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一般用語 - 日本解剖学会

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一般用語 - 日本解剖学会
一般用語
(注 1)
外転筋
★ 1 迷[の]
★ 2 副[の]
内転筋
★ 3 口(注 2)
★ 4 輸入[の]
★ 5 付着[の]
★ 6 集合[の]
★ 7 翼/翼状[の]
★ 8 白[の](注 3)
★ 9 白[の](注 3)
★ 10 白[の](注 3)
★ 11 胞/胞[の](注 4)
★ 12 膨大; 膨大部/膨大
[の]; 膨大部[の](注 5)
★ 13 吻合/吻合[の]
★ 14 角/角[の](注 6)
ワナ
★ 15 洞(注 7)
★ 16 輪/輪[の](注 8)
★ 17 口(注 2)
★ 18 尖/尖[の]
★ 19 腱膜/腱膜[の]
★ 20 突起; 骨突起
★ 21 器(注 9)
★ 22 垂/垂[の](注 10)
★ 23 水管; 水道
★ 24 弓/弓状[の]
ヤ
★ 25 野; 区
立筋
★ 26 動脈/動脈[の]
★ 27 細動脈; 小動脈
★ 28 関節/関節[の](注 11)
★ 29 上行[の]
★ 30 房; 前房(注 12)
★ 31 自律[の]
★ 32 軸/軸[の]
★ 33 底/底[の](注 13)
★ 34 二頭[の]
★ 35 分岐; 二分/分岐[の];
二分[の]
★ 36 羽状[の]
ワン
★ 37 腕/腕[の]
★ 38 短[の]
★ 39 球/球状[の](注 14)
胞(注 4)
ノウ
★ 40 包; 嚢(注 15)
★ 41 盲端/盲端[の]
★ 42 盲[の]
杯
★ 43 房(注 12)
★ 44 小管(注 16)
管(注 17)
小頭
★ 45 包; 被膜; 嚢/包[の];
被膜[の]; 嚢[の](注 15)
頭
軟骨/軟骨[の]
丘; 小丘(注 18)
ビ
尾/尾状[の]
洞/海綿状[の](注 7)
カ
窩; 腔(注 19)
蜂巣
★ 51 中心; 中枢/中心[の];
中枢[の]
★ 46
★ 47
★ 48
★ 49
★ 50
ケイ
★ 52 頸/頸[の](注 20)
★ 53 交叉/交叉[の](注 21)
索(注 22)
★ 54 灰白[の](注 23)
★ 55 帯
★ 56 輪/輪[の](注 8)
環状面
★ 57 回旋[の]
槽
★ 58 側副[の]
★ 59 丘; 小丘(注 18)
★ 60 頸(注 20)
チュウ
柱
バン コウ
★ 61 伴行[の]
★ 62 交連/交連[の]
★ 63 総[の]
チ ミツ
★ 64 緻密[の]
★ 65 複[の]; 複合[の]
★ 66 甲介/甲介[の]
カ
★ 67 顆/顆状[の]
交会
結合線
★ 68
★ 69
★ 70
★ 71
★ 72
★ 73
★ 74
★ 75
★ 76
★ 77
★ 78
★ 79
★ 80
★ 81
★ 82
★ 83
★ 84
★ 85
★ 86
★ 87
★ 88
★ 89
★ 90
★ 91
★ 92
★ 93
★ 94
★ 95
★ 96
結合
収縮筋
曲[の](注 24)
円錐/円錐[の]
曲[の](注 24)
角膜
角/角質[の](注 6)
冠/冠状[の]
体
小体
スウ キン
皺筋
皮質/皮質[の]
太[の]; 大[の]
シ
篩状[の]
稜
十字[の]
キャク
脚 /脚[の](注 25)
立方[の]
ケツ
楔/楔状[の]
頂(注 26)
弯曲
尖/尖[の]
皮[の]; 皮膚[の]
交叉(注 21)
三角[の](注 27)
シ
歯/歯[の]; 歯状[の]
下制筋
下行[の]
径
隔膜/隔膜[の]
骨幹
二腹[の]
指; 趾/指[の]; 趾[の]
散大筋
円板
憩室
背/背側[の]
小管(注 16)
管(注 17)
硬[の]
輸出[の]
弾性[の]
楕円[の]
隆起(注 28)
導出[の]
1
★ 97
★ 98
★ 99
★ 100
★ 101
