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実践研究レポート
子どもに生きる力を育てる多文化共生による学校
改革
愛知県東浦町立石浜西小学校
小山
-1-
儀秋
子どもに生きる力を育てる多文化共生による学校改革
愛知県東浦町立石浜西小学校
1
小山
儀秋
はじめに
愛知県は,外国人児童生徒の数は全国で一番多い県である。そして,近い将来日本の教
室のどこにでも外国籍の子どもたちが普通に並んで学ぶ光景がみられると思われる。外国
籍児童への教育では、来日時期や教育歴・環境などによる個人差が大きく,日本の学校へ
の適応指導や日本語指導においては個別指導が常に必要である。また,宗教,生活環境の
違いから違和感や疎外感をもつことが多いので,基本的人権を尊重し,互いに認め合い,
思いやりをもつ,多文化共生社会作りが大切である。本校はブラジル籍を中心とした外国
籍児童が1/3を占めるとともに家庭教育力の低さなど現在の格差社会のマイナス面を多
く抱えた学校である。そこでは,当然のことであるが、従来のような一斉指導中心の教育
では充分ではない。子どもや親の興味・関心・要望が収れんされないのである。子どもの
思考・学習が集団としてまとまらない、一定の成果を目指すことができにくい。つまり、
集団として学習しても子ども一人一人の学習の成立は難しい状況である。これは、何も子
どもだけの責任ではなく、親や家庭の問題でもない、もっと社会の様々な問題が複合的に
絡み合ってのことである。そこで、常に子ども一人一人に視点をあて、一人一人の学習の
成立を目指し、教育をすることが重要になってくる。家庭や地域の教育力が低く,子ども
の学習意欲もあまり高くない本校での,子どもに生きる力を育成した教師集団の取り組み
を学校改革の視点から実践しそれをまとめた。
学力を、目に見える教科などの
知識や能力だけではなく、近い将
来どの国の社会でも役立つ「生き
る力」と考えての実践である。併
せて、それに取り組む教師は、一
人一人ではなく組織として子ども
や地域と協力して取り組んだ組織
力の向上も高めることができた実
践でもある。
-1-
2
学校の実態
(1)校区の実態・・・全校の1/3が外国籍
本校は ,愛知県知多半島東の付け根に位置する東浦町のほぼ中央にある「 県営東浦住宅 」
を学区とする全校児童260名規模の学校である。県営団地には約3000人の住民が生
活しており,その1/3が外国籍の住民である。本校も,平成5年頃から外国籍子どもが
増えてきた。
全校児童260名中の
○外国籍の子ども
・・・80名(1/3)
○一人親世帯の子ども
・・・85名(1/3)
○準要保護世帯の子ども・・・54名(1/4)
上記のように,非常に不安定な家庭の子どもが
多い。こうした家庭や地域の教育力が弱いことか
ら,日常的な自治会活動・PTA活動にも様々な支障が発生している。言葉・文化の違い
によるトラブル,労働に精一杯で生活苦があり,いろいろな活動に参加しない,参加でき
ない状況も多くある。外国籍のほとんどがブラジル人である。南米特有の明朗さはあるの
だが,自分の子どもの教育に関心を向ける余裕のない家庭も多い。教育に投資をするとい
う考えがあまりないように思われる。ブラジルから「デカセギ」のつもりで数年間で本国
へ帰る予定で来日している。
地域にはブラジル人が多く居住しているので,日常生活では日本語を覚えなくてもポル
トガル語だけで何ら不自由しない。住宅団地から、派遣会社のマイクロバスなどで、集団
で工場などへ出かけて労働し、また、そのマイクロバスで団地に戻ってくるという住民が
多い。当然日本語はあまり必要でなく、母語であるポルトガル語だけで十分なのである。
しかし、子どもたちは,日本の学校なので,日本語を学び,日常会話は日本語でしてい
る。学校や地域では日本人の子どもと一緒に生活をしている。日本語の会話は全く不自由
しない。多くの外国籍の子どもの生活実態は,家庭では親とポルトガル語で会話をし,学
校では日本語で会話をするという状況である。しかし,問題なことは,日常会話は不自由
しないが,学習言語能力は極めて低くダブルリミテッドの状態の子どもが大変多い。
(2)子どもや教師の実態・・・低い学力、学習意欲の欠如
子どもの学力は大変低く,平均偏差値は40点以下であり,5段階評定では,1や2の
段階の子どもが各学年ともに6~7割存在する。目に見える学力は極めて低い。当然のこ
-2-
とであるが,子どもたちの学習への意欲はかなり低い。意欲が弱いから学力が低い,学力
が低いから意欲がないという悪循環である。また,欠席や遅刻も大変多く,平成17年度
は一日平均24人の欠席者がいた。雨が降ったり寒かったりする日などは50~60人の
欠席であった。全校児童260人中,50~60人というのは一学年分であった。
当然のように給食の残菜もダントツ1位であった。不安定な家庭環境ということで,今
や社会問題となっている給食費や学年費などの未払いや遅れもかなり多い。全職員で欠席
や遅刻をする子どもたちを減らそうと考えた。様々な家庭があり,仕事の都合で子どもの
登校時間より朝早く出かける保護者も結構多い。いったん子どもを起こすのだが,親が出
かけてしまうとそのまままた,眠ってしまい,登校できない子どももいる。
そこで,全校の職員で長期の欠席者や遅刻傾向の子どもを毎朝,校長以下担任以外の職
員が中心となって,家庭まで迎えにいくことにした。当初は,家のドアをノックしても無
応答な家庭が多かった。家の中まで入って大きな声を掛けて起こしたり,あるいは食事?
