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新規安全性評価試験のテストガイドライン化に向けた調査
平成26年度経済産業省委託事業 「平成26年度化学物質安全対策(新規安全性 評価試験のテストガイドライン化に向けた 調査) 」成果報告書 平成27年3月 一般財団法人食品薬品安全センター 1 目 次 まえがき ・・・3 I. 事業の成果 ・・・4 1. 要約 ・・・4 2. 本文 ・・・5 (1)国内外の形質転換に関する試験法についての調査 ・・・5 (2)Bhas 42 細胞の代謝酵素発現解析 ・・・9 (3) 「Bhas 42 細胞を用いた形質転換試験法」に関するバリデーション結果の統計解 析 ・・・11 (4)発がん性の定義の明確化、バリデーションに使用した化学物質の分類 ・・・14 (5)OECD への対応 ・・・19 II. 研究発表・講演、文献、特許の状況(共同研究、再委託研究も含む。 ) ・・・20 1. 研究発表・講演 ・・・20 2. 文献 ・・・20 添付資料 1 ・・・21 添付資料2 ・・・31 添付資料3 ・・・47 2 まえがき 本事業の目的は化学物質の新規安全性評価手法として経済産業省で開発を行った、が ん化へ向かわせる化学物質の作用を包括的に検出できる手法である「Bhas42 細胞を用 いた形質転換試験法」のテストガイドライン化に関して、国内外の形質転換試験に関す る試験法について調査すると共に、Bhas42 細胞の代謝酵素発現解析などのテストガイ ドライン化に必要な対応を実施し、テストガイドライン化へのプロセスを進行させるこ とである。 国内外の形質転換試験に関する試験法について調査すると共に、化学物質の新規安全 性評価手法として経済産業省で開発を行った、がん化へ向かわせる化学物質の作用を包 括的に検出できる手法として日本がリード国を務め、既に OECD に対して SPSF (Standard Project Submission Form)を提出済みの「Bhas42 細胞を用いた形質転換試 験法」のテストガイドライン化に関して必要な対応を実施する。 3 Ⅰ.事業の成果 1. 要約 本調査では、発がん物質のスクリーニング法として開発された Bhas 42 細胞を用いる 形質転換試験について、その国際的な位置づけと利用の方法に関して調査すると同時に、 下記に示す OECD でのガイダンス案の作成と補足データの作成を行った。 ①本試験法は発がん性の予知を確認する試験として、特に非変異発がん物質の検出に有 用であることが示された。 ②Bhas 42 細胞の有する代謝能に関しては、一部の多環芳香族炭化水素は CYP1A1 を誘 導し、発がん性を有する代謝活性化体に変換していることが示唆された。 ③得られた形質転換試験の統計処理法について検討すると、2 群以上で統計学的に有意 差が認められた場合は、傾向性検定は行わず、有意差検定の結果のみで陽性と判定し、 1 群のみで統計学的に有意差が認められた場合は、傾向性検定を行い、傾向性ありの 場合を陽性、 傾向性無しの場合を equivocal とすることが妥当であることが示された。 ④Bhas 42 の形質転換試験では、非遺伝毒性発がん物質と判断された 14 物質中のうち 11 物質(78.6%)を陽性と判定し、Bhas 42 を用いる形質転換試験が非変異発がん物 質の検出に有効であることが示された。 ⑤Bhas 42 試験法の OECD ガイダンスとしての今後の展開は、現時点で行われている OECD 事務局のコメント収集作業の進行状況から、2016 年 4 月開催予定の WNT で 審議決定される可能性が高いと思われる。 4 2. 本文 (1)国内外の形質転換に関する試験法についての調査 はじめに 発がんは多段階の過程を経て形成されることが知られており、1個の細胞に生じた 細胞増殖を制御する遺伝的な変化を起点に異常増殖をきたし、結果的に悪性腫瘍を形 成してがん化する。遺伝的な変化はもともと自然発生的に有している場合と、化学物 質などにより DNA に突然変異を誘発して生じる場合がある。一方、非変異発がん物 質の場合は、その化学物質の mode of action によって、発がん過程の様々な場面で細 胞の異常増殖をきたすメカニズムが存在すると考えられている。 形質転換試験は発がんの全過程を包括し、結果的に細胞の形質転換をエンドポイン トとすることから、このような非変異発がん物質の検出にも有効である。一方、細胞 の取り扱いや培養期間が長いことなどから、遺伝毒性試験のように汎用的に普及して いる状況ではない。形質転換試験法の歴史は古く、Berwald と Sachs(1965)1)によっ て、化学発がん物質を正常細胞に処理すると in vitro 形質転換を生じ、結果的に腫瘍 が形成されることが報告されて以来、様々な試験法が開発され、がん化のメカニズム の解明や発がん物質のスクリーニング法として大きな働きをしてきた。ここでは、国 内外で実施されている形質転換試験に関する現状と発がん物質の予知に関する役割な どを報告する。 形質転換試験法の種類 哺乳動物細胞を用いる形質転換試験は、初代細胞を用いる試験と株化した細胞を用 いる試験系の二つに分けられる。初代細胞の系としては Syrian hamster embryo (SHE) 細胞の系が良く知られているが、その他にラットの気管細胞を用いる試験系 2) などもある。一方、株化細胞の系としては Balb/c 3T3 細胞の系と C3H/10T1/2 の系が 知られているが、現在は Balb/c 3T3 細胞の系が良く用いられる。さらに本研究で開発 した、Balb/c 3T3 細胞に ras 遺伝子を導入して作製された Bhas 42 細胞もこのカテゴ リーにはいる。このように現況では OECD のガイドラインに提案された SHE 細胞、 Balb/c 3T3 細胞、Bhas 42 細胞の3種の形質転換試験系が一般的になっている。 試験法の開発とその特徴 1) SHE 細胞 Berwald と Sachs(1965)1)によって報告されて以来、Pienta ら(1977)3)によって SHE 細胞法の基本的なプロトコールが確立された。