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佐賀県研究成果情報 (作成 平成21年7月) [背景・ねらい] 施設園芸では
佐賀県研究成果情報 (作成 平成21年7月) 木質ペレット暖房機の加温特性と燃料費削減効果 [要約]木質ペレット暖房機の制御温度巾は3∼4℃程度である。また,設定温度12℃の場合, ハウス外気温が4℃以下または6℃以上で制御温度精度がやや低下(0.6∼1.5℃)する。 木質ペレット(単価36円/kg)による燃料費削減効果は,重油単価85円/㍑で10%,97円/㍑ で20%となる。 上場営農センター・研究部・畑作経営研究担当 連絡先 0955-82-1930 部会名 対 象 施設野菜 上場営農 専門 農業施設 [背景・ねらい] 施設園芸では,原油高騰により暖房経費や生産資材費が増加し農家経営を圧迫しているため,中長 期的な視点から脱石油・省エネ対策の構築が課題となっている。ポスト石油対策として,森林資源を 利用したバイオマスエネルギーである木質ペレットが注目されており,カーボンニュートラルである ことから地球温暖化対策に貢献できる。そこで,近年開発された木質ペレット暖房機の運転状況や加 温特性・経済性などについて検討する。 [成果の内容・特徴] 1.促成トマト栽培期間中(最低温度設定12℃)の木質ペレット使用量は8,588t/320㎡であり,燃料量 の0.46%の灰が発生する。(表1)。 2.木質ペレット暖房機運転中(温度設定は12℃点火11.5℃消火13.5℃温度巾2℃)のハウス内の実際 の温度は約3∼4℃の巾で推移する(図1,図2)。 3.外気温が4℃以下の場合,ハウス内温度は点火設定温度11.5℃よりも1.5℃低い9.9℃でまで低下し, 外気温が6∼10℃では消火設定温度13.5℃よりも約0.6℃高く推移する(図1,図2)。 4.木質ペレット暖房機の燃料費(木質ペレット+灯油)は重油暖房機と比べて,木質ペレットの単 価が36円/kgの場合に重油約76円/㍑で同程度となり,さらに,重油単価が85円/㍑の場合に燃料費 10%削減,97円/㍑で20%削減となる(図3)。 5.木質ペレット暖房機を用いた促成トマトの生育・収量は、重油暖房機を用いた場合と比べて差が ない(データ略)。 [成果の活用面・留意点] 1.供試した暖房機の能力がハウスに対してやや大きかったために,二重カーテン無しで実施した(図 4,図5)。 2.供試した木質ペレットの単価は36円/kg(うち運賃10円/kg)であり,安価で安定的な木質ペレット 供給体制が必要である。 3.木質ペレット暖房機の灰出しを燃焼時間50∼100時間毎に実施する必要がある(表1)。 [具体的データ] ( 図 4 木質ペレット暖房機 ネポン社製 PHK2000(5 万 kcal) ※(参考価格) ネポン社製 PHK400GCW(10 万 kcal) 一式 431 万円、屋外サイロ WP3T)100 万円 [その他] 研究課題名:[戦略的研究:省エネ・ポスト石油技術開発] 木質ペレット暖房機を活用したハウス加温技術の開発 予算区分 :県単 研究期間 :2007∼2010 年度 研究担当者:石橋哲也,中山敏文,浦田貴子,富永 慧 屋外サイロ