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高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画

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高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画
高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画
~公立病院経営改革プラン~
(計画期間
平成26年度~平成30年度)
高岡市民病院憲章
基本理念
生命の尊重と人間愛を基本に、
心がかよいあう医療を提供します。
基 本 方 針
1
患者さん中心の安全・安心・納得の医療を提供します。
2
快適な療養環境で、高度かつ専門的な医療の提供に努めます。
3
職員の質向上のため、研修、教育、臨床研究を推進します。
4
地域医療機関と連携し、地域完結型医療を目指します。
5
良質な医療を提供するため、健全経営を目指します。
平成26年4月
高岡市民病院第Ⅳ期中期経営計画
平成26年4月
高岡市民病院
資
・
計画骨子
・
評価指標
・
収支計画
・
高岡市一般会計の繰入基準
・
計画策定までの審議経過
・
高岡市民病院経営懇話会
料
は
じ
め
に
1 高岡市民病院の経営改革の取組み
(1) 沿革
本院は、昭和 26 年 10 月に内科、外科の 2 診療科で「健康保険高岡市民病院」として開設し、
昭和 40 年 3 月に「高岡市民病院」と改称、翌 41 年 10 月に旧病院本館(10 診療科)が完成した。
その後、平成 2 年 8 月に庁内に高岡市民病院改築計画検討委員会が設置され、改築に向けて
の検討が始まった。平成 11 年 4 月には病棟・中央診療棟が完成、続いて翌 12 年 4 月には外来
診療棟が完成し、全面改築した。21 診療科、病床数 476 床を有する富山県西部地域における中
核的基幹病院として現在に至っている。
(2) 経営状況
本院の経営収支の状況は、平成 9 年度以降赤字決算となっており、近年は改築に伴う建物や
高度医療機器購入に伴い、その企業債償還金や減価償却費の増加が収支を圧迫している。また、
平成 26 年度からは、一般企業や独立行政法人との比較が容易となる新公営企業会計制度への移
行が義務づけられている。具体的には、今まで以上に、経営実態を的確に表す財務諸表に変更さ
れることから、より精度の高い経営計画や経営戦略が必要となる。
本院では、これまで経営改善の取り組みとして、平成 14 年 11 月に全国自治体病院協議会に
よる経営診断を受診、翌 15 年には、事業期間を平成 15 年度から平成 17 年度とした高岡市民病
院「第Ⅰ期中期経営計画」を策定、続いて事業期間を総務省による集中改革プランの策定に合わ
せ、平成 18 年度から平成 20 年度までを事業期間とする「第Ⅱ期中期経営計画」
、平成 21 年度
から平成 25 年度までを事業期間とする「第Ⅲ期中期経営計画」を策定し、健全経営に努めてき
たところである。
(3) 公立病院改革が求められる状況
これまで度重なる診療報酬のマイナス改定等の影響により、自治体病院を取り巻く経営環境は
厳しい状況が続いていたが、平成 22 年度に行われた診療報酬改定は、10 年ぶりのプラス改定とな
り、中核病院が行っている高度な救急、産科、小児科、外科医療への評価に重点を置いたものとな
った。続く、平成 24 年度に行われた診療報酬改定は、国の社会保障と税の一体改革を受けて、
2025 年(H37 年)を見据え入院医療の機能分化と地域連携の推進を目指したものであった。改定
率はわずかながらプラス改定となったことから、多くの自治体病院では、医業収益が増収とはなっ
たものの、医師不足や看護師不足などの課題に直面している状況は依然として続いている。
全国 883(H23 年度)の自治体病院を取り巻く経営状況は、平成 23 年度の決算では、経常損
失を計上した病院が 45.4%と前年度比較で 15.6 ポイント減少しており、診療報酬改定の影響が
大きいことが窺える。
このような中、本院としては、経営の改善から安定を目指し、本院が求められている複雑・多
様な医療需要を的確に見極め、良質で安全・安心な医療提供に努め、高岡医療圏における地域に
根差した中核的基幹病院の役割を果たしていく必要がある。
2 策定にあたっての取組み
本院が、高岡市はもとより高岡医療圏において真に必要な医療機関として果たすべき役割を明確
にするとともに、医師等の人材確保等にも積極的に取り組み、安定した経営の下、良質で高度な医
療を継続的に提供するため、外部識者で構成する「高岡市民病院経営懇話会」の意見・提案を得な
がら、その具体策について定めるものである。
-1-
目
次
第Ⅰ 基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1 基本的な考え方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2 計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3
推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
4 推進状況の公表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
第Ⅱ 事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
1
医療の質の向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1-1 安全・安心・納得の医療提供
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
(1)医療情報提供、医療相談体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)信頼される病院づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)医療スタッフの確保・資質向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4
5
1-2 地域に根差した医療の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
6
6
7
7
7
7
1-3 急性期・高度医療の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(1)急性期救急医療の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)地域がん診療連携拠点病院としての機能強化 ・・・・・・・・・・・・・・・
(3)5疾病への対策強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)感染症等に関する取組みの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)病床再編に向けた取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
経営の安定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)経営の安定に向けた職員の意識醸成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)医業収益の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)適正な職員配置と人的資源の活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)病院施設の改修・医療機器の更新・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)修繕計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(6)医療材料の効率的運用と費用の削減・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(7)情報化の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(8)一般会計繰入金の適正化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
9
10
11
11
12
12
12
13
13
13
13
14
14
2