さらに LeBoeuf ら(1999)4)によ って、low pH 法などの改良法も報告されている。細胞は、シリアンハムスターの全 胎児から採取し、凍結保存した細胞をプレートに播種し、化学物質で1週間処理した のち、固定染色して形成されたコロニーの形態異常を観察して計測する。利点として 1週間培養であるが、用いる細胞や培養に用いる血清のロットにより結果が影響する こと、形態観察での判定であることから観察者によって異常形態の判定が異なる可能 性があるなどの欠点がある。 2) BALB/c3T3 細胞 角永(1977)5)によって化学発がん物質に感受性の高い Balb/c 3T3(A-31-1-1)株が開 発された。その後、Schechtman(1985) 6) らによってプロトコールが確立され、 Matthews (1993)7,8,9)により多くの化学物質でのデータが報告されている。試験法に 関しては、高感度化と短期間での培養による改良法が Tsuchiya ら(1995)10)によっ て報告されている。本試験の欠点は 5~6 週間の長期培養であるが、SHE 細胞の場合 と違って、形質転換フォーカスの数を計測するだけであることから、判断に迷うこと 5 はない。ただ、培養に用いる血清については、あらかじめ陽性物質を用いてスクリー ニングし、ロットチェックしたものを使用しなければならない。 3) Bhas 42 細胞 がん遺伝子 ras がイニシエーション過程に関わっていることが報告されたことよ り、Sasaki(1990)11)は、Balb/c 3T3 細胞に v-Ha-ras 遺伝子を導入して得た細胞に、 TPA を処理し形質転換が著しく促進される Bhas 42 細胞をクローニングした。 非変異発がん研究会などの共同研究により、非変異発がん物質に感受性が高いこと (Ohmori, 2005)12)、更に、試験法プロトコールを改変(Asada, 2005)13)することに より、イニシエーターも検出できることが明らかになった。その後実施された国際バ リデーションなどの結果については既報の通りである。本法の特徴としては、親株の Balb/c 3T3 細胞の系に比べると、培養期間が短く 3 週間ほどであり、感度が高く、 HTP 化が可能なことである。 形質転換試験の利用状況 発がん物質の予知に関する形質転換試験の位置づけについては、発がん物質の約 80%程度が遺伝毒性発がん物質であることから、今後も、DNA への傷害性を検出す る遺伝毒性試験が中心になると考える。しかしながら、その他の非変異発がん物質を 検出する試験法は現時点では形質転換試験法しか存在しないことから、 weight-of-evidence の観点から利用価値があると考えられる。基本的にこの試験法 (Bhas 42 法と Balb/c 3T3 法)は、遺伝毒性を標的とする試験系でなく、細胞の接触 阻害の喪失、いわゆる培養細胞の異常増殖化を指標とし、結果的に形態異常フォーカ スの形成を見る方法である。メカニズムの面からは、このように化学物質により形質 転換したフォーカスをヌードマウス皮下に移植すると腫瘍を形成することから、その がん化への関わりは SHE 細胞などの初代細胞を用いる試験法に比べ、格段に高いと 考えられる。以下に民間、及び行政的に利用されている形質転換試験の状況について 述べる。 1) Non-regulatory Use (民間での利用) Bhas 42 の形質転換試験に限定して述べると、すでに国内外のいくつかの受託試験 機関で試験が実施されている。これまで試験の実施が把握されているのは、国内では、 (一財)食品薬品安全センター秦野研究所、 (公財)農医薬安全性評価センター(安評) 、 日本バイオアッセイ研究センターなどである。一方、企業(食品、製薬、嗜好品など) からの細胞寄託依頼や本試験法の研修なども実施していることから、国内の数社では Bhas 42 試験を用いて実施していると思われる。また、その目的の多くはプロモータ ー 活 性 の 検 索 で は な い か と 思 わ れ る 。 一 方 、 海 外 で は Harlan(Germany) や Bioreliance(USA)で実施されており、その他の機関からも Bhas 42 細胞の供給依頼を 受けており、Bhas 42 細胞を用いた研究論文も発表されている。 2) Regulatory Use (行政的な利用) Bhas 42 細胞形質転換試験に関して、我が国では厚生労働省労働基準局において、 労安法の観点から AMES 試験陰性の化学物質で構造的に類似物質の活性により、発が ん性が予測されるような物質について、Bhas 42 試験を実施することを決定し、2014 年度 16 物質について試験した。2015 年度も継続して実施する予定である。 形質転換試験全般については、海外の医薬品の分野では、ICH, FDA, EU では、追 加試験としての有用性や非変異発がん物質の検索系として、weight-of-evidence ベー スでの有用性は高く推奨している。医療機器の分野でも、発がん性試験を実施するこ と が 困 難 で あ る 場 合 が 多 い こ と か ら 、 ISO10993/TC194 の WG5 : Genetic toxicity/Carcinogenicity では、発がん試験の代わりに in vitro 形質転換試験の実施を 推奨している。 6 文献 1) Berwald, Y. & Sachs, L. (1965). In vitro cell transformation of normal cells to tumour cells by carcinogenic hydrocarbons. Journal of the National Cancer Institute 35, 641-661. 2) Tanaka, N., Nelson, K., Nettesheim, P. & Barrette, J.C. (1987). 