★ 102
★ 103
★ 104
★ 105
★ 106
★ 107
★ 108
★ 109
★ 110
★ 111
★ 112
★ 113
★ 114
★ 115
★ 116
★ 117
★ 118
★ 119
★ 120
★ 121
★ 122
★ 123
上顆
骨端
上皮
赤道
起立筋
カン オウ
陥凹; 窩(注 29)
排出[の]
伸筋
端
面
カマ
鎌/鎌状[の]
筋膜
束
女[の]
窓
線維/線維[の]
シ
糸/糸状[の]
サイ
采/采状[の]
裂(注 30)
屈筋
曲(注 24)
葉/葉状[の](注 31)
小胞
孔/孔[の]
円蓋
カ
窩(注 19)
カ
小窩(注 32)
窩(注 19)
小窩(注 32)
小帯(注 33)
ワナ[の]
底(注 13)
ジ ジョウ
茸 状 [の]
索(注 22)
褐色[の]
紡錘状[の]
神経節/神経節[の]
コウ ヨウ
膠様[の]
膝/膝状[の]
陰部[の]; 生殖[の]
膝
胚芽[の]
腺/腺[の]
関節[の](注 11)
球/球状[の](注 14)
★ 124
★ 125
★ 126
★ 127
★ 128
★ 129
★ 130
★ 131
★ 132
★ 133
★ 134
★ 135
★ 136
★ 137
★ 138
★ 139
★ 140
★ 141
★ 142
★ 143
★ 144
★ 145
★ 146
★ 147
★ 148
★ 149
★ 150
★ 151
★ 152
★ 153
糸球(注 34)
糸球/糸球状[の](注 34)
薄[の]
顆粒
カイ ハク
灰白[の](注 23)
回
血; 血液
コウ
鈎
ラセン/ラセン[の]
半球
裂孔(注 35)
門(注 36)
液(注 37)
不対[の]
圧痕
切痕
ロウ ト
漏斗; ロート
島
膨大; 膨大部(注 5)
峡
隆起(注 28)
連結
唇/唇[の](注 38)
唇(注 38)
迷路/迷路[の]
裂孔/裂孔[の](注 35)
ラムダ状[の]
板; 層板
板; 層板
広[の](注 39)
毛帯
挙筋/挙筋[の]
自由[の]
靱帯
エン
縁(注 40)
限
境界[の]
線
小舌/小舌[の]
液(注 37)
小葉/小葉[の]
葉/葉状[の](注 31)
長[の]
淡明[の]
月状[の]
半月(注 41)
オウ
★ 154 黄[の]; 黄色[の]
★ 155 リンパ/リンパ[の]
リンパ節
★ 156 斑/斑[の]
★ 157 大[の](注 42)
★ 158 大[の](注 42)
★ 159 乳頭[の](注 43)
柄
★ 160 縁/縁[の](注 40)
★ 161 男[の]
塊
★ 162 最大[の]
道
★ 163 縦隔/縦隔[の]
★ 164 髄; 髄質/髄[の]; 髄質
[の](注 44)
★ 165
★ 166
★ 167
★ 168
★ 169
★ 170
★ 171
★ 172
★ 173
★ 174
★ 175
★ 176
★ 177
★ 178
★ 179
★ 180
★ 181
★ 182
★ 183
★ 184
★ 185
★ 186
★ 187
★ 188
膜/膜[の](注 45)
半月(注 41)
経線/経線[の]
中間[の]; 間膜[の](注 46)
最小[の]
小[の](注 47)
分子[の]
軟[の]
丘(注 18)
運動[の]
粘[の]; 粘液[の]
多裂[の]
筋/筋[の]
舟状[の]
神経/神経[の]
黒[の]; 黒色[の]
小節
節; 結節(注 48)
核
栄養[の]
斜[の]
弁蓋
対立[の]
リン
輪/輪[の](注 8)
器管; 器(注 9)
起始
口/口[の]
骨/骨[の]
2
★ 189
★ 190
★ 191
★ 192
★ 193
★ 194
★ 195
★ 196
★ 197
★ 198
★ 199
★ 200
★ 201
★ 202
★ 203
★ 204
★ 205
★ 206
★ 207
★ 208
★ 209
★ 210
★ 211
★ 212
★ 213
★ 214
★ 215
★ 216
★ 217