が終了するまで待っていたりした。親は子どもより早く会社などに出かけてしまい,子ど
もがけの家の中へ入って,子どもを起こしにいった。勿論親の了承済みである。朝早くか
ら県営団地の中を学校職員が歩いている姿が目立つようになり,やがて団地全体にそうし
たうわさが広まり,少しずつ家庭・地域の協力を得ることができるようになった。
一方、教師側は、これまで子どもの学習への意欲が低く、保護者の学校や子どもの興味
関心もあまり大きくないことから、子どもへの指導をあまり熱心にしない、指導してもあ
まり成果がでないことから熱心に指導しないという悪循環に陥ることが多かった。徒労感
が多く残るという状態であった。学習指導や学級経営についての保護者からの苦情はほと
んどなく,楽に過ごそう(?)と思えばかなり楽な(?)学校であった。しかし、欠席や
遅刻が多く、学習への意欲がかなり
低い子どもたちに対して、何とかし
よう,生きる力をつけよう。日本の
社会の中で,そして世界のどこの国
の社会でも生きていく力をつけなけ
ればという気持ちを全職員がもち,
善職員で学校を改革しようという機
運が高まってきた。
-3-
3
研究の仮説
学習の意欲が極めて低く,家庭・地域の教育力が低い現状である。そこで,次のような
仮説を立てて,実践研究をすれば,近い将来日本や本国で生活しても役立つ人間が育つで
あろうと考えた。
(仮説1)
子どもの自主性,子どもの判断できる場面をできるだけ多くとった日課表を工夫・
改善すれば,子どもに生きる力を育てることができるであろう。
(仮説2)
学習の内容や方法をできるだけ子どもに委ねる方向で,子ども一人一人に応じた学
習指導を展開すれば,学習意欲が向上するであろう。
(仮説3)
地域の教育力を活用し,地域に開かれた学校作りを進めれば学校を中心とした家庭
・地域との連携が強化され,地域の教育力が高まるであろう。
楽しい学校作りへの挑戦(仮説1の検証)
早寝
・
4
早起き・朝ご飯運動が全国的に展開されているが,これはある程度の家庭教育力
のある地域のことであって、家庭や地域の教育力が低い本校では単なるスローガンに過ぎ
ない。そこで、私たちは、楽しい学校作りをすれば、子どもたちも学校へ登校し学習への
意欲も高くなるだろうと考えた。
(1)日課表の改善
①
ノーテャイム制の導入
先ず、子どもたちの学校生活のリズムを作っているチャイムを廃止することにした。こ
の提案をしたところ、チャイムの合図があったこれまででも、授業時間が始まっても教室
に入ってこない子供たちが多くいたのに、時間の合図であるチャイムを止めてしまえばも
っと子どもたちは、時間を守らずにルーズになってしまう。と職員の間からも反対意見が
多くあった。
-4-
職員間で議論をした中で、確か
に「時間を守るなど」の様々な約
束事を守れない子どもが多くおり 、
職員はそのことで注意したり叱っ
たりしてきた。しかし、その時は
単に子どもを管理するという目的
で繰り返し繰り返し注意してきた
だけではないか。もっと子どもを
信じて子どもを育てることが大切
ではないかとの意見も多く出され
た。結論がなかなか出ない中、一度試験的にノーチャイム実施してみることにした。
一ヶ月間実施したが、子供たちは教師側の心配とは裏腹に、以前より時計を見て時間を
守ろうとする姿が多く見られるようになった。そうしたことからノーチャイムに振り切る
ことにした。給食時や清掃時だけは、音楽などで時間帯を子供たちに合図するようにして
いる。
②
ワクワクフリータイム・・・全くのフリーな時間
毎週木曜日の午後をフリータイムとした。校舎内のどこを使用して活動しても構わない
ことにした。学校の中にある全ての道具の使用も可とした。子どもたちは、体育館や運動
場で運動をしたり、コンピュータ室でインターネットで検索したり、家庭科室で調理に挑
戦したりと多種多彩な活動をしている。中には、教室や図書コーナーでただぼんやりと過
ごす子どももいる。それも特に強制はしない用にした。しかし,教員は子どもたちの安全
面のため次のような場所を巡視している。
・運動場
・パソコン室
・体育館
・校舎(南・北)
・音楽室など
とは言うものの、自分の活動が見つから
ない子どものために、教師がいくつかの特
別講座を開催し、子どもの活動の幅を広げ
るようにもしている。ビーズ飾り、万華鏡
作成、カレンダー作り、火起こし機や各種
のスポーツ(卓球・ソフトバレー・ドッジ
-5-
ボール)などである。教師による講座は各学期の始めに子どもたちに予定が示され、子ど
もが自由に参加するようにしている。教科の学習から全く離れた内容が自由に行うことが