2,3,7,8-tetrachloro-dibenzo-p-dioxin (TCDD) enhances MNNG-induced transformation in rat tracheal epitherial (RTE) cells. Cancer Research 49, 2703-2708 (1987). 3) Pienta, R.J., Poiley, J.A. & Lebherz, W.B. (1977). Morphological transformation of early passage golden hamster embryo cells derived from cryopreserved primary cultures as a reliable in vitro assay for identifying diverse carcinogens. International Journal of Cancer 19, 642-655. 4) Leboeuf, R.A., Kerckaert, K.A., Ardema, M.J. & Isfort, R.J. (1999). Use of Syrian hamster embryo and Balb/c 3T3 cell transformation for assessing the carcinogenicity potential of chemicals. In The Use of Short- and Medium-term Tests for Carcinogenic Hazard Evaluation. IARC Scientific Publications No. 146 (ed. D.B. McGregor, J.M. Rice & S. Venitt), pp. 409-425. Lyon, France: IARC. 5) Kakunaga, T. (1973). A quantitative system for assays of malignant transformation by chemical carcinogens using a clone derived from Balb/c 3T3. International Journal of Cancer 12, 463-473. 6) Schechtman, L.M. (1985). Balb/c 3T3 cell transformation: protocols, problems and improvements. In Transformation Assay of Established Cell Lines: Mechanisms and Application. IARC Scientific Publications No 67(ed. T. Kakunaga & H.Yamasaki), pp.165-184. Lyon, France: IARC. 7) Matthews, E.J. (1993). Transformation of Balb/c 3T3 cells. I. Investigation of experimental parameters that influence detection of spontaneous transformation. Environmental Health Perspective 101, Suppl. 2, 277-291. 8) Matthews, E.J. (1993). Transformation of Balb/c 3T3 cells. II. Investigation of experimental parameters that influence detection of benzo[a]pyrene-induced transformation. Environmental Health Perspective 101, Suppl. 2, 293-310. 9) Matthews, E.J. (1993). Transformation of Balb/c 3T3 cells. III. Development of a co-culture clonal survival assay for quantification of chemical cytotoxicity in high-density cell cultures. Environmental Health Perspective 101, Suppl. 2, 311-318. 10) Tsuchiya, T. Umeda, M. (1995). Improvement in the efficiency of the in vitro transformation assay method using Balb/c 3T3 A31-1-1 cells. Carcinogenesis 8, 1887-1894. 11) Sasaki, K., Mizusawa, H., Ishidate M. and Tanaka, N. (1990). Transformation of ras-transfected BALB 3T3 clone (Bhas 42) by promoters application for screening and specificity of promoters. Toxicology in Vitro 4, 657-659. 12) Ohmori, K., Umeda, M., Tanaka, N., Takagi, H., Yoshimura, I., Sasaki, K., Asasda, S., Sakai, A., Araki, H., Asakura, M., Baba, H., Fushiwaki, Y., Hamada, S., Kitou, N., Nakamura, T., Nakamura, Y., Oishi, H., Sasaki, S., Shimada, S., Tsuchiya, T., Uno, Y., Washizuka, M., Yajima, S., Yamamoto, Y., Yamamura, E. and Yatsushiro, T., Non-Genotoxic Carcinogen Study Group in the Environmental Mutagen Society of Japan (2005), An inter-laboratory collaborative study by the Non-Genotoxic Carcinogen Study Group in Japan, on a cell transformation assay for tumour promoters using Bhas 42 cells, AT LA., 33, 619-639. 