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発表資料 (PDF、3.95MB)
平成 19 年 12 月 1 日 団 体 名 社団法人 連 絡 先 住所:京都府京都市中京区六角通新町西入西六角町 101 番地 電話:075-241-0681 日本国際民間協力会(NICCO) FAX:075-241-0682 E-mail:[email protected] 活 動 名 中東ヨルダン・ハシェミット王国及びパレスチナにおける 環境保全型農法の普及 活 動 1. 概 要 背景と目的 ヨルダン、パレスチナは国土の大半が砂漠で、水資源に乏しい国である。近年さらに砂漠化 が進み、また農業の近代化も加わり、農業生産のための限られた土壌への汚染も懸念されるが 環境に対する問題意識は低い。世界的な有機農業・有機食品のブームを受けて有機農業への関 心が高まりつつあるが、正しい情報及び有機農業技術が不足しているため、有機食品に関する 法整備を含む専門的情報の収集及び農業技術の共有が急がれている。 一方、パレスチナは長引く紛争により農地は荒廃し、水資源の制約も厳しいことから、自然 環境の保全はもとより経済的、社会的開発の遅れを引き起こしている。パレスチナの環境保全 と地域復興に向け、国際的な支援が不可欠である。 上記の現状の中、当会は 2000 年からパーマカルチャー(有機農法を基本とし、持続可能な 環境をつくりだすためのデザイン体系。以下 PC)の概念に基づく環境保全型節水有機農業の 普及事業をヨルダンにて実施し、2 箇所の PC モデルファーム整備やオリーブ生産者の有機認 証取得支援を行った。この成功例を活かしてヨルダン・パレスチナの農家を対象に有機農業専 門家による講習会を実施してパレスチナへ技術移転を行うことで、両国で持続可能な環境循環 型の農業システムの確立を目指す。また、農家だけでなく、行政や NGO とも協力して社会全 体の環境保全・有機農業に対する意識の向上に取り組み、一般市民の有機への理解と関心を高 めることで有機食品に関わる経済システムを活性化させ、活動に持続性を持たせる。有機農業 が一定のマーケットを占め、安定的かつ継続的に営まれるようになれば、自然環境を保全・改 善する環境循環型の経済システムが確立されることが期待できる。 2. 概要 ヨルダン・パレスチナ両国の主要農産物であるオリーブの生産者を対象に、日本の PC/有 機農業専門家による農業技術指導を行う。特に、限られた水資源と土壌を改善するため有機堆 肥を有効活用する技術に焦点を当て、水資源と土壌の保全を推進し、持続可能な環境保全型有 機農業システムの確立を目指す。また、社会全体の有機農業や環境問題に対する知識・意識を 向上させるべく、農家、行政、有機農業進行団体、農業研究機関、さらにはオリーブや農業関 連企業も巻き込んで情報交換会を行うことで各セクターの協力体制を強化し、連携して一般市 民への啓発活動を行なう。 具体的には、パレスチナのオリーブ生産者をヨルダンへ招聘して、ヨルダン農家とともに、 PC モデルファームにて農業研修を受講してもらう。また、日本の PC/有機農業専門家がパレ スチナ生産者の圃場のモニタリングを実施し、草の根レベルでの技術指導を行なう。 参加農家はヨルダン北部のジェラシュ県とパレスチナ北部のトバス県から選出したが、両県 は緯度が同じで同様の気候区にあることから、オリーブ栽培に関しても共通の問題を抱えてお り、国境を越えた協働により問題解決に取り組むことができる。 3. 結果と効果 4 月の事業開始から、ヨルダンでは月 2 回の頻度で参加農家の圃場のモニタリングを実施し ている。ヨルダン農業省の協力により、農業省の技官に同行してもらう機会も多く、継続的に 専門的なアドバイスを行っている。一方、パレスチナ側では 4 月、5 月に各 1 回ずつ農家の訪 問を実施し、現状の把握と参加農家の選出を行った。 6 月末には日本の PC/有機農業専門家がパレスチナ農家の圃場を訪問し、技術指導を実施し た。その後 7 月 2 日、3 日の 2 日間に、ヨルダン・パレスチナのオリーブ生産者、イスラエル の農業/オリーブ専門家をヨルダンに招聘し、ヨルダンのジェラシュ県で有機農業の普及及び オリーブオイルの品質向上を目的とするワークショップを開催した。ワークショップにはヨル ダン農業省、農業研究機関、オリーブオイル精製企業、さらには在ヨルダン大使館や JICA ヨ ルダン、パレスチナ事務所からも参加者が集まり、ヨルダン・パレスチナ・イスラエル・日本 の 4 カ国の関係者合計 32 名が一同に会し、PC/有機農業に関する講習を受講し、有機農業の 普及やオリーブ栽培の問題点について話し合った。ワークショップでは、日本の専門家からの 講習に加え、当会の事業にて経験を積んだ農家からのプレゼンテーションも行われ、ヨルダン の農家からパレスチナ農家への技術移転も行われた。 ワークショップ実施後はヨルダンでは月 2 回の定期モニタリングを継続し、パレスチナ側へ は主に電話やメールで進捗を確認し、10 月に現地を訪問して実地モニタリングを実施した。モ ニタリングの結果、ヨルダンの農家はパレスチナ農家との協働から強い刺激を受け、意欲的に 有機農業の実践に取り組み、またパレスチナの農家も講習会で学んだ有機的な害虫対策を既に 実践していることがわかり、ワークショップの効果が確認できた。 圃場で有機農業実践の効果が明らかになるまでにはさらに時間を要するが、今後もモニタリ ングと草の根レベルでの技術指導を継続し、参加者と共に効果を実感していきたい。 なお、本案件は、ヨルダン・パレスチナ・イスラエルの 3 国の国境を越えた協働を実現した ことから、中東地域の平和構築という観点からも非常に意義が深く、周囲からの関心も高い。 環境循環型農業システムの確立、環境保全というグローバルな目的を共有して 3 国間の連携ネ ットワークの基盤を形成できたことで、今後活動の効果が広域に普及し、さらには中東和平に もつながることが期待できる。 以上 団体名 財団法人 国際湖沼環境委員会 (理事長 浜中 裕徳) 連絡先 (住所) 〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091番地 (電話) 077−568−4567 (FAX) 077−568−4568 (E-mail) [email protected] <活動の概要> 活動の背景と目的 「統合的湖沼流域管理」 (Integrated Lake Basin Management=ILBM)の枠組み(考え方) は、湖沼環境保全を湖沼の流域全体で捉えるとともに、物理化学的なアプローチに止まらず、流域 管理のための「組織・体制の在り方」 「住民参画の方法」 「財源確保の方法」など6つの要素をバラ ンス良く、統合的に働かせることで良好な湖沼流域管理を実現する方法論を示すものであり、本委 員会が提唱している。 ILBMの考え方は、2006年3月の第4回水フォーラムで日本政府の環境イニシアティブの代表 例として紹介され、その推進方策について現在、環境省と連携して検討を進めている。 ILBMは、先に本委員会が提唱した「世界湖沼ビジョン」の理念を実現する方法論を示すもの であり、車の両輪として世界の湖沼環境管理の進展に貢献するものである。また、この考え方は、 世界の湖沼に適用可能であるが、特に環境管理能力の不十分な開発途上地域の湖沼環境管理と持続 可能な利用のために有効であり、これらの湖沼の環境保全に大いに貢献し得るものである。 (特記事項) 統合的湖沼流域管理は、地球環境ファシリティ(GEF)および世界銀行などの資金協力を得て、世 界28湖沼を対象に実施した「湖沼流域管理イニシアティブ」プロジェクトの成果を経て2006年に本委員 会が取りまとめたものである。今後、計画的、持続的に普及・定着に努めていくこととしている。 活動の概要 ○第12回世界湖沼会議での分科会開催 2007 年 10 月 29 日∼11 月 2 日にインド・ジャイプール市で開催された第12回世界湖沼会議に おいて統合的湖沼流域管理に関する分科会等を開催し、特にアジア地域の湖沼にILBMの枠組み を適用した事例などの発表と関係者による討議を行うことにより、ILBMの内容とその有効性を 周知した。 活動の結果と効果等 2007 年 10 月 29 日∼11 月 2 日にインドで開催された第12回世界湖沼会議において分科会等を 開催して内容の周知を図った結果、同会議の決議文書であるジャイプール宣言においてもその重要 性が強調され、特にアジア地域でのILBMの普及・定着の基盤が確立できた。 淀川水系の水質を調べる会 連絡先 〒552-0007 大阪市港区弁天 2-1-30 環境監視研究所内 ℡06-6574-8002 Fax06-6574-0876 E-mail:[email protected] http://www.yodogawa.org/hp/ 淀川水系の水質を調べる会とは 淀川水系の水質を調べる会は淀川水系の水質保全を目的に水質調査を行う市民グループです。1994 年 に発足し、独自のプランとプログラムによって河川の水質調査活動を行ってきました。上流域の市民と 下流域の市民の両方が参加しており、互いに連携しながら活動しています。構成メンバーには研究者が 含まれ、市民と共に調査に当たり、専門的な水質分析を行っています。活動の最大の目的は調査によっ て得られたデータを水質保全に役立てることです。そのために調査結果を市民や行政に知らせ、水質改 善を提案することが重要な活動となっています。また、調査経験を活かした環境学習講座や観察会開催 に取り組んでいます。 どこで、どのような活動しているか 淀川水系は近畿圏 1600 万人の飲み水となっていますが、近年開発が進み上流からすでに汚されてき ています。淀川三大支川(桂川、宇治川、木津川)のひとつである木津川は流域人口増加によりこの傾 向が顕著で、私たちの初年度の調査で上流のほうが下流より汚染度が高いという結果が出ました。そこ で、木津川上流の汚染源による河川の汚濁状況を明らかにすることをテーマに調査活動に取り組んでき ました。特定の汚染源による影響が考えられる河川を調査対象にして市民が採水し、専門家の手で水質 分析を行っています。これまで木津川上流域の生活排水、産業廃棄物最終処分場、工場排水、ゴルフ場 排水、畜産施設、ダムが河川に与える影響を調べてきました。木津川のほか 2003 年夏からは市民と若 手研究者や学生がプロジェクトチーム「20 年目の琵琶湖調査団」を組み琵琶湖の調査に取り組み始めま した。現在、調査団は「琵琶湖市民大学」という名前で独立し、調査や合宿講座開催などの活動を展開 しています。 調査によってデータが得られると、報告書を作り、市民向けの報告会を開いて報告し、行政とも懇談 して水質改善についての提案や話し合いをしています。また、市民に広く水質保全を訴えるためにホー ムページ http://www.yodogawa.org/hp/によってデータを公開しています。 これまでの主な活動 【調 査】 調査は1年間にわたって各季節に 1 回調査すること(計4回)を基本にしています。四季ごとの調査 で不十分な場合は、24 時間調査や支流の詳細な追加調査を行います。また必要に応じて、地元の聞き取 り調査なども行っています。