(1)紹介、逆紹介の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)病病・病診連携の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)地域連携クリニカルパスの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)地域支援機能の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)専門外来の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(6)予防医療の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第Ⅲ 再編・ネットワーク化への取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
第Ⅳ 経営形態の見直し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
資料
・ 計画骨子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
・ 評価指標
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
・ 収支計画
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
・ 高岡市一般会計の繰入基準
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
・ 計画策定までの審議経過
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
・ 高岡市民病院経営懇話会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
第Ⅰ
基本方針
1 基本的な考え方
本院は、高岡医療圏における中核的病院として、また公立病院として、医学の進歩に伴う医療の高度化、
市民ニーズの多様化に適切に対応するため、質が高く、かつ患者満足度の高い医療サービスを提供して
いくことを使命としている。
国においては、社会保障・税一体改革を推進する中で、2025 年に向けた医療・介護機能再編の将来
像として、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関相互、医療と介護の間の連
携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築するとしている。具体
的には、医療法等の改正や平成 26 年度以降の診療報酬改定による急性期病床の削減、他機能への
転換を中心とした病床再編や、医療機関の機能分化・強化と地域連携の強化が挙げられている。こ
のようなことから、今後、急性期機能をさらに特化するのか、あるいは、急性期・亜急性期・回復
期等複合的な機能を有するのか等、病院として目指すべき将来像を明確する必要がある。
こうしたことも踏まえ、本院は、高岡医療圏において救急医療、がん治療などの高度医療を担う
急性期病院としての機能強化に努めるとともに、少子高齢化に伴う地域医療の状況を的確にとらえ、
よりニーズの高い病床機能を有し、医療サービスの提供を図ることで、質の高い医療を実践してい
く。また、自治体病院として、民間医療機関では限界のある政策的医療に引き続き取り組んでいく。
さらに、地域完結型医療の推進に向け、地域医療機関や介護施設等との情報通信技術の利用促進
等による連携を含めたチーム医療を推進することにより、地域に根差した安心・信頼できる病院を
目指すことが、本院の将来に向けたあるべき姿と考えている。
2 事業計画期間
平成 26 年度から平成 30 年度までの5か年とする。
3 推進体制
(1) 高岡市民病院経営懇話会
市民、民間、そして医療に携わる専門職としてのそれぞれの立場から、経営状況等について病院
側からの報告を受け、高岡市民病院の経営のあり方について、意見・助言する組織
(2) 高岡市行財政改革市民懇話会
市民、民間の立場から、高岡市の行財政改革に関する実施状況について報告を受け、意見・助言
を行う組織
(3) 高岡市民病院経営企画推進委員会
病院長を委員長とし、各部署の幹部職員で構成され、病院の果たす役割、目指す方向性とそのた
めの具体策について協議・検討し、院内の最高決定機関の管理会議に具申・提案する組織
(4) 高岡市民病院経営管理室
本院の事務局総務課・医事課の職員で構成され、経営情報及び診療情報等の一元化管理を図る
とともに、健全な病院運営に資するために必要な業務を行う部署
(5) 高岡市民病院経営ワーキンググループ
副院長をグループ長とし、看護部、地域医療部、事務局職員で構成され、診療報酬加算取得に向
けた体制整備等、医療の質の向上、経営改善にかかる事項についての実現化を目指し、協議する
組織
-1-
4 推進状況の公表
本院の経営効率化への取組状況(進捗状況)については、「高岡市民病院経営懇話会」や「高岡市
行財政改革市民懇話会」への報告を経て、市や病院の広報紙及びホームページ等で、より広く市民
に公表する。
5 その他
計画については、国・県の施策や診療報酬改定、医療の取り巻く状況等に変化があった場合には、 必
要に応じて見直しを図るものとする。
-2-
第Ⅱ
事業計画
1 医療の質の向上
1-1安全・安心・納得の医療提供
(1)医療情報提供、医療相談体制の充実
①EBM の実践・推進
※1
・ 患者に対する診断・治療については、EBMを実践、推進することで、最新の医療情報を提
供することに努め、患者のための効果的で質の高い医療の推進に努める。
②インフォームドコンセントの徹底・充実と心のこもった接遇による対応
・ “生命の尊重と人間愛”を基本理念に、患者の皆さんと協同して最良の医療を提供できるよ
※2
う「患者の皆様の権利を尊重します」に基づき、インフォームドコンセントの徹底・充実を図
るとともに、心のこもった接遇により、患者さんが安心、納得して治療を受けられるように努
める。
③広報機能の充実による診療情報提供
・ 市民病院の取組みを紹介するため、広報機能の充実・強化を図る。中でも、がんをはじめとし
た各疾患について、がん登録の充実等により、提供された医療による成果に関する情報や、症
例数・手術件数等、診療情報をホームページに掲載し、市民や患者へ情報を提供していく。
④総合診療外来の設置
・ 高齢化に伴う複雑かつ多岐にわたる疾病に対応するため、総合的視点から患者に応じた診療
を行うことを目的として、総合診療外来を設置して診療を行い、必要に応じて専門診療科に受
診してもらう体制とする。
⑤患者サポート体制の充実
※3
・
※4
セカンドオピニオン外来、がん相談支援センターをはじめとした患者相談の窓口について、
市民ニーズに呼応し、今後も充実・強化に努める。また、平成 25 年4月に設置した看護専門外
※5
※6
来では、認定看護師や特定の分野に精通した看護師が患者・家族の治療や不安に対する相談、
ケアを行っている。この看護専門外来のさらなる強化を図るとともに、認定看護師などの、よ
り専門的な看護体制の充実や、在宅等院外における指導についても行っていく。
※1 EBM(Evidence-Based Medicine
根拠に基づく医療)
医師が患者の臨床上の疑問点に関して、関連文献などを検索し、それらを検討したうえで診断・治療方法などを患者に
適用することの妥当性を評価し、さらには、患者の持つ価値観や意向を考慮して臨床診断を下し行う医療をいう。
※2 インフォームドコンセント(informed consent 説明と同意)
医療の提供にあたり、医師から疾病の状況やその治療法等について十分な説明を受けた上で、患者が正しく理解
し、納得して同意することをいう。
※3 セカンドオピニオン(second opinion)
今かかっている病気やその治療法について理解を深め十分に納得するため、他の病院の専門医の意見を聞いて参
考にすることをいう。
※4 がん相談支援センター
がん患者の抱える問題は身体的問題のみならず、精神心理的問題や社会経済的問題など幅広いため、専門の相談
員が、患者に対して治療情報の提供や心理社会的支援などを行う
-3-
(2)信頼される病院づくり
①病院機能評価の受審
※7
・ 平成 25 年度に病院機能評価(Ver1.0)の認定更新を終え、平成 30 年度の認定更新に向け医
療サービスの充実・強化に努め、医療の信頼性確保に努める。
②医療安全体制の維持・強化
・ 医療安全については、医療安全委員会、医療安全管理室を核として「医療事故防止マニュア
ル」に基づく医療安全の徹底とマニュアルの定期的かつ適時・的確な見直しにより安全・安心
な医療の提供に努め医療安全活動を推進する。
・ 病院内・外を問わず、医療安全に関する情報を収集・分析し、事故防止に向けた活動を積極的に行う。
③医療関連感染制御の取組み推進
・ 医療関連感染制御に関しては、感染対策部会、感染防止対策チーム等の体制を核として、
「感
染防止対策マニュアル」に基づく感染防止の徹底とマニュアルの定期的かつ適時・的確な見直
しを行うとともに、定期的な院内ラウンドや職員への感染管理教育の実施を行う。また、病院
の内外を問わず医療関連感染に関する情報を収集・分析し、感染防止に向けた活動を積極的に
行う。
④個人情報の保護
