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認知症の方の目線に立つ
認知症の方の目線に立つ ☆アップルの集い ☆認知症サポーター研修 アップル学園前在宅介護支援センター 山田 健太郎 □認知症の実際 おさらい ・単なるもの忘れと、「認知症」は違います。 ・認知症は「病気」であり、「治療」が必要です。 ・85歳以上の4人に1人が「認知症」を患う。 ・2015年には300万人以上が認知症を 発症する。 1 □認知症診療の特徴 おさらい ・認知症は「早期発見・治療」が必要です。 ・認知症には、「治るもの」と「治らないもの」がある。 ・認知症は、「記憶障害」が早期に出現します。 ・認知症が極めてありふれた病気であるのに対し て、専門医の数は絶対的に足りていない。 地域でシステムとして支える必要がある。 2 □認知症の症状 中核症状 記憶障害 ・老化による物忘れと違い、体験の全体を忘れる。 ・同じことを繰り返す。 見当識障害 ・時間や季節感の感覚が薄れる。 ・近所で迷子になる。 ・自宅のお手洗い等の場所が分からなくなる。 ・自分の年齢や人間関係が分からなくなる。 理解・判断力の低下 ・考えるスピードが遅くなる。 ・2つ以上のことを同時に処理できなくなる。 ・手順良く計画的に行動できなくなる。 周辺症状 (BPSD) 徘徊・多動・妄想・幻覚 不潔・暴力・異食・不安 焦燥・睡眠障害・依存 多弁・過食 など 実行機能障害 ・計画を立てて実行することができない。 ・電化製品や銀行ATM 等がうまく使えなくなる。 3 □認知症の1次予防(1) おさらい 1.生活習慣のうち、動脈硬化や脳障害を防ぐ食事習慣 ・偏食を避けて塩分控えめに。 ・糖尿病や高血圧、高脂血症の人は特に治療食を守って動脈硬 化を進行させないように努める。 ・長期に渡る過度のアルコール飲用は良くない。 ・水分補給が大事。 2.心のあり方や人間関係作り ・明るい気持ちを持つように心がける。 ・ストレスをためないように心がける。 ・孤独にならないように努めること。 ・自分自身に役割をもち日常的に実践すること。 ・プライドを大切にしよう。 4 □認知症の1次予防(2) おさらい 3.生活習慣が認知症の発症や進行の予防に有効。 ・適度な運動や体操をしている人 ・日記をつけている人 ・喫煙者は脳動脈硬化症に関与することもあるので控えめに。 加齢による「物忘れ」と「認知症」は 違いますが、単なる物忘れと認知症 (特にアルツハイマー型認知症)には 連続性があります。 5 □認知症の方の目線に立つ 認知症の患者さんが体験していること 1.まわりの世界と自分の世界がずれていく 2.まわりの世界がつかめない 3.まわりの世界が自分を脅かす 4.自分の身体が自分を脅かす 5.自分自身が崩れる 永田久美子:精神看護、1(6)、22(1998) 6 □認知症の方の心の内側(1) 個性がなくなっていく不安・焦燥 ・私は私が生きてきた自分史や生活史があります。私の好む食べ物、 趣味、思い出や人とか場所、私が好きなこと嫌いなことがらを理解 してしっかり私を見て支えてください。 ・私は認知症ではあるが、何もできないのではないので、 出来ることはさせてください。 妄想・幻視・記憶障害による行動 ・私は私の中にある世界(内的世界)のことを話し、訳の分らないことを 言ってしまいますが、馬鹿にしたり偏見を持った関わりをしないでく ださい。 ・私は病気で今自分が言ったことや行ったことをすぐ忘れてしまいます。 そのことで一番お世話になっている人を疑ってしまったりしますが悪 気はありませんので、叩いたり怒鳴ったり叱ったりしないでください。 7 □認知症の方の心の内側(2) 不 潔 ・私は病気で整理整頓や衛生面のことがよく分らなくなっております。 自分では一生懸命のつもりでもそのように受け止められない行為に なっていると思いますが、叱ったり怒らないでやさしく教えて下さい。 帰宅願望 ・私は「家に帰る」と言いますが、不安なことがあって安心のできる 心のよりどころとなる家に帰ると言っていますので、「ここが家だ よ」とか「そんな家はないよ」とか連れ戻したりしないで、その不 安が何かわたしの内的世界を理解してください。 徘 徊 ・私は徘徊したりしますが、探し物や行かなければならないところや 不安などの理由があって歩いておりますので、私を無理やり連れ戻 したり、そこから出られないようにしたりしないで私の内的世界を 理解してください。 8 □認知症の方の心の内側(3) 音や環境の変化による不安行動 ・私は沢山の音があると聞き分けられません。静かな場所を望みます。 またあなたの話が聞き取りにくい時があります。でも大声で話され ると怒られているように感じてしまいます。耳元でやさしく話して ください。 ・私は環境が変わると、ここがどこなのか分からなくなります。皆さん が外国で迷子になったような気持ちと同じです。環境の変化に対応が できないため、一緒にいる人がいなかったり、いつもと場所が違うと 混乱します。できるだけ同じ場所で生活することを望みます。 □地域で支えるシステム作り 「認知症」を正しく理解し、偏見をもたず、 明日はわが身の思いで、 認知症の人」ではなく「認知症の人」として 「 互いが支えあい、温かく見守りあえる街づくりを、 一緒に始めて行きましょう。 医療法人 北寿会の取り組み 経営理念 家族の絆を深め、在宅生活の喜びを創造する 経営指針 ・利用者満足度の向上 ∼利用者の目線にたった感動を呼ぶサービスの提供∼ ・職員のモチベーションの向上 ∼職員各人の自己実現をめざして∼ 法人が行う主な事業 介護老人保健施設(入所)、短期入所療養介護(ショートステイ)、 通所リハビリテーション(デイケア)、訪問介護(ヘルパー派遣)、 福祉用具貸与(レンタル)、在宅介護支援センター(ケアマネジャー)、 特定福祉用具販売、小規模多機能型居宅介護、登美ヶ丘クリニック