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Ⅳ - 経済産業省

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Ⅳ - 経済産業省
4. エコタウン整備ニーズ(環境技術の潜在ニーズ)の把握
4.1 エコタウン整備ニーズ(環境技術の潜在ニーズ)
4.1.1 優先検討対象の分野
3.3 で整理した通り、既存の廃棄物処理事業では手付かずとなっている有害廃棄物及び非
有害廃棄物(副産物)の品目及び現況は以下の通りで、エコタウン整備ニーズを把握する
ため、エコタウン整備に必要となる環境技術の潜在ニーズについて優先度の高い対象別に
検討した。
なお、有機系ごみ(生ごみ)については、3.3 で取り上げていないが、今後の工場進出に
伴うカンテイ−ンからの排出量の増加が見込まれることから、対象分野として抽出した。
(1)有害廃棄物の熱処理施設(焼却処理対象廃棄物の排出量に対し熱処理施設が不足
している)
(2)非有害廃棄物
①電気・電子機器廃棄物(E-Waste)
:
(インフォーマルセクターによる一次解体後一
部リサイクルが行われている)
②鉄鋼スラグ:(再生利用はほとんど行われていない)
③廃蛍光管:
(口金の金属リサイクルが一部おこなわれてるが、大半は埋立している。
水銀を含む蛍光粉の飛散による健康被害の懸念がある)
④廃プラスチック(ポリエステル繊維くず)
:
(ロープ材料、ほぐして再度繊維として
利用しているが、より高度なリサイクルを模索している)
⑤銅スラグ:(再生利用はほとんど行われていない)
⑥廃酸・廃アルカリ
⑦有機系ごみ(生ごみ)
:(工場進出に伴うカンテイ−ンからの排出量の増加に伴い、
生ごみのリサイクルが見込まれる)
4.1.2
検討対象別の技術ニーズの状況
(1)有害廃棄物の熱処理技術ニーズ
グジャラート州には、現在 3 つの熱処理(焼却)施設が稼動している。グジャラート州
政府の公害管理局(Pollution Control Board)によると、約 110 万トンの埋立対象物、11
万トンの焼却処理対象物が発生しているが、既存処理能力は、前者が約 6.5 百万トン、後者
は 1.15 万トンのみで、特に熱処理処理施設インフラが足りない状況にある。
既存産業からの廃棄物の処理・処分が進む中、完全な無機化・減容化のための処理イン
フラ(熱処理)は足りていない。このため、州内の有害廃棄物の適正処理及び焼却に伴う
排熱のエネルギー利用など、オペレーションノウハウを含めた日本の高い焼却技術の潜在
ニーズが見込まれる。
■
提供技術と段階的アプローチ
インドにおいて熱処理はコスト的な面からその施設整備が進んでいないと考えられるが、
96
廃棄物の適正処理の面から、確実な処理を行い環境上支障のない処理をしていくことが不
可欠となる。また、焼却に伴う排熱利用による熱供給や発電は、地球温暖化防止の点から
必要な対策といえる。このため、以下の段階的なアプローチと具体的な提供技術は以下の
とおり想定される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ 現有施設に対する設備・運転に関する改善
策のアドバイス(技術指導)
・ 新規施設に関するコスト面を含めた日本か
らの提供可能技術の提案
・ 新規施設建設に係る技術支援
・ 焼却施設主要機器及びオペレーションノウ
ハウの提供
・ エネルギー回収技術の導入支援(発電)
具体的な提供技術
・ ストーカー炉、ロータリ
ーキルン炉、流動床炉、
複合炉
・ 循環流動層ボイラ
(2)非有害廃棄物の潜在技術ニーズ
法律では有害廃棄物の分類にはない以下の副産物等については、工業化、都市化、所得
増加等による排出量の増加によって問題の顕在化が見込まれる。また、民間事業主体のひ
とつである GEPIL 社が事業化の関心を示している品目でもあり、調査チームとの協議にお
いて優先廃棄物として対象化した。
対象となる廃棄物の潜在技術ニーズは以下のとおりである。
①電気・電子機器廃棄物(E-Waste)
廃製品の排出量は多くないが、今後増加の可能性が高くリサイクル事業への対応を優先
的に図りたいとグジャラート側が希望している対象品目である。未だ発生量は多くないと
見込まれるが、今後生活レベルの向上により世帯由来の発生量の増加が見込まれる。また、
ATM、通信業等の産業系 OA 機器も相当量発生しているとの情報もある。
廃電気・電子機器は、インフォーマルセクターへの流れが顕著(50∼52 トン/月発生)で
ある。
一方で、デリー地区等では回収された E-Waste の一次解体後、プリント基板が取り外さ
れ、欧州の非鉄製錬業者(U 社)に貴金属回収目的で輸出されている。