・ 質の高い医療を提供するため、患者の様々な個人情報を保有していることから、
「高岡市個人
情報保護条例」の規範を遵守するとともに、高岡市民病院個人情報保護方針に則り個人情報の
漏えい、滅失、棄損又は不正なアクセスなどを防止するための安全管理の強化を図る。とりわ
※8
け、
「病院情報システム」については、セキュリティー対策に万全を期すとともに、システムの
運用管理規定遵守の徹底を図る。
・ 個人情報の取扱いに関する教育については、病院職員全員を対象とした教育の実施はもとよ
り、病院で働く非常勤職員や委託職員を対象とした教育についても推進する。
⑤利便性の向上
・ みなさまの声や医療サービス向上委員会によるアンケート等を通して寄せられる意見をもと
に、利便性向上につながる取組みを積極的に行う。
・ 職員の接遇などサービス水準の向上や来院者に分かりやすい各種の案内の掲示はもとより、
院内ボランティアの活動しやすい環境づくりや年々増加する外国人に対応するための通訳の確
保、外国人用パンフレット等の作成を行う。
※5 看護専門外来
本院が平成 25 年4月に設置。患者や家族が安心して療養生活が送れるよう、認定看護師や助産師が医師をはじ
めとした、さまざまな医療スタッフと連携し、専門の知識と技術を用いて支援していく。
※6 認定看護師
日本看護協会の認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する
ことが認められた者で、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としている。
※7 病院機能評価
病院が、医療環境の変化、地域や患者さんのニーズに適切に応え、良質な医療サービスの向上を図ることを目的
に、全国の希望する医療機関を対象に(公財)日本医療機能評価機構が審査し、評価を行う制度。
※8 病院情報システム(電子カルテシステム)
診療に関わる内容を電子媒体化し、診療情報に関するデータを管理するシステムの総称。検索性に優れ、診療情
報の共有化ができ、統計化や分析が行いやすい。またカルテ管理の省力化が図れるなどの利点がある。
-4-
(3)医療スタッフの確保・資質向上
①医師の確保
・ 特色ある病院を目指すためには、より専門性の高い医師の確保が重要であることから、様々
な機会をとらえ、病院長をはじめとする病院幹部職員が大学医局との連携の強化に努めるとと
もに、医師の学会参加など資質向上支援や、働きやすい環境づくりの充実・強化を図る。
②臨床研修医の確保
・ 臨床研修医の確保のため、研修先として魅力ある病院づくりに努めるとともに、ホームペー
ジの充実や、首都圏等で行うレジナビ、医科大学説明会等に積極的に参加し、本院の広報に努め
る。また、臨床研修医育成事業の強化に努め、研修医の本院定着を図っていく。
③医師の負担軽減による診療充実
・医師の電子カルテへの膨大な入力や書類の作成等、診療以外の業務負担を軽減し、充実した診
療に力を注げるよう、チーム医療の一環として看護師、薬剤師等の他職種と医師との業務分担
※9
を推進するとともに、医師事務作業補助者の増員、能力向上を図る。
④看護師・医療技術者の確保
・ 症状が急変しやすい患者に対する急性期医療の強化のため、患者 7 人に対して看護師 1 人を
配置する一般病棟入院基本料「7 対1」を維持しながら、入院患者の動向や効率的な看護師配置
等、看護師確保に努めるとともに、産休・育休者の代替要員の確保を図っていく。
※10
また、各種指定病院として必須な職種・資格(NST、感染管理等)の取得・維持や急性期
病院としての本院の方向性に合致した看護師や医療技術者の人員確保や増員等を行ってい
く。
看護専門学校については、市内看護専門学校統合の動きを踏まえながら、今後とも引き続
き必要な講師の派遣を行い、県西部の看護師養成に貢献していく。
⑤職員の資質向上・キャリアアップ支援
・ 良質で高度な医療の提供に資する職員の資質向上・キャリアアップのため、医師、看護師及
びその他医療技術職員の学会・研究会等への参加や資格取得のための支援を行う。また、本市
の姉妹都市である米国フォートウェン市パークビュー病院との医療交流により、職員の資質向
上を図る。がん診療をはじめ専門的医療の提供のため、
「北陸がんプロフェッショナル養成プロ
※11
グラム」への積極的な参加による資質向上や、がん治療認定医、認定看護師などのより専門性
の高い資格取得のための支援を行う。
※9 医師事務作業補助者
平成 20 年度診療報酬改定で、病院勤務医の負担軽減を図るため、地域の急性期医療を担う病院において、医師
の事務作業を補助する職員を配置している場合の評価を新設した。
※10
NST(栄養サポートチーム)
栄養サポートを実施する多職種によるチーム。栄養サポートとは、基本的医療のひとつである栄養管理を、症例
個々や各疾患治療に応じて適切に実施すること。
※11 北陸がんプロフェッショナル養成プログラム
「がんプロフェッショナル養成プログラム」は、文部科学省が「がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持
つがん専門医師及びがんに携わるコメディカル等、がんに特化した医療人の養成を行うため」の大学の優れた取組
みを支援する目的で創設されたもので、「北陸がんプロフェッショナル養成プログラム」には、福井大学、金沢大
学、富山大学が参加している。
-5-
1-2 地域に根差した医療の充実
※12
国では、2025年に向けて、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担や、医療機関相互や、医
療と介護の間の連携強化を通じて、より効果的・効率的な医療・介護サービス提供体制を構築するこ
ととしている。そのため、本院の性格・規模や地域の特性を踏まえ、果たすべき役割・病床、診療機
能をより一層明確にし、地域との連携をより強化していくとともに、地域医療機関・介護老人福祉施
設・訪問看護ステーション等も含めたチーム医療を推進していく。
(1)紹介、逆紹介の推進
①紹介患者・逆紹介患者数増加への取組み
・ 2025 年に向け、国が進める地域包括ケアでは、高齢者が住みなれた地域や家庭で安心して暮
らし続けることができるよう医療・介護・予防・住まい・生活支援などのサービスを切れ目な
く提供できる連携体制を構築するとしており、これまでの病院完結型の医療から地域完結型の
医療への転換が進められている。そのため本院では、かかりつけ医や地域の医療機関との機能
分担の推進、紹介による急性期患者の早期受入れ及び急性期を脱した患者の開業医への逆紹介
に積極的に取り組むことに加え、地域医療部の体制充実等により、地域医療連携強化を図る。
②本院の医療の特徴紹介
・ 地域医療部を中心として医師をはじめ看護師・医療技術職員等を含めた全職員が病病・病診
連携の推進を意識して業務を行う。特に地域医療機関に対して本院の治療の特徴を紹介する機
会を設けるなど、より本院を紹介先として選択してもらえる取組みを行っていく。
※13
(2)病病・病診連携の強化
①急性期・回復期間の医療連携強化
・ 今後、病院の機能分化の進展に伴い、急性期病院における在院日数の短縮化が予想されるこ
とから、さらなる回復期病床との連携が重要になる。そのため、回復期を担う病院との連携を
より推進し、患者の急性期から回復期の移行をスムーズなものとする。また、リハビリテーシ
ョンの強化等を図り、治療の移行の円滑化を図る。
②専門的医療の地域への積極的提供
・ 今後さらに重要性が増す、本院と医療機関や福祉分野との連携において、患者を地域で診る
観点から、地域医療機関・介護老人福祉施設・訪問看護ステーション等と共同での医療提供や
医療支援、在宅医療の後方支援を積極的に行い地域完結型医療の推進に努める。
③高岡医療圏地域れんけいネットの活用・充実、高度医療機器の共同利用の推進
※14
・ 「高岡医療圏地域れんけいネット」については平成 25 年 4 月の更新により、より利便性の高
いシステムとなったことから、地域も含めたチーム医療推進のツールの一つとしての活用が期
待されている。このシステムを利活用した電子カルテの共有化や、CТ・МRIなど本院の高
度医療機器の利用促進などにより、開業医との更なる連携の強化と患者の利便性の向上を図る。
※12
2025 年
団塊の世代が 2025 年までに後期高齢者(75 歳以上)となることにより、医療費など社会保障費の急増が懸念
される。
-6-
(3)地域連携クリニカルパスの推進
地域連携クリニカルパスの推進
・ 病院の主治医である専門医とかかりつけ医が、協力して患者さんの治療を継続していくため
の診療計画表である地域連携クリニカルパスの活用を推進し、包括的で一貫性のある医療の提供
に努めるとともに、特に地域がん診療連携拠点病院として、がん疾患に係る地域連携クリニカル
パスの運用を進め、地域完結型の医療の提供に努める。
(4)地域支援機能の充実
症例検討会・キャンサーボード等の開催による医療情報の交換
※15
※16
・ 地域医療機関を対象とした症例検討会・CPC及びキャンサーボード等の開催により医療情
報の積極的な提供に努める。
・ 高岡地域リハビリテーション広域支援センターとして、地域の医療機関や介護施設に対する