★ 218
★ 219
★ 220
★ 221
★ 222
小骨
口(注 2)
卵円[の]
ソウ ジョウ
棕 状 [の]
ツル
蔓状[の]
乳頭[の]
副交感[の]
実質
ヘキ
壁/壁側[の]
部(注 49)
小[の](注 47)
シツ
櫛/櫛状[の]
キャク
脚 /脚[の](注 25)
透明[の]
盤/盤[の]
貫通[の]
有孔[の]
末梢[の]
垂直[の]
足
リ
梨状[の]
平面[の]
叢
ヘキ
ヒダ; 襞
ガン キ
含気[の]
極
門(注 36)
部(注 49)
孔
一次[の]; 原始[の]
第一[の]
主[の]
主[の]
突起
隆起/隆起[の](注 28)
岬角
回内筋
固有[の]
隆起(注 28)
髄/髄[の](注 44)
点
錐体/錐体[の]
四角[の]
方形[の]
シ トウ
四頭[の]
★ 223
★ 224
★ 225
★ 226
★ 227
★ 228
★ 229
★ 230
★ 231
★ 232
★ 233
★ 234
★ 235
★ 236
★ 237
★ 238
★ 239
★ 240
★ 241
★ 242
★ 243
★ 244
★ 245
★ 246
第四[の]
第五[の]
放線/放線状[の]
根/根[の]
枝
縫線
カン オウ
陥凹(注 29)
直[の]
反回[の]
反転[の]
部
呼吸[の]
モウ
網
モウ
網様[の]
支帯
反屈[の]
菱形[の](注 50)
裂(注 30)
吻/吻側[の]
回旋筋
円[の](注 51)
赤[の]; 赤色[の]
スウ/シュウ
皺
嚢/嚢状[の](注 52)
血; 血液/血[の]; 血液
[の]
階
シュウ
舟 /舟状[の]
断面
二次[の]
第二[の]
区; 区域/区[の]; 区域
[の]
★ 247 半月[の](注 41)
★ 248 感覚/感覚[の]
中隔(注 53)
★ 249 中隔/中隔[の](注 53)
ショウ
ショウ
★ 250 漿 [の]; 漿 液[の]
キョ
★ 251 鋸状[の]
シュ シ
★ 252 種子[の]
★ 253 S状[の]
★ 254 単[の]
ドウ
★ 255 洞(注 7)
★ 256 骨格; 骨
★ 257 孤立[の]
ゲキ
★ 258
★ 259
★ 260
★ 261
★ 262
★ 263
★ 264
★ 265
★ 266
鮎
球状[の](注 14)
括約筋
キョク
棘 /棘[の]; 棘状[の]
キョク
棘 突起[の]; 脊髄[の]
ラセン[の]
内臓[の](注 54)
海綿[の]
リン
鱗
リン
鱗[の]
星状[の]
層
線条; 条/線条[の]; 条
[の]
支質
ケイ
★ 267 茎状[の]
質
溝
回外筋
★ 268 提[の]
縫合
★ 269 交感[の]
★ 270 線維軟骨結合; 結合/線
維軟骨結合[の]; 結合
[の]
軟骨結合
靱帯結合
骨結合
★ 271 滑液/滑液[の]; 滑膜
[の]
★ 272
★ 273
★ 274
★ 275
★ 276
★ 277
★ 278
★ 279
系
ヒモ(注 55)
ガイ
蓋/蓋[の](注 56)
蓋(注 56)
被蓋/被蓋[の]
組織
腱/腱[の]
張筋
細[の]; 小[の]
円[の](注 51)
シュウ
終 止; 終末/終止[の];
終末[の]; 分界[の]
★ 280 第三[の]
★ 281 扁桃/扁桃[の]
★ 282 隆起(注 28)
3
チュウ
★ 283 小 柱; 柱; 梁柱
路
★ 284 菱形[の]; 僧帽筋[の](注
小帯(注 33)
50)
★ 285 菱形[の]; 台形[の](注 50)
★ 286 三角[の](注 27)
★ 287 三頭[の]
三角(注 27)
転子
★ 288 滑車/滑車[の]
★ 289 車軸[の]
幹
★ 290 管/管[の](注 17)
★ 291 隆起/隆起[の](注 28,48)
★ 292 結節(注 48)
★ 293 粗面
細管
★ 294 膜; 層(注 45)
コウ
★ 295 鈎/鈎状[の]
★ 296 尿生殖[の]
★ 297 垂(注 10)