グジャラートでは、廃製品として発生している量の全体像はつかみ切れていないが、一
部では一次解体、プリント基板の取り外し等が行われている。また、銅の製錬(Smelter)
業者(B 社)が稼動していることから、多数の精錬業者が存在しており、アクセサリー類製
造端材からの銅回収等も実施されている。
このため、廃電気・電子機器のプリント基板、IC チップの微粉砕、選鉱により単位あた
りの貴金属含有濃度を高める技術の潜在ニーズが見込まれる(金属回収を目的とした選別
品は、日本へ輸入しての貴金属回収またはインド国内での回収いずれでも対応が可能)。
97
■
提供技術と段階的アプローチ
E-Waste の排出量将来的に増加することが予想されるが、現時点においては排出量の少
ない状況であるこのため、段階的なアプローチと具体的な提供技術は以下のとおり想定
される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ 排出量(対象量)が少ないことから手選別に
よるプリント基板・IC チップ等を抽出
・ 非鉄金属回収目的で輸出し貴金属回収
・ 処理対象物がある程度確保できた時点で湿式
処理による貴金属の回収の実施(国内)
・ 銅精錬工場との連携による溶解残渣の処理
・ E-Waste の排出量が確保できた時点で機器の
解体・破砕・選別設備の導入
・ プリント基板、IC チップの微粉砕、選鉱によ
る貴金属含有濃度を高める選別施設の導入
図 4.1-1
貴金属の回収
出典:同和エコシステム㈱HP51
51
http://www.dowa-eco.co.jp/recycle/metal_recycle.html
98
具体的な提供技術
・ 日本国内での受入
・貴金属回収設備(湿式
処理)
・破砕・選別設備
図 4.1-2
OA・電子機器の破砕選別施設(例)
出典:
(株)リーテム HP52
②鉄鋼スラグ
ハジラのエッサール製鉄より発生する鉄鋼スラグのリサイクル。
エッサール製鉄では、HBI(直接還元製鉄法)により、端材と市中回収スクラップ(原料
全体の6%のみ)を原料に電炉による製鋼(年間 450 万トンの生産能力に対して、360 万
トンの生産)の際に、発生するスラグは、年間 60∼80 万トンである。
同社の環境担当責任者(Head)によると、現在スラグのリサイクルは手つかずの状況で、
自社内のヤードで埋立に近い状態で積み上げられ、飽和に近い。このため、以下の対応を
考えており事業化の提案を渇望している。
第一フェーズ:路盤材、埋立材、鉄道バラストとしての利用、レンガ製造については技術
的には可能であることが判明している。
第二フェーズ:電炉スラグからの鉄分の回収、回収鉄分を循環する高付加価値利用を行
いたい(含有鉄分は 30∼35%と高い)。
52
http://www.re-tem.com/recycle/tokyo.html
99
また、今年 6 月に新たに高炉が完成する予定であり、稼動すれば 500 万トンの製鋼が行
われる見込みで、より大量の高炉スラグが新たに定常的に発生する。このため、スラグの
処理・リサイクルは喫緊の課題となるのは時間の問題となっている。
加えて、我が国の製鉄所で一般化している廃プラスチックの高炉吹き込み用の還元剤と
しての利用、又はコークス炉化学原料化技術や、回収ダストからの鉄分回収(ダストは現
在年間 3.6 万トン発生、鉄含有は 30∼40%)についても関心が寄せられている。
また、グジャラート州及び近隣州に複数立地する業者から出されるスラグ(電炉・鋳造
くず(中小規模起源))については、現在手つかずの状況にある。これらについても上記と
同様に、鉄分回収、循環利用の可能性がある。
これら関心が示されている、スラグからの鉄回収、回収ダストからの鉄分回収、廃プラ
スチックの還元剤等への利用技術、に対する潜在ニーズが見込まれる。
図 4.1-3
エッサール製鉄フロー(現在)
出典:http://www.essarsteel.com/steel/plants_hazira.htm
■
提供技術と段階的アプローチ
1)
スラグからの鉄回収
鉄鋼スラグからの鉄回収は、日本の製鉄所での導入実績は多く、インドにおいても、製鉄
量の増産に伴うスラグ排出量の増加に対し回収鉄の再利用及び鉄回収後のスラグのセメン
ト原料としての利用などその導入効果は大きいと判断される。このため、以下の段階的な
アプローチと具体的な提供技術は以下のとおり想定される。
100
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ コスト面を含めた日本からの提供可能技術の
提案
・ 設備機器及びオペレーションノウハウの提供
・ グジャラート州以外の製鉄所への技術提供に
よるリサイクルの拡大
図 4.1-4
具体的な提供技術
・スラグ破砕・鉄選別設備