できるのでこのフリータイムは大好評である。
①ワクワクランチタイム・・・いつもより早いランチタイム
教育力の低い家庭で育った子どもたちは、朝食抜きの場合も大変多い。普段の時間帯は
午前中4時間授業でその後給食が始まる。食事の時間は,午後1時近くになってしまう。
朝食抜きの子どもちにとっては大変つ
らいことである。そこで、毎週月曜日
は3時間目の授業が終わったあとで給
食にした 。月曜日は5時間授業であり 、
他の曜日は6時間授業である。月曜日
以外も午前中3時間授業にするとラン
チタイムの後3時間の授業をしなけれ
ばならないので、取りあえず月曜日だ
けにした。正午には昼食を食べられる
ことになる。朝食抜きの子どもにとっても好評である。
< ニコニコデイ >
また、夏の暑い時期には、給食時の牛乳を2時間目と3時間目の間に冷たい飲み物とし
て提供した。 さらに、ニコニコディとして夏場の5の付く日にアイスクリームなど冷た
い飲み物を全員に配布した。いずれも大好評であった。ニコニコディには遅刻や欠席をし
ないで登校しようという会話も聞かれた。
②ワクワクタイムの設置
金曜日の2時間目と3時間目の休み時間(いわゆる業間)を45分間とした。子供たち
が自由に活動できる時間帯とした。運動場や遊具で遊んだり、教室や図書館で本を読んだ
り、飼育小屋の周りでウサギや鶏などの小動物に触れあったりなど、子どもはこの時間を
-6-
大変楽しみにしている。また,委員会活動も自主的に行っている。
また、月に1~2回ギネス大会が
各委員会の子どもたちの考えで行わ
れている。空き缶積み、靴飛ばし、
豆つかみ、ボーリングゲーム、ゴム
鉄砲など。記録を集積しておき、新
記録は全校集会の場で表彰をしてい
る。もちろん参加は自由である。
③40分授業・・・集中力をつける
これは、子どもの楽しみと言うより、子どもに授業時間中集中して学習や活動に取り組
めるようにと考えた取り組みである。時間は従来よりも5分間短いが、始めと終わりをき
ちんと守るようにしている。併せて、短い時間でも集中できるように指導方法も工夫改善
も行っている。
そして、各学年ともに余った25~30分間を授業後に個別指導に当てている。この時
間は 、全員の子どもが国語の読み書きなどの基礎基本の復習を中心に個別指導をしている 。
計算などの基礎基本を徹底的に学習でき、それが修得できるこのドリルタイムは子どもか
らも保護者からも大変好評がある。
⑤週一回だけの朝の打ち合わせ(毎週金曜日)
毎日行っていた朝の打ち合わせを金曜日だけとした 。その週の打ち合わせだけではなく 、
次週の予定などを連絡するようにしている。その他の内容は連絡掲示板にメモをし全職員
が注視するようにしてい
前にも述べたように、欠席、遅刻傾向の子どもを原則的に担任以外の教職員が、家庭に
連絡をとり、無断欠席や遅刻の場合家庭まで迎えにいくようにしている。朝の打ち合わせ
の時間にもこうした迎えなどの活動ができる。
-7-
○
曜
週の計画及び日課表
月
時間
火
水
木
金
時間
8:20
8:20
読
全校朝会
書
タ
イ
職員打合せ
読 書 タ イ ム
ム
8:35
8:35
朝
の
会
8:55
8:55
第
9:35
9:45
1
時
放
第
1
課
第
2
放
時
第
時
9:35
9:45
課
2
時
10:25
10:25
大
放
課
あおぞら
タイム
10:45
10:50
11:05
第
3
11:30
わくわく
ランチタイム
12:15
12:35
12:50
はみがきタイ
ムと清掃
放
時
放
11:40
第
4
放
時
第
12:20
ラ
ン
チ
タ
イ
ム
時
タ イ ム
はみがきタイムと清掃
13:20
放
課
課
13:50
第
はみがき
タイムと清掃
5
帰りの会
時
放
13:40
課
13:55
ドリルタイム
14:20
14:30
4
11:45
11:55
ラ ン チ
13:25
第 5 時
課
12:35
課
13:05
放
時
課
第
第 4 時
13:30
13:40
3
第 5 時
帰りの会
ドリルタイム
15:00
職員会
現職教育
放
第
15:10
15:20
課
6
放
時
わ く わく
フ リー
帰
り
の
放
第
課
6
14:35
14:45
時
会
タ イ ム
ドリルタイム
いじめ・不登校
委員会
課
15:30
15:50
代表委員会
帰りの会
15:25
15:35
15:50
17:05
アフタースクール
-8-
(2)学習活動の工夫(仮説2の検証)