★ 298 鞘/鞘[の]
コク
谷
★ 299 郭/有郭[の]
★ 300 弁(注 57)
弁(注 57)
★ 301 脈管; 管/脈管[の]; 管
[の]
★ 302 広[の](注 39)
ハン
帆
★ 303 静脈/静脈[の]
腹
★ 304 室/室[の]
★ 305 細静脈; 小静脈
★ 306 頂(注 26)
ノウ
★ 307 嚢/嚢状[の](注 52)
★ 308 嚢; 胞/胞状[の](注 52)
★ 309 前庭/前庭[の]
痕跡
ジュウ モウ
絨毛
★ 310 ヒモ(注 55)
★ 311 内臓[の](注 54)
セイ
★ 312 声[の]
★ 313 渦/渦状[の]
★ 314 帯/帯状[の]
4
一般用語の注
注 1 一般用語は,TA には含まれていないが,BNA 以来の解剖学用語に収載されてきた.本用語集の一般用
語は,
「日本語による解剖学用語」に掲載された一般用語およびその注をもとに,本用語集に収録されて
いる用語との整合性に留意してラテン語のアルファベット順に配列した.名詞については,ラテン語の
属格を( )内に付記し,ラテン語と英語の語頭を大文字で表記した.形容詞については,日本語に[の]
を付し,ラテン語と英語の語頭を小文字で表記した.名詞から派生した形容詞がある場合には / の後に
表記した.
注 2 口 Ostium は陥凹した臓器や管への開口・入口を示し,口(入口)Aditus は空洞,管への入口という意味
で両語はほぼ同義.一方,口(開口)Apertura は,どちらかといえば洞,管などからの出口を示し,前二
者とは用法が異なる.
用例: 大動脈口 Ostium aortae,喉頭口 Aditus laryngis,蝶形骨洞口 Apertura sinus sphenoidalis.
注 3 白[の] albicans,白[の] albugineus,白[の] albus があり,すべて「白い」の同義語.用法により使い
分ける.
用例: 白体 Corpus albicans,白膜 Tunica albuginea,白質 Substantia alba.
注 4 胞 Bulla,胞 Alveolus はほぼ同義.用法により異なった表現となる.
用例: 篩骨胞 Bulla ethmoidalis,肺胞 Alveoli pulmonis.
注 5 膨大 Intumescentia は充実器官の膨大・拡張を,一方,膨大 Ampulla は管の嚢状の拡張を示す.
用例: 頸膨大 Intumescentia cervicalis,直腸膨大部 Ampulla recti.
注 6 角 Cornu は角張った構造の総称である.用例: 前角 Cornu anterius.
一方,角 Angulus は角張って突き出ている物または部分を指す.用例: 下顎角 Angulus mandibulae.
注 7 洞 Sinus は組織,骨,血管などの内部に拡張した空洞,また洞 Antrum はほとんど閉鎖された骨壁を有
する空洞をいい,洞 Caverna は海綿様の小胞をもつ空洞の意味.前二者はほぼ同義に用いられることが
ある.
用例: 冠状静脈洞 Sinus coronarius,乳突洞 Antrum mastoideum,尿道海綿体洞 Cavernae corporis
spongiosi.
注 8 輪 Orbiculus は円形または円盤状の構造を示し,輪 Anulus は内容物を周囲から取り囲み締めつける輪
状構造を示す.また,輪 Circulus は血管,神経などが連続してつくる環状構造を示す.前二者はほぼ同
義.
用例: 毛様体輪 Orbiculus ciliaris,線維輪 Anulus fibrosus,大脳動脈輪 Circulus arteriosus cerebri.
注 9 器 Apparatus は,ある機能の遂行に関与する腺,管,血管などの解剖学構造の集合体であり,一方,器
官; 器 Organum は1つの機能の遂行に関与する解剖学的構造体である.