鉄鋼スラグ等のリサイクル
出典:日本磁力選鉱(株)53
2)回収ダストからの鉄分回収
製鉄所の回収ダストからの鉄分回収は、日本の製鉄所での導入実績が多い。インドにおい
ても、回収鉄(還元鉄)を所内で経済的に再利用できるなど、その導入効果は大きいと判
断される。このため、以下の段階的なアプローチと具体的な提供技術は以下のとおり想定
される。
53
http://www.nmd.co.jp/pdffile/all2_pages.pdf
101
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ コスト面を含めた日本からの提供可能
技術の提案
・ 設備機器及びオペレーションノウハウ
の提供
・ グジャラート州以外の製鉄所への技術
提供によるリサイクルの拡大
具体的な提供技術
・ RHF(RotaryHearth
Furnace)設備
・RHF (Rotary Hearth Furnace)
設備は、製鉄所で発生する酸化
鉄・酸化亜鉛等を含むダストをド
ーナツ型の回転炉床上に敷き詰
め、バーナーで高温加熱し極短時
間で還元鉄を生産する設備。
・RHF設備の導入により、製鉄
所で発生するダストを所内で経
済的にリサイクルすることが可
能となる。
・各ダストは、前処理工程で混
練・成型された後、ドーナツ型の
回転炉床上で高速還元される。
・還元された成型物は還元鉄とし
て、高炉に直接装入し、鉄源とし
てリサイクルされる。
・この還元鉄を高炉に装入した場
合には、還元用のコークス、焼結
鉱を減少できるメリット、及び高
炉の生産性向上のメリットがあ
る。また、排ガス中の二次ダスト
の酸化亜鉛は充分に濃縮されて
おり、亜鉛原料としてリサイクル
可能。
図 4.1-5 RHF 設備による還元鉄の回収フロー
出典:http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0237604_01.pdf
3) 廃プラスチックの還元剤等への利用
我が国の製鉄所で一般化している廃プラスチックの高炉への還元剤及びコークス炉化
学原料化技術についても、関心がよせられている。このため、段階的なアプローチと具体
的な提供技術は以下のとおり想定される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ コスト面を含めた日本からの提供可能技
術の提案
・ 設備機器及びオペレーションノウハウの
提供
・ グジャラート州以外の製鉄所への技術提
供によるリサイクルの拡大
102
具体的な提供技術
・ 高炉原料化(高炉還元剤)
・ コークス炉化学原料化
図 4.1-6
廃プラスチックの高炉原料化技術(高炉還元剤)
出典:プラスチック処理促進協議会 HP
図 4.1-7
54
廃プラスチックのコークス化学原料化
出典:プラスチック処理促進協議会 HP55
54
http://www.pwmi.or.jp/pk/pk04/pkflm405.htm
103
③廃蛍光管
グジャラート州の他、DMIC 地域全体の特に産業由来の環境負荷物質の課題として、工
場地帯から、蛍光管が大量に発生しているが、現在は両端の口金のみ取り外され金属スク
ラップとしてリサイクルされている。または、そのまま埋立処分されているのが現状であ
る。蛍光管の解体作業は、負圧状態での解体ではないため、水銀を含む蛍光粉の飛散によ
る環境、健康被害が懸念される。
蛍光管は、有害廃棄物として回収されていないため、全体での発生量が把握できない状
態であるが、24 時間稼動の工場を含め既存事業所からは、蛍光管が定常的に排出される状
況にある。
このため、蛍光管の適正処理による、水銀回収、ガラス部分の再利用など、蛍光管のリ
サイクル処理に関する技術の潜在ニーズが見込まれる。
■
提供技術と段階的アプローチ
蛍光管の排出量は将来的に増加すると見込まれるが、段階的なアプローチと具体的な提
供技術は以下のとおり想定される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ 蛍光管回収システムの整備のための日本で
の実績、ノウハウの提供
・ 早急な対応が望まれる、破砕・ガス回収装
置の先行導入と処理の集約化
・ 回収量がある程度確保できた段階で蛍光管
処理システムの導入
・ グジャラート州以外の地域への展開
図 4.1-8
蛍光管破砕機(例)
出典:㈱ジェイ・リライツ HP56
55
56
http://www.pwmi.or.jp/pk/pk04/pkflm406.htm
http://www.kitaq-ecotown.com/torikumi/company/j-relights.php
104
具体的な提供技術
・ 蛍光管破砕・ガス回収技
術