支援や従事者に対しての援助・研修を行い、地域の活性化を図る。
(5)専門外来の充実
地域ニーズに応じた専門外来の充実
・ 地域に根差した診療機関として、患者さんや地域医療機関のニーズに応じた専門外来の充実
に努め、より特色ある診療の提供を行う。
(6)予防医療の推進(予防医療の推進と健康診断の充実)
①院外健康教室・出前講座の実施
・ 院外健康教室や出前講座の実施により、市民の健康維持、病気に対する正しい知識の普及を
図るとともに、地域住民に本院の医療の特徴を知ってもらう。
②健康診断体制の充実
・ 市立病院として、市民の健康維持に寄与するため、各種検診に積極的に取り組むとともに、
健診体制の充実を図る。
※13 病病・病診連携
病院間のそれぞれの得意分野を活かした機能分担による連携やかかりつけの開業医の先生と病院が連携して患者さ
んの治療にあたることで、例えば病院を変わる度に同じ検査を受けるというような煩わしさから解放され、より効率的、効果的
な治療を受けられるようになることをいう。
※14 高岡医療圏地域れんけいネット
高岡医療圏の地域医療連携を推進し、地域完結型医療への転換を進めていくことを目的に、平成 19 年4月から
稼働したシステム。同システムにより、高岡医療圏における病院と診療所等において医療情報を共有できるよう
になったことで、正確な医療情報に基づく安全・安心な医療の提供と患者を中心とした一貫性のある切れ目のな
い医療の提供が可能となった。平成 25 年4月から新システムが稼働したことにより、同意を得た患者の診療情報
を加入している病院・診療所が閲覧できるようになるなど利便性がさらに向上し、加入医療機関も増加している。
※15 CPC(Clinico-Pathological Conference 臨床病理検討会)
病院で行われる複数の臨床科と病理医や検査医が合同で行う討論形式の症例検討会をいう。
※16 キャンサーボード
専門的な知識・技能を有して、手術や放射線療法、化学療法などの集学的治療に携わる医師と、他の分野を専門
とする医師等が一堂に会し、様々ながんに対して、がん患者さんの症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・
検討・確認するためのカンファレンスをいう。
-7-
1-3 急性期・高度医療の充実
※17
新富山県医療計画(平成 25 年 3 月改定)に定める、富山県内における 5 疾病 5 事業の担い手
※18
※19
として、また、二次医療を担う高岡医療圏の中核病院として、民間の病院では対応が困難な救
急・精神・結核・感染症・高度先進医療等の充実に努めるとともに、今後の患者ニーズや国・
県の動向も踏まえながら、必要に応じた急性期医療の強化、外来機能の拡充、それに伴う病床
機能の再編など、病院機能の再編・強化・拡充などに的確に対応する。
※20
(1)急性期救急医療の充実
①チーム医療のさらなる強化
・ 急性期病院では、今後さらに、患者に対し短期間に多職種が積極的に関与しながら、医療資
源を積極的に投入し、治療期間の短縮することで、早期の社会復帰を図ることが求められる。
本院では医師、看護師、コメディカル等の多職種が積極的に治療に関与するチーム医療をさ
らに強化する一環として、質の高い看護の実施、薬剤指導の強化、早期リハビリテーションの積
極的な実施などを行うとともに、必要な人的資源の確保に努める。
②救急医療体制の充実
※21
・ 本院は、高岡医療圏の病院群輪番制により二次救急病院として、高岡医療圏の救急患者の受
入体制の一翼を担っている。今後も更なる救急受入体制等の充実や救急患者への適切な医療資
源の投与に努める。
③集中治療部門の充実
・ 病院機能の役割分担を求められていく中で、引き続き急性期病院としての役割を担うために
は、急性期医療の強化・充実が必要となる。そのため、救急搬送された重症患者や、入院中に
容態が悪化し厳重な全身管理が必要な患者に対して、24 時間体制で管理し、より効果的な治療
を行うため集中治療部門の充実を図っていく。
④災害拠点病院としての機能向上
・ 災害拠点病院としての役割を踏まえ、大規模災害に備えた救急マニュアルの整備をはじめ、
夜間ヘリポートの活用による迅速な対応と連携の強化、また、災害時に必要な医薬品の確保及
※22
びDMATの活動に必要な資機材を整備することなどにより、災害時に十分に対応できる災害
拠点病院の体制づくりを行う。
・ 大規模災害時の医療救護活動を担う本院、富山市民病院、黒部市民病院及び砺波総合病院の
自治体 4 病院の「医療救護活動相互応援に関する協定書」に基づき、大規模災害発生時におけ
る 4 病院間の、迅速かつ効率的な医療救護活動相互応援に努める。
・初期被ばく医療機関として指定される予定であることから、原子力災害が発生し、被ば
く者が出た場合、応急診療や簡易な除染などの被ばく医療が提供できるよう体制を整備していく。
※17 5疾病5事業
5疾病:がん対策、脳卒中対策、急性心筋梗塞対策、糖尿病対策、精神疾患対策
5事業:救急医療対策、災害医療対策、へき地医療対策、周産期医療対策、小児医療対策
※18 二次医療
診療所などで扱えないような病気、入院、手術が必要な患者に対応する医療機関
※19 高岡医療圏
二次医療圏とは、高度・特殊な医療を除いた一般の医療需要に対応するために設定された区域をいい、高岡医
療圏は富山県内の二次医療圏のひとつで、高岡市、氷見市、射水市で構成される。
-8-
(2)地域がん診療連携拠点病院としての機能強化
包括的がん医療センターの設置
※23
・ がん対策については、
「地域がん診療連携拠点病院」
(平成 19 年指定、22 年更新)として、外
※24
※25
来化学療法室の設置・改修、緩和ケア外来、がん相談支援センターの設置等を行ってきた。ま
※26
※27
た、機能強化のためCТ、MRI等の高度医療機器の更新に加え、がん治療認定医研修施設の
認定・更新、がん治療認定医の取得、更新支援、認定看護師の育成、認定看護師やがん支援相
談員などがケア・指導を行う看護外来の設置など、ソフト面の充実を行ってきた。
一方で、昨今のがん相談件数の増加や、地域がん診療連携拠点病院、急性期救急病院として、
今後は地域医療機関との連携強化が必須であることから、がん患者の在宅医療の提供を包括し
た医療の更なる充実が必要となっている。そのため、包括的がん医療センターを設置し、がん
登録の充実を図り、患者の個々の情報をセンターに集中し、患者同意のもとに地域医療機関と
の情報の共有を進め、予防医療、集学的治療、相談支援、在宅医療支援の観点から包括的にが
ん医療を支える診療体制を構築する。また、さらなる機能強化として、外来化学療法室の拡充
に取り組むとともに、緩和ケア体制や専門スタッフの充実を図る。
①検診・啓発
④治療・相談支援
患者
⑧在宅医療・支援
⑤情報提供の同意
高岡市民病院
包括的がん医療センター
・予防医療の提供
・外科的治療
・化学療法
・放射線療法
・緩和ケア
・在宅医療支援
・地域医療機関との連携
・患者相談支援 etc
②かかりつけ医
での診療
③治療依頼
(紹介)
地域医療機関
⑥情報共有
⑦在宅医療依頼
(逆紹介)
※20 急性期
主に病気になったばかりの期間をいい、この期間は、手術などを行うため医療資源が集中される傾向がある。
※21 病院群輪番制
地域内の病院群が、輪番制方式により休日・夜間等における重症救急患者の治療を実施する体制。
※22 DMAT(災害派遣医療チーム)
県内外の大規模災害などの発生時に、災害現場での救命措置や災害拠点病院の支援などの医療活動を行う。
※23 地域がん診療連携拠点病院
地域におけるがん診療の連携を推進するため、厚生労働大臣が指定する病院。果たすべき役割として、①他病院
との連携を含め、診療に必要な医師などの配置及び診療設備の整備を行うこと。②医療水準の向上のため医療機
関・従事者の研修に取り組むこと。③患者さんの 5 年生存率などのデータを収集管理し、関係団体、地域医療機関
及び住民に対して情報提供すること。がある。本院は富山型がん診療体制のなかで、
「女性のがん・放射線治療」
を特色とした病院として平成 19 年 1 月 31 日に指定を受け、平成 22 年 3 月 3 日更新認定された。
※24 外来化学療法
入院ではなく、通院で抗がん剤の注射等により身体の中に薬を入れ、がんが増えるのを抑えたり、がんを破壊し
たりする治療を行うことをいう。
※25 緩和ケア
がん医療における緩和ケアとは、がんに伴う体と心の痛みを和らげ、生活やその人らしさを大切にする考え方をベース
とし、患者とその家族が自分らしく過ごせるように、医学的な側面に限らず、いろいろな場面で幅広い対応(ケア)をするこ
と。 患者の身体的・精神的・社会的・スピリチュアル(霊的)な苦痛について、つらさを和らげる医療やケアを積極的に行
い、患者と家族の社会生活を含めて支える「緩和ケア」の考え方を早い時期から取り入れていくことで、患者と家族の療養
生活の質をよりよいものにしていくことができる。
-9-
(3)5疾病への対策強化
・ 5疾病とは、これまでの4疾病(がん、脳卒中、糖尿病、心疾患)に精神疾患が加わったもの
で、本院ではこれまでも各疾病に対する治療や地域医療機関との連携に努めてきた。今後は、更
