、スペイン第3 位の電力会社で、1982 年Union Electrica と Fenosa 社の合併により設立された会社であ
る。同社は、スペインエネルギーセクターの自由化に伴なって相互参入が可能になったことから、ガスビジネスにも業務拡大を
行った。さらに電気通信(電話、携帯電話など)や IT、コンサルティングなど事業の多角化を図っている。海外事業にも積極的
でラテンアメリカを中心に進出を行っている。発電事業(メキシコ、ドミニカ、コロンビア、パナマ、ケニア等)、ガス事業(エジプト、
ウルグアイ)。また水道事業(イギリス)なども行っている。
●Union Fenosa の上流進出例
自由化を受けた公益企業の変化例について、Union Fenosa の動向についても興味深いものがあるの
で、紹介していきたい。発電用を中心とした天然ガス需要が増加し、かつ供給地域の多様化が求められ
る中で、Union Fenosaの子会社であるUnion Fenosa Gasは、中東オマーンからのLNG調達を開始した。
地中海に面した Cartagena 基地に到着。Union Fenosa Gas とオマーン LNG 社は、2004 年と 2005 年に
1.8bcm(LNG 換算約 130 万 t)の LNG 供給契約を締結しており、今後 1~2 ヶ月に一度輸送される予定
である。
供給された LNG は、Union Fenosa 社の発電用燃料として利用される他、国内市場での販売も行われ
る予定である。2005 年末からは、オマーンで計画されている Oman LNG T3(トレイン 3)から、2.2bcm/年
(LNG 換算約 150 万 t/年)のの購入を決定している。20 年間の長期購入契約である。また、同社は供給
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
機構は本資料に含まれるデータおよび情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたも
のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
し上げます。
アクセスを確保するため、同トレインの権益にも参加、8%の権益を取得している。
また、同社は中長期的に供給を確保するため、エジプトの Damiette 港に LNG 液化基地を、自らが中
心となって建設している。同社はこの事業に 80%の出資を行っている。この事業は、天然ガス田の開発
を行わずに、エジプト国営 EGPC から長期契約に基づいて購入し、そのガスを同社が 80%出資する液
化プラントで LNG 化する内容となっている。2005 年に稼動開始の予定である。
同社は、これまでに LNG 液化基地のプロジェクトに携わった経験はなかった。今回のように、下流企業
が主体となって LNG 液化事業を立ち上げたことは世界初の出来事であったようである。なお、同社は、
SEGAS プロジェクト 6bcm/年(LNG 換算:420 万 t/年)のうち、半分以上の 4bcm/年(LNG 換算:280 万 t/
年)を購入する予定である。
同社は、スペイン国内の、新規 LNG 受入基地計画にも、積極的に参加しようとしている。Sagunto 基地
(2005年稼動予定)とReganosa基地(2005年稼動予定)にも、それぞれ50%、21%の出資を行っている。
なお、他の電力会社Endesa、Iberdrola なども、供給セキュリティを確保するため、新規受入基地の出資を
行っている。
このように、Union Fenosa は、天然ガス火力発電所の建設を中心に、その中流、上流に遡ってガスチェ
ーンを整備する戦略を採っており、他の公益企業同様、今後の動向も注目される。
●ガス市場自由化の経緯について
スペインでは、EU ガス指令を受け、他の EU 諸国と比べ、天然ガス市場の自由化にいち早く着手し、現
在では英国に次いで 2 番目に競争の激しい市場であると言われている。2003 年1 月から、家庭用も含め
た全需要家が自由化の対象となった。1998 年 Hydrocarabon Act(炭化水素法)が制定され、市場自由化
のためのスケジュールが作成された。1999 年と 2000 年の Royal Degree によって、自由化の時期はさら
に前倒しとなり、2003 年 1 月からの家庭用市場も含めたガス市場の完全自由化につながった。なお、自
由化以前は、Gas Natural グループが、供給・配給・LNG 再ガス化・貯蔵などをほぼ独占していた。自由
化に伴なってアンバンドリングが進み、また 1 企業のシェアの上限が 70%に規定されたため、LNG 基地
なども第 3 者に開放されるようになった。(※2)なお、現在のガス市場の競争の監視等は、国家エネルギ
ー委員会(CNE)が行っている。現在では、Union Fenosa 等の電力会社やフランス、イタリアなどの欧州
企業や石油メジャーなどが新規参入も進んでいる。
1998年
1999年
2000年
2003年1月
内容
備考
Hydrocarbon Act(炭化水素法)
Royal Degree(6/1999)
2008年からの完全自由化へ前倒し
Royal Degree(6/2000)
2003年からの完全自由化へ前倒し
完全自由化
全需要家が供給事業者を選択可能
-3-
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
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果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