これまで実施した主な調査活動は以下の通りです。 淀川中流木津川広域調査(1995 年)木津川の汚染状況を調査/布目川生物調査(1996∼97 年) 生物の生息状況と環 境汚染の関係を調査/予野川調査(1996∼97 年) 畜産施設の影響調査/兵庫県佐用町河川調査(淀川水系外 1996 ∼97 年)畜産施設の影響調査/淀川定点・水道水調査(1996∼97 年) 淀川中流域河川と淀川を原水とする水道水の 調査/淀川定点調査(1997 年∼現在) 淀川中流域水質の経年変化を調査/名張川調査(1998 年 4 月∼99 年 8 月) 生 活排水の影響調査/笠間川生物調査(1998∼07 年) 産廃処分場の排水が水生生物に与える影響を調査/上野市河川 調査(1999∼2000 年) 生活排水の影響調査/柘植川調査(2000∼01 年) ゴルフ場、生活排水等の影響調査/高山 ダム調査(2001∼02 年) ダムの影響調査/淀川広域調査(2002∼03 年) 琵琶湖から淀川下流までの調査/青山町 河川調査(2002∼03 年) 木津川最上流の河川水質を調査/木津川広域調査(2003∼04 年) 1995 年に行った調査の 追跡調査/20 年目の琵琶湖調査(2003 年)80 年代に市民が行った調査の追跡的調査/降雨調査(2005 年)降雨 による河川水質の影響調査/名張川調査(2006∼07 年)1998 年調査の追跡調査/伊賀市調査(07 年 8 月∼) 1999 年調査の追跡調査 主な測定項目と分析機関は下記のとおりです。 水温、pH、電気伝導度、濁度、流速:現地で参加者が実施 水質一般項目(DO、COD、BOD、窒素化合物、リン化合物):環境監視研究所 環境ホルモン物質:環境監視研究所 トリハロメタン:環境監視研究所 トリハロメタン生成能:神戸大学讃岐田研究室、ひょうご環境科学研究所 変異原性、変異原性生成能:神戸大学讃岐田研究室、ひょうご環境科学研究所 クロロフィル a:神戸大学讃岐田研究室 水生生物同定:同志社大学工学部実験実習センター井上研究室 *琵琶湖調査では龍谷大学等も参加 【報告会等】 各調査終了時に報告書を作成し報告会を開催しています。これまで奈良市、名張市、上野市(現伊賀 市)、奈良県室生村(現奈良市)など地元を中心に 15 回開催しました。また水質調査に関する学習会や シンポジウム、生物調査と水質調査を組み合わせた観察会(リバースクール)、生物調査公開調査、下 水処理施設見学会などを随時開催しています。 【その他】 2001 年 4 月にホームページを開設しました。2006∼07 年にはデータベースを作成し、2007 年 3 月か らホームページ上で公開しています。このほか 2002 年 3 月に笠間川ガイドブックを発行し、2006∼07 年に教育ビデオ「水を調べる」制作しました。 活動の成果など 目に見えた成果として挙げられるのは、私たちの活動がきっかけとなって、2003 年に伊賀市(当時上 野市)に大戸川生活排水浄化実験施設が作られたことです。この施設の建設、運営のために 2001 年に 「いがうえの大戸川生活排水浄化パートナーシップ協議会」が設立され、市民と行政(国土交通省、三 重県、伊賀市)が協議する場が設けられました。現在もこの協議会のもとに施設が運営されています。 各調査を行った後に報告会を開催していますが、報告会には市民や行政関係者が参加し、木津川保全 のための話し合いの場となっています。また、調査をしていること自体が市民の意識向上や地元グルー プへの刺激になっています。 このほか、次世代の育成にも積極的に取り組んでいます。インターン学生の受け入れ、若い世代への 調査参加の呼びかけ、大学研究者との連携など、次世代の市民活動家、研究者の裾野を広げることを視 野に入れた行動をしています。近畿圏で若手研究者のネットワークができたことには、本会の活動が大 きく寄与しています。さらに活動に参加していた学生が独自に環境関連の研究所(ひょうご環境科学研 究所)を立ち上げました。 このような活動が評価され、2004 年には日本水大賞厚生労働大臣賞を、2005 年には京都水宣言記念・ 京都水づくり賞を受賞しました。 団体名 財団法人国際エメックスセンター 連絡先 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目 5-1 Tel 078-252-0234 Fax 078-252-0404 Email [email protected] 活動の名称 国際ワークショップ「黄海・東シナ海の流域∼沿岸域統合管理の構築に向けて」 活動の背景 日本、中国、朝鮮半島に囲まれた海域は、渤海、黄海、東シナ海の閉鎖性海域をなし、その集水 域には、中国の北京、上海、天津、韓国のソウル、日本の熊本など大都市圏が含まれ、流域人口は 約 12 億人と推計されている。これらの海域には、世界でも有数の大河川が流入し、沿岸域には大 規模な干潟・浅海域があり、生物生産力は高く、漁業資源の宝庫となるとともに、多様な沿岸生態 系を維持してきた。しかし、近年の経済開発に伴い、これらの干潟・浅海域が埋め立てられている。 これらの沿岸開発とともに中国における経済発展に伴う内陸開発、特に中国の長江や黄河等大河川 の奥部開発による大河川経由の環境影響は、日本の海洋・沿岸環境だけでなく、広く東アジア全体 に及ぶことが指摘されている。 このような課題に対応するためには、日中韓三カ国環境大臣会合などの政府間の取組の他、研究 者や民間レベルでの取組を促進していくことが重要である。 活動の目的 世界中の閉鎖性海域の環境改善を目的とした民間レベルの取り組みである第 8 回世界閉鎖性海域 環境保全会議(EMECS8)が、平成 18 年 10 月中国上海市で開催される。そのプレイベントとして「黄 海・東シナ海の流域∼沿岸域の統合管理の構築に向けて」をテーマとする国際ワークショップを開 催する。ワークショップでは、第一線の専門家、政策決定者、市民が集まり、最新知見の集約、日 本や欧州の事例紹介及び討論を行うことにより、黄海・東シナ海の環境改善には河川流域を含めた 科学的な根拠に基づいた統合的管理が必要であると言う意識の高揚を図る。 活動の概要 1)2007 年 11 月 23 日 ワークショップ開催 ・時期:2007 年(平成 19 年)11 月 23 日 9:30∼18:00 ・場所:中華人民共和国 天津市 恵中酒店 ・主催:国際エメックスセンター 華東師範大学(中国・上海) 南開大学(中国・天津) 中国環境科学研究院(中国・北京) ・内容:日中韓及び欧州の専門家・政策決定者等による講演 及び討論 ・招聘発表者:日本3、中国9、韓国2 欧州1 計15名 ・参加予定人数:100 名 ・使用言語:英語(一部、英語←→中国語の逐次通訳) 2)2007 年 12 月∼2008 年2月 ワークショップ結果とりまとめ、 ワークショップ開催結果報告書作成 3)2008 年3月 ワークショップ開催結果報告書印刷、配付開始 4)2008 年 10 月 第8回世界閉鎖性海域環境保全会議に資料と して配付 ワークショッププログラム 活動の結果と効果 環境 NGO と市民の集いで報告します。 財団法人地球環境センター タイ国での河川環境回復に向けた地域活動支援事業 〈活動の背景と目的〉 タイ国のターチン川(全長約320Km)は、農業・家畜 排水や工場排水、生活排水などの直接流入によって水質が 極めて悪化し、流域 4 県の一部住民は環境回復に向けた取 り組みを始めているが、具体的な環境保全活動についての 情報が不十分な状況にあった。 流域住民が環境回復を地道に継続していくためには、孤 立した環境活動でなく相互に刺激し合い連携した輪が必 要である。タイ政府は 2000 年に河川環境回復のための 10 項目の戦略プランを策定し、その一つである住民保全活動 についての支援要請が GEC にあった。 そこで GEC は流域住民の活動による河川環境回復を目 的として、GEC 内に設置した環境活動及び環境教育の専門 家で構成する支援チームとともに、流域に散在している住 民グループや地元大学などの関係者間の強固なパートナ ーシップ(連帯・連携)の構築と自立的・継続的な環境保 全活動の活性化を図っていくことを目的として17年度 から地球環境基金の助成を受け活動を開始した。 〈活動の概要〉 2005年度には、8月に現地調査、意見交換会、現地 でのセミナーの開催11月にはタイ・ターチンー日本交流 フォーラムの開催と第 1 回ターチン流域リーダー会議を 開催した。交流フォーラムでは、4県(チャイナート県、 スパンブリー県、ナコム・パトム県、サムット・サコン県) の活動メンバーが各県の現状を報告し、支援チームは日本 の取組み事例を紹介した。第 1 回リーダー会議では協働事 業の一環として「環境マップ」の作成を提案し了承された。 2月の第2回リーダー会議では、各県の環境マップの発表 やマヒドン大学による4県水質データの解析報告が行わ れた。3回にわたる現地支援の結果、 「環境マップ」を用 いた環境情報の収集やその整理への理解が深められた。 2006年度には、流域での情報の共有化を目的として 「環境マップ」を流域全体として捉え、各県の環境情報を 収集整理する手法を充実させるとともに、住民相互の交流 会を実施するなど活動の広がりを図った。また、今後に向 けての自発的な協働の取り組みと若手リーダーの育成と 言う現地要望に応えるため「環境マップ」の手法を発展さ せた「環境副読本」の作成に向けての試みを第3回リーダ ー会議で提案し了承された。 さらに、10月には、各県リーダーの代表による日本招 聘を実施した。ここでは「環境副読本」の作成に向けての 中間報告会を行うとともに、日本における環境教育の環境 保全活動の実態を体験的研修として実施した。 2月には、16ページからなる「環境副読本」の試作版 が完成し、GEC として実践使用による課題と改良点を集約 することを指導し、第4回リーダー会議において完成版に 向けての「編集委員会」の設置を提案し了承された。また、 「環境副読本」の有効利用についての日本の事例を紹介す るとともに今後における効果的な活用について協議した。 2007年度には、6月に訪タイし、スパンブリー県で 行われた「世界環境デーイベント」に参加した。このイベ ントでは子供達による環境副読本を使った環境教育の実 施と評価、学童達のネットワーク作りなどが行われた。第 5回リーダー会議では「試作版」の実践使用における課題 集約の報告会が行われ、完成版に向けての改良点などを話 し合う定期的な「編集会議」の開催の必要性が再確認され た。GECプロジェクトからはこれまでの日本の事例の総括 と「環境副読本」の運用事例を紹介し、タイ国にあてはめ た課題を検討した。10月には主として「環境副読本」の 完成を記念したフォーラムの開催について具体的な内容 を協議するために訪タイした。これまで3年間の流域リー ダー達の取組みと今後の自立的・継続的な保全活動の実施 についての決意の場として来年1月18日に「完成記念フ ォーラム」を開催することとなった。 〈活動の結果と効果〉 2005年度は住民参加型実践活動における連帯と連 携の必要性を地域の中に浸透させることが目的であり、交 流会や学習会を行うことで実質的な交流が実現でき、具体 的な成果(現地での環境保全活動の自主的な取り組み)を 得ることができその目的は達成できたと考えている。 