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28P-pm106 - 日本薬学会第131年会
28P-pm106 注射薬剤の配合変化 第 2 報 ◯武田 立守 1 , 重岡 強 1 , 田口 千穂 1 , 前田 陽子 1 , 野間 寿子 1 , 中島 賢治 1 , 2 1 日下 穣 1 , 荒木 陸文 1 , 佐藤 誠 1,2 , 梅田 直樹 2 , 西山 要( ニプロファーマ, 2 ニプロ医薬品研) 【目的】 日本薬学会第 125 年会において Glycyrrhizin 注射液 (Glycyrrhizin、Cysteine、 Glycine) と複合ビタミン注射剤(Thiamine Disulfide Phosphate、VB6、VB12) の配合試験 を行った際、混液中の Thiamine と Cysteine が短時間のうちに消失する事実を認 め、いくつかの化学変化の可能性を示したが確定には至らなかった。 今回、生 成された新たな化合物の構造解明を行い、その化合物の意義について若干の考 察をした。 【方法】サンプル溶液は、複合活性型ビタミン剤1バイアルに、Glycyrrhizin 注射液 (ヒシファー ゲン C 注)1A を加えた混合液を 0.1%ギ酸水にて 500 倍に希釈し LC-MS 注入試料 とした。また、配合前試料として、複合ビタミン剤1バイアルに 0.1%ギ酸水 20mL を加 えた溶解液及び Glycyrrhizin 注射液 1A には 0.1%ギ酸水にて 500 倍希釈した液に ついてそれぞれ 5ȝL を LC-MS 注入試料とした。 上記注射薬の混合液を UPLC 逆相モードで 0.1%ギ酸水とアセトニトリル液のグラジエント法で分離、目的成分の Cysteine、 Thiamine Disulfide Phosphate、Thiamine、New Product をエレクトロスプレーイオン化 (ESI) して正イオンとし、TOF-MS に導入、配合直後から 30 分毎に 90 分まで測定した。 分離カラム:Acquity UPLC (Waters)、MassLynxTM HSS T3 1.8ȝm (2.1×50mm) LC 装置:Acquity UPLC (Waters)、MassLynxTM 4.1 ソフトウエアー MS 装置:LCT PremierTM XE 【結果及び考察】2 種の注射薬剤の配合後生成した化合物は、想定した Cysteine と Thiamine Disulfide Phosphate 結合物であり、LC-MS による実測結果と完全な一 致が認められた。この生成化合物は、不安定な Cysteine の安定化に寄与すること が考えられることから Cysteine が含まれるアミノ酸輸液などに使われてきた酸化防 止剤の亜硫酸塩などが不要となる可能性が示唆された。