・ 蛍光管リサイクル技術
図 4.1-9
蛍光管リサイクル施設(例)
出典:JFE 環境㈱HP57
④廃プラスチック(ポリエステル繊維くず)
廃プラスチックのうち HDPE(高密度ポリエチレン)、PP 等のプラスチックは、ペレッ
ト加工して汎用再生プラスチック原料としてリサイクルされている。
地元産業である繊維業からは、ポリエステル繊維くず(約 1,200 トン/月)が発生し、汚
れているものはボイラー燃料、比較的きれいなものはロープ原料、繊維をほぐして手織り
産業の原料及び不織布の原料として利用されているが、より高度なリサイクル方法を模索
中である。
技術の潜在ニーズとしては、ポリエステル(発熱量約 5,000kca/kg)はプラスチックの一
種であり、高炉還元剤、セメント工場での燃料利用が見込まれるほか、将来的にはポリエ
ステル製品から添加剤・着色剤を分離し、石油から製造する原料と同じレベルの高純度ポ
リエステル原料に戻す高度精製技術(繊維 to 繊維)が見込まれる。
■
提供技術と段階的アプローチ
ポリエステル繊維くずのリサイクルは、現状において行われているが、段階的なアプロ
ーチと具体的な提供技術は以下のとおり想定される。
57
http://www.jfe-kankyo.co.jp/nkc01/fnkc01.html
105
フェーズ
第 1 段階
将来
対応
・ 高炉還元剤への利用の可能性の検討・提案
・ RPF 燃料化してセメント工場等での燃料利
用可能性の検討・提案
・ ポリエステル製品から添加剤・着色剤を分
離し、石油から製造する原料と同じレベル
の高純度ポリエステル原料に戻す技術によ
る繊維再生の導入
図 4.1-10 RFP 製造フロー(例)
出典: RPF 工業会 HP58
58
http://www.jrpf.gr.jp/rpf-3.html
106
具体的な提供技術
・ 高炉原料化(高炉還元剤)
・ RPF 技術
・高度精製技術(繊維 to 繊
維)
図 4.1-11 ポリエステルの高度精製技術
出典:帝人㈱HP59
⑤銅製錬くず
スーラットのビルラカッパー(銅精錬工場)より発生する銅製錬くずのリサイクル。
環境担当のゼネラルマネジャーの Dr Landge 氏によると、現在年間 60 万∼80 万トンの
銅製錬くずが発生しているが、手つかずの状態にありリサイクルを行いたいニーズがある。
発生している銅くずは、銅分 0.7%、シリカ分 30%、鉄分 40%の組成となっており、産業
の代替原料としての利用可能性がある(サンプルを提供の予定)。
銅精錬くず(銅からみ)は、日本では既に普通ポルトランドセメントの酸化鉄原料、と
して利用されている。さらに、サンドブラスト材(研磨材)60、テトラポット等のコンクリ
ート骨材としても利用されている。
また、グジャラートの銅製錬炉は、非鉄金属を有する廃製品(E-Waste、廃触媒等)から
のレアメタルを含めた回収を行うことができるポテンシャルを有しているといえる。一方、
製錬炉を用いない湿式の貴金属回収はほぼ汎用技術となっているが、環境面で課題がある
ことや回収金属が限定的である。
ちなみに銅製錬炉を既に州内に立地していることは、e-waste のリサイクルに対し大きな
アドバンテージである。
59
60
http://www.lohasclub.jp/lohas_report/teijin/teijin_2.php
銅精錬くずは金属を分離しないで、ポルトランドセメントの酸化鉄原料として日本で既に使用している
107
■
提供技術と段階的アプローチ
日本では、銅精錬くずは既に普通ポルトランドセメントの酸化鉄原料、さらに、サンド
ブラスト材(研磨材)、テトラポット等のコンクリート骨材としても利用されているが、イ
ンドでは手つかずの状態にありリサイクルを行いたいニーズがある。このため、段階的な
アプローチと具体的な提供技術は以下のとおり想定される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ コスト面を含めた日本でのリサイクル
の事例及び提供可能技術の紹介
・ 設備機器及びオペレーションノウハウ
の提供
・ 技術、オペレーションノウハウ提供に
よるインド全土へのリサイクルの拡大
具体的な提供技術
・ セメント工場での利用ノウハウ
・ 破砕、粒度調整技術
⑥廃酸・廃アルカリ
視察した顔料製造工場からの廃水は、中和剤として石灰(炭酸カルシュウム)を使用し、
発生する汚泥(中和生成物)は埋立処分している。また染料工場の廃水処理においては、
酸のリサイクルを行いリサイクルされない酸については石灰で中和し、中和生成物は石膏
としてセメント会社に渡している。
日本では、廃水の水質にもよるが最初から廃水を中和するのではなく廃水中の酸や金属
を回収し再資源化するとともに、最終的な中和段階においても中和剤の石灰のグレードの