楽しい学校作りの結果欠席や遅刻はかなり減少してきた。しかし、それだけでは、子供
たちの学習に対する意欲は向上しない。そこで、一人一人の子どもに「できる、わかる喜
び」を修得させるために、学習指導の工夫改善を行った。
①習熟度差への対応・・・算数科の習熟度別学習
算数科の学習で「前時に学習したのことなのに忘れてしまった 」「つい先ほど学習した
大切なことを問題解決に生かされていない」などいうことがよくある。習熟度の低い子ど
もに基礎基本をいかに徹底させるか?集団学習の中でみられる習熟度差にどう対応するの
か?そんな対策として習熟度別学習を行っている。
習熟度別学習では、個々の能力に応じた学習が可能なことから、
○下位の子どもには 、つまずきの箇所を見極め 、それに対して支援をすることができる 。
○ 上 位 の 子 ど も に は 、「 学 習 を 競 わ せ る 」「 よ り 高 度 な 内 容 に テ ャ レ ン ジ さ せ る 」
こうした学習により、一人一人が「できた。わかった。おもしろかった 。」を体験でき
るようになった。
< 2年生以上で実施 >
現在、2年生以上の学年の全
単元で実施している。全ての学
年ともプレテストなどにより各
単元ごとに2学級を3~4コー
スに分けて指導している。ウォ
ーミングアップとして百ます計
算や基礎プリントを行い意欲や
集中力を高めるようにしている 。
また、どの学年も下位コースに
ついては、できるだけ人数を少
なくし、個別指導が十分できるような体制をとっている。
②国語の習熟度別学習
国語の習熟度別学習でも、学ぶ楽しさを感じることができるようにと考えている。本校
では,長年教科書だけでもすらすら読めるようにと、音読を中心とした取り組みを進めて
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きたが、集団学習だけでは、どうしても拾いきれない子どももいた。そんな子どもを一人
でも「読めた」と実感させたい。そんな思いから国語の習熟度別学習を始めた。2年生以
上の学年で、学年TTで行った。どの単元を実施するかは、年度当初に計画し各学期2~
3単元を設定している。
習熟度別のコース分けは、読解力・作文力・漢字力・音読等を考慮し、教師が決める。
6学年の「平和のとりでを築く」の例では、3コースが編成され、最終的な学習のねらい
が次のように設定された。
○上位コース・・・原稿用紙2枚以上。図書館の本やインターネットで調べたことを中
心に自分の考えをまとめる。
○中位コース・・・原稿用紙1~2枚。町の資料館や戦争体験の話を基にして自分の考
えを書く。
○下位コース・・・原稿用紙半分から1枚。教科書の感想を書いて平和についての自分
の思いを書く。
こうした学習の結果、上位コースでは、集団学習ではなかなか取り組めなかった調べる
活動を十分に行うことができ、しっかりした文章を書く事ができた。
下位コースの子どもには音読や読み取りにも時間を使うことができ満足な様子であっ
た 。発表の場面は全員で行ったのだが 、下位コースの子どもの発表もきちんと聞けていた 。
3つのコースとも音読や発表など教室での集団学習の時と比べると、積極的に取り組む姿
勢がみられた。
また、国語科では興味関心を大事にす
るコース別学習も行っている。例えば、
3年生の「本と友だちになろう」では、
次の4コースで実施した。
○劇団コース
・・・配役を決めたり効果音を加えたりしながら、劇を発表
○紙芝居コース
・・・教科書の挿絵をもとに紙芝居を作り発表
○読み聞かせコース・・・聞く人にわかりやすいように、音読をして読み聞かせの発表
- 10 -
○本読みコース
・・・外国人を中心にスムーズに音読をする。
子供たちが自分でコースを選び 、興味・関心に合った学習なのでかなり効果が上がった 。
子どもの興味・関心に合わせてのアドバイスもきちんとできていた。
③ドリルタイムの充実
本校には、学習に応じて教科書を開かせるが、教科書に書かれている漢字が読めない、
簡単な四則計算もできないという子どもがかなりいる。こうした子供たちに授業時間内で
補修させることは困難である。最低限の基礎基本だけは徹底的に修得させようと毎日授業
後約30分間ドリルタイムを設置している。基本的には漢字の読み書き、四則計算の修得
を目標としている 。前にも述べたが 、いわゆる目に見える学力は極めて低い 。せめて 、
「読
み書き算」だけは徹底的に身につけさせようとの考えである。
④自由進度学習・・・2教科同時進行単元内自由進度学習 >
2教科同時進行の単元内自由進度別学習に取り組んでいる。学習意欲に乏しい子供たち