2006年度はさらに手法を進め流域全体としての情報 の共有化を図ることを目的として取組んだ。特記すべきこ とはこの事業を開始する前までは、現地の行政・市民・大学 のつながりが十分にない状況であったのが、日本側WGが 提案し、運営支援した各イベント等によって、行政・市民・ 大学それぞれの立場の人々が協働して一つのものを作り 上げるシステムは出来上がったと考えている。住民参加型 とは言っても、各立場の相互理解と協働がなければ実践で きるものではない。この成果については、事業の目的を満 足する効果があったと考えている。 2007年度は本事業の最終年度であり、「環境副読本 完成記念フォーラム」の開催で支援事業は終了する。この 完成記念フォーラムではこれまでのターチン流域4県の リーダー達の環境保全活動を他の地域にも紹介していく こととしている。 特に3年間の成果の上に立ち完成した「環境副読本」は、 リーダーが中心となり協働のもとに作り上げたものであ り、その成果を他地域にも広くアピールすることにより、 その波及的効果は十分に期待できるものである。 また、「環境副読本」は若手リーダーの育成への要望に 応えるために作成したものであることから、ただ、作り上 げるだけのものではなく如何に有効活用を図るかが重要 である。これらの基盤整備をはかることにより、今後の自 立的・継続的な環境保全活動のツールとなる。 2008 年度からタイ国天然資源環境省においてもターチ ン川を始めとして、河川回復に向けた本格的な事業展開を 始めることとしている。 団体名:財団法人地球環境センター 所在地: 〒538−0066 大阪市鶴見区緑地公園2−110 TEL 06-6915-4121 FAX06-6915-0181 http://gec.jp/jp 団体の設立経緯・目的: 国連環境計画(UNEP)の支援法人として 1992 年 に設立。UNEP 国際環境技術センター(IETC)大 阪事務所への協力の他、調査研究、情報収集・提供 研修やセミナーの実施などを通じて日本の環境分野 での国際貢献に資する独自事業を展開。 対象地域: タイ国ターチン川流域 4 県 活動形態: 知識の提供・普及啓発 環境マップ(上) 活動分野: 環境教育 環境副読本(下) 本プロジェクト助成継続年数:3 年目 2005年度 ターチン川 学生によるパックテストの体験 4県リーダー会議での発表 日本招聘(淀川河川敷フェスティバル) 「環境副読本」を使った授業風景 2006年度 環境マップの作成風景 2007年度 子どもたちによる発表(世界環境デー) 「環境副読本」の評価を実施 関係者会議で副読本内容の意見交換 紀伊山地中央部の戦後山腹崩壊史と森林の現状 ○団体名 特定非営利活動法人 森林再生支援センター ○連絡先 〒603-8145 京都府京都市北区小山堀池町 28-5 TEL:075-432-0026 または 075-211-4229 E-mail:[email protected] FAX:075-432-0026 URL:http://www.crrn.net 【活動の背景と目的】 わが国有数の原生的自然を有してきた紀伊山 地(大峯山、大台ケ原)は、戦後、山麓部での 皆伐、造林箇所を中心に山腹崩壊が多発してき たが、近年、再び新たな山腹崩壊域が拡大しつ つあることが多くの登山者により観察されてい る。しかしながら、崩壊発生地の現況や、その 拡大状況、原因、植生回復状況等についてはほ とんど分かっていない。 本調査研究では、過去約 60 年間の空中写真 の比較検討によって、この地域の山腹崩壊の発 大峯山脈弥山山頂付近の崩壊地の様子 (2007 年 10 月撮影) 生状況を発生箇所数、崩壊面積を把握すること によって概括する。さらに近年の新たな崩壊地の現地調査を実施して崩壊の実態を明らかにする とともに、シカ原因説を含めその原因を考察したい。なおこの調査結果は地域住民をはじめ、多 くのステークホルダーと共有し、紀伊山地の自然資源のありかたについてともに考えたい。 【活動の概要】 ・過去 60 年間の空中写真の比較検討により、山腹崩壊地の箇所数、面積、位置等を把握する。 ・近年新たに崩壊が発生した大峯山脈弥山頂上付近、大台ヶ原山経ヶ峰付近等の現地調査を実施 し、既往崩壊面の現状分析、周辺植生状況の把握等を行った上で、崩壊発生原因、今後の裸地 状況推移の予測等を行い、崩壊危険箇所の抽出と植生回復による抑止方法を検討する。 ・紀伊山地の麓にある奈良県天川村で、崩壊地の状況、山の現状と地域のかかわりをテーマとす る報告会を実施し、研究者と地元(住民・行政)が一緒に考える体制づくりを進める(2008 年 1 月開催予定)。 【活動の効果】 紀伊山地の自然は、戦後大きくその姿を変え、資源的価値が著しく損なわれ続けているという 声は、研究者、山岳愛好者の間に大きい。この価値を守り、人の営為に端を発した自然の荒廃を 抑止することは、緊急を要する重要な課題であるが、多くの関係者、市民の協力なくしてその実 現はあり得ない。そのためにまず、自然の今ある姿を明確にとらえ、これを共有し、ともに考え ることによって、森林の現状と将来を的確に認識し、森林保護に関する知識と意識の高まった市 民が増えることは、今後の森林保全活動の円滑化と合意形成を図るうえで大きな意味をもつと思 われる。 和亀保護の会 http://www.wagamehogonokai.sakura.ne.jp/ 連絡先:[email protected] 活動の概要∼淡水性カメ類(在来種)の保護活動∼ 【活動の背景と目的】 大阪府北摂地域を流れる大正川は、ゴミ投棄という都市河川特有の問題を抱えているが、完全な三面護岸を逃れている ため、付近の川と比して生物相が豊かな川である。しかしカメ類においては、近年外来種であるミシシッピアカミミガメ の増加が著しく、在来種であるクサガメの数は多いものの若年層の個体数は極端に少なく、将来の減少が推測される。ま た、スッポンやニホンイシガメは個体数自体が僅かで、このままではこの水域での絶滅は時間の問題だと考えられる。会 では大正川が流れ込む安威川の一部と大正川の支流も含めた範囲で、前述のような現状を改善し、将来的には在来種のカ メが当たり前に泳ぐような、川の本来あるべき姿に近付けることを目的とし、有効な方策を模索し、実行していくことと した。 また2006年晩秋、兵庫県加古川市寺田池で改修工事に伴う池干しが行われた際、多数のミシシッピアカミミガメに 混じって在来種のクサガメが見つかった。もし、何もせずに放置しておけば、寒さに比較的強いアカミミガメは水路から 他の池や川に逃げ込み、寒さに弱いクサガメは工事によって生き埋めになることが予測された。また在来種のカメが越冬 のために利用している水路が、単純な石積み護岸に変えられることを知った。会では工事が完成して再び池に水が入る2 年後に在来種のカメが棲める環境にするため、クサガメを救助すること、外来種対策を十分に行うこと・水路護岸を適切 なものにするため働きかけることなどの目標を立て、活動を開始した。 【活動の概要】 大正川とその周辺河川においては、年間を通じてカメ類の棲息状況調査を行う。またその調査結果をもとに、継続的に 行っている清掃活動や外来種のカメの駆除・在来種のカメの放流(助成対象外)などの効果について検討し、必要な場合 は、計画の変更や新たな方策の模索を行いながら在来種のカメの保護に努める。また地域の学校や自治会などと協力して 啓発活動を行い、河川環境とそこに棲息する生物への関心を高める。 寺田池及びその水路については、2年間水が抜かれるため、在来種のカメ類を捕獲し、水路または水路でつながった近 辺の池へ放流する。同時に外来種のカメの駆除を行い池周辺からの一掃を目指す。また地元の住民・研究者・行政と協力 して生物に配慮した護岸を計画し、工事終了後には健全なため池環境の復元と維持に努める。啓発活動も随時行う。 【活動の実施方法】 1, カメ類を捕獲してマイクロチップまたは縁甲板穴開けによる個体識別を行い、河川及びため池のカメ類の棲息状況 (棲息数・成長及び健康状態・移動状況・繁殖状況など)を調べる。 2, 地元ボランティアと協力して、河川(遊歩道・中洲・河床)の清掃を行い、カメをはじめとする生き物の命や健康 を脅かすゴミをなくし、棲息環境を改善する。 (助成対象外) 3, 遺伝子汚染問題に配慮しながら、ニホンイシガメを繁殖・飼育し、地元住民とともに放流会を行う。 4, 手探りおよびトラップによって外来種のカメ類を捕獲し、河川及びため池から排除し、在来種のカメ類が棲みやす い環境にする。 5, 河川周辺の工事・草刈り作業の際には、必要に応じて地元自治会や行政・業者と話し合いを持ち、在来種のカメ類 のための適切な対策をとる。 6, 学校や地域の行事、各種発表会、通常の活動を利用して、在来種のカメ類保護に関わる啓発活動を行う。 【活動の結果と効果、展望】 大正川とその周辺では、今までに 74 頭のニホンイシガメ(うち 22 頭は会の繁殖個体)、336 頭のクサガメ、7 頭のスッ ポンの個体識別を完了している。これらは捕獲のつど体側や撮影を行ってデータを取った後、もといた場所に放流してい る。一方外来種であるアカミミガメは年間約 100 頭の捕獲があり、2007 年度も既に 65 頭を数えている。捕獲した外来種 は研究機関に送り安楽死処分を行うが、既に処分したアカミミガメはクサガメの総数を上回るにも関わらず、捕獲数は一 向に少なくなる気配がない。川の上流下流からの供給があるためだと考えられるが、他に飼育されていた個体の放棄も後 をたたない。 しかし、遊歩道を散歩している市民から「この川は他の都会の川に比べて外来種のカメが少なく、日本のカメが元気に 感じる」などの感想も聞こえるようになり、数字には表れない効果が生まれつつあるようである。他地域でアカミミガメ が爆発的に増加していることを考えると、排除を続けることが在来種のカメ類の棲息環境をかろうじて守っていくことの 必要条件と思われる。 また、調査と平行して行っている河川の清掃活動では、毎回ゴミ袋に2∼10 袋ものゴミを収集する。ゴミの中には釣 り糸・釣り針・割れた陶器やガラス、バッテリーや農薬のビンなどのような、生物の命を直接脅かす危険なゴミも多く含 まれる。また、ビニール袋や空き缶が埋まったり詰まったりした中洲や横穴は、カメの産卵や越冬などを妨げることにな り、それらを取り除く清掃活動は、都市河川のカメ類の保護のために非常に重要な活動の一つとなっている。 さらに、これら調査の結果や清掃活動の様子を機会あるごとに多くの人に知らせることで、住民の水辺の自然環境を守 ろうとする意識が向上してきたのではないかと期待している。 昨年晩秋の寺田池の池干し以来、池に残った水たまりや池周辺の水路で、月一度の在来種のカメの捕獲調査とアカミミ ガメの排除を行ってきたが、現在までにクサガメ 117 頭を個体識別し基礎データを取った。また、アカミミガメ 835 頭を 捕獲し池から排除した。池周辺に棲息していたクサガメはほぼ捕獲し、近くのため池や水路に保護できたが、アカミミガ メについては、同じ寺田池ため池群の一つである今池に相当数が逃げ込んでいることがわかった。もしこの状況を放置し ておけば、池に水が張られた後、また寺田池にアカミミガメが戻ってくることが予測される。