13) Asada, S., Sasaki, K., Tanaka, N., Takeda, K., Hayashi, M. and Umeda, M. (2005). Detection of initiating as well as promoting activity of chemicals by a novel cell 7 transformation assay using v-Ha-ras-transfected BALB/c 3T3 Cells (Bhas 42 Cells), Mutat. Res., 588:7-21. 8 (2)Bhas 42 細胞の代謝酵素発現解析 Bhas 42 細胞は、S9 を添加しなくても代謝活性化が必要な幾つかの物質によって形 質転換が誘発されることから、何らかの代謝酵素を持っていることが示唆される。ま た一部の代謝酵素は、ある種の化学物質によって誘導されることが知られている。そ こで、Bhas 42 細胞が代謝酵素を発現しているかどうか、または誘導されるかどうか 明らかにするために、代謝活性化が必要でありかつ Bhas 42 細胞を形質転換させる 3 種の 遺伝毒性物質 (2-acetylaminofluorene: 2AAF、 cyclophosphamide:CPD、 3-methylcholanthrene:MCA)で処理後、Cyp 分子種の 8 遺伝子(mCyp1a1、mCyp1a2、 mCyp2b10、mCyp2c29、mCyp2c65、mCyp2d22、mCyp2e1、mCyp3a11)につい てリアルタイム PCR 解析を行った。なおこれらマウスの Cyp 遺伝子は、ヒトにおい てよく発現される CYP 遺伝子の相同体であり、また 2AAF、CPD、MCA は、それぞ れヒトにおいて主に CYP1A2、 CYP2B6、 CYP1A1 により代謝されることから選んだ。 Bhas 42 細胞は 100 mm ディッシュに 106 個播種し、翌日から 2AAF 20 µg/mL、 CPD 2 mg/mL、MCA 1 µg/mL で 72 時間処理後(これらの物質はこの条件において 形質転換を誘発する) 、全 RNA を調製した。なお溶媒対照として dimethyl sulfoxide (DMSO)0.5%を用いた。さらに、無処理のマウス肝臓組織を in vivo の陽性対照と して用いた。全 RNA(10 ng/チューブ)を逆転写反応後、生成された cDNA(0.2 ng/ チューブ)を TaqMan Gene Expression Assays(Life Technologies)により分析した。 平行して各遺伝子の PCR 産物(102~1010 コピー/チューブ)から検量線を作成し、全 RNA 1 µg あたりのコピー数を算出した。 Bhas 42 細胞において 8 種の Cyp 遺伝子の発現を調べたところ、2AAF 及び MCA で処理した時に mCyp1a1 が誘導されることが分かった。一方それ以外の遺伝子は、 DMSO だけでなく、いずれの遺伝毒性物質で処理した細胞においても全く検出されな かった。また、mCyp2b10、mCyp2c65 は陽性対照であるマウス肝臓組織でも定量限 界以下であった(図 1) 。 2AAF 及び MCA 処理による mCyp1a1 の誘導が見られたことから、mCyp1a1 は通 常の培養では発現されていないが、ある化学物質により誘導され、そしてその化学物 質を代謝活性化することで形質転換が誘発される機構が示唆された。さらに、72 時間 処理により mCyp1a1 が誘導されていたことから、代謝活性化が必要な発がん物質を 検出するには、Bhas 42 細胞形質転換試験のイニシエーション試験において実施され ている 72 時間の処理期間は、適正なプロトコールであることが示唆された 1)。 一部の多環芳香族炭化水素は、CYP1A1 を誘導するだけでなく、CYP1A1 により発 がん性を有する代謝活性化体に変換される。一方、Bhas 42 細胞形質転換試験で今ま で調べられた 10 種の発がん性多環芳香族炭化水素の中で、 8 種が陽性であった(80%) 1)。本試験の結果は、発がん性多環芳香族炭化水素が Bhas 42 細胞を形質転換させや すい理由を説明し、また Bhas 42 細胞は Cyp1a1 により代謝活性化される発がん物質 を効率よく検出できる可能性を示唆している。 文献 1)Sasaki K, Umeda M, Sakai A, Yamazaki S, Tanaka N. Transformation assay in Bhas 42 cells: a model using initiated cells to study mechanisms of carcinogenesis and predict carcinogenic potential of chemicals. J Environ Sci Health C Environ Carcinog Ecotoxicol Rev. (2015) in press. 