なる高齢化により患者数が増加することが考えられることから、将来的なセンター化も視野に入
れながら、各疾病の治療部門の強化を図るとともに、更なるチーム医療の推進により、患者さん
が、病気や障害を持ちながら、生活の質を保つことが出来るよう努めていく。
①脳卒中対策
・ 脳卒中対策については、血管内治療を行うことで、より一層の治療効果をあげることに努め、
※28
МRIによる脳ドックの推進を図るとともに、地域連携クリニカルパスの活用促進等により、
連携医療機関との病診連携を推進し、富山県脳卒中情報システムの活用等による適切な管理体
制を構築する。また、診療部門の強化や、急性期リハビリテーション等のチーム医療の充実に
より、患者の予後の改善に努める。
②糖尿病対策
・ 糖尿病対策については、危険因子である高血圧、高脂血症、合併症等の予防の重要性から、
糖尿病対策チームの活動を通して、糖尿病教室の充実や地域との連携を進め、糖尿病診療体制
の整備を強化する。
③心疾患対策
※29
・ 心疾患対策については、虚血性心疾患や不整脈に対するインターベンション療法の充実と診
療体制の強化を図っていく。また、脳卒中と同様、虚血性心疾患の危険因子でもある糖尿病、高
血圧等についての適切な指導と管理体制を構築する。
④精神疾患対策
・ 精神疾患対策については、県西部における精神科医療の基幹病院として、精神科医療体制に
ついて、看護体制の充実など、さらなる強化を図るとともに、身体合併症を伴う患者の受け入れ
を積極的に対応していくほか、「精神科救急情報センター」事業(精神科医療に関する 緊急の
24 時間相談体制)
、精神科救急輪番制度における当番病院(夜間、土日・休日の昼間)としての
緊急の精神科医療を要する者の入院受入等に対応していく。
⑤がん対策
※がん対策については、前ページ(9P)に掲載
※26 CТ(Computerized Tomography
コンピュータ断層撮影装置)
放射線、コンピュータを用いて身体の輪切り写真を作り、体内を精密に調べる装置
※27 МRI(Magnetic
Resonance
Imaging 磁気共鳴画像装置)
強力な磁気と電波を用いて身体のあらゆる部位の画像が得られる装置
※28 地域連携クリニカルパス
クリニカルパスとは、患者さんに対する入院から退院までの診療内容や治療の進み方を計画表の形にまとめたも
のである。地域連携クリニカルパスは、患者さんの診療にあたる複数の医療機関などがあらかじめお互いの役割分
担を決めて作成するクリニカルパスをいう。
※29 インターベンション療法
血管の詰まりなどを除去するため、主に皮膚にあけた穴から血管に通したカテーテル(極めて細い管)を使って
行う治療法で、その治療法の一つにPTCA(経皮的冠動脈形成術)がある。皮膚を大きく切らなくて良い、痛み
が少ないなどの利点がある。
- 10 -
(4)感染症等に関する取組みの推進
感染症・結核に対する医療体制の維持
・ SARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザの発生時の対策など、感染症病床の重要
性はますます増大している。高岡医療圏において感染症病床を有する病院は本院のみであり、
感染症発生動向の把握及び感染症まん延防止のための医療提供体制の整備に努める。
・ 近年の高齢化の進展に伴い結核発病ハイリスク患者や老人保健施設における集団感染事例の
増加等の課題が発生している。この現状を踏まえ、本院の結核病床有床数は 12 床と高岡医療圏
における結核病床では最大であることから、結核対策に関する医療体制の充実を図る。
(5)国が求める病床再編に向けた取組み
機能拡充に伴う病棟再編
・ 医療の提供体制や技術の進歩により入院期間が短縮していく中で、これまでは入院して行わ
れていた治療の外来化が進んでいる。また、医療ニーズの変化により緩和ケアの充実や病室の
個室化などのニーズが高まっている。そのため、本院ではこうした医療の進歩やニーズに対応
していくため、病棟機能の見直しを図り、病棟の再編を検討していく。
- 11 -
2 経営の安定
高岡市で唯一の市立の病院として、また、高岡医療圏の中核病院として、住民・患者の皆さんに
選ばれるよう、最良の医療を提供することはもちろん、政策医療や高度先進医療等を安定的かつ継
続的に提供していくためには、自立性の高い健全経営が必要不可欠である。そのため、病院職員の
一人ひとりの経営参画意識の醸成と、経営の効率化の意識を高めることにより、健全経営の維持、
経営基盤の安定に努める。
(1)経営の安定に向けた職員の意識醸成
①病院外部委員による経営懇話会の定期開催
・ 本院では平成 18 年度に病院の適正な運営・健全な経営の推進に資するよう、病院外部の有識
者で構成する「高岡市民病院経営懇話会」を設置した。今後ともこの会議を少なくとも年2回
開催し、病院経営に関する助言や意見をもとに更なる経営改善に取り組んでいく。
②職員の経営意識の醸成
・ 職員の経営意識の醸成のため、経営に関する講演会・セミナーを定期的に開催する。
(2)医業収益の確保
①加算取得・維持に向けた目標を定めた取組みの実施
・ 医療の質の向上に向けた取り組みを推進していく中で、取り組みに対する目標を定めるとと
もに、目標達成のための病院としての方針を明確化し、毎月の運営連絡会等の場において職員
に周知することで、院内一体となった取り組みを行う。経営の基礎となる数値はもとより、医
療の質の向上に関する内容についても数値目標を定め進捗管理を行う。
②本院の方向性に沿った人員強化による加算取得
・ 現在の人員配置を評価する診療報酬体系の中では、本院の目指すべき方向性に沿った診療機
能の強化を図ることと、人員強化が密接不可分の関係にあることから、本院にとって必要な分
野の人員強化を、その損益分岐も十分に考慮しながら行い診療報酬の新たな加算取得に努める。
③紹介患者・逆紹介患者数増加への取組み(再掲)
・ かかりつけ医や地域の医療機関との機能分担の推進、紹介による急性期患者の早期受入れ及
び急性期を脱した患者の開業医への逆紹介に積極的に取り組み、地域医療連携強化を図る。
(3)適正な職員配置と人的資源の活用
①病院機能強化に必要な人員配置と人的資源の活用
・ 地域医療を守ることが使命である公立病院としての本院は、定められた職員数の中で、安全・
安心・納得の医療を提供していくため、医師・看護師の確保はもとより、その他医療技術員の
確保も重要である。また、現在の診療報酬の流れとして、専門性の高い業務への専従配置など
の体制・機能を評価する傾向にある。そのため本院の機能強化の方向性に合致する多職種職員
の確保を図ることで、機能強化と診療報酬加算等の取得を行っていくとともに、民間委託の手
法等も視野に入れた効率的で適正な職員配置を図っていく。
- 12 -
(4)病院施設の改修・医療機器の更新
①病院施設の改修
・ 今後の本院の方向性を十分に考慮しながら、必要に応じて外来化学療法室の拡充などを計画
的に実施していく。
②医療機器の更新
・ 高度医療機器の更新については、緊急性・重要性・採算性を勘案しながら、購入計画を策定
して必要機器の購入を実施し、手術、治療、検査等診療行為の拡充と稼働率の向上を図る。
(5)修繕計画の策定
①修繕計画の策定
・ 改築後 15 年を経過し、医療機器や建物等修繕が断続的に発生している中にあって、安全・安
心の医療の提供に資するため、緊急性・重要性・採算性を重視し、経営収支のバランスなどを
総合的に検討し、長期的展望に立った計画的な修繕を行っていく。
(6)医療材料の効率的運用と費用の削減
①医療材料の効率的運用
・ 薬品や診療材料等の医療材料については、同種同効薬品・同一規格品の整理統合や廉価購入
を進めるとともに他医療機関との共同購入や低価格のジェネリック医薬品の利用促進を図り、
患者の負担軽減と薬品費等の縮減につなげていく。また、ジェネリック医薬品の利用促進につ
いては、院内での目標を定め、その目標達成に向けPDCAサイクルによる継続的な取り組み
を進める。
また、物流システムを活用し、常に在庫管理を徹底し、不良在庫の解消と適正な在庫数の見
直しを図っていく。
②費用の削減
・ 各種業務委託については、安全・安心を基本としつつ、契約内容の見直しなどによる経費の
節減に努める。また、従来随意契約としているものについても、競争原理(入札方式)の導入
を積極的に実施しており、今後もできるものから随時行い、経費の縮減に努めていく。
・ 一定の職員定数の中で、より専門性の高い業務への職員の重点配置や適正配置に努め、民間
委託のできる業務については従来以上のサービス水準を確保できることを確認しながら、委託化
を図り全体としての人件費の抑制を図る。
・ 費用対効果や省エネルギーの観点から、空調の設定温度でのこまめな調整に加えてLED化
や省エネセンサーの導入などにより、電気使用量の節減を図り、光熱水費や燃料費等を縮減す
る。
(7)情報化の推進
①病院情報システムの機能向上
・ 平成 19 年 10 月から稼働している病院情報システムの更新を、平成 25 年度から2か年かけて
実施する。このシステム更新により、医療情報の有効活用を行い、チーム医療の推進・充実に
努め、きめ細やかな治療やインフォームドコンセント等、患者サービスの向上を図る。
- 13 -
