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中国 北京工作機見本市を視察して

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中国 北京工作機見本市を視察して
中国 北京工作機見本市を視察して
千葉営業所 所長
10
市川忠能
2011年4月11日~16日まで中国・北京
大のスペースに10 台以上の工作機械を展示して
にて開催された工作機見本市へ視察に行ってきま
いました。森精機製作所は見本市直前の3月に中
した。工作機見本市は日本・アメリカ・ヨーロッ
国での売上が台数ベースで過去最高となった事か
パで開催される見本市が世界3大工作機見本市と
らとても力を入れているように感じました。また、
されています。最近では今回の中国の見本市を含
ヤマザキマザック、牧野フライス精機、オークマ
めて4大工作機見本市とも言われているようです。
についても同様で中国市場には注力している事が
今回の展示会は中国での背景(工作機械生産額世
感じられました。しかし日本メーカーの知名度は
界一・自動車販売台数1800万台等)を追い風
低く、今後市場を拡大させていくには欧米、韓国、
として、とても盛大に開催されていました。展示
台湾、中国のメーカーとの競争は避けられない状
エリアはジムトフの約1.5倍の広さ、出店社数
況で、今回の展示では日本メーカーの強み(複合
も約1.5倍という事でした。世界でも最も注目
加工機・門型MC・横型MC・システム等)をアピー
されている市場での展示会であると感じました。
ルするような展示が多かったように感じました。
会場は国・地域ごとに分けて展示されているのが
中国国内のメーカーもレベルが上がってきてい
特徴的でした。会場を見ていて感じたのは中国市
るのも感じました。大連機械集団は横型MCを数
場ではヨーロッパ製、特にドイツ製の工作機械の
台並べてその間をガントリローダーで連結させた
注目度が高いという事で、周辺装置・計測機器に
システムを展示していました。
関しても同様にヨーロッパ製が注目を集めていま
このようなシステムを構築できるのは中国国内で
した。
は数社しかなく自動車メーカーを中心に納入実績
日本エリアでは、森精機製作所が日本エリア最
が増えてきているとの事でした。最近では輸出も
New Wave 2011.07.20
増加しているようです。中国国内では「高速化・
今回の展示会を視察して思ったのは、工作機メー
高精度・自動化」がキーワードになっているよう
カーにしても工具メーカーにしても進歩のスピー
で人件費の削減は早急に取組まなければならない
ドが早いという事でした。数年前に中国の工作機
課題となっているようです。
械メーカー、工具メーカーを視察する機会があり
工具に関してもまず感じたのは中国メーカーの
ました。その当時の印象は、このような環境で工
レベルが思っていた以上にあがっているという事
作機を製造するのか、工具を作るのかというもの
でした。展示されている工具を見ても外観は日本
でした。日本と比べてまだまだ大きな差があるな
製と遜色ないものでした。エンドミルやドリルの
と思ったのを覚えています。ところが今回の展示
レベルアップはもちろんですが、歯切工具のレベ
会では日本に迫る勢いで進歩しているという事を
ルは特に上がっているように感じました。ある歯
感じました。この進歩のスピードはますます加速
切工具のメーカー担当者は、以前は日本製の工具
していくのだろうと思いました。これまで日本や
が日系企業を中心に多く使用されていたが、ここ
欧米を中心に動いてきた工作機械・工具の市場は
最近では日本製⇒中国製の切替が進んでいると言っ
今後中国をはじめとする今までと違う国が中心に
ていました。また、精度についても十分対応可能
なって動いていくのだろうと改めて感じました。
であるとも言っていました。中国国内には多くの
工具メーカーがあるようで、理由を聞いてみると
中国ではハイスドリルだけ、超硬エンドミルだけ、
ホブだけ、ブローチだけというように専門メーカー
が多いという事でした。専門メーカーだからこそ
進歩が早いのだと思いました。また、最近の流れ
China
International
Machine Tool
Show
としてはハイス工具を取り扱うメーカーが減少し、
超硬工具・CBN関連メーカーが増加しているよ
うです。この点に関しては日本と同じであると思
いました。
www.kyoni.co.jp
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