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No_35_J_Mar_Apr_2012
No 35 Issue BULLETIN ヤング • リーダーズ • グループ 2月23日(木) YLGスピーカーイベント開催 2 月 23 日(木)、丸の内ビルディングにて、新刊書「図解事典 英語で学 ぶ不動産ビジネス」紹介のスピーカー・イベントが開催されました。共著者の 脇本和也氏(旧中央三井信託銀行株式会社・現三井住友信託銀行株式会 社) ・ジョン・サリアード氏(サヴィルズ・ジャパン株式会社)を講演者に、40 名近い参加を頂きました。 共著者の 2 人からは、 「日英対訳・イラスト付きの判りやすい説明で、日本 の不動産市場と読者との隔たりが埋まるような包括的かつ取っ付きやすい事 典を提供したい」、という本書執筆の動機をおうかがいしました。 また、両氏からは、海外から日本への不動産投資が拡大するような投資ス トラクチャーを、既存のものから理想像まで含め提示頂くなど、本書の主要 テーマに関しいくつかご紹介頂きました。 会長新旧交代の挨拶 2012年春、ULIジャパンの新たな歴史の始まり 4月11日(水) YLGスピーカー・イベント開催 3 月 30 日(金)、アジア・イン ベストメント・パートナーズ (AIP) CEO バリー・ハーシュフェルド氏を ホストに「YLG リーダーシップ・ラ ンチ」が開催され、10 名の YLG メンバーが参加致しました。ハー シュフェルド氏は元 YLG ステアリ ング・コミッティのリーダーで、現 在も ULI の活動にご尽力頂いてお ります。本イベントでは、マネージ ング・ディレクターの安藤滋氏とともに、AIP 社の投資戦略 と日本の高齢者介護施設を対象とした投資ビジネスについ てお話し頂きました。会の後半では、Q&A セッションとして、 YLG メンバーから「ファンドマネジメントビジネスについて、 起業家精神について、投資家等との信頼関係を築くには」、 など活発な質疑がなされました。この場をお借りして、ハー シュフェルド氏・安藤氏に御礼申し上げます。 4 月 11 日(水)、世界で活躍されている OMA( オフィス• フォー •メトロポリタン •アーキテクチャー ) ニューヨーク事 務所代表の建築家 重松象平氏をお招きし、スピーカーイ ベントを開催しました。 次号のお知らせ • 第 6 回 ULI ジャパン•リーガル •ランチ • セミナーレビュー •「不動産組織の再生」第 2 回 筆者サンディー •アプガー 重松氏のプレゼンテー ションの中では、代表作 品である、北京中国中央 電視台(CCTV)新本社 屋、深せん証券取引所新 本社屋、コーネル大学建 築学科新公舎等をご紹介 いただいた他、現在取り 組んでいるパフォーマンス アーティストのシアターについても、観客がパフォーマンス を十分に楽しめる大変ユニークな設計を紹介いただきまし た。 また、これまでの歴史を振り返り、 「不況時こそクリエイ ティブな作品が産まれている」と指摘し、リーマンショック 後も生き残っているのは信念を持ちオリジナル性を貫いてき た個人や企業だと述べられました。 約 60 名の参加者は重松氏の示唆に富んだ講演に大変 興味深く聞き入っていました。 この場をお借りし、重松氏、イベントスポンサーのレンド リース様、会場をご提供頂いたGEリアルエステート様、そ してご参加頂いた皆様に御礼申し上げます。 No. 2 012 3 月 / 35 4 月1日、これまで 2 年間にわたりご尽力を頂いた斎藤一志カウンシル会長 ( 三 井不動産株式会社)に代わり、合場直人氏 ( 三菱地所株式会社)が会長に就 任し、ULI ジャパンは新体制をスタートしました。 イベントの最後には、発行元である株式会社秀和システム様のご厚意で、 抽選で 5 名の参加者に本書がプレゼントされました。この場をお借りし、脇 本氏、サリアード氏、会場をご提供頂いたサヴィルズ・ジャパン株式会社様、 そしてご参加頂いた皆様に御礼申し上げます。 3月30日(金) YLGリーダーシップランチ開催 Issue 欧州の経済不安、中東の政情不安、超円高による輸出産業への打撃、昨年 3 月に日本を襲った未曾有の自然災害など、厳しい社会・経済環境の中、ULI ジャ パンは斎藤会長の主導の下、教育・交流の機会を提供するとともに、各種イベン ト・プログラムを通じて日本に関する正確な情報を海外へ積極的に発信してきま した。 