②情報の分析と積極的活用
※30
・ DPCデータ等の各種診療情報についての分析(ベンチマーク分析等)を行い、その分析結
果をもとに各職員が取り組むべき方向性を提示し、職員一丸となって医療の質の向上や経営改
善に取り組むことのできる素地をつくる。
③医療品質情報の更なる開示に向けた取組みの推進
・ 国では、自治体病院等に対して、提供された医療による成果について、病院間の比較を可能
とするデータの開示を促すとしており、本院では、DPCデータの分析や、がん登録の充実等
を図り、そうした情報を市民・患者に提供することで、医療の質の見える化に努める。
(8)一般会計繰入金の適正化の維持
①一般会計繰入金の適正化の維持
・ 地方公営企業法において、地方公営企業は独立採算の原則に基づき、常に企業の経済性を発
揮して効率的な運営を行うこととされている。そのうえで、事業の性質上経営に伴う収入を充
当することが適当でない行政的な経費、あるいは経営収入のみをもって充てることが困難な不
採算経費等については、病院の経営状況に関わらず、一般会計から繰り入れることができると
規定されている。
繰入の項目については、地方公営企業法施行令や総務省通知により明示されているが、金額
の算出方法等については地域の医療環境、地方公共団体の財政状況及び病院の経営実態に応じ
て判断するものとされている。
これまで積み上げてきたルールに基づき一般会計から負担を求めることを基本としつつ、今
後の経営改善の状況や、キャッシュフローの改善の状況を鑑みながら、一般会計繰入金の見直
し等も検討していく。
※ 本院の一般会計繰入金の詳細については、別掲資料に記載
※30 DPC(診断群分類包括制度)
従来の診療行為ごとの点数をもとに計算する「出来高払い方式」とは異なり、入院期間中に治療した病気の中で最
も医療資源を投入した一疾患のみに厚生労働省が定めた 1 日当たりの定額の点数からなる包括評価部分(入院基本料、
検査、投薬、注射、画像診断等)と、従来どおりの出来高評価部分(手術、胃カメラ、リハビリ等)を組み合わせて
計算する方式。1 日当たりの定額の点数は、
「診断群分類」と呼ばれる区分ごとに、入院期間に応じて定められている。
- 14 -
第Ⅲ
再編・ネットワーク化への取組み
国の公立病院の再編・ネットワーク化の基本的な考え方は、地域全体で必要な医療サービスが提供さ
れるよう地域における公立病院を、中核的医療を担う基幹病院と、日常的な医療確保を行う病院・診療
所とに再編しようとするものである。
高岡医療圏においては、3市の公立病院はもとより、厚生連高岡病院や済生会高岡病院などの公
的病院との連携が円滑に図られており、二次救急では、各医療機関とも医師不足などの課題に直面し
ながらも病院群輪番制が確保されている。地元医師会へ委託している急患医療センターとの連携もス
ムーズに機能しており、現時点で再編・ネットワーク化に取り組む状況にはないと考えている。
しかしながら、今後、県が策定した再編・ネットワーク化に関する計画(平成 22 年 11 月策定)・構想等や、
医療圏内の各病院の経営状況、医師確保の状況などを踏まえながら、医療提供体制の安定を確保するため、
引き続き、再編・ネットワーク化について研究・検討を進めていく。
第Ⅳ
経営形態の見直し
本院では、平成 12 年の全面改築以来、建物本体や高額医療器械の購入に係る減価償却費や企業債償
還金の増加等の影響もあり、連続して経常損失を計上している。
しかしながら、その間、単年度における赤字幅は確実に減少しており、概ね計画どおりに改善しているとこ
ろである。
このため、第Ⅲ期中期経営計画に引き続き、第Ⅳ期中期経営計画に基づき経営改善を進め、計画期間の
後半には純損益の黒字化も見込み、累積欠損金の減少につなげていく。
今後とも、恒常的な黒字化を目指し、地域連携の推進、チーム医療の推進による加算の取得やDPCデー
タの効率的な活用による更なる経営改善に取り組んでいく。
こうしたことから、現在の経営形態(地方公営企業法一部適用)を維持し、経営改善策を着実に実行してい
くこととする。
なお、将来的な地方公営企業法全部適用や独立行政法人化(非公務員型)等への移行も含めた病院の
経営形態については、引き続き研究・検討を進めていく。
- 15 -
第 Ⅳ 期 中 期 経 営 計 画 の 骨 子(
1.計画の方向性
(本院の役割)
・高岡医療圏における中核的病院として、また公立病院として、医学の進歩に伴う医療の高度化、市民ニーズの多様化に適切に対応するため、質
の高い医療サービスを提供していくことを使命としている。
(今後の動向)
・国においては、社会保障・税一体改革を推進する中で、2025 年に向け、患者ニーズに応じた病院・病床機能の役割分担などを進めるとしており、
急性期病床の再編に向けた動きが今後出てくると見込まれる。
(目指すべき将来像)
・高岡医療圏において救急医療、がん治療などの高度医療を担う急性期病院として、その機能強化に努め、質の高い医療を実践していく。
・自治体病院として、民間医療機関では限界のある政策的医療に引き続き取り組むとともに、地域ニーズの高い医療サービスを提供する。
・地域医療機関や介護施設等とのさらなる連携(情報通信技術の利用促進等)を含めたチーム医療の推進により、安心で信頼のおける地域完結型
医療を目指す。
2.計画期間
平成 26 年度~平成 30 年度
3.計画の概要
(1) 2025 年の方向性を見極めながら、引き続き急性期病院としての役割を担うため、その方向性にあった施策の実施を盛り込む。
(2) 第Ⅲ期中期経営計画を踏襲し、医療の質の向上と経営の2大項目を維持しながら、中項目を今後の方向性に沿ったものに再編成する。
(3) 進捗管理の重要性及び簡素化のため、客観的な評価指標を設定し、進捗の管理を行いやすくする。
※N は第Ⅲ期中期経営計画にはなかったもの
-安全・安心・納得の医療提供-
・医療情報提供、医療相談体制の充実
○根拠に基づく医療の実践、推進、インフォ
ームド・コンセントの徹底、充実や心のこ
もった接遇による患者さんが安心、納得する医療の提供
○広報機能強化による本院の治療の特長、症
例数、手術件数等の医療情報を広く提供
★総合診療外来の設置
○看護外来、がん相談支援センターの機能強
化等による患者サポート体制の充実
・信頼される病院づくり
○病院機能評価の認定更新
○医療安全体制の維持・強化
○院内感染防止に向けた取組みの推進
○個人情報の保護
○利便性の向上
・医師等の確保・資質向上
○医師等の確保・資質向上
-医師の学会参加、資格取得支援
-フォートウェーン市パークビュー病院 との医療交流
○臨床研修医の確保
○医師の負担軽減による診療充実
-医師事務作業補助体制の強化
○看護師・医療技術者の確保
-「7:1」看護体制の維持
-各種指定病院として必須な職種・資格の
取得・維持に向けての人員確保・増員等
-看護師・医療技術者の学会参加・資格取得支援
-医療の質の向上-
-地域に根差した医療の提供-
-急性期・高度医療の充実-
・紹介・逆紹介の推進
○総合入院体制加算の取得維持
○地域医療支援病院を視野に入れた紹介・逆
紹介の推進
○地域医療機関との懇談会の開催等を通じた
本院の医療の特長紹介
★病病・病診連携の強化
○急性期・回復期間の医療連携強化
○専門的医療の地域への積極的提供
○「高岡れんけいネット」の活用・充実
○高度医療機器の共同利用の促進
・地域連携クリニカルパスの推進
・医療支援機能の充実
○症例検討会、キャンサーボードの開催によ
る医療情報の交換
○高岡地域リハビリテーション広域支援セン
ターとして、地域の医療機関や介護施設に
対する支援や従事者に対しての援助・研修
・専門外来の充実
○地域のニーズにあった専門外来の設置
・予防医療の推進
○院外健康教室・出前講座の実施
○健診の充実
・急性期医療の充実
○救急医療の充実
○集中治療部門の強化
○災害拠点病院としての役割
・がん診療連携拠点病院としての機能強化
★包括的がん医療センターの設置
○外来化学療法室の拡充
○緩和ケアの充実
○専門スタッフの確保
・5疾病への対策強化
(ただし、がんは別立てとする)
○疾病別の診療センター化
○地域連携クリニカルパスの活用による地
域完結型医療の提供
○チーム医療の推進による予後の改善
○更なる高齢化に対応するため、各治療部
門の強化
○精神病床の体制充実
・感染症対策の強化
○感染症に関する医療提供体制の整備
チ ー ム 医 療 の 推 進
-経営の安定-
・経営の安定に向けた職員の意識醸成
・施設改修、医療機器の更新
-病院外部委員による経営懇話会の定期開催
-外来化学療法室の拡充等の施設改修
-職員の経営意識の醸成
・修繕計画の策定
-H28 年度以降の総収支黒字化のための継続的な努力
-長期的展望に立った計画的な修繕
・医業収益の確保
・薬品・医療材料の効率的運用
-本院の方向性に沿った新たな加算取得
-共同購入やベンチマーク比較、他病院での手法の採用
-紹介・逆紹介の推進
・情報化の推進
-目標値を定めた進捗管理
-病院情報システムの機能向上
・適正な職員確保と人的資源の活用
-情報の分析と積極的活用
★多職種職員の専従配置等病院機能強化に必要な人員の確保
・一般会計繰入金の適正化の維持
★民間委託の手法等も視野に入れた効率的で適正な職員配置