になんとか自立した学習姿勢・自ら学ぶ力を養わせたいと考え、子どもに学習の内容や方
法を任せることのできる自由進度学習を取り入れた。学習意欲が乏しいから子どもに任せ
られないという考えが多いが、敢えてそのマイナス面をプラス面に変えることができない
かと考え、子どもを信用する中で子どもの自立性を育てることにした。自由進度学習の命
名は当初名前がなく「○○学習」として何か適当な学習の名前を付けようとしたが、学年
で自由に親しみやすい名前にしようということで 、「○○学習」のままとした。学年によ
っては、なかよし学習・ヤルキー学習などと呼んでいる。
具体的には2教科の単元の進め方やねらいなどについて、教師のガイダンスを受け、子
どもは自分の計画で学習を進める。2教科の順序を選択して自分のペースで進めるので、
時差ができる。この時差を利用して子ども同士で学び合う場面もある。また,得意な子ど
もは学習の遅い子に教えたり、また逆に、できない子は真似をしたりという場面が起こっ
てくる。そして、日常の一斉授業ではあまり活躍できない子どもが先行した学習を自信を
持って教えたりすることもある 。基本的な学習を終えてからの発展学習も長い期間の中で 、
他の子どもの学習成果を見ながら発展させる余裕もできる。
教師側にとっても2教科同時進行なので、1教科を担当するだけで、実際の自分の学級
の子どもは2教科をきちんと学習することになる。この学習では、子供たちの学習進度に
応じて学習を刺激したり促進したりする学習環境が重要になってくる。学習カードや各種
- 11 -
の掲示物などを準備しなければならな
い。この環境構成の活動は、いわゆる教
材研究になり、従来以上に各教師がその
単元に精通するようになる。
理科・社会・国語・社会の中であまり
系統的でない単元、そして作業が多い単
元を選ぶ。理科が最も取り組みやすい。
時間数は2教科併せて20~25時間位
が適当。あまり長いと意欲が持続しない
ことがある。また、あまり短いと子どもに任せた意味がない。まず,手引き作りを最初に
行う 。「手引き」とは子どもに単元全体への意欲を高めるような内容を記載する。導入に
あたる部分の次は、この単元で使用するカード類や資料、教科書のページ数などを記入す
る。単元全体の途中にはチェック箇所を2~3回入れる。学習が始まれば全て子どもたち
は、個人追求である。
こうしてできた手引きや学習カードをもとにカード類や材料を子どもが活用しやすいよ
うに配置する 。併せて 、単元に関連した掲示物 、新聞 、実物等を学習環境として配置する 。
この環境が子どもの学習意欲を刺激し、また促進するような構成にしなければならない。
もちろん、基本的には美的な要素とあっと驚くような内容があれば大変良い。この学習環
境の準備には結構時間も必要とする。
(3)開かれた学校作り(仮説3の検証)
①地域と一体になったイベント・・・ワールドカップサッカー大会、日本対ブラジル親
子鑑賞会
平成18年6月23日午前4時前、雨の中、しかもまだ真っ暗な道を子どもや親が登校
してきた。その日は、サッカー・ワールドカップの日本対ブラジル戦があった。親子のワ
ールドカップサッカー観戦会が開かれた。石浜西小の体育館に大きなスクリーンとプロジ
ェクターが用意され 、約200人の親子が学校へきた 。その内約8割が日系ブラジル人だ 。
子どもたちは黄色いユニホームや国旗を手に飛び上がりながら応援していた。大きな歓声
も上げながら・・・。仕事が忙しくてなかなか学校へ来れない親もこうしたイベントを通
して、日本の学校について学んでくれたらと考えて実践した。計画の段階では、県営東浦
- 12 -
団地に住む住民誰でも観戦にきて
も良いと考えていたが、全く自由
に誰でも入場可能にしてしまうと
統制がとれなくなってしまうとの
意見が多く、親子観戦会というこ
とにした。当日はテレビ局・新聞
社が数社取材に訪れ大変賑やかな
雰囲気となった。この活動は新聞
テレビで翌日に大きく取り扱われ
た。
大きなスクリーンやテレビへのケーブルなどは地域の方の奉仕で設置していただいた。
参加した日本やブラジルの子どもたちは「みんなで観戦できて、すっごく楽しい!早起き
も全然つらくなかった。またやってほしいな 。」と大好評であった。試合結果は、日本は
善戦したが、ブラジルが勝利した。ブラジルが決勝まで進めばまた、サッカー観戦会を計
画していたのだが、惜しくもブラジルも敗退してしまった。なお、早朝の観戦会というこ
とで、サッカー終了後はパンとお茶の朝食をとり、子どもたちは平常の授業を行った。