斎藤会長は任期を振り返って「やはり東日本大震災を抜きに語ることはできま せん。昨年のプログラムでは、災害の予防や被災地の復興といったテーマも多く 取り上げました。震災から1年が経ちましたが、引き続き復興に向けた不断の取 組みが必要です」と述べています。 左側:合 場直人・新会長(三菱地所株式会社) 右側:斎 藤一志 ULI ジャパンカウンシル前会長 (三井不動産株式会社) 合場氏は会長就任にあたって「震災復興を含めた国としての成長戦略が今後 本格的に実施されていく中で、ULI ジャパンとしても不動産・土地活用の分野で 培ってきた知識・経験を活かしながら、会員の皆様と協力して世界に誇れるまち づくりに貢献していきたい」と挨拶されました。 そして数年間空席となっていた副会長に就任した GE リアル・エステート チーフ・エグゼクティブ・オフィサーアジア・パ シフィックのフランソワ・トラウシュ氏は「このたび合場新会長の下で副会長を務めさせていだだくことになり、非常に光栄 に思っています。私のこれまでの知識と経験を活かして、アジアの視点のみならず、グローバルな視点から ULI ジャパン の発展に貢献することを願っています」と抱負を述べられました。 斎藤会長におかれましては、非常に厳しい時期にリーダーシップを発揮していただいたことに改めて感謝申し上げると ともに、引き続きご協力を賜りますようお願いいたします。そして合場新会長およびトラウシュ新副会長におかれましては、 これから 2 年間よろしくご指導のほどお願い申し上げます。 空 洞 化 を 恐 れ る な ULIジャパン・カウンシル朝食会のご報告 去る 3 月 15 日、ザ・キャピトルホテル東急にて ULI ジャパン・カウンシル 朝食会が開催され、林芳正参議院議員をはじめカウンシルメンバー約 20 名 が出席しました。林議員は少子高齢化の進展によって国内経済の成長・発展 の可能性が抑制される中、日本企業の積極的な海外進出を奨励するとともに、 政策決定において国民総所得の最大化を主要な目標に定めることを提唱して います。このようなパラダイムシフトの中で日本が直面している課題には、日 本が貿易立国から投資立国に移行すること、日本企業が海外で得た収益を本 国に還流することを妨げる障壁の取り除くこと、海外事業の拡大を通じて国 内で新たな雇用機会を創出することなどがあります。 この場をお借りして、林議員、出席者の皆様、ならびに本会の準備にご尽 力いただいた金山明煥氏に厚く御礼申し上げます。 ULI Japan 〒 101-0047 東京都千代田区内神田3-2-8 COI 内神田ビル 8F TEL: +81-3-5297-6132 FAX: +81-3-5297-6133 URL: http://japan.uli.org E-mail: [email protected] 4 月 ULIジャパン・サマー・カンファレンス開催 4月12日(木)YLGリーダーシップランチ開催 現在、ULI ジャパンでは 7 月 5 日(木)に六本木ヒル ズ森タワー 49 階六本木アカデミーヒルズにて開催される ULI ジャパン・サマー・カンファレンス 2012 の準備を急ピッ チで進めています。前観光庁長官 溝畑宏氏による基調 講演のほか、グローバルシティとしての東京、欧州債務危 機の改善がもたらす機会、外国から見た投資対象としての 東京の魅力を考察する、3 つのパネルディスカッションを ご用意しています。ランチタイムには興味深い講演を用意 する予定です。またカンファレンス終了後には懇親会もあり ます。プログラム詳細については、ULI ジャパンのウェブサ イト(http://japan.uli.org にてイベントページ)をご覧に なるか、ULI ジャパン事務局までお問い合わせください。 お早目のご登録をお勧めします。 4 月 12 日(木)に、フォートレス・リアル・エステート・ アジア合同会社マネージングディレクターのエリック・ゴー ルデン氏をホストに「YLG リーダーシップ・ランチ」を開催 し、約 10 名の YLG メンバーが同氏のお話しをうかがいま した。ゴールデン氏の話題は、日本の不動産市場への展 望や、引き続き存在するオポチュニスティック投資の商機、 日本とアジアでの経験に基づいた同氏の投資哲学など、 広範に及びました。 その後のカジュアルな質疑応答セッショ ンは、同社の際立った投資スタンスの背景にある深い見識 など、興味深い議論になりました。この場をお借りして、ゴー ルデン氏に御礼申し上げます。 