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新聞を用いた国語力向上の取り組み(PDF)

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新聞を用いた国語力向上の取り組み(PDF)
平成19年度
国語力向上実践事業
報告
山梨県立都留高等学校
1
事業の名称
新聞を用いた国語力向上の取り組み
2
事業の目的
数紙の新聞を比較しながら読むことを通じて、論理的な考え方や思考力や判断力を養い、
人間や社会についての考えを深めるように指導する。新聞記事に対する意見文を書くこと
を通じて、文章力や表現力を養うように指導する。また、「総合的な学習の時間」を通じ
て、文章力や表現力を養うように指導する。
3
事業の概要
都留高校は、平成18・19年度に、日本新聞教育文化財団から、NIE(Newspaper In
Education)の実践校に認定されている。NIEとは、学校で新聞を使った教育活動を進
める活動である。9月~12月の4ヶ月間、日本新聞教育文化財団から、山梨日日・朝日
・毎日・読売・産経・日本経済新聞の6紙の新聞が、都留高校に提供される。数紙の新聞
を比較しながら読むことを通じて、論理的な考え方や思考力や判断力を養うように指導し
ていく。数紙の新聞を校内に毎日設置し、生徒が各新聞を比較しながら閲覧するよう指導
する。各クラスに新聞係の生徒を置き、その生徒を中心にして、注目記事を切り抜きし、
教室に掲示する。生徒に新聞の社説などの記事を読ませ、その記事に対する意見文を書く
ように指導する。優れた意見文については、新聞の投書欄に送り、掲載を試みる。新聞記
者による講演会を実施し、文章の書き方等の指導を受ける。1年次の総合学習で、NIE
の学習に取り組む。
4
事業の具体的内容
(1)
目
1年次総合学習におけるNIE学習
的
NIE(Newspaper In Education)実践校としての取り組みとして、新
聞を用いた総合的な学習を実践するとともに、キャリアガイダンスのま
とめとして全体発表を行う。
第1回:12月5日:山日新聞記者の講演会を実施。
第2回:12月10日:各自新聞を読んで、テーマを決定。決定次第、関連記事を探す。
各自新聞を読み、自分の興味関心のある記事、を見つけ、テーマを決定する。
第3回:12月12日:班編成を行う。7人6班編成(1~2班は6人編成)
各自テーマについて各班で話し合い、代表テーマを決定。班長を決定して各自に
役割分担を行う。(基本的に全員で調査する)
第4回:12月17日:引き続きテーマに沿って調査を行う。
次回1月21日までに各自必要な調査を冬季課題とする。
調べ学習は、配布してある新聞を読んで関連のある記事を探したり、図書室で関
連する本を借りてくる。PCは教室に設置してあるものを時間を区切って使用さ
せる。
-1-
第5回:1月21日:各班テーマについてまとめを行う。次回のグループ発表に向けて、
配付資料(B4版1枚)を作成する。
第6回:1月30日:各班テーマについてまとめを行う。次回のグループ発表に向けて、
配付資料(B4版1枚)を作成する。
第7回:2月25日:第1回クラス発表会第1~3班
第8回:2月27日:第2回クラス発表会第4~6班、終了後クラス代表を決定。
3月12・13日発表準備
(クラス代表は教室 PC で PowerPoint で発表用資料を作成。)
第9回
3月14日全体発表会
(2)
新聞係を中心とした新聞閲覧の取り組み
山梨日日・朝日・毎日・読売・産経・日本経済新聞の6紙の新聞が、都留高校に提供さ
れた。数紙の新聞を比較しながら読むことを通じて、論理的な考え方や思考力や判断力を
養うように指導した。数紙の新聞を校内に毎日設置し、生徒が各新聞を比較しながら閲覧
するよう指導した。
各クラスに新聞係の生徒を置き、その生徒を中心にして、注目記事
を切り抜きし、教室に掲示した。1・2年の各HRの2名の新聞係は、新聞記事の切り抜
きやスクラップ、新聞記事のHR教室への掲示などを担当した。
〈毎月の具体的取り組み〉
1・2年の各HRの2名の新聞係は、新聞記事の切り抜きやスクラップ、新聞記事のH
R教室への掲示などを担当する。NIEコーナーを職員室前の一画に設置し、本校野球部
の全国選抜大会での活躍の記事や本校生徒の新聞への投書などを掲示している。そこに置
かれた新聞も利用して、新聞記事の切り抜きや掲示などを行う。
各クラスの新聞係は、
その月のテーマの記事を切り抜き、用紙に貼り付けて、記事の感想・意見も記入して、各
HR 教室に掲示する。切り抜き用の過去の新聞は、職員室前の NIE コーナーに6紙置いて
あるので、その新聞を切り抜き、各 HR 教室に掲示する。
(3)
新聞記事に対する意見文の新聞投稿の取り組み
地歴・公民科の課題として、生徒に新聞の社説などの記事を読ませ、その記事に対する
意見文を書くように指導してきた。優れた意見文を選び、新聞の投書欄に送り、掲載を試
みた。地歴・公民科の課題として 、「 記事・ニュースになった社会の問題に関して自分
の意見を約600字にまとめて書いてみよう 。」と生徒に次のように課題を出した 。「資
料プリントとして、社説などの記事を参考に読んでみよう。その記事に対する自分の意見
を600字でまとめよう。他に書きたいテーマがある生徒は、他のテーマについての意見
でもかまいません。休み明けの最初の授業に提出してください 。」資料プリントには、次
のような記事を紹介した。
山日・11月27日・社説・バイオ燃料・本格普及へ知恵絞ろう
山日・11月30日・社説・裁判員の選任・「幅広い参加」目指そう
山日・12月3日・論壇・「歴史認識」の溝どこに(小菅信子氏)
朝日・12月8日・イラク報告・米大統領はすぐに動け
山日・12月9日・知事とカネ・業界との癒着断ち切れ
-2-
朝日・12月9日・開戦・65年・狂気が国を滅ぼした
山日・12月9日・やまなしに想う・勝利の方程式・色あせぬ信玄の知恵(前沢哲爾氏)
毎日・12月10日・社説・労働時間見直し・働き過ぎの助長は許されぬ
朝日・12月12日・06回顧①・戦争体験・語り継ぐ方法模索
山日・12月15日・社説・6カ国協議再開・中韓との連携深めよう
提出された生徒の意見文の中から、毎週3編ずつ山梨日日新聞に送ったところ、200
7年の2月から12月までの間に、山梨日日新聞の「私も言いたい―10代の意見」の欄
に、約40名の都留高校の生徒の意見文が掲載された。生徒たちは、地球環境問題・裁判
員制度・バイオ燃料・山梨県知事選挙・労働時間見直し・イラク問題・武田信玄とドラマ
『風林火山』など、様々な問題について意見文を書いたが、「10代の意見」欄には、戦
争と平和の問題に関わる意見文が多く取り上げられた。意見文の掲載後には、掲載された
意見文を各クラスで取り上げて、その意見文に対する感想や意見を出し合った。
5
今後の課題
今年度の取り組みは、新聞を用いた取り組みに絞って活動したが、来年度は 、「総合的
な学習の時間」を活用して、国語力向上事業に位置づけて、もっと幅広く、書き方入門学
習・小論文学習・NIE学習に取り組み、生徒の思考力や表現力の向上を図りたい。また、
各教科での取り組みについても、国語力向上事業の中に位置づけていきたい。
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