今池でのアカミミガメの排 除は今後の課題として、検討していく予定である。 寺田池の水路護岸については、行政・研究者・業者・地元水利組合と協議会、和亀保護の会で話し合いを持ち、生物に配 慮した水路設計図の完成に至った。水路護岸の工事はまもなく始まるが、水張り後、水路が生物の生息環境として機能し、 実際にカメが利用するかどうか定期的なチェックを行い、その結果が思わしくない場合には何らかの対策を取る予定であ る。 外来種とはいえ命を奪う行為は微妙な問題を含むものである。しかしアカミミガメの排除は在来種のカメ類の絶滅を阻 止し、その個体群を維持するだけの数を確保することに繋がり、また清掃活動や水路護岸への配慮は、その個体群を養え るだけの豊かな水辺環境を取り戻していくことに繋がっていると考え、今後も地道に在来種のカメ類の保護と取り組んで いく決意である。 「環境NGOと市民の集い」 団体名 連絡先 日本野鳥の会大阪支部 住所 〒543−0011 大阪市天王寺区清水谷町6−16 電話 06−6766−0055 (火・金・日 開所) 1934年 日本野鳥の会 設立・・現在全国の支部数 89ヶ所 現会員数 約50,000名、 http://www.wbsj.org/ 1937年 京都に次 2番目の支部として、阪神支部が設立(大阪支部と兵庫県に分離) 支部会員数 約2,400名 http://www10.plala.or.jp/birdsosaka/ 活動 「野鳥も人も地球の仲間」をテーマに活動している、団体です。 発足は70年前のこと、今日のような環境云々等の難しいことは考えてはいなかったでし ょう、ただ、鳥を楽しもうと言っても鳥かごに入れて飼育することは無く、あくまで自然 の野外で、自由に飛び交いさえずる鳥、すなわち「野の鳥」野鳥の姿を観て、美しい姿や かわいいしぐさに接し楽しんでいましたが、これも今のような光学器具は無く、専ら「さ えずり」を聴き、優雅な楽しみを求め野山を散策しているだけだったでしょう。冬はカモ 料理も楽しんでいた会です。 このように当会は単に楽しみだけを求めた人が集まった団体で、発足当初から何かを保 護しようと集まった団体ではありません。 しかし、70年前設立の頃、早々から自分たちの楽しみの対象物である野鳥の生態を調 べ始めました。生息地の環境と鳥種・生息数などです。当然に、季節について感じ、生息 地について感じ、野山の環境変化、森の開発に合わせ、野鳥の生息状況が変化し、減少に いたる経過を見るに至って、自然環境の保全を願う運動を始めていきました。継続した調 査の代表は毎年の1月初旬に全国一斉のガン・カモ類のカウント調査をおこなっています。 (現在は環境省の DATA となっています)2007年には全国でハクチョウ類が約7万9 千羽、ガン類が約12万3千羽、カモ類は188万羽でした。 今日でも野鳥を楽しむだけの会員も多くいますが、最初は野鳥の姿がきれい、さえずり が楽しい、初心はそれだけでよいのです、これで保護の入り口に入ったのです、先輩たち の過程と同じく自分の欲望からかもしれませんが、この楽しみの対象を保全し自然を保護 し、 「野鳥も人も快適に過ごせる地球を守ろう」と意識しその運動に参加するようになるで しょう。 小学校の環境教育授業にもよく野鳥観察があり、指導に招かれますが、この子供たちも 全く同じで、まず野鳥に興味をもってもらい、その生息地の自然環境に興味を持ってもら い、この子供が大人になるまで今の自然環境が維持されることを望む人になってくれるこ とを期待しています。 このように野鳥を楽しみ、自然保護思想の入り口に立つ仲間を一人でも多く募り、大き な力としたいです。 日本野鳥の会では全国に12箇所のサンクチュアリーを自己保有し、また各所自冶体の サンクチュアリーを多数運営管理いています。内容は固有種の保護や地域の保護、等さま ざまです。また、観察舎への来場者にサンクチュアリー保全の必要性を啓蒙しています。 大阪支部の活動の一つとして、府内21箇所で探鳥会を毎月定期に開催し環境保護、の 啓蒙を図っています。 また、自然環境の生態系の頂点にいる鳥類(オオタカ等)の繁殖地を守ることで、その 区域地の自然環境が保全されるようにするとか、渡り鳥の中継地の確保、野鳥の不法捕獲 飼育の根絶等を各地で運動しています。 今1番の取り組みはナホトカ号重油事故から10年を経て、大阪府が計画している「大 阪湾で油等流出事故発生時の鳥類救護体制」の作成に協力し、これが制定されれば、ボラ ンティアで出来る範囲参加したいとおもっています。皆さんも是非、参加登録して下さい。 広い環境保全では大阪府指定の鳥獣保護区の設定調査に協力し、設定後の管理維持にも 協力参加していきます。湾岸の人口干潟作成とか埋め立て地の生息鳥類問題など関係官庁 と調査や意見具申などで今後とも連携していくつもりです。 野鳥の保護と、地球温暖化防止、環境保全、がどう結ばれるのか難しいパズルですが、 冒頭の「野鳥も人も地球の仲間」に象徴されるように野鳥の住めないところには人も住め ない、そんなことにならないで、仲間みんなが元気に住める地球になってほしいものです。 !#"%$'&#( )%*,+.-/%0%132465!7!89:;1=<>:!? 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K L -/* ¨ª©«¬®°¯ ±¢² ¦o§ 提出期限 平成 団体名 助 項 活 目 動 成 活 動 10月19日 19年10 年 16 日 NPO法人アフリカ児童教育基金の会 中 間 報 告 書 内 容 住民参加による緑化の推進と農村開発(アフリカ・ケニア) 名 (交付申請時の計画と比較して具体的に記入) 進捗状況 今後の見通し 事業実施項目 1、住民参加による「地域の森」造成支援事業 内容 ケニア国東部州ベレー県マキマ地区内の316世帯 (1、 800人)の貧しい農民を対象に、植樹の促進による緑化 習会を開催し、植樹する苗木の配布及び育成の知識と技術を指導。 A 「苗木センター」の運営による苗木の育成事業 B 植樹講習会の実施 4月 計2回、 5月 計8回、6月 計8回、7月 計8回、 8月 計8回9月 計8回の総計42回実施。 講習会の内容は、1、苗木作り及び接木の指導 2、有機肥料の 製造と施肥による育成指導。3、害虫の抑制及び土壌の改良等。 上記の進捗状況は、当初計画の通り実施している。 上記、植樹講習会は、10月の雨期の到来前に、9月分の計8回 の講習会を終了した。住民は、各自の所有地に植樹を実施する。 引き続き「苗木センター」を、運営して、住民のための苗木の配 布や選定、及び、接木の指導、有機肥料の製造などの定期的な巡回 指導を実施する。 本案件の実施により、住民が、マンゴー、パパイヤ等の換金果樹 や、燃料用のユーカリプス樹、家具材のマカウ樹等を植樹する意欲 を高揚して、「地域の森」造成を実現して、対象地区の住民の生活向 上を計る計画である。 平成19年度の ○・計画通り実行できる 助成金について (いずれかに○ ・交付決定額まで至らない可能性あり をする) 担当者名 村上忠雄 連絡先/電話・FAX: E−mail:[email protected] 整理番号 −69− 19−10−1 【密 輸 材 ラ ミ ン 使 用 停 止 ( Declaration of the End of Illegal Ramin Trade ) 】 ウ ー タ ン ・ 森 と 生 活 を 考 え る 会 Telapak 等 Press Release: 毎 日 新 聞 等 イ ン ド ネシア、 マレーシア等の泥炭湿地に生息する ラ ミ ンは過剰な伐採によ り絶滅の危機に瀕し て、 2 0 0 1 年ワシ ン ト ン条約 ( ※ 1 ) で貿易が規制された以降も イ ン ド ネシア国立公園や保護区等で違法伐採 (※ 2 ) ・ 密輸されていた。 イ ン ド ネシア N G O Telapak 、 国際環境N G OのE I Aは、 1 9 9 0 年後半よ り希少種ラ ミ ンの保全、 違法伐採 の調査 ・ 告発、 森林保護を行う ために活動を繰り広げてきた。 日本では 1 9 9 9 年の Telapak の来日以降、 ラ ミ ン調査会、 ウータ ン ・ 森と生活を考える会、 F O E Japan 、 J A T A N ( 熱帯林行動ネ ッ ト ワーク ) などが中心と なっ て、 日本へ輸入 ・ 販売される ラ ミ ンの調査を行っ てきた。 日本は世 界有数のラ ミ ン輸入国だったからで もある。 2 0 0 3 年 1 1 月、 イ ン ド ネシア ・ スマ ト ラ島で違法伐採が原因で土石流が起こ り 、 2 5 0 名が死傷し た。 これを 受けて、 国際熱帯木材機関 ( I T T O ) 理事会の席で日本政府とウータ ンは違法材問題を通じ、 ラ ミ ン停止 ・ 違法材停 止の実施を話し合った。 ウータ ン等は 【やれば出来る!違法材停止 ・ ラ ミ ンキャ ンペーン】 と し て、 ラ ミ ンの輸入 ・ 使用の日本企業などに 働きかけた。 その結果 2 0 0 7 年 4 月日本で使用量の約 9 5 %に相当する 5 0 0 社がラ ミ ンの輸入 ・ 取扱いを停止し た。 2 0 0 6 年、 シンガポールのラ ミ ンの輸入企業の 8 割も停止。 Telapak と E I Aの活躍で、 半島マレーシアのジ ョ ホール ・ バルのかな りの輸入企業がラ ミ ン停止し た。 またイ ン ド ネシア政府の取組みで、 主要な木材市場ではラ ミ ンの 販売が困難になっ てきた。 加えて 2 0 0 7 年 4 月、 E Uのラ ミ ン輸入の一時停止によ り 、 密輸される ラ ミ ンの販売は世 界的に一層困難になっ てきた。 近年の日本、 E U、 イ ン ド ネシアをはじめとする国際的な違法伐採 ・ 違法貿易対策で、 今後ラ ミ ンは 1 - 2 年でほ ぼ販売が不可能になるだろ う 。 2 0 0 7 年 4 月末、 イ ン ド ネシア ・ カ リ マン タ ン と マレーシア ・ サラワク州の国境ではラ ミ ンの取引がほぼな く な った。 1 箇所を除き この国境で違法材の取引が激減し たが、 スマ ト ラ島と半島マレーシアのルー ト で密輸が継続されて いる。 私たちや多 く のN G Oが今後も連携 ・ 協力し て、 イ ン ド ネシア、 マレーシア政府に停止を再度依頼し た り 、 輸入 企業にラ ミ ン使用停止を働きかけていけば、 全世界的な取引が完全に停止されるだろ う 。 こ こに私たちは、 【違法材ラ ミ ン密輸停止宣言】 を発する。 希少種ラ ミ ンの世界的な取引停止に近づき、 絶滅危惧種のオラ ンウータ ン、 テングザル、 ギボンなど多 く の動物たち も徐々に生息域を回復する こ とができ るよ う になるだろ う 。 熱帯林保全にと って大きな勝利であ り 、 成果で もある。 みんなが努力すれば必ず停止できる。 しかし ながら現在も メ ルバウ、 ウ リ ンをはじめ、 希少種の違法な伐採 ・ 取引が続いてお り 、 それら を完全停止し てい けるよ う 各国政府、 国連、 国際熱帯木材機関 ( I T T O ) 、 F A O、 世界銀行、 N G O s 、 企業などにご協力をお願い する。 