高い物を利用して回収物の価値を高めている事例もある。
■ 提供技術と段階的アプローチ
廃酸・廃アルカリの種類は、排出事業所によって千差万別である(表 4.1-1 参照)。
このため、段階的なアプローチと具体的な提供技術は以下のとおり想定される。
フェーズ
第 1 段階
対応
・ 事業所からの排出水質の調査とコスト面
を含めた金属回収等再生技術の紹介
第 2 段階
・ 設備機器及びオペレーションノウハウの
提供
・ 技術・オペレーションノウハウ提供によ
るインド全土への拡大
将来
実績がある。
108
具体的な提供技術
・ 廃酸からの酸、金属回収技
術(熱分解、膜分離、溶媒
抽出等)
・ 廃アルカリの再資源化技術
(苛性ソーダの回収等)
図 4.1-12
廃硫酸からの硫酸と硫化第一鉄の回収フロー(例)
出典:廃棄物ハンドブック(廃棄物学会編)
表 4.1-1 廃酸の種類と発生源
分類
無機塩系
廃混合酸
種類
廃硫酸
発生源
金属酸洗(鉄鋼・メッキ・塗装・アルミ酸洗など金属表面処
理)
、二酸化チ夕ン製造・レーヨン裂造、セロフアン製造、
硫酸紙裂造メ夕クリル酸メチル、 ニトロ化合物製造、火薬
製造、顔科製造
廃塩酸
金属酸洗(鉄鋼メッキ塗装金属表面処理),金属チタン製造、
金属シリコン製造、有機塩素化合物製造(塩化ビニル・フ口
ンテトラクロロエチレン・リクロロエチレンその他)
、硝酸
製造、リン酸製造
廃硝酸
写真製版(凸版亜鉛エッチング).火薬製造,ニトロ化合物
製、造金属酸洗<アルマイト加工メッキ金属加工)
廃リン酸
金漏酸洗(アルミ加エ・ステンレス加工).鉄鋼リン酸被腹
処理、塗装表面処理
廃フッ酸
ガラス加エ(クリスタルガラス研磨つや消し賢球)
廃フッ酸廃硝酸
金属酸洗(ステンレス加工・チ夕ン加工),半導体研磨(シ
リコンの表面研磨・ユッチング:酢酸を含む場合がある)
廃キリンス
キリンス仕上げ(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸・酢酸・過酸化
水素・クロム酸塩化第一銅・飽和アルコールなどを組み合わ
せて使用)
廃有機酸
発酵工業:焼酎等蒸留廃液・アミノ酸発酵廃液・医英品発酵
廃液
廃塩類
酸不含有 pH < 7
写真定着液(現象所・印刷出版・テレビ局・病院など:わず
かに酢酸を含む)有機合成工業(医薬・農薬製造)
,エッチ
ング液
廃有機物高
BOD 液
酸不含有 pH < 7
エチレングリコールなどのグリコール液,廃糖みつ廃液.コ
ークス炉ガス液
出典:廃棄物ハンドブック(廃棄物学会編)
109
表 4.1-2 廃アルカリの種類と発生源
分類
廃無機アル
カリ
種類
廃水酸化ナトリウム
(廃カセイソーダ)
廃水酸化カリウム
(カセイカリ)
発生源
アルミニウム表面処理,繊維工業(精錬、漂白、シルケ
ット加工)廃煙脱硫、脱硫(石油精製・し尿処理)、レー
ヨン製造、イオン交換樹脂再生廃液、硝化綿製造,植物
油製造
アンモニア
コークス炉ガス液、有機化学工業、ホトレジスト
廃有機アル
カリ
アミン類
化学工業:メチル アミン、エチレンジアミンなど
廃塩類
アルカリを含有 し
ない、 pH>7 の塩
頚溶液、多少アルカ
りを含む場合もある
写真現像廃液(現像所・印刷・出版・テレピ局・病院な
ど),メッキ廃液(亜鉛・スズ・銅・黄銅)脱硫廃液、有
機合成廃液,石けん製造廃液、金属脱旨廃液(鉄鋼・メ
ッキ・アルマイト・塗装など),紙バプ製造,医薬・農薬
製造,不凍液,エッチング液 Cu , Ni 化学メッキ廃液
Cu , Zn , Sn 電気メッキ老化液
廃有機物
アルカリを含有しな
い pH >7 の塩類溶
液
エチレングリコールなどのグリコール類.廃糖みつ廃液,
糖類.多価アルコール、ケトン、アルコール
高 BOD 廃
液
逆性せっけん
出典:廃棄物ハンドブック(廃棄物学会編)
⑦有機系ごみ(生ごみ)のリサイクル
DMIC 地域への工場進出に伴い、カンティーンからの有機系ごみの排出量の増加が見込
まれる。有機系ごみ(生ごみ)は、メタン発酵によるバイオガス回収によるエネルギー利
用(発電・燃料利用による温室効果ガスの削減)に関する技術の潜在ニーズが見込まれる。
■
提供技術と段階的アプローチ
DMIC 地域への工場進出に伴いカンティーンからの有機系ごみ(生ごみ)の排出量は、
将来的に増加すると見込まれるが、段階的なアプローチと具体的な提供技術は以下のと
おり想定される。
フェーズ
第 1 段階
第 2 段階
将来
対応
・ 日本における導入事例、効果の紹介
・ 回収システムの検討
・ 回収量がある程度確保できた段階で処理シ
ステムの導入
・ グジャラート州以外の地域への展開
110
具体的な提供技術
・ 生ごみバイオガス化技術
図 4.1-13 生ごみバイオガス化施設(例)
