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ACQUITY UPLC H-Class の
ACQUITY UPLC H-Class の Auto・Blend テクノロジーを用いた トコフェロールの順相分析 目的 ビタミン E サプリメントに含まれているトコフェ ロール4 種を順相UPLC®によって分析しました。 ビタミンEサプリメント中のトコフェロール 順相UPLC分析はわずか1分未満で良好な再現性が得ら れます。 なり、メチル化度が高いほど、ビタミン活性も高 0.60 値を示します。天然のビタミンEから作られたサプ れるのに対して、合成サプリメントには一般にα トコフェロール(最も活性の高い型)のみが含ま AU リメントにはこのトコフェロール4 種の分布がみら δトコフェロール り、それぞれクロマノール環でのメチル化度が異 γトコフェロール αトコフェロール ビタミン E 活性を示すトコフェロールには 4 種あ βトコフェロール 背景 0.30 れています。一般にビタミン Eサプリメントの分析 は、逆相または順相クロマトグラフィーによって 行なわれていますが、ビタミン Eは脂溶性ビタミン であるため、抽出は非極性溶媒を用いて行わな ければなりません。このため、逆相クロマトグラ フィーで分析するには、試料調製時に抽出溶媒を 移動相に用いる溶媒と親和性のあるものに置換 する必要がある求められる場合があります。この 点、順相クロマトグラフィーであれば、この抽出溶 媒の置換操作を省くことができます。通常、トコ フェロールの分析に要する時間は、ベースライン での成分4 種すべてを分離するためには、10 ∼30 分が必要とされます。天然ビタミン Eサプリメント や原料の多数のロットを検査している QC 試験室 では、このような長い分析時間が行程の障害とな る可能性があります。今回ご紹介する、順相クロ マトグラフィーアプリケーションでは、分析時間 の短縮によりQC にかかわる時間が大幅に短縮で き、最終的には製造スケジュール自体の時間短縮 につながります。 0.00 0.00 0.20 0.40 分 0.60 0.80 図 1. ACQUITY UPLC BEH HILIC カラムおよび ACQUITY UPLC H-Class システムを使用した、順相 UPLC によるトコフェロール標準試料 4 種の分析例 1.00 結果 トコフェロール 保持時間 相対標準偏差(%) 図1に示すように、ACQUITY UPLC®H-Classシステムでは、 ピーク面積 相対標準偏差(%) α 0.14 0.19 ビタミンE 活性トコフェロール 4 種の順相クロマトグラ β 0.13 0.19 フィー分析を1分未満で達成しました。このアプリケー γ 0.13 0.17 ションのために、オプションの T HF/ ヘキサンキット (P/N δ 0.09 0.23 205000661)をH-Class本体に取り付けました。ACQUITY 表 1. トコフェロール標準試料 4 種の 6 回繰り返し注入における、保持時間およびピーク面積 UPLCクォータナリソルベントマネージャ ( QSM)のAuto・ の再現性 Blend™機能を使用することで、アイソクラティック移動 1.00 AU ける二次的な表面相互作用を減少させるために添加) を添加したエチルアセテートを用いました。分離は、 0.50 ACQUITY UPLC BEH HILICカラムを使用しました。一般に、 シリカをベースとした順相カラムでは、表面汚染およ δトコフェロール た。溶媒 Aはn- ヘキサン、溶媒 Bは1% 酢酸(カラムにお γトコフェロール 1.50 βトコフェロール に毎回移動相を手動で調製する必要がなくなりまし αトコフェロール 相をオンラインで混合することが可能になり、分析前 0.00 1.00 AU 保持時間およびピーク面積について表1に示すように 再現性の高い結果が得られました。また、天然、および 0.50 天然/合成配合のビタミンEサプリメント2種の分析結果 を図2に示します。サプリメントは100%ヘキサンで溶解 δトコフェロール てん剤にBEHを用いたこの順相UPLC分析の結果から、 γトコフェロール 1.50 βトコフェロール 能力の再現性確保は困難とされています。しかし、充 αトコフェロール び二次的な相互作用のため、逆相カラムのような保持 0.00 し、ACQUITY UPLC H-Classシステムに直接注入を行ない 0.00 ました。 トコフェロール4種は1分以内に分析が終了し、 0.20 0.40 分 0.60 0.80 1.00 図 2. ビタミン E サプリメント 2 種の分析 各成分の定量値からビタミンE 総量を求めることがで きます。 まとめ 目的のアプリケーションに最適なクロマトグラフィー分離モードを選択すること で、最短の分析時間で最良結果が得られます。順相クロマトグラフィーによるビタ ミン E 活性トコフェロールの分析は、迅速で再現性のある方法です。特に試料調製 時間を計算に入れた場合、分析時間が逆相クロマトグラフィーよりも大幅に短縮さ れます。ACQUITY UPLC H-Classシステムは、この順相アプリケーションに非常に適し ており、Auto・Blendテクノロジーによって、移動相調製時間が短縮し、良好な再現 性が得られます。 ©2012 Waters Corporation. Produced in Japan. 2012 年 4 月 720003690 JA PDF