最後にイ ン ド ネシアの多 く のN G O、 違法材停止 ・ 違法貿易停止に活動する世界の多 く のN G O、 日本で違法材停止 に協力し て く れた N G Oの仲間、 違法伐採 ・ 違法貿易をな く すためにご努力を続けていただいた日本政府、 イ ン ド ネシ ア政府を含めた各国政府のみな さ ま、 そ し てラ ミ ンの使用停止を実施し ていただいた日本、 シンガポール、 イ ン ド ネシ ア等の企業のご協力に再度感謝し たい。 2 0 0 7年6月2 9日 Telapak (Indonesian Environmental NGO) EIA(Environmental Investigation Agency) - U nited Kingdom & USA, Singapore HUTAN Group ( ウータ ン ・ 森と生活を考える会 ) -Japan & Malaysia Ramin Research Committee ( ラ ミ ン調査会 ) -Japan FoEJapan ( 国際環境 FoEJapan ) 参 考 ( ※ 1 ) ラ ミ ン とワシン ト ン条約 ― ― 違法材ラ ミ ン輸入量 1 位 の 日 本 で の 停 止 が 大 き な力に ! ! ジンチ ョ ウゲ科ラ ミ ンは加工しやす く 、 見た目も美し く 、 用途が広いので、 世界各国に違法貿易されていた。 2001 年 4 月ワシン ト ン条約保護種の付属書Ⅲに登録され、 2004 年 10 月 に 付 属 書 Ⅱ ( 全世界の国で取引する際は原産地証明が必須、 その他に輸出許可書、 申請書、 説明書、 契約書、 船積み証明 書、 輸入許可書、 輸入承認書が必要 ) に登録された。 イ ン ド ネシアの輸出業者は Pt.Uniseraya1 社で、 年に約 8000m3 の搬出が同国政府よ り許可されるが、 2001 年以降も密輸でイ ン ド ネシアからマレーシア、 シンガポ ー ル 等 へ 毎 年 5 万 m3 以上運ばれていた。 2003 年 日 本 へ の 輸 入 推 定 量 は 約 70,000m3 。 90 年 代 前 半 は 日 本 が 輸 入 量 1 位で、 約 9 割近 く が違法。 イ ン ド ネシア産をマレーシア産 CITES 証明書と し た り 、 ラ ミ ンを似ている木材種と し て輸出入し ていた。 ITTO ( 国際熱帯木材機関 ) 39 回理事会で保護の決議がされた。 ( ※ 2 ) 各国の違法伐採の推定割合 北西ロシア 27 % 極東アジア 50 % イ ン ド ネシア 73 % カ ンボジア 94 % マレーシア 約 35 % ミ ャ ンマー 90 % ブ ラ ジルアマゾン域 80 % ペルー 80 % カ メルーン 60 % ( Data : WWF “Scale of Illegal Logging around the World”2004 ) 2004 年 、 日 本 へ の 違 法 材 の 輸 入 割 合 の 推 計 22-35 % - ( * ―資料については一部分掲載し ていません。 ) 資料* 1 ) 日本でのラ ミ ン停止活動のあら ま し Activity of Requesting to Stop Ramin in Japan 1999 年、 Telapak と大阪の港で調査し た結果、 シンガポールから ラ ミ ンが輸入されていたこ とが判明。 この年 以降、 ラ ミ ン調査会が調査を開始。 ウータ ンなど も 2003 年から調査を開始。 調べる と、 1994 年 の 輸 入 量 は ITTO( 国 際 熱 帯 木 材 機 関 ) や Forest Watch Indonesia の 調 査 で 日 本 の 輸 入 が 1 位。 その後も大量なラ ミ ン材の輸入が継続。 2003 年 11 月、 スマ ト ラ島の多数の死 傷 者 を 出 す 事 件 以 降 、 再 度 来 日 の Telapak からの要請で、 日本政府と話し て違 法 材 停 止 へ の 活 動 が 展 開 。 2004 年からウータ ンを中心で 「密輸材ラ ミ ンを停止し て も ら う よ う企業に働きかけよ う 」 と。 全国の森林保全N G Oのご協力で、 800 社以上へラ ミ ンの使用停止を働き かけ。 2007 年 4 月、 500 社以上が停止し、 木材輸入会社、 大手商社からホームセン ター、 生協、 デパー ト な ど の 全 販 売 量 の 95 %を占める企業がラ ミ ン材使用停止。 まだ数社は輸入するが、 現地で販売不 能にな って、 今後販売する こ とは大変困難。 現在ラ ミ ンは 「ワシン ト ン条約保護種Ⅱ」 で日本政府と イ ン ド ネシ ア政府が、 「違法伐採材の輸入防止」 の協定を結び、 違法材停止にむけ、 非常な努力を し た賜物で もある。 資料* 2 ) 【密輸材ラ ミ ン停止宣言】 を行える状況-Reason of Declaration 現在の輸入企業の仕入れ状況を考えれば、 全世界でほぼ完全停止に近づ く のは 1 - 2 年かかるかも しれない。 こ れまでの取組みよ り今後のほ うが数段やさ しい。 「木材マフ ィ ア」 が関わっていたが、 今後困難。 * 要 因 ①国際キャ ンペーン と イ ン ド ネシア政府の違法伐採の取組みが進み、 効果が出てきた事が大きい。 ② 2007 年 4 月 15 日、 日本の 500 社以上の企業が停止し、 数社のみが販売継続であ り 、 ほぼ停止の状態 になる。 輸入上位の日本で、 2004 年 末 に 200 社が停止を決めはじめた。 またマレーシアの一部の企業 も 2006 年から停止をはじめた。 ( ウータ ンや EIA 等で、 マレーシア企業へ再度申入れで判明 ) ③シンガポールのラ ミ ン輸入企業の 8 割も停止し た。 シンガポール企業が大半停止は [ ラ ミ ンが高騰し て今後商 売にし に く い ] 、 [ 違法と判明との理由で停止 ] 、 [ 今後悪ド イ企業と思われた く ないので停止 ] ! ④ EU も 2007 年 4 月にラ ミ ンの輸入を中断する ( 2007 年 4 月 5 日 the Star-Malaysia 紙 ) 。 ⑤イ ン ド ネシア ・ 中カ リ マン タ ンのタ ンジ ュ ンプテ ィ ン国立公園近 く の木材市場で 2007 年 3 月ヒ ア リ ングは、 [ ラ ミ ンを取引し たら逮捕される ] と。 また、 他の国立公園も 2006 年秋から販売停止になる。 ⑥サラワク州 Sematan をのぞき、 陸路の主経路のLubok Antu, Tebedu, Batu Lintangはイ ン ド ネシアからの違法の流入材が激減。 これはと りわけ日本政府、 EU の働きが効果を奏し てきたこ と。 今 後 は ウ リ ン 等 の 違 法 材 の 使 用 停 止 ! 【違法材ウ リ ン、 メルバウの使用停止をーウ リ ン使用 ・ 輸入企業 16 社停止、 メ ルバウ企業 list up 】 2007 年 5 月、 イ ン ド ネシア政府が違法伐採する メルバウ材のワシン ト ン条約会議へ保護種提案を見逃し たので、 日本での停止依頼活動を見送ったが、 2006 年 3 月ウリ ン材の輸出禁止措置ご も輸入を日本企業が続けるため 2007 年 10 月末、 【 Save! Ulin 】 キャ ンペーンを開始。 11 月 15 日現在、 16 社、 1 連合会が停止し た。 停 止依頼のキャ ンペーン ・ 海外調査は今後も必要である。 演劇で学ぼうとは?−活動の背景と目的 環境学習は「身近な行為が環境問題につながっていることを実感する」、「現在が未来につながっていること を想像する」という当事者意識を感じることが大事です。「授業」「講演」という形式だけではむずかしい、 児童たちが「実感する」というレベルまで導くために開発されたのが「演劇で学ぼう」です。 『演劇で学ぼう∼環境編∼』は、児童たちが楽しいキャラクター達の活躍するストーリーを追っているうち に、 「現在から連なる未来」を疑似体験し、自然に「自分達のできること」に目を向けてもらう運びになって います。その効果はお芝居を作る子どもだけでなく、お芝居を見る側の者にとっても発揮されます。 「演劇」 という双方向のメディアの本領発揮となる取り組みです。 この事業は、2005年に松下電器産業株式会社のメセナ事業「パナソニックわくわく体験ディスカバリー」 の企画として製作され、関西各地を中心に実施してきました。2007年度には関西を飛び出し、全国各地で開 催しています。 企画概要 「環境警察220X」というタイトルで、子どもたちを交えたワークショップにて作品を作り、上演します。 発声、コミュニケーション、演技、ダンス、などの基礎のワークを交えながら、数日間のワークショップの 中で、環境をテーマにした物語を講師と参加者とで一緒に作ります。最後には学校体育館、もしくは公民館 等のホールにて、お芝居を上演します。ほかの児童・生徒は勿論、ご父兄や一般市民の方にも演劇発表会と して観劇して頂けます。 あらすじ 時は 23 世紀の日本。 環境破壊を取り締まる「環境警察」の面々は、日々犯人の逮捕に励んでいた。 ある日、環境警察の新メンバー桂坂隊員は、皆に疑問を投げかける。 「いくら犯人をつかまえても、もう手遅れなのではないでしょうか・・・。」 ざわめく面々。そんな中、九頭竜大社坂警視総監は、隊員たちに新たな指令を告げた。 「環境問題を根本から解決するため、21世紀に飛んでいってくれ。」 21世紀に向かった桂坂はじめ4人のメンバーは、それぞれ「ゴミの分別」「電気の節約」 「車の排気ガス」「水の節約」「レジ袋」などの様々な問題に取り組む・・・ 福島県喜多方市での発表会の様子 島根県でのシンポジウム開催の様子 愛知県でのワークショップの様子 HP「春日井の演劇」より 2007 年度の成果と効果、次年度以降の動き 2∼4日間のワークショップと最終日には発表会、及びシンポジウム「環境教育におけるコミュニケーションティ ーチングについて」を各地で実施しました。 ワークショップ講師:劇団衛星 ※愛知県では東方るいさん、吉田素子さんにも参加いただきました。 「環境警察2207in 愛知」 2007 年 9 月 15∼17 日、24 日 会場:うりんこ劇場(愛知県名古屋市) 協力:うりんこ劇場 東海シアタープロジェクト シンポジウム司会:大橋敦史氏(東海シアタープロジェクト) パネリスト:毛受芳高氏(特定非営利活動法人アスクネット) 広中省子氏(日進おやこ劇場) 亀田将紀氏(特定非営利活動法人 e じゃん安城エコガイド/環境劇団いるか)蓮行氏(劇団衛星) 「環境警察2207in 喜多方」 2007 年 10 月 7・9∼11 日 会場:喜多方プラザ・小ホール 共催:喜多方プラザ(喜多方プラザ自主文化事業推進協議会) シンポジウムパネリスト:八巻寿文氏(せんだい演劇工房10−BOX) 山田幸江氏(喜多方子ども劇場/「たまてばこ」) 江花圭司氏(NPO法人環境ストレンクス/NPOまちづくり喜多方) 蓮行氏(劇団衛星) 「環境警察2207in 島根」 2007 年 11 月 5∼7 日 実施場所:出雲市立灘分小学校 シンポジウム司会:黒木陽子氏(劇団衛星) パネリスト:植田義久氏(出雲市教育委員会)原田豊氏(出雲市役所) 伊藤祐治氏(灘分小学校) 「環境警察2207in 福岡」 蓮行氏(劇団衛星) 2007 年 11 月 12∼15 日 会場:ゆめアール大橋(福岡市大橋音楽・演劇練習場) 主催:NPO 法人フリンジシアタープロジェクト/FPAP・子ども文化コミュニティ共同事業体(ゆめアール大橋) 後援:福岡県/福岡県教育委員会/福岡市/福岡市教育委員会/福岡市文化芸術振興財団 シンポジウム司会:高崎大志(NPO 法人 FPAP) パネリスト:高宮由美子氏(ゆめアール大橋館長/NPO 法人子ども文化コミュニティ) 蓮行氏(劇団衛星) 2007 年度は、この後、千葉県と愛媛県での実施を予定しています。 