用例: 涙器 Apparatus lacrimalis,ラセン器 Organum spirale.
注 10 垂 Appendix はぶら下がった付属物,特に虫垂を連想させる構造.一方,垂 Uvula は下垂した肉塊,特
に口蓋垂を連想させる用語.
用例: 虫垂 Appendix vermiformis,口蓋垂 Uvula palatina.
注 11 関節 Articulatio は 2 本以上の骨の結合部を示し,多くの結合部の一般総称.一方,関節[の] glenoidalis
は肩関節の構成に参加する肩甲骨の関節陥凹を示す関節窩 Cavitas glenoidalis としての用法に限定され
る.
注 12 房 Camera は眼房のようなすべての室,腔をいい,房 Atrium は数個の小室または通路とつながる室,空
洞を指す.
用例: 眼房 Camerae bulbi,左心房 Atrium sinistrum.
注 13 底 Basis は構造物の下部,基底部をいい,また底 Fundus は嚢または中腔臓器の下部(底)あるいは開口
部(出口)から最も遠い部分を指す.
用例: 頭蓋底 Basis cranii,子宮底 Fundus uteri.
注 14 球 Globus,球状[の] spheroideus,球 Bulbus があり,いずれもほぼ同義.
用例: 淡蒼球外節 Globus pallidus lateralis,球関節 Articulatio spheroidea,眼球 Bulbus oculi.
注 15 包; 嚢 Bursa と包; 嚢; 被膜 Capsula とがあり,ほぼ同義.臨床面では,包よりは嚢; 被膜が繁用され
5
ている(昭 33).
用例: 踵骨腱の滑液包 Bursa tendinis calcanei,線維被膜 Capsula fibrosa.
注 16 小管 Ductulus と小管 Canaliculus は,それぞれ管 Ductus と管 Canalis の指小辞である.注 17 を参照.
注 17 管 Canalis は周囲組織の壁で囲まれる管で,管 Ductus は固有の独立した管壁をもつ管であり,また管
Tuba はまっすぐな管という意.
用例: 舌下神経管 Canalis nervi hypoglossi,胸管 Ductus thoracicus,耳管 Tuba auditiva.
注 18 丘 Mons は表面の一般水準を上回る隆起またはわずかな高まり.丘; 小丘 Caruncula は小肉塊の隆起ま
たはそれに類似するもの.また,丘; 小丘 Colliculus は周囲部分から盛り上がった小隆起を示す.後二
者はほぼ同義.
用例: 恥丘 Mons pubis,涙丘 Caruncula lacrimalis,精丘 Colliculus seminalis.
注 19 窩 Cavitas はある部分が表面からかなり深く落ち込んだへこみ(陥凹)である.
用例: 関節窩 Cavitas glenoidalis.
一方,窩 Fossa と窩 Fovea は表面から浅くへこんだ部分(陥凹)で,ほぼ同義.
用例: 肘窩 Fossa cubitalis,中心窩 Fovea centralis.
注 20 頸 Cervix は頸部の前下部を指し,頸 Collum は頸部全体を指す.骨や内臓の頸部には Collum が使用さ
れており,また子宮頸に対しては慣用的に Cervix が残されている.
注 21 交叉 Chiasma は腱や神経などの単数要素が交差しているという意味.一方,交叉 Decussatio は腱や神
経を含む複数要素が交差している部位を示す.
用例: 視神経交叉; 視交叉 Chiasma opticum,錐体交叉 Decussatio pyramidum.
注 22 索 Chorda,索 Funiculus ともにヒモ状または索状構造の意で,ほぼ同義.
用例: 鼓索神経 Chorda tympani,精索 Funiculus spermaticus.
注 23 灰白 griseus と灰白 cinereus はほぼ同義.
用例: 灰白質 Substantia grisea,灰白隆起 Tuber cinereum.
注 24 曲[の] contortus,曲[の] convolutus はほぼ同義で,
「渦まき状の」,「回旋状の」の意.曲 Flexura は
臓器の構造の「屈曲」,
「弯曲」の意で,前二者の曲り方は後者のそれより激しく,かつ不整形であるこ
とを示す.