②
サタディナイトスクール
平成19年7月7日、平日の昼間は
仕事などで 、出席できない親のために 、
夜の授業参観が行われた。午後4時頃
に登校した子どもたちは、パンとジュ
ースの簡単な給食の後、午後6時半か
ら父母らが学校にきた。全学年の学習
公開の後親子で活動を行った。ササ飾
り、歌、線香花火、ダンス、星座の観
察、琴の演奏体験などを校舎内のあち
こちで親子で行った。フィナーレは周りが真っ暗になった20時頃に、運動場の特設ステ
ージで行われた。特設の照明と一人一人参加者には光る棒が配られ、全員でキッズソウラ
ンを踊ったり、琴や尺八の演奏を楽しんだ。全ての終了は打ち上げ花火で幕を閉じた。暗
い運動場の中親子で下校した。
- 13 -
他校と同じように月一度位で授業参観を行っているが、平日の日中に行う授業参観の参
加率は低く、4,5月はそれぞれ42%、46%と半数にも満たなかった。そこで、PT
Aと学校側は子どもの教育に関心を持ち、学校に足を向ける保護者を少しでも増やして行
こうと、きっかけ作りを検討した。いろいろな話し合いをした結果、昼間の参加率が低い
なら、夜の受業参観を実施しようということになった。この日の出席率は9割を超した。
母親だけでなく両親、祖父母の姿も目立った。
本校に通学する外国籍の子どもたちの多くが将来も日本で生活したいとの希望を持って
いる。全体の家庭に希望を聞くと
○日本に永住したい
・・・ 1/3
○ブラジルなどの母国に帰りたい・・・ 1/3
○まだはっきりわからない
・・・ 1/3
という結果である。しかし、彼らは、学習意
欲に乏しく、冬場の寒い日には20~30人が
欠席をする。教師が朝家庭まで迎えに行くこと
も多い 。そこで 、こうしたイベントを通して「 親
にも子どもの教育や学校への理解を深めてもらい、何とか日本の社会で生きて行ける子ど
もをそだてたい!」と考えての実践であった。
③
フレンドシップディ
イン
石浜
平成19年9月29日(土)に地域の行事として、本校で「フレンドシップディ
イン
石浜」が開催された。多文化共生をめざし、地域のボランティア組織が仕掛けたイベン
トである 。このイベントのために 、
マスコットシンボルとしてドラエ
モンとドラミが制作された。竹を
組み合わせ紙を貼ったもので、4
メートル程の大きさである。終日
参加した人たちはマスコットの前
で記念写真を撮っていた。
当日は次のような三部構成で開
催した。
- 14 -
○第一部
学年発表
・1・2年・・・「 日本のわらべ歌」
・3・4年・・・「 スペインのカスタネット」
・5年
・・・「 八木節とファンクソーラン」
・6年
・・・「 世界の民族衣装とファッションショー」
上記のような内容で、子どもたちは、当日までに世界に関連したことを図書やインター
ネットで調べたことや世界の歌などを準備、練習した内容を体育館で発表した。
1.2年生は日本のわらべ歌「かごめ
かごめ、ひらいた
ひらいた」などを簡単なダ
ンスを交えて発表した。3.4年生はスペインの曲をカスタネットなどで紹介した。フラ
ダンスなどの軽快な曲であった。5
年生は、太鼓や笛を使ってリズミカ
ルな八木節と賑やかなソーラン節の
踊りを披露した。
6年生の「世界のファッションシ
ョー」では、一人一人が好きな国の
衣装を 、本やインターネットで調べ 、
布を切り張りしてチャイナドレスや
カーボーイハットなどを作った。制作の初めの頃は、形を珍しがっていたが 、「サウジア
ラ ビ ア は 暑 い か ら 、 白 く て ゆ と り が あ る 服 な ん だ 。」「 ピ チ ッ と し た ド レ ス は 動 き に く い
から、スリットが入るのね 。」などと服の機能性にも気づいていった。52人で12カ国
の衣装を作り、体育館で自分で作った衣装で発表した。しかも、舞台ではそれぞれの国の
言葉で「こんにちは」などとあいさつをしていた。
これらの学年発表の後には、ブラジル学校のピタゴラスの生徒のサンバ、ブラジル人ボ
ランティアの勇壮なカポエイラの発表もあった。
○第二部
コーナー
体育館発表の後は、親子の体験コーナーを開催した。
・中学校や高校を知ろう
・何でも相談コーナー
・各国紹介やその展示
・民芸品販売
・綿菓子、ポップコーン
・お楽しみアクセサリー
・味覚体験
・各国の遊びコーナー
・茶席、コーヒー
・各国への旅コーナー
・人権グッズ
・ダンス
カポエイラ
- 15 -
それぞれの担当は、PTAや地
域のボランティアにお願いした。
各国紹介コーナーでは、ブラジ
ル、ペルーなどの文化や民族衣装