どの地域の子ども達も、演劇のメソッドを活用し、未来に生きる人々の姿を想像し、自分達が今出来ること は何か考えることができたかと実感してます。 島根県・福岡県では来年も再び実施してほしいという希望が、またワークショップ・発表会に見学に来られ た宮城県、広島県、岡山県の方からは来年度に向けての依頼がありました。そして愛知県ではワークショッ プに参加した県内の演劇人を中心に、地元のワークショップ講師を育成する動きが始まるなど、フリンジシ アタープロジェクトの取り組みは全国各地に着々と広がりつつあります。 お問い合わせ・連絡先:NPO 法人フリンジシアタープロジェクト 〒606-8184 京都市左京区一乗寺払殿町 29 TEL・FAX 075-724-6502 E-mail [email protected] HP: http://www.fringe-tp.net/ あおぞら財団とは ∼手渡したいのは青い空∼ あおぞら財団は公害地域の再生をめざして活動する大阪市西淀川区にある NPO である。被 害者・住民の立場から、地域と環境の再生に向けた調査研究、実践活動を創造的におこな っている。 <活動内容> ■ 公害のないまちづくり ■ 公害の経験を伝える ■ 自然や環境について学ぶ ■ 公害患者の生きがいづくり 平成19年度 地球環境基金助成活動 地域資源を活かした暮らしと交通環境学習プログラムづくり ■ 趣旨・目的 工場と自動車による未曾有の大気汚染公害を経験した大阪・西淀川。公害のないまちは、 今も昔も地域の共通の願いである。 本事業は、まちづくりの基盤である地域資源∼場所・人・歴史など∼を活かした環境学 習プログラムづくりの活動を通して、地域に住み・暮らす人々、子どもたちとの恊働を広 げようとするものである。 その具体化のひとつとして、くらしと交通に着目してクルマ社会のあり方や環境負荷の 少ないくらしぶりを考える交通環境教育を推進するとともにプログラム化をはかる。 ■ 活動の概要 大気汚染で疲弊した大阪・西淀川地域は、国道 2 号線・43 号線、阪神高速西宮線・空港 線・湾岸線が南北に縦断しており、道路沿道を中心に環境基準を達成していない。 過去におこった公害、現在も発生している交通公害の実態調査と、疲弊した地域の自然 や暮らしなどの地域資源調査を組み込んだワークショップや授業プログラムなどを計画し、 地域のいろいろな主体と共同して西淀川独自の ESD(国連持続可能な教育の 10 年)として 実践する。 さらに交通手段の選択によって環境負荷が変わることが実感できるフードマイレージプ ログラム、エコドライブ推進などの交通環境教育プログラムを開発する。また店舗などの 生活の場でフードマイレージが学べる仕組みを検討する。 それらの実践・開発のプログラムを検討する専門家委員会を設置し、より実践に耐える プログラム開発を行う。 ■ 内容 1.地域資源を活かした交通環境学習プログラムの実践 ○高校と連携した交通環境教育プログラム(あおぞらプラン)の推進 一年間通じた学習プログラムが普遍化できるように検討する ○自転車マップの作製 西淀川高校生と共同して作製 西淀川高校文化祭 自転車マップ 自転車クイズ ○エコドライブのすすめ∼支援機器を使ったエコドライブ体験∼ 2社のトラック事業者とおためしエコドライブ実施中 2.フードマイレージ学習指導者養成講座 ○フードマイレージ学習プログラムの実践および指導者養成 教材カード フードマイレージ買物ゲーム 3.環境学習プログラムを検証する研究会 ○環境学習に関わる研究者、有識者を中心とした公害・環境授業プログラムを作成・ 検討し、実生活で活用する方策を検討する研究会の開催 お申込・お問合せ http://www.aozora.or.jp (財)公害地域再生センター(あおぞら財団) 〒555-0013 大阪市西淀川区千舟 1-1-1 あおぞらビル4階 TEL:06-6475-8885 FAX:06-6478-5885 ✻✻✻✻✻ E-mail=[email protected] 地球環境市民大学校 第2部 第4分科会 「環境NGOと市民の集い」 団体名:アイユーゴー ∼途上国の人と共に∼ 報告者:新田幸夫・齋藤由香 連絡先:大阪府泉南郡熊取町小垣内 1-18-10 Fax 0724−52−8340 ■ 活動名:ラオス中南部における農民の自立支援と森林保護のための農村開発 ■ 活動地:ラオス人民民主共和国 サバナケート県 サイホウソン郡 ■ 活動内容とその目的: <課題> 1. 焼畑農法や山林伐採(焚き木用)のために森林面積が減少,および残っている雑木林 さえも雨季の豪雨により倒され流される状況にある。その結果,保水力不足の土地 が増加することになった。 2. 村民(農民)の収入は雨季における米つくりによるものが大部分を占めるが,それは 金額にしてわずかなものであり,貧困状態は恒常的である。例えば家族で病人がで て病院へいく必要のある場合,借金をしなければならないレベルにある。 また,現金収入を求めて隣国タイへの出稼ぎ者も絶えない状況にある。 <目的> 1. 生活用水や農業用水の確保のために,保水力の高い土地を得る方策,および貯水方 策の展開 2. 村民の経済的自立支援につながる農村開発 特に米つくり以外の農業技術の指導 ⇒ 乾季における収入源確保 <活動概要> ● 現地の植生に合致した植物(ゴム・マンゴ)の植林・栽培の実施 ・ 植林により保水力を維持できる土地つくりに貢献する。 ・ これまで村民に概念のなかった「乾季の栽培活動」のひとつとして位置づけ 乾季栽培の意識付けを行う。 ・ 植林・栽培に必要な農具(80 家族分)は供与し,農具の保管および苗木・収穫物の 一時保管場所として倉庫を建設する。 ・ 植林作業と管理は行政管轄の下で実施する。 ・ 植林場所は村民の居住地周辺とし,規模は 40ha に約 20000 本とする。 ● 現在活用されていない貯水池の修繕,および一部用水路造成 ・ 村民が受ける雨季の水害を減少化させる。 ・ 農作物の乾季栽培を可能とする。 ● 有機農法の指導 ・ 伝統的に実施されてきた有機廃棄物の農牧業への利用を,概念の教授により応用 展開できるレベルまで引き上げる。 ・ 同時に現行方法は衛生上問題がある点を認識してもらうことにより,生活の質 の向上活動へも結びつけ,相乗効果を狙った指導を実施する。 <活動の様子写真> ● 村の様子 荒涼とした風景 ごみの焚き火跡 ● 植林現場と植林植物 植林風景 ● 村民とのミーティング風景 苗木配り ESD は Education for Sustainable Development の頭文字をとったもの で、「持続可能な開発のための教育」と訳されています。国連では、 2005 年からの 10 年間を「国連持続可能な開発のための教育の 10 年」 としています。 「ESD とよなか」は、豊中において ESD を進めるためのゆるやかな組織 です。 ESD とよなか事務局 ・(財)とよなか国際交流協会 ・(財)とよなか男女共同参画推進財団 ・(社)豊中市社会福祉協議会、 豊中市庁内 ESD 連絡会議 豊中市・教育委員会・外郭団体 18 部署 (事務局) ・環境部環境政策室環境企画チーム ・教育委員会生涯学習推進室地域教育振興課 ・(特活)とよなか市民環境会議アジェンダ 21 ・(特活)とよなか市民活動ネットきずな ・とよなか人権文化まちづくり協会 ・豊中市 ・豊中市教育委員会 ●これまでのあゆみ 2004 年 7 月 「持続可能な開発のための教育の 10 年」(ESD)に関するワークショップ 豊中が ESD と出合った初めての学習会とワークショップ 講師:新田和宏さん、岩崎裕保さん、浜本裕子さん(ESD 関西) 8月 チャレンジ★写真ワークショップ in 庄内 (ところ:野田小学校) 子どもたちがカメラを持って様々な視点でまちを歩くワーク ショップ。多様な分野の団体、行政部署が協力して行う取 り組み。以降市内各地で 6 回開催。 2005 年 2 月 ESDとよなかキックオフミーティング 2005 年からの国連の 10 年に合わせ、全国(3 月)に先駆け て豊中でキックオフした。地域での活動(12 団体)の紹介 と、具体的なプロジェクトを考えるワークショップを行った。 4月 第 1 回学習会 (講師:ユネスコ、ESD-J より) ワークショップ PartⅡ (キックオフミーティングでのプロジェクトを具体化) 7月 ESDファシリテータートレーニングコース 講師:森良さん(ECOM・ESD-J) 2006 年 2~3 月 赤ちゃんからの ESD 連続講座 (全 4 回) 赤ちゃんを持つ人がその子の未来をつくるためにできるこ とを考え、生活や子育て環境を見直していこうという連続 講座。その後、この受講生が自主的に活動を広げ、翌年 はスタッフとして同じ講座を実施。 10 月 豊中市庁内 ESD 連絡会議立ち上げ 11 月~ 環境省 ESD 促進事業採択 (2 年間) テーマ:ESD とよなか次のステップへの推進事業 (仮称)「ESD とよなかリソースセンター」構想 11 月 豊中市国際教育推進協議会立ち上げ 国際教育を推進する中で、学校教育への ESD 導入を目指す ●ESD とよなか http://www.geocities.jp/toyonakadake/ ●環境省 ESD 促進事業 http://www.env.go.jp/policy/edu/esd/ 《この資料に関する問合せ先》 NPO 法人とよなか市民環境会議アジェンダ 21 井上和彦 TEL 06-6863-8792 FAX 06-6863-8734 E-mail [email protected] 地域で進める ESD -「ESD とよなか」の取り組みから- NPO 法人とよなか市民環境会議アジェンダ 21 井上和彦 ■赤ちゃんからの ESD 大阪府豊中市では、「赤ちゃんからの ESD」と うという形を取りました。最初のワークショップ の後、今まで知らなかった多様な団体や個人が一 いう取り組みが始まっています。赤ちゃんを持つ 親が参加でき、赤ちゃんの未来のために学ぶだけ 緒になって、学校とその地域をフィールドにし、 子どもたちの目でまちを切り取る「写真ワークシ でなく、学んだことを活かしてその未来をより良 くしていけるよう、地域の公民館での保育付きの ョップ」を行うほか、基本的な情報共有や学びの 場としての学習会、各分野のイベントなどでの広 連続講座とその参加者によるまちづくりワークシ ョップなどが進められています。 「ESD とよなか」 報活動を行ってきました。 では、今後このような取り組みがあちこちで行わ れ、それらが結びつくことでより効果が高まるよ ■進め方も多様に そして 2005 年 2 月 26 日、ESD とよなかのキ うな仕組みを作っていこうとしています。 