Vol. I スティーブのブログ 公募や私募による増資によって新規事業の立ち上げや既存事業の強化に向けた資金調達を行お うとしたことがある人なら誰でも知っているように、競合他社と差別化する必要があるが、達成す ることは難しい。 世界 70 カ国以上で 7,000 人を超える専門家がプレキン・リミテッド(以下プレキン)の提供する ベースやサービスを利用して、市場調査、資金調達、マーケティング、ベンチマーケティング、IR な ど様々な活動を行っている。プレキンは代替資産業界 (不動産を含む)の主要なデータ情報源となっ ている。2002 年創設の同社は、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールに事務所を構えている(ウェ ブサイト:www.preqin.com)。 プレキンはこのほど広範な機関投資家を対象に、 「数ある投資運用会社の中で効果的に傑出する ために」、いかに差別化できるかを特定するが目標の調査を行った。時宜を得た洞察力に富む調査 結果を一部引用する形で紹介する。 •ニッチな機会の提供。つまり、不動産の一部門におけ るコアコンピテンシーを示すこと。 •ユニークな取引機会を見つける実績および能力を示す こと。 •ファンドマネジャーはベンチマークよりも利益を出すこ とに注意を向けること。 •投資家がファンドのポートフォリオを評価できるよう に、ファンドマネジャーは当初は着実な実績を上げる ように、資金を投資する必要がある。 サンディ・アプガー氏はシニア・エグゼクティブやボードメンバーに対し、不動産戦略および不動産管理の助言を行う。 数々の受賞歴を持つ公吏、コンサルタント。著書多数。ULI 創設に携わったほか、3 つの ULI プロダクト・カウンシルのチェアを務める。 活力は起業家組織の顕著な特徴である。不動産業界、特に 米国の不動産業界は起業家精神によって構築された。起業家 は生まれつきまたは訓練によって、回復力の強い精力的で意欲 的な人間となる。だが、規模の縮小や吸収合併が避けられな い現在の不況下では、起業家の成功を推進する活力が奪われ てしまった。 スティーブ• R •ブランク ULI (アーバンランド • インスティテュート) シニア•レジデント •フェロー •安定性、誠実性、経験、実績を示すこと。説得力の ある機会を提供し、投資戦略を遂行すること。当該ファ ンドに投資するべき理由を巧みにアピールすること。 •類似ファンドや同一戦略を取っているファンドマネ ジャーが多い。 •ファンドマネジャーはファンドの戦略を投資家の戦略と 一致させられなければならないが、同時に、競争力の ある手数料と優れた実績を示さなければならない。 •好況期と不況期の双方で着実な実績があること。現 在の市況にあった戦略を採用していること。 •運用条件の優位性に重点を置く一方、投資家と良好 な関係を築くこと。 •着実な業績を上げること。 従来の経営理論ではまず戦略ありきで、組織体制はその後 に続く。しかし、ストレス下にある不動産の場合にはこれは当 てはまらない。期待が収縮し、牽引役である経済が損なわれて いる市況においては、体制とその結果生まれる組織が優先され るべきである。 チームを再生し、方向転換させる 5 つの取り組みを以下に紹 介する。 1.余計なものを取り除く 傑出するためにファンドマネジャーに何ができるか? •ファンドマネジャーは、投資対象国にスタッフを配置 すること。 <筆者>サンディ・アプガー アーバンランド• オンライン • マガジン 2011 年 10 月 11 日号 数年にわたる後退期を経て、多くの不動産組織が疲弊した。 そのような状況にある場合、最大の課題はチームを活性化させ ることである。皆を激励し、回復に向けて鼓舞しなければなら ない。行動を起こさなければ、競争相手に後れを取ることにな る。 5 月 31 日(木)までに登録された方には、 割引料金にてご案内いたします。 •確固たる実績に裏打ちされた、独自の取り組みを行う。 不動産組織の再生 (第1回/全3回連載) 経済の回復こそ組織とプロセスを簡素化する上で最適な機 会である。好況期には、起業家は官僚主義に屈することも ある。不況下では、多くの組織は組織再編にかかる手間や 費用によって消耗することを望まなかった。現在、管理体制 の簡素化、分担、チームワーク、透明性を通じて組織を活 性化させることができる。このような当たり前の行動では、 優れた経営手腕を必要としない。