出典:ジャパンリサイクル(株)HP61
(3)日本からの技術提供による廃棄物と産業の連携により期待できる効果
グジャラート州の代表的産業が直面する環境面での課題に対して、現時点で日本が提供
可能なリサイクル・環境技術を適用することにより、
・ 高品位の「選鉱技術」の適用により、破砕、有用金属(磁力等による鉄)の回収により、
回収物を製鉄所の再生製鋼材料として利用できる(鉄鉱石等の資源保全に繋がる)。
・ さらに有用金属回収後の製鋼スラグなどは高炉セメント原料、銅製錬スラグはポルトラ
ンドセメントの酸化鉄原料として利用できる(地元アンブージャ、ラファージュセメン
ト等への供給)。
・ E-Waste からの有用金属を含有する IC チップの微粉砕、非鉄金属(レアメタル)含有
濃度を向上し、製錬炉への供給によって、希少金属等の回収が可能となる。
・ さらに、廃プラ・繊維は、「高炉還元剤」としての利用およびセメント工場等での代替
原燃料としての利用できる。
上記のように、リサイクル物のキャッチャー(受け皿)となる地元の素材産業(鉄鋼・
セメント産業等)との連携によるゼロエミッション実現のポテンシャルが高いといえる。
(インドではおそらく初の達成)。
61
http://www.japan-recycle.co.jp/pdf/baio-center.pdf
111
(4)事業化にあたっての検討事項
具体的に事業化の検討にあたっては、以下の検討に係るサポートが必要な状況にある。
・ 機器導入、建屋建設、オペレーションに係るビジネスモデル、
・ 廃材の回収、循環の可能性、各担い手の特定
・ 経済性評価(特に、鉄鋼スラグ、ダストのリサイクルのオペレーションはオンサイトで
行う場合と回収拠点を設けて複数の回収ルートから収集する場合とがあるが、発生量に
よっては後者ケースの成立可能性もあり、回収物の利用先や輸送コスト等の分析が必
要。)
・ 必要な政策措置
・ 温室効果ガス削減効果
・ パイロットプラントの建設可能性
等
4.2 提供可能な潜在的な環境技術メニュー
日本の環境・廃棄物分野における技術は、これまで多くの経験と実績を蓄積してきてい
る。これまでの公害対策・省エネルギー、地球温暖化対策等多くのノウハウをアジアを含
めた海外で広く活用してもらうことが望まれる。
前項で掲げた技術も含め、日本が今後インドに対し環境分野で提供可能と思われる技術
を以下に分類し、次ページ以降の表に示した。
・ 水分野における環境技術
・ 廃棄物分野における環境技術
・ 個別廃棄物の循環利用技術
112
表 4.2-1 提供可能な環境技術メニュー
(水分野における環境技術)
目的
概要
分類
中分類
供給
工業用水の供給
イオン交換(軟水処理)
―
一般工業用途
硬水を軟水化(カルシウムを除去)し工業用途に適した水を供給
純水処理
―
ボイラー用途等
軟水処理しさらに夾雑物を除去して水供給
超純粋処理
―
半導体・シリコンウェハ、液晶洗浄、医薬品
半導体、液晶製造業等でのニーズが高まっている
製造等
造水
―
生物処理
―
物理化学処理
―
処理
利用
廃水処理
再利用
膜処理
汚泥(処理副産物)利用
汚泥脱水
―
機械式脱水
汚泥可溶化
汚泥濃縮・ガス化
処理・提供対象
―
処理水の循環利用
含水率の低下
汚泥のエネルギー変換利用
ガス利用(動力燃料) メタンガスの燃料利用
汚泥処理
海水の淡水化
有機系廃水処理(澱粉、製糖業、アル
食品製造、生活系廃水処理
コール飲料製造等)
無機系廃水処理(シアン系廃液、水銀
系廃液、ふっ素系廃液、リン系廃液、ク
ロム酸混液、Be, Os, Tl 廃液、Cd, Pb, めっき、塗装工程等からの廃液処理
Cr, As, Sb, Se 廃液、その他の重金属
廃液、酸廃液、アルカリ廃液等)
余剰汚泥の削減
ガス利用(発電)
概要・主旨
該当技術/提供可能企業(代表例)
・イオン交換樹脂:各種メーカー多数
・純水処理装置:栗田工業、神鋼環境ソリューション、西原環境、オルガノ、荏原製作所、日立
プラントテクノロジー、島津理化、富士化水、他中小メーカー多数
・超純粋処理:栗田工業、神鋼環境ソリューション、日立プラントテクノロジー、オルガノ、東京計装、
池田理化等
・海水淡水化システム:東レ、神鋼環境ソリューション、日東電工
・多段フラッシュ式(MSF: Multi Stage Flash)式海水淡水化:日立造船
・ろ過・沈殿:栗田工業、島津理化、クボタ、他ポンプ、ばっき関連機器メーカー、プラントエン
ジニアリング等多数
・凝集助剤:栗田工業等多数
・精密ろ過膜(MF)、限外ろ過膜(UF)、逆浸透膜(RO)、ナノろ過膜(NF)廃水処理:東レ、
栗田工業、クボタ、三菱レーヨン等、日東精工、旭化成ケミカルズ、アドバンテック東洋、クラレ、
廃水を循環利用可能にするための処理(生物、物理化学処理後の