ックオフミーティングを開催しました。その際、 豊中で行われている様々な分野や立場での活動紹 ■豊中における ESD との出会い 豊中市における ESD は、2005 年~2014 年の 介とともに、参加者で何ができるか具体的に立案 するワークショップを行いました。そこで立案さ 「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の 10 年」が始まる前年から始まりました。最初のきっ れたプロジェクトも多様な形で進められています。 例えば地域の ESD 情報誌づくりは、その後自主 かけは、「ESD 関西」からの働きかけで、(財)と よなか国際交流協会、豊中市環境政策室が中心と 的にミーティングを重ねて創刊準備号を作り上げ ました。多様な人々が交じり合う空間づくりは、 なり、2004 年 7 月に ESD に関するワークショッ プを開催したことからでした。そこに、環境問題 とよなか市民環境会議アジェンダ 21 が関わる地 域づくり事業の中で、空き地の利用を地域ぐるみ を中心にローカルアジェンダ 21 を推進する組織 「NPO 法人とよなか市民環境会議アジェンダ で考える取り組みとして関わっています。冒頭に 紹介した「赤ちゃんからの ESD」もここで生まれ、 21」も参加したのです。 私も、この時初めて ESD に出会ったのですが、 とよなか国際交流協会が関わる家庭教育の事業と して実現しましたが、ESD のつながりから環境や 持続可能な社会にしていくには、いわゆる「ひと づくり」 (=教育)がポイントで、人々がきちんと まちづくりにも広がっています。 このようなことから、ESD はどこかに集約して した認識のもとで主体的に社会づくりに参加する ための仕掛けが ESD だと理解しました。それは、 一元的にやるのではなく、あらゆる分野、立場、 場所でそれぞれ主体的に行われることにより、 私が今までやりたかったことであり、一方すぐに はできなさそうだと考えていたことでした。また、 ESD への入口や接点を多様に持った上で、それぞ れの進む先では広がりを持ってつながっていると その時初めて知り合った国際交流や人権などの 様々な分野の人たちと話しても、同じような課題 いうことがひとつの理想像だと考えています。そ れには、それぞれが ESD を進める際に使える顔 を持っていたということがわかり、そのことは大 いに勇気付けられました。 の見えるリソース(資源)を共有できるような仕 組みがあると便利です。そこで、現在は環境省の その後、国際交流、環境、人権、ジェンダー、 福祉、子育て、教育、市民活動などに関わる行政 ESD 促進事業の中で、 「ESD とよなかリソースセ ンター構想」という仕組みづくりを進めようとし 機関、外郭団体、NPO などの多様な団体が、具 体的な取り組みを進めながら、ゆるやかな関係づ ています。また一歩ステップアップしようとして います。 くりから始め、徐々にその輪を広げ、「ESD とよ なか」という形を作っていきました。その際、活 (日本環境教育学会「環境教育ニュースレター76 動を始める前からまず規約や組織図で固めるので はなく、それぞれの立場でできることから進めよ 号」原稿) 特定非営利活動法人 集めて使うリサイクル協会 〒541-0043 大阪市中央区高麗橋 1-3-4 TEL.06-6209-7155 FAX.06-6209-6685 E-mail [email protected] URL http://r-kyokai.org/ 1.沿革 1993 年から全国の市民団体・事業者・自治体等の協働によってスタートした「集めて使 うリサイクル∼再生紙使用促進キャンペーン」を前身として、1998 年に設立されました。 2004 年1月にNPO法人の認証を取得しています。現在、法人会員 42 社、個人会員 70 名。 2.主な活動 (1) 牛乳パック再利用マーク(パックマーク)の運営 パックマークは、1992 年に制定された、市民発の エコラベルです。回収された牛乳パックを原料として 利用したトイレットペーパー、ティッシュペーパー、 紙コップ、紙皿、トレイ、紙ひも、紙ナプキン、フラ ットファイルなど、さまざまな製品につけられており、 地球にやさしいお買物の目印 として市民に浸透し ています。 (2) アルミプロジェクト 1999 年から、印刷工業会液体カートン部会と共同で行っている事業で、これまではほ とんどがごみとして捨てられていたアルミ付飲料用紙容器(アルミパック)をリサイク ルするための仕組みづくり、ルートづくり、リサイクル促進のための啓発活動などを行 っています。また、2004∼2005 年度には、地球環境基金助成事業として、自治体にお けるアルミパック処理の実態調査や、各地域でのアルミパックリサイクルモデル事業を 実施しました。 (3) 酒パックリサイクル問題研究会の開催 酒パックの容器メーカーや酒造メーカー、国、リサイクル関係者などによって、酒パ ックのリサイクルを主体的に推進するための話し合いを進めています。 (4) その他紙製容器包装のリサイクルに関する調査 2000∼2002 年度の地球環境基金助成事業として、容器包装リサイクル法の分別収集品 目として指定されながら多くの自治体でリサイクルが進んでいない「その他紙製容器包 装」について、自治体や流通事業者等の調査、シンポジウム、リサイクル事例集づくり などを行い、今後のあり方について提言を行いました。 3.今年度地球環境基金助成事業 (1) テーマ 「ごみ有料化を恒常的なごみ減量と古紙リサイクル促進につなげるための調査と実践」 (2) 事業の背景 容器包装リサイクル法見直し論議の中で、ごみ減量の有効な手段としてレジ袋有料化 の問題が脚光を浴び、有料の指定袋による収集の仕組みを導入する市町村が増えるなど、 ごみ有料化の流れが強まりつつあります。ごみ有料化は、3Rのうちでも最も重視すべ きリデュースの推進という大義名分があり、有料化に向けた各自治体の論議の中では、 市民の負担増に対する反発の声がある一方で、その趣旨に賛同する声もあって、市民の 意見は割れています。しかし、実際に有料化を実施した市町村において、思ったような ごみ減量効果が上がっているかというと、実施後2∼3年で再び増加傾向に転じたとい うところも少なくありません。有料化を恒常的なごみ減量や廃棄物の資源化に結びつけ るためには、どの程度の負担にするかという問題とともに、分別収集体制の見直しや市 民による自主的な分別徹底・集団回収の促進など、さまざまな仕組みを総合的に考え直 す必要があります。また、有料化をごみ減量につなげるためのポイントの1つは、家庭 系ごみの約3割を占め、きめ細かく分別するほど資源としての価値も高まる紙類を、い かに「ごみ」から「資源物」へと誘導していくかという点です。つまり、ごみ有料化と 古紙リサイクル促進は、一体的に考えていくことでその効果が上がると思われます。 (3) 事業の概要 ①2006 年度 ・ごみ有料化に関する全国自治体調査…全市町村及び特別区(1858 自治体)に対して アンケート用紙を発送し、回収率は 46.4%でした。また回答のあった自治体の中 からいくつかピックアップして、ヒアリング調査を実施しました。 ・大阪における古紙リサイクル促進のための体制づくり…大阪市立大学の惣宇利紀男 教授をコーディネーターとして3回の古紙リサイクル研究会を開き、自治体関係 者、市民団体、古紙回収事業者、古紙業界誌関係者などが集まって現状などを話 し合いました。 ・ごみ有料化に関するシンポジウム…2006 年2月8日(木)に大阪、2月 22 日(木) に東京で開催し、それぞれ約 100 人の参加者がありました。 ②2007 年度 ・ごみ有料化に関する都道府県調査…昨年度の市町村調査で回答のなかった自治体の 有料化に関する現状について、都道府県の集約しているデータを提供してもらう ことにより全自治体の現状を把握するとともに、都道府県の有料化問題に関する 考え方や市町村への支援のあり方などについて考えを聞いています。 ・大阪における古紙リサイクル促進のための実践…昨年度の古紙リサイクル研究会を 踏まえて、今年度は3か所で古紙回収の実験を行っています。 特定非営利活動法人 環境市民 www.kankyoshimin.org/ 日本における持続可能で豊かな地域社会を築く 具体的戦略の調査・研究・提案 ■団体の概要 環境市民は環境保全活動に総合的に取り組む環境 NGO で す。個人の生活スタイル及び社会経済のシステムを変える ことを目指しています。活動の柱は、「エコシティー を創 る」、「経済をグリーンにする」、「豊かなライフスタイルを 創造する」、 「エコロジーな次世代を育成する」、 「世界の人々 や NGO と協働する」、の五つ。複数のプロジェクトを専従 スタッフとボランティアスタッフが協働で動かしています。 また、自治体、企業とのパートナーシップ活動にも積極的 に取り組み実績を上げています。会員数は約 730 人。大津市、 名古屋市にも地域組織があります。どなたでも活動に参加 できます。 ■本活動の背景・必要性 ジョンと、具体的な自治体環境戦略モデルの提案」作成 NGO 及び NGO と協力関係のある専門家による共同調査 研究チームを立ち上げ、持続可能で豊かな地域社会の普 遍的、総合的ビジョンとそこに至る具体的戦略をまとめ、 自治体、NGO をはじめ広く社会に発表、提案する(2011 年度予定)。 京都議定書第一約束期間(2008 年∼ 2012 年)も眼の 前に迫り、国内においても、温暖化を防止し、持続可能 で豊かな社会を形成することは最重要かつ緊急の課題と なっています。我が国においても国家的な目標をたてて 施策をすすめているものの、個人、個々の事業者の努力 を中心とした行動だけでは限界があり、社会経済システ (2) 「持続可能な地域社会づくり、モデル自治体共同調査研究プロジェクト」 ムの変革に向けた具体的なビジョンや効果的な環境政策 「持続可能な地域社会」への具体的なビジョン、手法、 を打ち出せない状況にあります。一方で、自治体の中には、 道筋を明らかにするため、岐阜県多治見市と協働で行う 5 先例に縛られない勇気ある先駆的試みを通し、足下から 年計画のプロジェクト(04 ∼ 08 年度)。実効性の高い提 の地球環境保護に貢献しているところもに増えてきてい 言にするよう、今年度から市民を交えた提言作成会議を月 ます。 1 回ペースで開催中。08 年度末には最終提言を発表する。 持続可能で豊かな地域社会を創るためには、市民参画と 各主体の対等なパートナーシップのもと、環境保全とと (3)第 7 回「日本の環境首都コンテスト」 もに地域経済の活性化、社会的公正の実現をもカバーす 全国 12 の環境 NGO で構成される環境首都コンテスト る総合的な取り組みが不可欠であり、それらを実現する 全国ネットワーク主催で実施中。本コンテストは 2001 年 ための社会システムを国内に広く波及させていくことが に始まり、約 80 の自治体が参加しています。本コンテス 必須の課題です。 トを継続・発展的に実施することイより社会的なインパク 国内において、このような考え方は広く受け入れられる トも現れている他、各種メディアにも取り上げられ、社会 ようになってきてはいますが、まだその具体化は個々の 的認知も広がっています。 