- 16 -
第Ⅳ期中期経営計画 評価指標
1 医療の質の向上
1-1 安全・安心・納得の医療提供
※H25年度は確定値のみ
H24実績
H25実績
目標値
備考
○ 評価指標
目標値は日本病院会QIプロジェクト2012参
1 退院後6週間以内の再入院率
4.34%
5.24%以下 加病院平均値
2 褥瘡発生率(新規褥瘡発生件数/延入院患者数)
1.60%
1.4%以下 目標値は全国平均値
3 転倒・転落発生率及び負傷率
(転倒・転落発生件数/延入院患者数)
○ その他チェック項目
1.22‰
0.03‰
2.52‰以下 目標値は日本病院会QIプロジェクト2012参
0.05‰以下 加病院平均値
(1) 高齢者(70歳以上)入院率
46.6%
(2) 死亡患者退院率
(死亡退院患者数/退院患者数)
4.13%
(3) 平均在院日数
15.9日
(4) 肺塞栓予防措置実施率※
(肺塞栓予防管理料算定件数/実入院患者数)
日本病院会QIプロジェクト2012参加病院平
均値は4.1%
18.3%
(5) 医療スタッフの対応に対する満足度
92.3%
(6) 外来平均待ち時間
37分
95.3%
外来各ブロックで受付してから診療開始まで
の平均待ち時間
1-2 地域に根差した医療の充実
○ 評価指標
1 紹介入院患者数 入院に占める紹介入院の割合
4,415
62.0%
65%以上
2 退院患者に占める診療情報提供件数の割合
29.4%
30%以上
H25.1から実施
○ チェック項目
(1) 地域医療機関との懇談会の医療機関数
32
(2) 後方病床を有する病院との連携患者数
266
(3) 地域医療機関等と共同での在宅医療等を
実施した人数及び回数
1人
5回
(4) 地域れんけいネット利用件(患者)数
103
(5) 症例検討会・キャンサーボードの開催回数
他医療機関からの参加者数
20
42
1
-
(6) 院外健康教室・出前講座の実施件数
34
社保・高岡みなみ・光が丘・丹保・氷見市民
5人
18回
1-3 急性期・高度医療の充実
○ 評価指標
1 救急車での来院患者に対する入院の割合
49.9%
55.0%
2 手術患者数(全身麻酔)及び医療圏内におけるシェア率
1,275
20.5%
23%以上
3 がんによる入院患者の医療圏内
におけるシェア率
18.9%
20%以上
救急車搬送による入院患者数/救急車搬送患者数
H24実績(DPC対象病院のみ)
1,275/6,220(医療圏内における全身麻酔手術件数)
各疾患の実入院患者数/各疾患の推計入院患者数
※推計入院患者数…厚生労働省が3年に1度
実施する患者調査における二次医療圏別の疾
病分類別の推計入院患者数
○ チェック項目
(1) 緊急手術件数
(2) 予定入院患者数
(3) 緩和ケア患者数(緩和ケアチーム介入依頼件数)
105
3,230
94
(4) 外来化学療法患者数
2,027
(5) 放射線治療件数
3,089
(6) がん相談支援件数
311
※肺塞栓予防措置…長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部にある静脈に血のかたまりができて、この血のかた
まりの一部が血流にのって肺に流れて肺の血管を閉塞してしまう(肺塞栓)危険がある。その予防のため、
弾性ストッキングや空気式圧迫装置を用いて血液のうっ滞を防ぐ等の措置を行うもの。
- 17 -
第Ⅳ期中期経営計画 評価指標
2 経営の安定
H24実績
H25見込
目標値
備考
○ 評価指標
1 医業収支比率(医業収益/医業費用)
95.1
104.4
2 経常収支比率(経常収益/経常費用)
99.5
106.9
3 人件費比率(人件費/医業収益)
55.6
51.8
4 材料費比率(材料費/医業収益)
19.1
22.1
○ その他チェック項目
(1) 一日平均入院患者数
358.3
全国類団(400~499床)平均は336.0
(2) 患者一人一日当たり入院診療単価
43,639
全国類団(400~499床)平均は46,016円
(3) 一日平均外来患者数
940.3
全国類団(400~499床)平均は840人
(4) 患者一人一日当たり外来診療単価
8,550
全国類団(400~499床)平均は11,425円
(5) 病床利用率
75.3
全国類団(400~499床)平均は76.6%
(6) 医師一人一日当たり診療収入
全国類団(400~499床)平均は292,564円
(7) 病床100床当たり職員数
104.8
(8) ジェネリック採用品目数
244
全国類団(400~499床)平均は131.2人
- 18 -
1.収支計画 (収益的収支:税抜)
年 度
区分
1.
収 (1)
(2)
(3)
2.
(1)
(2)
入 (3)
経
支 1.
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
2.
(1)
(2)
出
経
医
業
収
益 a
入
院
収
益
外
来
収
益
そ
の
他
う ち 他 会 計 負 担 金
医
業
外
収
益
他会計負担金・補助金
国 ( 県 ) 補 助 金
そ
の
他
常
収
益 (A)
医
業
費
用 b
職
員
給
与
費 c
材
料
費
経
費
減
価
償
却
費
そ
の
他
医
業
外
費
用
支
払
利
息
そ
の
他
常
費
用 (B)
(単位:百万円、%)
24年度
(決算)
25年度
(Ⅲ期計画値)
26年度
27年度
28年度
29年度
30年度
8,053
8,594
8,682
8,764
8,756
9,205
9,196
5,707
5,986
6,112
6,203
6,186
6,320
6,320
1,970
2,174
2,180
2,171
2,180
2,495
2,486
376
434
390
390
390
390
390
65
84
65
65
65
65
65
998
926
1,025
967
962
940
934
933
872
937
880
881
875
869
30
27
18
18
18
18
18
35
27
70
69
63
47
47
9,051
9,520
9,707
9,731
9,718
10,145
10,130
8,464
8,896
8,969
9,030
8,969
8,997
8,805
4,478
4,158
4,689
4,715
4,715
4,762
4,762
1,619
1,977
1,814
1,814
1,814
2,034
2,034
1,270
1,705
1,407
1,409
1,409
1,491
1,491
1,052
1,023
1,022
1,053
992
511
479
45
33
36
39
39
199
39
635
676
738
730
711
692
671
286
278
267
259
240
221
200
349
398
471
471
471
471
471
9,099
9,572
9,707
9,760
9,680
9,689
9,476
▲ 48
▲ 52
0
▲ 29
38
456
654
19
0
0
0
0
0
0
20
0
377
132
132
132
132
▲1
0
▲ 377
▲ 132
▲ 132
▲ 132
▲ 132
▲ 49
▲ 52
▲ 377
▲ 161
▲ 94
324
522
▲ 10,064 ▲ 10,116 ▲ 10,493 ▲ 10,654 ▲ 10,748 ▲ 10,424 ▲ 9,902
2,461
1,850
3,315
3,672
4,086
4,411
4,884
716
700
2,017
2,052
2,068
2,084
2,100
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
経 常 損 益 (A)-(B)
(C)
特 1. 特
別
利
益 (D)
別
別
損
失 (E)
2. 特
損
(F)
益 特 別 損 益 (D)-(E)
純
損
益
(C)+(F)
累
積
欠
損
金 (G)
動
資
産 (ア)
不流
流
動
負
債 (イ)
良 う ち 一 時 借 入 金
債 翌 年 度 繰 越 財 源 (ウ)
不
良
債
務
務 差引 ( イ )-{( ア )-( ウ )} (エ) ▲ 1,745 ▲ 1,150 ▲ 1,298 ▲ 1,620 ▲ 2,018 ▲ 2,327 ▲ 2,784
(A)
率 (B)
(エ)
不 良 債 務 比 率
a
a
医 業 収 支 比 率
b
(c)
職員給与費対医業収益比率 (a)
経
常
収
支
比
×100
99.5%
99.5%
100.0%
99.7%
100.4%
104.7%
106.9%
×100
-21.7%
-13.4%
-15.0%
-18.5%
-23.0%
-25.3%
-30.3%
×100
95.1%
96.6%
96.8%
97.1%
97.6%
102.3%
104.4%
×100
55.6%
48.4%
54.0%
53.8%
53.8%
51.7%
51.8%
- 19 -
2.収支計画 (資本的収支:税込)
年 度
区分
業
債
1. 企
他
会
計
出
資
金
2.
会
計
負
担
金
3. 他
収
会
計
借
入
金
4. 他
他
会
計
補
助
金
5.