9 Copies (x105/g RNA) 10000 1000 DMSO 0.5% 2AAF 20 g/mL CPD 2 mg/mL MCA 1 g/mL Liver tissue 100 10 2b 10 C yp 2c 29 m C yp 2c 65 m C yp 2d 22 m C yp 2e 1 m C yp 3a 11 m 1a 2 m C yp C yp m m C yp 1a 1 1 図 1 Bhas 42 細胞の Cyp 遺伝子発現における 3 種の遺伝毒性物質の影響 10 (3) 「Bhas 42 細胞を用いた形質転換試験法」に関するバリデーション結果の統計解析 「Bhas42 細胞を用いた形質転換試験法」に関するバリデーション結果をもとに、連 続した 2 濃度で Dunnet の検定(p<0.05、片側)で有意差が認められた場合を陽性と 判定するテストガイドライン案を作成し、OECD へ提出した。しかし、2014 年 1 月 に開催された OECD の専門家会議において、テストガイドラインとして提案されてい る 2 つの試験(Bhas42 細胞を用いた形質転換試験法と SHE 細胞形質転換試験法) は一つのカテゴリー(細胞を用いる形質転換試験)に区分できることから、可能な範 囲で内容統一が求められ、 その一つとして統計処理方法が上げられた。 先行して OECD でテストガイドライン化が検討された「SHE 細胞形質転換試験法」では、有意差検 定と傾向性検定を組み合わせた統計処理方法を採用していることから、 「Bhas 42 細胞 形質転換試験」においても同様の統計処理方法の採用が求められた。 そこで、生物統計の専門家である名古屋市立大学の松本一彦先生に Bhas42 細胞形 質転換試験に適切と考えられる有意差検定方法と傾向性検定方法の再検討を依頼する とともに、それらの統計処理方法によるバリデーション試験データ(442 試験データ) の再評価を依頼した。 報告書を添付資料 2 に示したが、概要は以下の通りであった。 6 ウェルに細胞を播種してウェル内に形成された形質転換巣の数を計数する 6 ウェ ル法は、ウェルあたりの形質転換率を評価する方法である。 一方、96 ウェルに細胞を播種して形質転換巣が認められるウェル数を計数するウェ ル 96 ウェル法は、陽性ウェルの数を評価する方法である。 評価に用いる数値、多重性および検出力を考慮し表 1 の組み合わせが提案された。 表 1 Bhas 42 細胞形質転換試験に推奨される統計処理方法 試験法 評価値 有意差検定 傾向性検定 6 ウェル法 連続量 Dunnett 検定 Jonckheere 検定 96 ウェル法 計数値 Holm 検定 Cochran-Armitage 検定 この組み合わせによる統計解析を 442 試験データについて実施した結果、検定方法 の変更により判定が変わった試験は表 2 に示した 21 試験で、6 ウェル法では 8 試験、 96 ウェル法では 13 試験であった。 17 試験はすべて、傾向性検定では傾向性無しという結果のため、equivocal(陰性 と仮定)となった。また、4 試験では、有意差検定で差の無い結果が、再検討では有 意差のある結果となり、そのうち、2 試験では、傾向性検定でも有意となり、陰性の 結果が陽性の結果となった。残りの 2 試験は、傾向性検定結果を加味すると equivocal (陰性と仮定)となった。 表 2 統計処理方法変更により判定が変更となった試験 試験の種類 試験法 Prevalidation 6 ウェル Validation 6 ウェル Validation 96 ウェル Initiation Promotion Initiation Promotion Initiation 化学物質 不一致による影響 Methapyrilene Methapyrilene* Methapyrilene* Phorbol 2-AAF NaAsO2 2-AAF 他の 2 施設と不一致に影響無し 陰性から陽性へ 陰性から陽性へ 他の 2 施設は陰性のため影響無し 3 施設結果が 3:0 から 2:1 へ 3 施設結果が 3:0 から 2:1 へ 3 施設結果が 3:0 から 2:1 へ 11 MCA 3 施設結果が 3:0 から 2:1 へ Phenanthrene 3 施設結果が 3:0 から 2:1 へ Benzo(a)pyren 他の 1 施設も再検討結果が同じ Benzo(a)pyren 他の 1 施設も再検討結果が同じ Caffein* 他の 1 施設は陰性のため影響無し Caprolactum 2 施設結果が 2:0 から 1:1 へ Di(a,h)an 2 施設結果が 2:0 から 1:1 へ MNNG 2 施設結果が 2:0 から 1:1 へ Promotion MCA 4 施設結果が 3:1 から 2:2 へ Phenanthrene 4 施設結果が 3:1 から 4:0 へ Caprolactum* 他の 1 施設は陰性のため影響無し Pyrene 2 施設結果が 2:0 から 1:1 へ In house Initiation IQ 6 ウェル 再現性の評価が必要 Promotion Ph-12, 13-Di 再現性の評価が必要 2-AAF: 2-aminoacetylfluorene, MCA: methylcholanthrene, Ph-12, 13-Di: phorbol-12, 13-didecanoate, Di(a,h)a: dibens(a,h)anthracene *:本来有意差無しの結果が得られていたが、再検討の結果、有意差検定で有意となった物質 傾向性無しと判定される原因は、ベルシェイプ型の用量反応性(図 2) 、すなわち、 濃度依存的に反応性が高くなるが、高濃度で細胞毒性が認められるようになるとある 濃度から反応性が低下するという特性に起因している。今回の再検討では、最高濃度 側での形質転換数が陰性対照よりも低い場合にはそのデータを解析から除外している が、図 2 左の結果は除外によって傾向性有りと判定されるが、図 2 右の結果はデータ 除外によっても結果は変わらず、傾向性無しとなる。上記の 21 試験のち、陽性判定に 変わった 2 試験を除く、19 試験はすべてデータを除外しても傾向性無しとなった試験 である。 図 2 ベルシェイプ型の用量反応曲線 このように形質転換試験ではベルシェイプ型の反応性が頻繁に見られることから、 統計学的観点からも,複数群で有意差が見られた場合に傾向性検定を用いることは奨 められないことを示している。 