ダイセン・メンブレン・システムズ 、東洋紡績、日本アブコー、日本ノリット、 日本ミリポア 、富
処理)。循環利用ニーズは、年々高まっている
士フイルム、ヤマシンフィルタ、ロキテクノ等、他中小メーカー
・膜分離活性汚泥法(MBR):旭化成ケミカルズ
・汚泥脱水装置:西原環境テクノロジー、荏原、クボタ等多数
・遠心分離式:日立造船、IHI、三菱化工機等
廃水処理に伴い発生する汚泥の含水率を下げケーキ状にする
・ベルトプレス式、フィルタープレス式、スクリュープレス式等(日立プラントテクノロジー、三菱化
工機、タクマ、クボタ、東芝、他中小メーカーあり)
汚水処理工程で生成される余剰汚泥を可溶化、分解し、減量 ・神鋼環境ソリューション
・JFE エンジニアリング
化する。
・下水汚泥ガス返還発電システム:日本ガイシ
汚泥中の可燃分をガス化後、燃料ガスに改質し利用する
・汚泥消化ガス燃料電池発電システム:東芝
汚泥の嫌気性発酵により発生する消化ガスを有効利用する
・その他、消化ガス利用:三菱重工業、IHI 等
車両燃料にメタンを化石燃料代替として利用
天然ガス自動車:トヨタ、日産など
汚泥の消化(発酵)処理により、発生する消化ガスには、微量のシロ
・高圧水吸収法シロキサン除去:神鋼環境ソリューション
キサン、硫化水素等の不純物が含まれており、機器の損傷となるの
・シロキサン除去装置:太陽日酸、JFE エンジニアリング等
で除去が必要となる
・流動床式汚泥焼却システム:JFE エンジニアリング
不純物除去
消化ガス
焼却
汚泥の減容・安定化
炭化
汚泥の再利用
汚泥を炭化して化石燃料代替又は土壌改良材として活用
乾燥燃料化
汚泥の再利用
汚泥を乾燥し化石燃料代替、肥料として利用
113
・汚泥炭化炉:三菱重工、住友重機械エンバイロメント、月島機械、メタウオーター等
・小型汚泥炭化システム:日立プラントテクノロジー等
・乾燥造粒:日立造船
・油温減圧乾燥:エコステージエンジニアリング
(廃棄物分野における環境技術)
過程
目的
大項目
中項目
小項目
対象物
概要・主旨
該当技術/提供可能企業(代表例)
発生
−
集積(廃棄物発生点での発生
廃棄物の貯留
廃棄物等の発生点(家庭、事
業所等)からの排除)
処理・処分のための前工程(排
出された廃棄物の収集)
移動・集約(収集された廃棄物
の処理先への運搬)
−
−
−
−
−
−
容器貯留
−
−
−
・衛生環境の維持
−
人力運搬
機械搬送
−
−
−
・衛生環境の維持
−
収集車両
−
−
−
・収集車両運転経費の低減
・収集・運搬関連車両及び重機:新明和工業等
中継輸送
−
−
−
・運搬効率の向上
・中継基地設備:新明和工業等
梱包
圧縮梱包
−
−
貯留
排出
収集
運搬
燃料化
資源化
処理
選別/資源化/減容化(各種中
間処理/焼却処理)
バイオガス
化(メタン
発酵)
−
生ごみ等
コンポスト
化
−
都市ごみ(有機物)、
食品製造残渣等
エタノール
発酵
−
木質系ごみ、廃糖蜜等
セメント原
燃料化
―
有害廃棄物
準好気性
埋立
最終処分(埋立処分)
処分
嫌気性埋立
・RDF・RFP 化(ペレット化技術):日立造船、JFE エンジニアリング等
・RDF 炭化システム:JFE エンジニアリング
・炭化炉(規模、温度に応じてバッチ炉、連続式多管炉、回転キルン炉、揺動キルン炉等):
JFE エンジニアリング、IHI、メタウオーター等
・多筒型ロータリーキルン炭化システム:中外炉工業
・固定床式高温メタン発酵システム(メタクレス):鹿島建設
・乾式高温メタン発酵:タクマ
・中温メタン発酵システム:三菱重工
・バイオガス化技術/ガス精製システム:住友重機械工業
・その他、クボタ、IHI、川崎重工業、日立造船、中小メーカー等
・資源の有効活用(コンポストが市中流通の場合は土壌改良効果、できない場合でも最終処分
・機械式堆肥化装置:荏原製作所、ヤンマー、三井造船等
場の覆土材代替材としても使用可能、天然資源(土砂)の使用削減)
・悪臭防止、衛生面改善等による地域環境の改善
・廃棄物減量化による処分場負荷の低減
・BMT プロセス:月島機械、
・希硫酸による糖化法と遺伝子組み替え菌(KO11)と酵母の 2 種類の菌体を用いたエタノ
ール製造:大成建設、サッポロビール等(バイオエタノール関西)
・悪臭防止、衛生面改善による地域環境の改善
・水質汚染防止
・原料(粘土)、化石燃料代替、処分場負荷の低減(副産物発生なし)
・原燃料としての投入を可能とする乾燥、調合、熱量管理、保管、運搬等が必要:汎用技術
で対応可能
−
ガス回収
発電
浸出水処理
・悪臭防止、衛生面改善による地域環境の改善
・水質汚染防止
・ベーリング:新明和工業等
・悪臭の防止、衛生改善
・土壌汚染の防止(特に重金属を含有した有害廃棄物の場合、埋立による土壌汚染の可能性)