用例: 曲精細管 Tubuli seminiferi contorti,曲尿細管 Pars convoluta,左結腸曲 Flexura coli sinistra.
注 25 脚 Crus は足に似た長く伸びた構造体一般に用いられ,一方,脚 Pedunculus は主に神経系の種々の脚状
連絡組織を表す用語として用いられる.両者はほぼ同義.なお,脚 Crus は「脚」,「下腿」であったが,
下腿は一般用語に不必要として削除され,脚のみが残った.
用例: 陰茎脚 Crus penis,上小脳脚 Pedunculus cerebellaris superior.
注 26 頂 Cupula はカップ形,円蓋状の構造物を指し,一方,頂 Vertex は頭頂または渦まき状の尖端などを指
す.
用例: 蝸牛頂 Cupula cochleae,角膜頂 Vertex corneae.
注 27 三角[の] deltoideus,三角[の] triangularis,三角 Trigonum いずれも三角形の部分,領域を示す総称.
用例: 三角筋 M. deltoideus,右三角間膜 Lig. triangulare dextrum,大腿三角 Trigonum femorale.
注 28 隆起 Eminentia,隆起(結節)Tuber はともに限局したもりあがった区域を指し,ほぼ同義.
用例: 腸恥隆起 Eminentia iliopubica,坐骨結節 Tuber ischiadicum.
また,隆起 Prominentia,隆起 Protuberantia はともに外に突出した隆まりを示し,ほぼ同義.
用例: 喉頭隆起 Prominentia laryngea,オトガイ隆起 Protuberantia mentalis.
また,隆起 Jugum は 2 点間を結ぶような隆起を示す.
用例: 蝶形骨隆起 Jugum sphenoidale.
さらに,隆起 Torus は収縮筋によって生じるような円形のふくらみで,可動性,伸縮性がある.
用例: 挙筋隆起 Torus levatorius.
注 29 陥凹 Recessus は内容物がはまり込んでいるへこみであり,陥凹; 窩 Excavatio は内容物を入れないへ
こみのこと.
用例: 咽頭陥凹 Recessus pharyngeus,直腸子宮窩 Excavatio rectouterina.
注 30 裂 Fissura は脳,脊髄などの表面の深い溝を指し,裂 Rima は 2 つの対称的な部位間の鮎間や裂溝を示
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す.両者はほぼ同義.
用例: 大脳横裂 Fissura transversa cerebri,声門裂 Rima glottidis.
注 31 葉 Lobus は裂け目や結合組織中隔などで区分された臓器の1区画をいい,葉 Folium は広くて薄い葉状
構造をいう.
用例: 大脳葉 Lobi cerebri,虫部葉 Folium vermis.
注 32 小窩 Fossula と小窩 Foveola は,それぞれ窩 Fossa と窩 Fovea の指小辞である.注 19 を参照.
注 33 小帯 Zonula と小帯 Frenulum はほぼ同義.
用例: 毛様体小帯 Zonula ciliaris,舌小帯 Frenulum linguae.
注 34 糸球 Glomerulus,糸球 Glomus ともに小さな球状体を示す同義語.
用例: [腎]糸球体 Glomeruli,頸動脈小体 Glomus caroticum.
注 35 裂孔 Hiatus は大きく開いた裂け目,口を,一方,裂孔 Lacuna は小さい空洞,くぼみを意味する.
用例: 伏在裂孔 Hiatus saphenus,血管裂孔 Lacuna vasorum.
注 36 門 Hilum,門 Porta とも器官のある部分で,神経,血管,導管などの出入りする場所を示す.用法で異
なる.
用例: 腎門 Hilum renale,肝門 Porta hepatis.
注 37 液 Liquor と液 Humor があるが,ほぼ同義.
用例: 脳脊髄液 Liquor cerebrospinalis,眼房水 Humor aquosus.
注 38 唇 Labium,唇 Labrum ともに唇の形をした構造の意で,ほぼ同義.ただし後者は関節周辺に限定する.
用例: 下唇 Labium inferius,関節唇 Labrum articulare.
注 39 広[の] latus と広[の] vastus はほぼ同義.人体部位を表す語として側腹; わきばら Latus がある.
用例: 子宮広間膜 Lig. latum uteri,外側広筋 M. vastus lateralis.