一方,1 群でのみ有意差が見られ,傾向性検定でも有意差がみとめられた例は全試 験の中で 16 例であったが、1 群でのみ有意差が見られ,かつ,傾向性検定で傾向性無 しの判定となるケースは全試験で 2 例だけの稀なケースであった。したがって,1 群 で有意差が見られ,傾向性検定で有意差がみとめられた場合を陽性とし,傾向性検定 で有意と認められない場合は equivocal とすべきであろう。 次に、バリデーション試験や in house 試験では、傾向性検定は用いず、連続する 2 濃度で有意差が認められた場合を陽性と判定した。仮に、連続する 2 濃度でのみ有意 となった陽性結果に傾向性検定を組み込んだ場合の検討を行った。 12 422 試験中 2 群連続有意差例は 27 試験であった。この 27 試験について、有意とな った 2 群のうち,高値のデータを除外して傾向性検定を実施した結果、傾向性無しと 判定された試験は表 3 に示した 6 試験であった。そのうち 4 試験は 2 濃度の傾向性検 定も傾向性無しで、1 濃度と仮定した場合と結果に食い違いは無かったが、残りの 2 試験は、連続 2 群のうち高用量群を削除し、1群にした場合に傾向性が見られなくな った。27 試験中 2 試験で結果が食い違ったが,1 群で有意差が見られた場合には傾向 検定を実施し、傾向性が見られない場合は equivocal とすべきであろう。 表 3 2 群連続有意差を 1 群のみ有意差と仮定して傾向性検定を実施した 試験の種類 試験法 Prevalidation Validation 6 ウェル 96 ウェル Initiation Initiation In house 6 ウェル Promotion Promotion 化学物質 元データの傾向性検定結果 Methapyrilene Phenanthrene Caffein* Caprolactum Phenanthrene O-Toluidine 2 群でも有意差無し 2 群でも有意差無し 2 群でも有意差無し 2 群では有意差あり 2 群でも有意差無し 2 群では有意差あり 今回の統計処理方法の再検討結果の結論は以下の通りである。 1.2 群以上で統計学的に有意差が認められた場合は、傾向性検定を行わず、有意 差検定の結果のみで陽性と判定する。 2.1 群のみで統計学適に有意差が認められた場合は、傾向性検定を行い、傾向性 ありの場合を陽性、傾向性無しの場合を equivocal とする。 13 (4)発がん性の定義の明確化、バリデーションに使用した化学物質の分類 2014 年 1 月にパリで開催された形質転換試験に関する OECD の専門家会議におい て、先行して OECD でテストガイドライン化が検討された「SHE 細胞形質転換試験 法」で議論された中に、遺伝毒性試験結果の再評価と非遺伝毒性物質の形質転換試験 の検出率の再評価が求められ、同様の検討が「Bhas 42 細胞形質転換試験」において も求められた。 その背景として、発がん性物質のスクリーニング法として各種の遺伝毒性試験の組 み合わせによる評価法が採用されているが、非遺伝毒性発がん物質のスクリーニング が重要な課題となっている。従って、形質転換試験の OECD ガイドライン化に際して は、課題である非遺伝毒性発がん物質の検出力が重要であるとの見解がある。 そこで、Bhas 42 細胞形質転換試験の予測性評価に使用した有機化合物について、 遺伝毒性試験データの文献調査による再評価を行った。 文献調査のデータベースとしては、SHE 細胞形質転換試験で用いられた以下のデ ータベースを利用した。 Carcinogenesis Genotoxicity eXperience database (Kirkland et al., Mutat. Res 584: 1-256, 2005) Chemical Carcinogenesis Research Information System http://www.nlm.nih.gov/pubs/factsheets/ccrisfs.html Food and Drug Administration http://www.fda.gov/scienceresearch/bioinformaticstools/ucm236173.htm Genetox http://www.nlm.nih.gov/pubs/factsheets/genetxfs.html Hazardous Substances Data Bank http://www.nlm.nih.gov/pubs/factsheets/hsdbfs.html Integrated Risk Information System http://www.epa.gov/IRIS/ National Toxicology Program database http://tools.niehs.nih.gov/ntp_tox/ また、陰性あるいは陽性の評価に際しては、SHE 細胞形質転換試験で行われた以 下の再評価法に準じて行った。なお、Table1 および Table 2 に SHE 細胞形質転換試 験の評価法を示した。 <AMES test> ・陽性結果が得られた場合は陽性と判定する。 ・陰性結果は、異なる試験で陰性結果が得られている場合、OECD ガイドラインで 要求されている菌株、試験条件で陰性の場合に陰性とする。 <MLA> ・MLA の結果は hprt の結果よりも優先される。 <In vitro 試験の最終判定> ・現在の OECD ガイドラインの要求事項を満たしている場合や陽性あるいは equivocal であることを示す証拠が無い場合は陰性と判定する。 ・結果が一致していない場合、結果が疑わしい場合、判定するに足る十分なデータ が無い場合は E と判定 ・陰性結果あるいは不明確な陰性結果だが、OECD ガイドラインの要求事項を満た していない場合は、Inconclusive とする。 14 15 <In vivo 試験の判定> ・データベースの結果あるいは著者の結果を採用するが、陰性結果の場合には、 標的臓器への曝露証明をもとに最終的に決定する。 ・矛盾した結果の場合、陽性結果の全身曝露が勝っている場合には陽性結果が与 えられる。 <In vivo 試験の最終判定> ・in vitro と同様に判定する。 各試験結果の再評価結果をもとに、遺伝毒性物質と非遺伝毒性物質に分類するが、 その定義は、2014 年 1 月の OECD 専門家会議の定義に従った(Table 3)。 以上の基準をもとに、Bhas 42 試験を実施した化学物質の中で、遺伝毒性試験デー タが得られている 43 物質の発がん物質について、遺伝毒性物質と非遺伝毒性物質に分 16 類した結果を表 4 に示した。 表 4 Bhas 42 細胞形質転換試験の評価に用いた遺伝毒性発がん物質と非遺伝毒性発が ん物質 ●Genotoixic carcinogens SHE CTA共通物質 CAS Chemical Bhas42 CTA Ini. Pro. Fin. SHE MN CA In vivo UDS Trans Comet P P P P P P P P P P P P P E P E P P P ND P N ND ND ND ND P P P P P E ND E P ND P P P P P P P P P P P P P I ND P E ND P ND P P P P P P ND P N E P ND ND N P P P P I ND P ND ND ND ND ND N P P P P P P P N P ND ND P N N N P P P P P E N ND ND ND N N N P E N N E P P P P E N P ND P N ND N P P N P P P E P ND ND ND MN CA MN CA P P P D2 2 50-32-8 Benzo(a)pyrene P N P P 3 95-80-7 2,4-Diaminotoluene P N P P 4 56-49-5 3-Methylcholanthrene P N P 5 70-25-7 MNNG P N P 6 91-59-8 2-Naphthylamine E P 7 106-89-8 Epichlorohydrin N 8 135-23-9 Methapyrilene HCl 9 95-53-4 o-Toluidine 10 50-00-0 Formaldehyde 11 Urethane 12 90-04-0 o-Anisidine N N N P 13 56-53-1 Diethylstilbestrol N N N D2 Bhas42 CTA 単独物質 CAS Chemical CA P 2-Acetylaminofluorene (Ethyl carbamate) MN P 1 53-96-3 51-79-6 In vitro pH6.7 pH7.0 AMES MLA Bhas42 CTA Ini. Pro. Fin. P D2 SHE In vitro pH6.7 pH7.0 AMES MLA P In vivo UDS Trans Comet 14 56-55-3 Benz(a)anthracene P P P P P ND P P P ND ND 15 50-07-7 Mytomycin C P N P P P P P P P P P N 16 10048-13-2 Sterigmatocystin P N P P ND P ND ND P ND ND ND 17 148-82-3 Melphalan P N P P ND ND P P P ND ND ND 18 320-67-2 5-Azacytidine-TP P N P P P ND P P ND ND ND ND 19 50-18-0 Cyclophosphamide P N P P P P P P P P ND ND 20 52-24-4 Thio-TEPA P N P P P ND P ND P ND ND ND 21 53-70-3 Dibenz[a,h]anthracene P N P P P P ND ND N ND ND ND 22 76180-96-6 IQ P N P P ND P N N N N P P 23 96-09-3 Styrene oxide N P P P P P P N P ND ND ND 24 117-39-5 Quercetin-TP N P P P P P P N N N ND P 25 62-73-7 Dichlorvos N P P P P ND P N N N ND ND 26 Methylarsonic acid N P P ND P P P ND ND ND ND ND 124-58-3 Monomethylarsonic acid ND 27 71-43-2 Benzene N N N N P P P P P ND ND ND 28 75-60-5 Dimethylarsinic acid N N N N P P P ND ND ND N ND 29 3688-53-7 Furylfuramide (AF-2) N N N P P ND P P P ND ND ND MN CA MN CA ●Non-genotoixic carcinogens SHE CTA共通物質 CAS Chemical Bhas42 CTA Ini. Pro. Fin. SHE 1 5989-27-5 d-Limonene N P P N 2 16561-29-8 TPA E P P P 3 57-30-7 Phenobarbital sodium N N N 4 598-55-0 Methyl carbamate N N N Bhas42 CTA 単独物質 CAS Chemical Bhas42 CTA Ini. Pro. Fin. In vitro pH6.7 pH7.0 AMES MLA P N In vivo UDS Trans Comet N N ND N ND ND ND N ND N N N N ND ND ND ND ND N ND ND ND N ND ND N P N N ND N N ND ND ND ND MN CA MN CA SHE In vitro pH6.7 pH7.0 AMES MLA In vivo UDS Trans Comet 5 59865-13-3 Cyclosporin