事例にとどまっている場合が多く、普遍的な先進的・先 (4)日本の環境首都コンテスト地域交流会 駆的モデルとなるような取り組みと、その普及およびそ 本助成活動の成果を、広く市民、自治体間で共有する れらを可能にする仕組みづくりはこれからさらに加速化 とともに、環境 NGO と自治体及び自治体間の交流促進 させる必要があります。 を目的とし、全国 5 か所(近畿、中部、九州、関東、中国・ このような要請に応えるためには、継続的なネットワー 四国)で開催しました。 ク強化と自治体との協働に取り組みながら、諸活動を総 合的かつ継続的に実施するとともに活動のステップアッ (5)環境首都をめざす自治体全国フォーラム in 宇部 プを図ることが求められているとともに、これらの成果 環境首都コンテストにも環境首都コンテストにも参加す をとりまとめ、「日本における持続可能で豊かな地域社会 る山口県宇部市と共催で 11 月 12 ∼ 13 日に開催。初日の の総合的ビジョンと、具体的な自治体環境戦略モデルの テーマは『環境首都をめざして 脱温暖化の地域づくり 』。 提案」として社会に提案することは、日本が地球温暖化 脱温暖化に必要なエネルギー政策、交通政策、総合的な環 を防止し、持続可能な社会を築くことに大きな貢献を果 境政策推進・住民参画などについて議論されました。全国 たすとともに、日本の環境 NGO 活動全般の質的飛躍を から8人の首長の他、ネットワークメンバー、行政職員合 わせて総勢 100 人が参加しました。二日目は「中国・四国・ 図ることにもつながると考えます。 九州地域交流会」として、300 人参加の中、自治体の先進 ■活動の概要と進捗状況 的な取り組み事例の紹介及び意見交換意見交換が行われま (1)「日本における持続可能で豊かな地域社会の総合的ビ した。 〒 604-0932 京都市中京区寺町通二条下る呉波ビル 3 階 A TEL:075-211-3521 FAX:075-211-3531 【連絡先】 e-mail:[email protected] ■ コンテストの自治体環境施策への効果 環境首都実現まで近づく ! 本コンテストの質問は、自治体の施策、制度の有 ����������� ��� 無だけでなく、その内容と効果の重視、市民参画や ��� パートナーシップによる施策推進等の要素の組み込 �������� み等、年々進化・深化させています。そのため点数 ��� ��� 獲得は年々と難しくなってきているにも関わらず、 ��� ��� ��� 日本の環境首都の実現へ確実に近づいています。 ��� 総合 10 位までの平均点がこの 3 回で、459 点、 ��� ��� ������ 505 点、そして今回の 578 点へと大きく上昇しま ��� ��� ��� した。また、全自治体の平均点も 245 点、273 そ ��� ��� ��� ��� ��� して 294 点へと上昇しました。 また、総合第 1 位を獲得した北九州市では、総得 ��� ��� 点 767 点を獲得しています。そして、すべての分野 で 60% 以上獲得し、「I 自然環境の保全と回復」で � ��� ��� ��� ��� ��� ��� 点数の 9 割以上を獲得しました。また総合第 2 位の 水俣市も総得点 695 点を獲得するとともに「B 環境マネジメントシステム」 「I 自然環境の保全と回復」 「O 環境に配慮した産業の推進」の 3 分野で点数の 9 割以上を獲得しました。この 2 自治体は上述の「環境 首都の条件」へかなり近づいて来ていると言えます。 自治体の目標となり、施策展開に大きな役割を果たし始めたコンテスト これまで 6 回の実施を経て、自治体環境政策に具体的影響がはっきりと現れてきています。「市民とと もに育む環境首都・安城」を総合計画のビジョンとして掲げる安城市は、環境のまちづくり専任の助役 (2007 年度より副市長)を置き、助役発案のユニークな取り組みも多数実行されています。 飯田市では、市長が環境首都をめざすことを明言され「挑戦 ! 環境首都への道」というセミナーを 3 回 にわたって新城市長、安城市助役、多治見市長を招いて開催しました。 他にも水俣市、新城市、安城市、宇部市、多治見市等の市長が環境首都をとると公言され、市全体とし て環境首都をめざして取り組まれています。中でも新城市、安城市はコンテストの結果を踏まえ庁内研究 会、勉強会を開催し、環境首都獲得に向けて戦略的に取り組んでいます。 また、京都府福知山市では環境基本計画実行の指標として、本コンテストの 10 位以内に入ることを規定。 東京都板橋区は本コンテストの膨大な回答書類を区長がすべてチェックするなど、環境首都を地域社会 の目標として、またコンテストを自治体評価の有効な道具として用いるようになってきています。さらに 多くの自治体が、本コンテストの結果を分析し、取り組みの弱かった施策を見直したり、相互訪問したり、 先進事例集を参考により優れた施策を組み立てられています。 参加率上昇 復活参加される自治体、 新規参加される自治体 参加自治体数とその総自治体に占める割合の推移 ����� ��������� 140 今回の参加自治体数は 74 で、参加率としては 120 4.02% となりました。自治体合併により前回よりさ 100 らに国内の総市町村数が減少したことがこの要因で すが、このような状況下でも昨年の参加数を維持で 80 きたことは、一定評価してもよいと考えます。一時 参加を見合されていた七つの自治体が復活参加され 60 るようになりました。その中には合併後に復活され 40 た自治体もあります。また、新規にされた自治体も 13 を数えます。現在の参加率に安住することなく、 20 さらに参加自治体数を増やしていきたいと考えてい 0 ます。 4.5 ��� 4.02 115 93 3.5 3.45 3.57 3 83 2.88 2.61 4 2.54 75 75 74 ������ 2.5 2 1.5 1 0.5 0 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 1 団体名 特定非営利活動法人気候ネットワーク 2 連絡先 〒604-8124 京都市中京区高倉通四条上ル 高倉ビル 305 電話:075-254-1011 FAX:075-254-1012 電子メールアドレス:kyoto@[email protected] 3 活動名 国内の温暖化対策レビューと地域の対策促進 4 活動の概要 ●背景と目的 気候ネットワークは、1998 年 4 月に設立されたネットワーク組織で、地球温暖化防止を目的 として、国際交渉への参加、調査・研究、政策提言、セミナー・シンポジウムの開催、環境教 育、地域の実践活動、キャンペーン等を行っている。 今年は、京都議定書の第 1 約束期間開始を目前に控え「京都議定書目標達成計画」の見直しが 行われている。これまでの温室効果ガス排出状況の増加を省みると、対策の抜本的な強化が必 要とされている。気候ネットワークは、実効性の高い目標達成計画を目指して、包括的に対策 の現状と課題・展望について検討し提言をまとめる。また地球温暖化対策の内容をより多くの 市民に理解してもらうために、パンフレットの作成、情報提供、地域会議等を行い、温暖化対 策の促進と京都議定書の目標の達成に貢献することを目的とする。 ●内容 具体的な活動の内容は次のとおり 1 専門家・研究者等の協力を得て、国内対策について多角的に分析と評価を行う。 2 温暖化問題に関係する専門家・政策関係者・活動の担い手等と意見交換を行う。 3 学習会、セミナー・シンポジウムを開催し専門的な議論を行い、より望ましい政策と推 進方法を検討する。 4 京都議定書目標達成計画を中心とする国内対策の概要・重要点等について市民の立場か らとりまとめ、冊子を作成する。 5 国内対策および地域の対策に関して、幅広く情報提供を行うと同時に地域で政策・仕組 みと活動を結びつける会議を開催する。 ●成果と効果 今年度前半は、京都議定書目標達成計画の評価や課題の整理、効果的な政策・措置について 検討した。2 度のシンポジウムと連続学習会を開催し、他セクターとの意見交換や市民との対話 を行った。11 月末に全国的なシンポジウムを開催し、最新の情報の共有をするとともにテーマ 毎の議論を深めた。 その後は、政府の京都議定書目標達成計画の見直しにあわせて、提案をまとめ、その内容を 幅広く共有し、実際の温暖化防止の政策や活動につなげるための議論を進める予定である。ほ ぼ予定通りの活動を行うことができ、専門的な検討と議論ができた。 3 年計画で、国内の対策強化と地域の活動促進、そして、それらをむすびつける事業を行って きたことで、市民の政策提言、地域の対策促進の成果が徐々に現れてきていると考える。しか し京都議定書の目標達成には大きな課題もあるが、今後も粘り強く、一連の活動を続けて行く 予定である。 特定非営利活動法人 地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA) 大阪市中央区内本町 2-1-19-470 メール:[email protected] 電話:06-6910-6301 FAX:06-6910-6302 ホームページ:http://www.bnet.jp/casa/index1.htm 活動:2008 年日本G8に向けた地球温暖化問題の世論喚起 概要 ① 背景と目的 現在、京都議定書の第一約束期間終了後の 2013 年以降の国際目標制定のための政府間交渉が 始められている。今年 6 月のドイツのハイリゲンダム G8 サミットでは、2050 年までに地球規模 での温室効果ガスの排出を少なくとも半減させるということに EU、カナダ、及び日本が合意し、 この提案を真剣に検討することとなった。また、気候変動の緊急な課題に取り組むためには、主 要排出国が 2008 年末までに、次の削減目標などの新たな地球規模の枠組みについて合意するこ と、2009 年までには気候変動枠組条約の下において、世界各国がそれに合意することが必須であ る、ということが確認された。2008 年の日本主催による G8 は、次期目標交渉の重要な時期に開 かれ、国連交渉の合意形成に重要な役割を果たすことになる。本事業ではハイリゲンダム G8 サ ミットの成果とその後の動きを国内に伝えるとともに、IPCC 第四次報告書の科学的知見の普及を 通じ、日本国内での世論喚起と各国首脳の温暖化問題へのコミットメントを高めることを目的と する。 ② 概要 ・G8・ハイリゲンダムサミットへの参加 ・G8 で議論される温暖化交渉の経緯や進捗、今後の展望などについて、市民に知らせる学習会 (東京・関西・北海道)の開催 ・地球温暖化問題の国際交渉のこれまでの経過、論点、各国政府の主張や現在までの到達点などの ファクトシートを作成と普及、インターネットを通じた広報の実施 ・2008 年初頭に東京で G20諸国の NGO を招いたシンポジウムを開催 ③ 結果と効果 温暖化の影響の最新情報を提供し世論を盛り上げることを通じ、G8政府首脳の温暖化問題と 対策への世論支持の認識を強める。また G20に参加する主要途上国首脳に日本が対策を率先す る事への一般市民の強い支持を知ってもらい、国連の政府間交渉の早期合意に向け国際的な市民 のモメンタムを強めることになる。