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(参考)改正 EU ガス統一指令:2004 年 7 月までに:家庭用を除く完全自由化/2007 年 7 月までに:家庭用を含む完全自由化
図 1:スペイン天然ガス市場規制緩和の主な動き
(※2)Gas Natural は、スペインにおける輸送・LNG 再ガス化・貯蔵を行う、Enagas の株式を売却するようにも指導された。Enagas
は、国内の天然ガス輸送・LNG 受入基地管理などの業務に特化しており、「輸送事業者」として規定されている。2002 年には、
2000 年の Royal Degree に従って、Enagas の株式の 65%を売却している。また、スペイン政府は、Gas Natural が保有する、現在
Enagas 株式の 35%についても、今後数年間に 5%にまで削減することを検討中である。なお、Enagas は、3 つの既存 LNG 基
地(Barcelona、Cartagena、Huelva)を保有している。
●スペインの天然ガス需要の高まり
スペインは、エネルギー資源に乏しく、2002 年において天然ガスの需要の約 98%を輸入に頼ってい
る。天然ガスの消費については、1993 年から 2002 年の間に、224%増加しており、EU においても最も増
加率の高い国である。なお、2002 年において、天然ガスの一次エネルギーに占める割合は、12.5%と
なっている(1980 年の構成比は、2%)。スペイン経済省の発表した、エネルギープランによると、一次エ
ネルギーに占める天然ガスの割合は、2010 年に 22.5%まで高まると予測されている。発電用の伸びが
特に高く、2003 年は対前年比 46%増となっている。政府は、発電におけるシェアは 2000 年の 9.7%か
ら 2010 年に 33.1%まで高まると見ており、これらを背景に、天然ガスの全需要は、2002 年の 20.8bcm か
ら、2010 年には 41.6bcm まで拡大すると見ている。その背景には、コンバインドサイクル・ガスタービン
(CCGT)の本格的導入がある。スペインの発電は、これまで石炭、石油、原子力が中心的な役割を果た
してきたが、環境規制と天然ガス火力の経済性の高まりから、天然ガス複合サイクル発電所の建設が進
んでいる。
●スペインの LNG/パイプライン事情について
こういった天然ガス需要の高まりから、LNG 輸入も増加している。International Group of
LNG
Importers(GIIGNL:国際 LNG 輸入者協会)によれば、2003 年度のスペインの LNG 輸入量は、前年比
18%増の 1,211 万 t となったようである。輸入量は、日本(5,851 万 t)、韓国(1,941 万 t)についで、世界
第 3 位の規模である。主な輸入国は、アルジェリア、カタール、ナイジェリア等である。パイプラインを通
じた輸入は、アルジェリアとノルウェーの 2 カ国からとなっている(2002 年)。LNG とパイプラインの比率は、
2002 年において約 59%:約 41%である。なお、スペイン LNG 輸入は、1969 年のバルセロナ基地から開
始している。同国の LNG 比率が高いのは、欧州の主要な天然ガス配給網への接続が比較的少なく、ま
た安定的供給という観点から、天然ガス供給源を多様化する必要があったため(特にアルジェリア)であ
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本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)石油・天然ガス調査グループが信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、
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のであり、何らかの投資等に関する特定のアドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結
果については一切責任を負いません。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申
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る。大陸からのパイプライン輸送については、1993 年からフランス経由でノルウェーからガスを導入する
トランス・ピレネー・パイプラインの稼動している。また、1996 年 11 月からアルジェリアからモロッコを経由
してスペインに至るマグレブ・パイプラインが稼動した。
パイプライン建設では、アルジェリアからスペインに直送する Medgaz パイプラインも計画されている
(※3)。また、スペイン北部~フランス南西部をつなぐ、Euskadour パイプラインの建設も計画されている
(※4)。ところで、1998 年に制定された Hydrocarbon 法によって、供給セキュリティ上、一国からの輸入は
60%まで制限されており、アルジェリア以外からの多様化が求められている状況にある。
日本
韓国
輸入量 前年比
(万t)
(%)
5,851
+7.9
1,941
+8.8
スペイン
1,211
+18.0
米国
フランス
台湾
トルコ
ベルギー
イタリア
その他
1,054
921
559
345
252
249
138
12,521
+118.0
▲12.9
+4.3
▲6.8
▲7.6
▲2.5
+10.8
図 2:世界の LNG 輸入量(2003 年)
[GIIGNL のデータより作成]
輸入量
比率
(bcm)
LNG
アルジェリア
5.95
29% ①
カタール
2.20
11%
