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『若年期認知症って?(2/2)』(PDF文書)

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『若年期認知症って?(2/2)』(PDF文書)
認知症は「歳のせい」ではない?!
認知症になると何もわからなくなるというのはウソ!?
認知症は、
老化現象による「もの忘れ」とは違います。アルツハイマー病や脳血管障害などが原因で
脳の細胞が死んでしまったり働きが悪くなったために、
記憶力や判断力などが低下する脳の病気です。
早期発見して正しく治療すれば、
症状が改善し、
場合によっては治ることもあります。
記憶はとぎれとぎれになっても、
瞬間、
瞬間に感じる喜怒哀楽はとても豊か
です。嬉しい、
楽しい、
誇らしい気持ちの余韻は残ります。
また、
不快感や悔しさ、
怒り、
哀しい気持ちは尾を引きます。
認知症の人は、
自分でも理解できないさまざまな症状に不安を抱えながら
も、
自分らしく尊厳をもって暮らしたいと願っています。
症状
脳の細胞が壊れる
脳の細胞が壊れることによって直
接 起こる症 状( 中 核 症 状 )と性
格、
環境や心理状態によって変化
する症状(周辺症状)があります。
若年期認知症の人や家族が職場や地域に望むこと
中核症状
・同じことを言ったり聞いたりする。
・しまい忘れや置き忘れが目立つ。
・予定に合わせて準備することができない。
・日付や季節、
場所、
人がわからなくなる。
・考えるスピードが遅くなる。
・二つ以上のことが重なるとうまく処理できなくなる。 など
周囲の人との人間関係、
介護状況など
本人の性格など
周辺症状
・些細なことで怒り出して暴力を振るうようになる。
・落ち着きがなく歩き回る。
・あるはずのないものが見えたり、
聞こえたりする。 など
「知識や経験は生きている」 《若年期認知症の人
Aさん》
3年前の57歳の時、会社の社長から「仕事にキレがなくなった」と言われ、医療機関の受診を勧めら
れました。はじめは「うつ病」が疑われましたが、今年になって若年期認知症と診断されました。
2年前に仕事でミスをしてからは、それまでのように働くことはできなくなりましたが、現在でも会社
に籍があります。社長が従業員のことを考えてくれる会社だからこそと思い、感謝しています。
認知症でも、私には30年間の仕事で蓄積した製品の知識、営業の経験や人脈が生きています。誰か
がかわりに記録してくれるなどのサポートがあれば営業に行けるし、後輩社員の指導もできます。
若年期認知症の人がいったん退職したら、全く新しい仕事を覚えることは困難です。若年期認知症
になっても、経験を生かした仕事をできるだけ継続できるよう、職場の人が本人の症状と「できること」
を認識し、少しだけサポートしていただきたいと思います。
職場に望むこと
職場に望むことは、
「認知症」という病気を正しく理解し、
サポートしてほしいとい
うことです。
若年期認知症では、
家族よりも職場の同僚の方が早く異変に気づくことが多くあ
ります。気になる症状のある人がいたら、
早めに医療機関や相談機関(次頁参照)に
つなげられるようにサポートしてください。
また、
認知症でも初期のうちは、
少しの支えで出来ることがたくさんあります。すぐ
に退職させるのではなく、
その人に合った業務内容に変更するなど、
認知症になって
もできるだけ継続して働けるように配慮していただきたいです。
認知症は高齢者だけの病気ではない?!
認 知 症は高 齢 者 特 有の病 気 …と
思っていませんか?
実は働き盛りの年代でも認知症に
なることがあります。それが「若年期
認 知 症 」といわれるもので、高 齢 者
の認知症とは異なる様々な課題があ
ります。
の声
本人
発見の遅れ
家 族 の ダメー ジ
体は元気なので、
周りからは病気
に見えません。
「まだ若いのにま
さか」と思ったり、
うつ病と間違わ
れたりするため、
受診や治療の開
始が遅れてしまいがちです。
離職を余儀なくされ生活が苦し
くなります。子どもの就学にも影
響します。子どもにどう説明した
らよいか悩みます。
働き盛りの年代で発症する認知症には様々な課題が・
・
・
の声
家族
「地域のつながりがありがたい」 《若年期認知症の人のご家族
Bさん》
初めは認知症である主人を近所の人に知られたくなかったので、家に閉じこもり隠していましたが、
いずれ何もできなくなるなら、今できることを見つけて喜びあおう、
「認知症の家族」と公表しようと決
めました。
それからは、
みんなが守ってくれるようになり、近所の人は釣りや山登りにも誘ってくれます。地域の
つながりがとてもありがたいです。
地域に望むこと
本 人 の ダメー ジ
介護の問題
それまでできていた仕事がだん
だんできなくなり、
自信を喪失し
たり、
将来の不安が増大します。
若いだけに体力もあるので、
介護
する側も相当なエネルギーを必
要とします。
認知症になっても、
「安らぎ」と「喜び」を感じられる人との関わりがあれば、
安心して暮ら
していけます。そのために地域の方に認知症の理解とちょっとした手助けをしていただきた
いです。
たとえば、
認知症の人に笑顔で挨拶をする、
話を聞いてあげるなど、
ちょっとしたことが大
きな支えになるのです。
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