A P N P N ND ND ND N N ND ND ND 6 128-44-9 N P P N N ND E N NP N ND ND N P P N P ND P N ND ND ND ND 8 434-13-9 Sodium saccharin 4-Chloro-o-toluidine HCl Lithocholic acid N P P N P N E ND ND ND ND ND 9 34807-41-5 Mezerein N P P N ND ND ND ND ND ND ND ND 10 83-44-3 Deoxycholic acid N P P I ND ND ND ND ND ND ND ND 11 474-25-9 Chenodeoxycholic acid N P P I ND ND ND ND ND ND ND ND 12 81-25-4 Cholic acid N P P I ND ND ND ND ND ND ND ND 13 106-49-0 p-Toluidine N N N N ND ND ND ND ND ND ND ND 14 123-91-1 1,4-Dioxane N N N N N N N N ND N ND ND 7 3165-93-3 17 表4に基づき再評価した結果をまとめると以下の通りとなった。 Bhas42 CTA 陽性 陰性 合計 遺伝毒性 発がん物質 22 7 29 非遺伝毒性 発がん物質 11 3 14 合計 33 10 43 非遺伝毒性発がん物質と判定されている化合物の中には、判定が不十分の AMES 試 験結果のみの 3 物質と AMES 試験陰性の結果のみの 2 物質が含まれているが、 Bhas 42 CTA(Bhas 42 細胞形質転換試験)では、この再評価で非遺伝毒性発がん物質と判断 された 14 物質中 11 物質(78.6%)を陽性と判定した。なお、発がん物質の評価につ いては、特に変更はなかった。 以上の結果より、非変異発がん物質の検出力は 80%弱を示し、Bhas 42 細胞を用い る形質転換試験が非変異発がん物質の検出に有効であることが示された。 18 (5)OECD への対応 Bhas 42 細胞の形質転換試験の OECD ガイドライン化については、下記に示したよう に、ガイドライン化を目標に 2010 年 OECD に SPSF を提出し、引き続きその後ガイド ライン案を提出した。そのガイドライン案に関して、OECD 加盟国のナショナルコーデ ィネーターへ第 1 回のコメントが回覧され、提案リードラボでは、そのコメントに対応 してきたところである。また、2014 年 1 月の専門家会議では、本文でも報告しているよ うに、主に3項目(①代謝能、②統計法の検討、③非変異発がん物質に対する検出力) についての対応が Bhas 42 の試験には要求された。 2014 年 11 月に開催された、ジョイントミーティングにおいて、先に提案されていた SHE 細胞のガイドライン提案が、ガイドラインでなくガイダンスとして承認される方向 性が結論づけられ、同じ形質転換試験である Bhas 42 細胞に関しても、同様に取り扱う ことが結論された。 OECD 事務局では、SHE 細胞に関するガイダンス案のコメント収集をすでに終了し ており、これに関しては、2015 年 4 月に開催される WNT 会議で、ガイダンスとして受 け入れるかどうかの審議が行われると思われる。一方、Bhas 42 に関しては、1 月末に ガイダンス案の改定案(添付資料 3)を OECD 事務局へ提出したところ、2 月初めに ナショナルコーディネーターへ、4 月初めの締切でのコメント収集が開始された。した がって、コメントへの対応や新たな専門家会議も予測されることから、Bhas 42 細胞に 関するガイダンス承認は、2016 年 4 月開催予定の WNT 会議で審議されることが予測さ れる。 2010 年~ : OECD へ SPSF 提出 2013 年~ : ガイドライン案提出 加盟国ナショナルコーディネーターからのコメント収集 2014 年~ : 1)コメントへの回答案提出 2)専門家会議への参加 3)Joint Meeting 開催 2015 年~ : WNT 会議 2016 年~ : WNT 会議 19 II. 研究発表・講演、文献、特許の状況(共同研究、再委託研究も含む。 ) 1. 研究発表・講演 1) K. yamakage, D. Muramatsu, S. Arai, N. Endo and K. Sasaki 「Evauation method in Bhas 42 cell transformation assay selecting transformation foci using hydrogen peroxide, H2O2」9th World Congress on Alternatives and Animal Use in the Life Sciences, 24-28 August 2014, Prague, Czech Republic 2. 文献(発表論文) 1) Sasaki K, Umeda M, Sakai A, Yamazaki S, Tanaka N. Transformation assay in Bhas 42 cells: a model using initiated cells to study mechanisms of carcinogenesis and predict carcinogenic potential of chemicals. J Environ Sci Health C Environ Carcinog Ecotoxicol Rev.(2015) in press. 20 添付資料 1 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 添付資料 2 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 添付資料 3 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72