ナイジェリア
1.61
8%
オマーン
0.76
4%
リビア
0.63
3%
UAE
0.50
2%
トリニダードドバゴ
0.46
2%
その他
0.15
1%
小計
12.26
59%
6.25
30% ②
パイプライン アルジェリア
ノルウェー
2.27
11%
小計
8.52
41%
総計
20.78
100%
(参考)アルジェリアへの依存率(①+②):59%
図 3:スペインにおける天然ガス輸入形態(2002 年)
[BP 統計データより作成]
LNG受入基地については、現在 Barcelona、Cartagena、Huelva、Bilbao の 4 基地が稼動しており、EU
最多である。(Bilbao基地については、昨年 8 月に稼動開始)(図 4・5 参照)。新規受入基地計画につい
ては、現在のところ、地中海に面した Sagunto・Castellon、北西部の Reganosa が計画がなされている。カ
ナリア諸島にも計画がある(図 4・5 参照)
(※3)アルジェリア北西部~地中海海底~スペイン南部アルメリア間の全長 200km の予定。初期輸送能力 8bcm/年(LNG 換
算:560 万 t/年)、拡張後能力 16bcm/年(LNG 換算:1,120 万 t/年)の予定。2006 年末完成の予定。スペイン Cepsa、BP、GdF、
Total、Iberdrola 等が参加。
(※4)2005 年稼動予定。第 1 フェーズ 0.5bcm/年(LNG 換算:35 万 t/年)、第 2 フェーズ拡張予定。
●おわりに
スペインは、今後も発電用を中心に、天然ガスの需要が増大すると予想されており、国内外の企業にと
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って魅力的な市場である。ただ、スペインに限らずEUでは、エネルギー産業の自由化が進んでおり、ガ
ス業界/電力業界も例外ではない。その結果、公益企業の国外/上流進出進出、電力・ガス相互乗り入れ、
国外企業のスペイン市場参入などが進んでいる。一般的に、自由化の進展具合と、下流企業の国外/上
流進出とは相関関係にあると思われる。EU の中で、最も自由化が進んだイギリスにおいて、例えば
British Gasから分離したBGは、国外/上流分野に積極的に進出し、利益面でも大きく成長した (営業利
益:97 年 1 億 6 千万ポンド→03 年 12 億 5 千万ポンド)。LNG 分野でも太西洋 LNG 市場の拠点を次々
と築き、今や米国のLNG輸入量の約半分を供給するようになった。また、同じく自由化の進むスペインで
も、エジプトの液化基地建設を主体的に行った Union Fenosa のように、国外/上流へ積極的に進出する
公益企業が多い。一方で、自由化の遅れるフランスや日本では、公益企業の国外/上流進出も、現在は
まだ試行的色彩が強い。一次エネルギーに占める天然ガスの割合がほぼ同様で、LNG 比率も高いスペ
インの動向は、日本の自由化にとっても示唆に富むものである。ただ、スペインの、今後の天然ガスの購
入予定量が中長期的に見て、過剰購入ではないかと見る向きもあり、自由化の動向と相俟って、今後も
注意する必要がある。
Reganosa 基地(計画)
Bilbao 基地
↓
↓
★
●
←Euskadour Pipeline(計画)
←Trans Pyrenees Pipeline
● ←Barcelona
基地
★ ←Sagunto 基地(計画)
★ ←Castellon 基地(計画)
● ←Cartagena 基地
●
-
↑
Huelva 基地
←Medgaz
Pipeline
↑
(計画)
Maghreb
アルジェリア
Pipeline
図 4:スペインにおける主な LNG 受け入れ基地位置図(●稼動中、★計画中)
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プ ラ ン ト サ イ ト 会社および参加者
LNG 供 給 使 用 受入能力
先
開始年 100万t/y
UAE
1968
6.5
Algeria
Abu Dhabi
Australia
Libya
Nigeria
Qatar
Trinidad
UAE
1989
2.9
Algeria
Trinidad
UAE
1988
2.7
Algeria
Australia
Abu Dhabi
Libya
Malaysia
Nigeria
Oman
Qatar
Trinidad
Barcelona
ENAGAS
Cartagena
ENAGAS
Huelva
ENAGAS
Bilbao
BP(25%)
Ente Vasco de la
Energia(25%)
Trinidad
Iberdrola(25%)
Repsol YPF(25%)
既存
プラントサイト
会社および参加者
Iberdrola(50%)
Union Fenosa gas
(50%)
Union Fenosa gas
Endesa
Groupe Tojeiro
Reganosa
Xunta de Galicia
(Mugardos)
Caixa de Galicia
Caixa Vigo
Banco Pastor
Sonatrach
Iberdrola
Castellon
Endesa
Canary Islands Compania
(スペイン領カナリ Transportisa de Gas
ア諸島)
Canarias
Sagunto
計画
2003
4.4
使 用 受入能力
開始予定 100万t/y
2005
3.8
2005
2.6
2006
1.4
2006
1.6
図 5:スペイン LNG 受入基地の概要(既存基地・新規計画基地)
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