などが展示、掲示された。そこで
は、体験コーナーとして日本の着
物を着る「着付けコーナー」もあ
り好評であった。茶席、コーヒー
コーナーは終始大人気であった。
盛りだくさんのコーナーでそれぞれ楽しい一時を過ごした。
○第三部
フィナーレ
フィナーレは、児童会の司会で行われた。本校児
童の吹奏楽とバトンの発表、地元で活躍している和
太鼓グループの力強い発表があった。いづれも軽快
なリズムによるもので、参加者は曲や太鼓のリズム
に合わせて体いっぱいに喜びを表現していた。
(4)日本語適応教室(通称「日適 」)
全校児童の約1/3の83名が外国籍の子どもで
ある。その内、約30名が来日間もなかったり、親の影響などで日本語能力が十分でなく
普通学級で普通の授業を受けることに障害がある。そんな子どもたちのために、国語・算
数の時間を中心に取り出し指導を行っている。指導は、加配教員の4人と通訳を兼ねた補
助員の3人でT・Tで行っている。教材は該当学年の教科書だけでは無理なので、担当教
員の手作りの資料や市販の教材を使っている。
外国人児童が、言葉が分からないことや学校に戸惑う精神的な不安を解消するために、
日本語指導を中心とした適応指導を行い、生き生きとした学校生活が送れるようにするこ
とをねらっている。そのため次のような方針で経営している。
○来日2年以内を原則とする。原学級での国語・算数の授業を取り出し、無理な場合は、
2年以
上であっても取り出し授業を行う。
○日本語適応教室での指導を2年間受けた後、現学級に戻ることを目標に指導を行う。
○3年生程度の学習内容の修得を目標とする。
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○1年生は、原則として1学期は現学級で全教科の学習を行う。
○取り出し授業については、各教科とも能力や実態に応じて適時編成し直していく。
指導内容は,
・日本語指導
・適応指導
・教科指導
< 国語 > ひらがな、カタカナの読
み書き
1~3年生の漢字の読み書き
1~3年生までの教材の音読
< 算数 > 1~3年生までの四則計算
1~3年生程度の文章題
九九
⑤ JSLカリの取り組み・・・ワークショップの開催
今年度から、JSLカリに係わる取り組みを始めた。JSLとは、日本語を第二言語と
する子供たちのカリキュラムである。特に、活動場面を意識して、正しい日本語の習得を
目指すために、AUカードを活用した指導方法を研究している。文部科学省で発行されて
いるJSL関連の資料を参考にしたり、外部講師を招いて研修を続けている。
平成20年1月21日には、JSLワークショップを開催し、近畿・中部各地から意欲
的な教員70名が集まった。日本語を母語としない子どもたちに進めている日本語指導の
問題点やカリキュラムを生かした学習の進め方を探った。
午前中のワークショップ1では、
参加者全員からそれぞれの立場から
の日頃の外国人に対する日本語指導
の問題点などを出し合い、課題を絞
って話し合いをした。続いてのワー
クショップ2では、東京学芸大学の
講師から学習指導に生かすJSLカ
リの目的、指導内容についての講演
を聞いた。
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午後は、本校の授業公開(全学年)の後、分科会を行った。
第1分科会・・・直接外国籍の子どもを指導している日本語適応教室の教員
第2分科会・・・日本語適応教室の担任ではないが、普通教室で外国籍の子どもを指導し
ている
教員やボランティアの方
第3分科会・・・行政関係や指導主事など、日本語指導を支援する立場
このワークショップを通して、日本語を母語としない外国籍の子どもや日本の子どもた
ちに日本語指導を行う時の悩みを共通化することができ、これからの指導への意欲を持つ
琴ができた。
大変成果のある一日であった。
(5)成果と課題
こらからの新しい学校作りに向けた本校での実践は、現在そして近い将来日本の多くの
地域でこれまで以上に外国籍の子どもたちが転入してくると予想される学校での対策を考
えた実践である。集住地域での行政や学校としての対応、そして数人だけの対応の仕方が
異なってくる。当然のことであるが、それぞれの国籍によっても多少対応も異なると思わ
れる。従来のような日本国籍の子どもだけでない学校経営の感覚がますます問われること
になる。
こうした将来を見越して本校では、子どもたちに生きる力をつけることを第一の課題と
して学校改革を進めてきた。地域や家庭の教育力が極めて低い地域での実践である。教育