・稼動床炉(火格子炉(ストーカ炉)、回転炉床炉(ロータリキルン炉)、複合炉(キルンストーカ炉))
(適正処理されない場合に比べて)
・流動床炉
都市ごみ、有害廃棄物(廃酸・廃
(中外炉工業、住友重機械工業、タクマ、アクトリー、日立造船、月島機械、荏原製作所、
アルカリ、有機系廃棄物(廃溶剤、エ ・悪臭の防止、衛生改善
焼却+廃熱 熱供給
マルジョン、廃薬剤、廃プラ等)、無 ・土壌汚染の防止(特に重金属を含有した有害廃棄物の場合、埋立による土壌汚染の可能性) 三機工業等)
利用
発電
機系廃棄物(無機汚泥、廃触媒 ・エネルギー回収
等)
・悪臭の防止、衛生改善
廃タイヤ、木くず、製紙スラッジ、
・循環流動層(CFB)ボイラー(石炭とバイオマス系燃料との混焼が可能):住友重機械工
発電
−
・エネルギー回収
炭(無煙炭、低品位炭)等
業、IHI、三菱重工、横河電機、JFE エンジ、タクマ、荏原製作所等
・土壌汚染の防止(特に重金属を含有した有害廃棄物の場合、埋立による土壌汚染の可能性)
酸化促進
(CH4→
−
・埋立て地の早期安定化(跡地利用の機会向上)
・福岡方式と言われ、アジア圏の一部では導入実績がある
CO2)
・確実な覆土等の管理による適切な埋立て地管理
フレアー
生ごみ等
・メタン発生に起因する火災・ガス爆発の防止
−
スタック
・悪臭対策、浸出水・排水の水質改善
単純焼却
焼却
・ハンドリング環境の向上(作業環境の向上)
・焼却量削減による大気保全
固形化
木質系ごみ、廃プラ等
・廃棄物の減量による処分場負荷低減
・エネルギーリスクの軽減(化石燃料代替)
・悪臭防止、衛生面改善等による地域環境の改善
木質系ごみ、製紙スラッジ、有機系 ・焼却量減量による処分場負荷低減
炭化
廃水汚泥等
・廃棄物減量化による処分場負荷の低減
・エネルギー確保(化石燃料代替)
集水/無害
化
−
−
・エネルギー回収
・確実な覆土等の管理による適切な埋立て地管理。
・メタン発生に起因する火災・ガス爆発の防止
・悪臭対策、浸出水・排水の水質改善
・分別作業による雇用改善(場合による)
・メタンガスの回収、発酵、発電から構成される(井戸を掘削・設置、その上端を結ぶ水平パ
イプライン設置、吸引ステーションにつなぎこみブロワ-(吸引機)で処分場ガス(LFG)を吸
引・回収。回収 LFG はガスエンジンにより発電利用:鹿島建設、清水建設等
・土壌汚染、水質汚濁の防止
・悪臭の防止、衛生改善
・生物処理、物理処理、膜処理
荏原製作所、神鋼環境ソリューション、クボタ、アタカ大機等多数
114
(副産物等の循環利用技術)
対象廃棄物
鉄鋼スラグ
銅精錬くず
製鉄所ダスト
電気・電子機器(E-Waste)
廃蛍光管
廃プラスチック
廃繊維(ポリエステル)
概要・主旨
該当技術/提供可能企業(代表例)
・鉄鋼スラグに含まれる鉄分を回収し再生鋼製材として利用
・鉄回収後のスラグはセメント原料路盤材として利用できる
・精練くずのセメント原料、サンドブラスト材、骨材としての利用
・製鉄所から発生するダストに含まれる酸化鉄、酸化亜鉛を回収
・使用済の「エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等」の家電をリサイクル処理
手分解工程にて冷媒フロンの回収や大きな金属部品(モーター、熱交換器、コンプレッサー)やテレビの基板、パネルガラスなどを
回収し、機械破砕工程と洗浄工程などを経て、ファンネルガラス、鉄、非鉄を再生資源として回収
・使用済み OA 機器のリサイクル
OA 機器等を受入、金属複合材の素材ごとの選別技術として特殊シュレッダー(リーテムプロセス)による素材分離を行う
・蛍光管を分別・破砕した後,ガラス,金属,水銀等に分け再資源化を図るとともに,リサイクル蛍光管の原料として供給
・製鉄原料(高炉還元剤)として利用可能
・セメント原燃料利用
・PET ボトルやポリエステル製品から、添加剤・着色剤を分離し、石油から製造する原料と同じレベルの高純度ポリエステル原料
(99.99%)に戻し繊維として再生。この繊維でポリエステル繊維製品を製造(エコペット繊維製品)。
115
・スラグ破砕・鉄選別(選鉱)設備: 日本磁力選鉱
・RHF(Rotary Hearth Furnece)設備: 新日本製鉄、神戸製鋼所、JFE
・家電リサイクル処理: 西日本家電リサイクル、JFE アーバンリサイクル等
・特殊シュレッダー(リーテムプロセス)による素材分離技術: リサイクルテック、リーテム
・基板等からの貴金属回収技術: 同和 G エコシステムリサイクリング
・蛍光管リサイクル技術:ジェイ・リライツ、JFE 環境等
・JFE、新日本製鉄
ポリエステル「新原料リサイクル技術」: 帝人
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