しかし、 「率いる」という 意思は必要である。というのも、変革とは本質的に一部の 者にとって脅威的なものであり、多くの者にとって破壊的な ものだからだ。必要だと認識しているものの変革の煩わしい 手続きに構っていられない場合、または自身の客観性が曇っ ている場合には、信頼できる同僚やアドバイザーに権限を与 え、再編が完了するまで傍観するとよい。 2.コーチ、ケア、チャンピオン、コレクト コーチは、人として気遣い、成果を称え、専門的な成長を 促進することにより、チームに活性化する。リーダーやコー チは仕事以外の個人的な生活や苦労を知っている。時間を 費やし注意を払うことにより、個人と組織の結びつきを強化 することができる。 データに裏付けられた評価によって、貢献内容、周囲の評価、 効果があるものとそうでないものについて理解を深めること ができる。チームが市場の不透明性に直面したときは、明 確な方向性を示すことによりチームの自信を回復させること ができる。気遣いに対応するものが公正さである。キャッシュ フローが減少すると、給料の支払いを遅らせたり、支払いを 減らす誘惑に駆られるかもしれないが、このことは仲間の生 活に影響を及ぼす。これは避けるべきであるが、そうせざる を得ない場合には、計画が公平、公正であり、景気後退の 圧力によって損なわれた信頼を回復するためのものであるこ とを確認する。そうすることで、チームは新たな活力、創造性、 献身をもって公平さに報いる。 3.パートナーシップの「我々」を注ぎ込む パートナーシップとは、 チームワークを超えたものである。 パー トナーは互いの行動がもたらすリスクと利益を共有する。こ れらは相互関係や献身の度合いを強める。それは「私」で はなく「我々」という概念である。優れた業績を上げている 組織は、質の高いパートナーシップをすべての従業員に植え 付けており、それを補強するための評価基準を取り入れてい る。皮肉にも、ノンリコース・ファイナンスと有限責任という システムは、まずい判断がもたらす結果から個人を逃れさせ る可能性がある。現在の自分の計画はパートナーシップ精 神を高めているのか、それとも損なっているのか分析してみ るとよい。誰が株主利益とリスクを共有しているのか、株主 でない利害関係者がどう関与しているのか、誤りがどのよう に正されたか、そしてそれに割り当てられた費用を分析する のである。 4.4 つの 「i」を捉える。 アイディア(Idea)、インサイト(Insight)、インスピレーショ ン(Inspiration)、イノベーション(Innovation)という 4 つの「i」は自然に生まれるものではなく、熱心に追い求めな ければならない。P&G や 3M は顧客を活用することによっ て、これらを手にしている。グーグルの新 CEO はオープン・ フォーラムを開催し、社員はアイディアを売り込んでいる。アッ プルの創業者は消費者向けの洗練されたハイテク関連のイノ ベーションによって、いくつもの業界を一変させた。不動産 業界の伝説的人物であるジェームズ・ルースとトラメル・クロー はチームに開発・運営の各段階で改善を推進するように働 きかけた。ルースは洞察力のある人間性を通して、そしてク ローは人を巻き込むような情熱をもってこれに当たった。こ うした達成を通じてリーダーは 5 番目「i」である インパクト (Impact)を確かなものとする。 5.日程と場所に柔軟性をもたせる フレックスタイムや柔軟性のある職場ほど、士気を高める強 力なリーダーシップ・ツールはほとんど存在しない。大半の 組織は固定した場所から仕事の一部を分離することができ る。セールス、サービス、資産運用といった機能はいずれ も場所と時間を問わず実行可能なものである。これにより、 従業員に職場と労働時間について選択肢を与えることができ る。ホームオフィス機器やブロードバンド設置費用の一部を 負担してもよい。マネジャーはこうした取り組みに反対するこ とが多いが、ワークライフ・バランスが向上することで、個 人の仕事に対する満足度と生産性が上がることは経験上明 らかになっている。 こうした行為は高額な費用がかかるものではないが、時間と 努力を必要とする。率いるのが小規模チームだろうが、大規模 の多国籍チームだろうが、迅速かつ体系的に取り組まなければ ならない。そうすることにより組織は大きなストレスの時代から 抜け出し、組織をうまく活性化させることができる。活性化は 最大の難問、最大の希望そして最大の遺産であるかもしれない。