困難校といっても差し支えない状況である。そこで、私たちは、常に、一人一人に視点を
あてた教育、そして「自分のことは自分でやれる子」を育てようと考えた。
① 楽しい学校作りから始めた
そのために、欠席や遅刻が多い状況から脱皮するために、先ず楽しい学校作りを進め、
学校へ登校させることから始めた。職員が
朝家庭まで迎えに、起こしにいくことも日
常茶飯事となった。親の協力が得られなけ
れば、教師が親変わりをしよう!そして、
朝ご飯が用意してなければ自分で作らせよ
うと考えた。低学年では、火を使うことは
危険を伴うが、高学年なら自分で作るよう
にさせた。自分で作らなくても、スーパー
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やコンビニで食べ物を買う時に、栄養のバランスを考えられる子に育てようとしてきた。
土 曜 日 に 「 朝 ご 飯 を 作 ろ う 」「 お や つ を 作 ろ う 」「 う ど ん を 作 ろ う 」 な ど の 特 別 講 座 を 設
けて子供たちに食事作りをさせた。
外国籍の子どもの特性を生かした行事 、
「 夜の受業参観 、各国とのフレンドシップデイ 」
なども数々行った。こうして日本人、外国籍の保護者も従来より学校への理解が深まった
ように思う。
② 学力も向上した
しかし、公立学校なので、学力も当然つけなければならない。楽しいばかりで良いわけ
ではない。そこで 、「学習のわかる喜び・できる喜び」も十分味合わせようともした。と
にかく教科書ぐらいはスラスラ読めるようにと、音読に力を注いだ。そして、一人一人の
子どもの可能性を信じ、ノーチャイム制の導入、次に教科の学習指導の実践研究に取り組
んだ。国語、算数の習熟度別学習、興味・関心のコース別学習、○○学習と名打った自由
進度学習も全学年で進めた。多くの外国籍の子どもたちにより良い日本語指導をするため
に「JSLカリキュラム」を活用した研究にも取り組んだ。JSLカリは日本人の指導に
も多いに役だった。
こうした様々な取り組みの結果、目に見える学力はまだまだ十分ではないが、かなり向
上してきた。
③ これからは、学校を中心とした地域作りを
これらの実践をするにあたり、多くの大学
の先生方に指導を受け、また、学生の皆さん
に協力いただいた。学校の教員だけでなく地
元のボランティアの方や学生の皆さんと出会
うことによって子供たちも多くのことを学ぶ
ことができたと思う。
・当初のねらいであった楽しい学校作りもかなり進んできた。
・遅刻欠席もかなり減少した。
・給食の残菜もかなり少なくなってきた。
・学力もそれなりに向上した。
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④日本ブラジル交流100周年記念行事に招待される
2008年は,日本からブラジルへ移民が開始されて100周年にあたる。1908年
に神戸港から出発した。100周年を記念して今年は日伯交流年実行委員会が外務省に設
立され,各種の記念行事が行われてい
る。
4月24日,東京で日伯交流百年記
念式典が外務省主催で開催された。そ
の式典は天皇 ,皇后陛下 ,皇太子殿下 ,
福田総理,衆参梁議長,ブラジル国要
人など500人規模の式典であった。
その式典に本校児童10名が招待され
た。そこでは,多くのブラジルの友達
と一緒に学ぶ喜び,多文化共生のこと,ブラジルで今生活している祖父母への想い,そし
て日本とブラジルの架け橋になりたいということを訴えた 。「アクアエイラ」というブラ
ジルの夢をかなえる歌も披露した。多くの日系人が涙を流して子どもたちの呼びかけを聞
いてくれた。式典終了後には,皇后陛下から参加した子ども一人一人にねぎらいとお礼の
お言葉をいただき感激した。
もちろん,参加したのは全国で本校だけであった。
これまで,本校がブラジル国籍の子どもについての実践が認められたと思う。愛知県知
事,東浦町長からも地域の誇りであるとお誉めの言葉をもらった。
今後も、学校と家庭、地域との連携をより強力にし、それぞれが協力をし、子どもにど
んな社会でも役立つ「生きる力」を育
てるようにしたい。そのために、学校
を中心に新しい地域作りを進めたい。
そ の た め に ,「 楽 し い 学 校 作 り , 学 習
指導の工夫改善,開かれた学校(地域
と の 連 携 )」 の 方 針 を こ れ ま で 以 上 に
強力に推進したい。
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