注 40 縁 Limbus,縁 Margo ともに体のある部分の「ふち」,または他の部分との「境界」を表す用語で,ほぼ
同義.
用例: 角膜縁 Limbus corneae,涙骨縁 Margo lacrimalis.
注 41 半月 Lunula,半月 Meniscus,半月[の] semilunaris のいずれも半月の同義語だが,構造物の形状が相
互に多少異なることを表している.従って,同じ半月状構造でも用法により使い分ける.
用例: 半月弁半月 Lunula valvularum semilunarium,関節半月 Meniscus articularis,半月線 Linea
semilunaris.
注 42 大[の] magnus は,大きさや数が大きいという意.その比較級が大[の] major で,小[の] minor に対す
る.その最上級が最大[の] maximus で,最小[の] minimus に対する.
用例: 大転子 Trochanter major,大内転筋 M. adductor magnus.
注 43 (NA6)では mamillaris (用例“Corpus mamillare”など)と表記されたが,(TA)で mammillaris (用例
“Corpus mammillare”など)と改められた.
注 44 髄; 髄質 Medulla は,骨,中枢神経,多くの内臓に用いられる.髄 Pulpa は歯と脾臓に用いられる.
用例: 髄脳; 延髄; 球 Medulla oblongata,歯髄 Pulpa dentis.
注 45 膜 Membrana はシート状のものを指し,膜; 層 Tunica は複数の層の一部を指す.
用例: 滑膜 Membrana synovialis,粘膜 Tunica mucosa.
注 46 中間[の] meso- は接頭語であり,しばしば間膜(例: 卵管間膜 meso-ovarium)という特殊な意味に多く
使用される.
注 47 小[の] parvus は大きさや数が小さいという意.その比較級が小[の] minor で,大[の] major に対する.
その最上級が最小[の] minimus で,最大[の] maximus に対する.
用例: 小転子 Trochanter minor,小心臓静脈; 小心静脈 V. cardiaca parva.
注 48 節; 結節 Nodus はリンパ節のような限定された組織塊に対する名称.また結節 Tuberculum は骨,筋,
粘膜などにみられる限局性の固い円形のたかまりを示す.概して,大きいたかまりを隆起 Tuber,小さ
いたかまりを結節 Tuberuculum とした.
用例: リンパ節 Nodus lymphaticus,オトガイ結節 Tuberculum mentale.
注 49 部 Portio は限定された場所を指す.一方,部 Pars は同じ限定された場所を示しながら,前者よりはや
や広がりを持つ概念.
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用例: 腟部 Portio vaginalis cervicis,鎖骨部 Pars clavicularis.
注 50 菱形[の] rhomboideus,菱形[の] trapezius,菱形[の] trapezoideus はいずれもほぼ同義.僧帽筋の名
は,この筋の古い別名 M. cucullaris に対応する.M. trapezius の直訳は「菱形筋」である.
用例: 菱形窩 Fossa rhomboidea,大菱形骨 Os trapezium,菱形靱帯 Lig. trapezoideum.
注 51 円[の] rotundus,円[の] teres ともにほぼ同義.用法により異なる.
用例: 正円孔 Foramen rotundum,肝円索 Lig. teres hepatis.
注 52 嚢 Vesica は膨張可能な筋性の袋を指し,嚢 Vesicula はその指小辞で小さな袋を指し,また嚢 Saccus
は結合組織からなる非膨張性の袋を指す.
用例: 胆嚢 Vesica fellea,精嚢 Vesicula seminalis,内リンパ嚢 Saccus endolymphaticus.
注 53 中隔 Septulum は,中隔 Septum の指小辞である.
注 54 内臓[の] splanchnicus,内臓[の] visceralis とあるが,両者はほぼ同義.
注 55 ヒモ Vinculum は小さな帯状または腱状の構造を示し,ヒモ Taenia もやはりある種の帯状の構造を意味
し,ほぼ同義.用法により異なる.
用例: 腱のヒモ Vincula tendinum,結腸ヒモ Taeniae coli.
注 56 蓋 Tectum と蓋 Tegmen はほぼ同義.
用例: 中脳蓋 Tectum mesencephali,鼓室蓋 Tegmen tympani.
注 57 弁 Valvula は,弁 Valva の指小辞である.
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