6. 国 ( 県 ) 補 助 金
7. そ
の
他
収
入
計
(a)
入 うち翌年度へ繰り越される
(b)
支 出 の 財 源 充 当 額
前年度許可債で当年度借入分
(c)
純計(a)-{(b)+(c)}
(A)
設
改
良
費
1. 建
支 2. 企
業
債
償
還
金
3. 他 会 計 長 期 借 入 金 返 還 金
の
他
出 4. そ
支
出
計
(B)
差 引 不 足 額 (A)-(B)
(C)
損
益
勘
定
留
保
資
金
1.
補
て 2. 利 益 剰 余 金 処 分 額
ん 3. 繰
越
工
事
資
金
財 4. そ
の
他
源
計
(D)
補てん財源不足額 (D)+(C)
(E)
当年度同意等債で未借入
(F)
又 は 未 発 行 の 額
実 質 財 源 不 足 額
(E)-(F)
(単位:百万円)
24年度
(決算)
25年度
(Ⅲ期計画値)
26年度
27年度
28年度
29年度
30年度
147
266
0
0
0
14
1
428
580
312
0
0
0
0
0.6
893
659
312
0
0
0
0
1
972
50
417
0
0
0
0
1
468
50
432
0
0
0
0
1
483
50
438
0
0
0
0
1
489
444
444
0
0
0
0
1
889
0
0
428
166
864
0
1
1,031
▲ 603
603
0
0
0
603
0
0
0
893
585
801
0
0
1,386
▲ 493
493
0
0
0
493
0
0
0
972
685
901
0
1
1,587
▲ 615
615
0
0
0
615
0
0
0
468
114
1,018
0
1
1,133
▲ 665
665
0
0
0
665
0
0
0
483
114
1,053
0
1
1,167
▲ 684
684
0
0
0
684
0
0
0
489
114
1,069
0
1
1,183
▲ 694
694
0
0
0
694
0
0
0
889
508
1,085
0
1
1,593
▲ 704
704
0
0
0
704
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.複数の病院を有する事業にあっては、合計表のほか、別途、病院ごとの計画を作成すること。
2.金額の単位は適宜変更することも可能。(例)千円単位。
3.一般会計等からの繰入金の見通し (単位:千円)
24年度
(決算)
収
益
的
収
支
資
本
的
収
支
25年度
(見込)
(380)
1,001,181
(1,073)
265,670
(1,453)
合 計
1,266,851
(360)
26年度
27年度
28年度
29年度
30年度
(340)
(319)
(298)
(277)
(255)
956,332 1,005,504
957,665
958,441
952,549
946,444
(1,093)
(1,113)
(1,134)
(1,155)
(1,176)
(1,198)
312,167
311,996
416,811
438,494
444,136
449,917
(1,453)
(1,453)
(1,453)
(1,453)
(1,453)
(1,453)
1,268,499 1,317,500 1,374,476 1,396,935 1,396,685 1,396,361
(注)
1 ( )内はうち基準外繰入金額。
2 「基準外繰入金」とは、「地方公営企業繰出金について」(総務省自治財政局長通知)に基づき他会計から公営企業会計へ繰り入れられ
る繰入金以外の繰入金をいうものであること。
- 20 -
■ 高岡市の一般会計繰入金の算定基準
地方公営企業法
繰入金項目
国の繰入基準
(法第17条の2 第1
公立病院附属看護師養
項第1号)
成所の運営に要する経
その性質上当該地方
費
公営企業の経営に伴
救急医療の確保に要す
救急病院における医師等の待機及び空床の確保等救急医療
う収入を充てることが
る経費
の確保に必要な経費に相当する額
結核医療に要する経費
結核病院の運営に要する経費のうち、その経営に伴う収入を
看護師の確保を図るため行う養成事業に要する経費
適当でない経費
(法第17条の2 第1
項第2号)
当該地方公営企業の
もって充てることができないと認められるものに相当する額
精神医療に要する経費
性質上能率的な経営
を行ってもなお、その
精神病院の運営に要する経費のうち、その経営に伴う収入を
もって充てることができないと認められるものに相当する額
高度医療に要する経費
経営に 伴う 収入 のみ
高度な医療の実施に要する経費のうち、これに伴う収入をもっ
て充てることができないと認められるものに相当する額
をもって充てることが
病院の建設改良に要す
建設改良費及び企業債元利償還金の 1/2
客観的に困難であると
る経費
(ただし、平成 14 年度までに着工した事業に係る企業債元利
認められる経費
償還金にあっては 2/3 を基準とする。)
(法第17条の3)
経営基盤強化対策に要
災害の復旧その他特
する経費(医師及び看護師
別の理由により必要が
等の研究研修に要する経
ある場合に補助できる
費)
経費
経営基盤強化対策に要
当該年度の 4 月 1 日現在の職員数が地方公務員等共済組合
する経費(共済追加費
法の長期給付等に関する施行法の施行の日における職員数
用)
に比して著しく増加している病院事業会計に係る追加費用の
医師及び看護師等の研究研修に要する経費の 3/4
負担額の一部
児童手当に要する経費
基礎年金拠出金に係る
地方公務員法の全部又は一部を適用している病院事業の職
公的負担に要する経費
員に係る基礎年金拠出金に係る公的負担額
(前々年度における経常収支の不足額を限度とする。)
- 21 -
■ 計画策定までの審議経過
平成 25 年 6 月~9 月
第Ⅳ期中期経営計画骨子(案)と主要施策(案)の作成、検討
平成 25 年 10 月 22 日
平成 25 年度第 1 回経営懇話会(骨子(案)と主要施策(案)について)
平成 25 年 11 月~12 月
平成 25 年 12 月末
~平成 26 年 1 月
平成 26 年 1 月 24 日
平成 26 年 1 月
~平成 26 年 3 月
平成 26 年 3 月 20 日
平成 26 年 3 月 31 日
第Ⅳ期中期経営計画(素案)の作成、検討
平成 26 年度当初予算との整合性の整理
第Ⅳ期中期経営計画(素案)の書面審議
第Ⅳ期中期経営計画の概要について高岡市議会への説明
正・副議長、各会派、民生病院常任委員会委員長及び副委員長
第Ⅳ期中期経営計画収支計画及び数値目標の作成、検討
平成 25 年度第 2 回経営懇話会
(第Ⅳ期中期経営計画及び平成 26 年度当初予算について)
第Ⅳ期中期経営計画策定
- 22 -
高岡市民病院経営懇話会
■
高岡市民病院設置要綱
(目 的)
第1条 高岡市民病院(以下「病院」という。)の適正な運営及び健全な経営の推進に資するよ
う、病院経営の全般にわたり、病院外部の有識者から意見を求めるため、高岡市民病院経営懇
話会(以下「懇話会」という。
)を設置する。
(所掌事務)
第2条 懇話会は、前条の目的達成のため、必要に応じ病院運営に関し意見を述べるとともに、
経営改善に関する事項等について検討し、必要に応じ提言を行う。
(委 嘱)
第3条 懇話会委員は、病院運営に関し豊富な識見を有する者のうちから、市長(病院開設者)
が委嘱する。
2 委員の数は、5名以内とする。
(組 織)
第4条 懇話会は、座長、副座長及び委員をもって組織する。
2 座長は、委員の互選により選出する。
3 副座長は、委員の中から座長が指名する。
4 懇話会には、病院運営状況等の説明院として、病院長、副病院長、事務局長、看護部長が出
席する。
(座長及び副座長の職務)
第5条 座長は、会務を統括し、会議を主宰する。
2 座長に事故あるときは、副座長がその職務を代行する。
(委員の任期)
第6条 委員の任期は2年とする。ただし、再任は妨げない。
(会議の招集)
第7条 懇話会は、座長がこれを招集し、議長となる。
2 懇話会は、定例会を年1回開催するものとする。ただし、座長は委員等から請求があった場
合は、随時、臨時懇話会を招集することができる。
3 座長が必要と認めるときは、委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
(庶 務)
第8条 懇話会の庶務は、病院事務局総務課において処理する。
(細 則)
第9条 この要綱に定めるもののほか、懇話会の運営その他必要な事項は、病院長が別に定める。
付 則
この要綱は、平成18年12月1日から施行する。
■
経営懇話会委員名簿
川渕
孝一
氏
東京医科歯科大学大学院教授(医療経営学)
稲尾
次郎
氏
高岡市医師会副会長(開業医)
河村
小泉
拓栄
弘子
氏
氏
公認会計士(経済界)
地域女性ネット高岡(市民団体)
内山
郁代
氏
高岡市男女平等推進市民委員会委員
- 23 -
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