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第 2 節 子どもの交通事故に関する現状
第2節 子どもの交通事故に関する現状 1.統計データによる傾向分析 以下では、交通事故総合分析センター『交通統計』『交通事故統計年報』(各年版)の データを用いて、子どもの交通事故の傾向を整理する。 (1)人口当たり交通事故件数 人口 10 万人当たり交通事故件数(第1当事者)割合は、16-19 歳で高い。 図表 II- 5 年齢階級別・人口 10 万人当たり交通事故件数(第1当事者) 1000 人/10万人 交通事故件数(全体)/年齢層別人口 900 800 700 600 500 400 300 200 全体・計 全体・13-15歳 全体・6歳以下 全体・16-19歳 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2001 0 CY2002 100 全体・7-12歳 件数は少ないが、人口 10 万人当たり歩行者交通事故件数(第1当事者)割合は、6 歳以 下および 7-12 歳で高い。 図表 II- 6 年齢階級別・人口 10 万人当たり歩行者交通事故件数(第1当事者) 人/10万人 交通事故件数(歩行者)/年齢層別人口 18 16 14 12 10 8 6 4 歩行者・計 歩行者・7-12歳 歩行者・16-19歳 歩行者・6歳以下 歩行者・13-15歳 7 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 2 7-12 歳、13-15 歳、16-19 歳は、人口 10 万人当たり自転車乗用中交通事故件数(第1 当事者)割合が高い。(特に 13-15 歳、16-19 歳) 図表 II- 7 年齢階級別・人口 10 万人当たり自転車交通事故件数(第1当事者) 90 人/10万 人 交通事故件数(自転車)/年齢層別人口 80 70 60 50 40 30 20 自転車・計 自転車・7-12歳 自転車・16-19歳 自転車・6歳以下 自転車・13-15歳 8 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 10 (2)人口当たり交通事故死者数 人口 10 万人当たり交通事故死者数は 16-19 歳男子で多い。負傷者数は男女とも 16-19 歳が多い(特に男子)。 図表 II- 8 年齢階級別・人口 10 万人当たり交通事故死者数(上)・負傷者数(下) 人/10万人 18.0 死者数/男女別年齢層別人口 16.0 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 全体・計・男性 全体・13-15歳・男性 全体・6歳以下・女性 全体・16-19歳・女性 2,500 全体・6歳以下・男性 全体・16-19歳・男性 全体・7-12歳・女性 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 CY2001 0.0 全体・7-12歳・男性 全体・計・女性 全体・13-15歳・女性 人/10万人 負傷者数/男女別年齢層別人口 2,000 1,500 1,000 全体・男性・計 全体・男性・13-15歳 全体・女性・6歳以下 全体・女性・16-19歳 全体・男性・6歳以下 全体・男性・16-19歳 全体・女性・7-12歳 9 全体・男性・7-12歳 全体・女性・計 全体・女性・13-15歳 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 500 子どもの人口 10 万人当たり歩行中の交通事故死者数は、男女とも全年齢平均を下回っ ている。しかし、負傷者数では 7-12 歳男子・女子と 6 歳以下男子が全年齢平均を上回 っている。(特に 7-12 歳男子) 図表 II- 9 年齢階級別・人口 10 万人当たり歩行者交通事故死者数(上)・負傷者数(下) 2.5 人/10万人 歩行中死者数/男女別年齢層別人口 2 1.5 1 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 0.5 歩行中・男性・計 歩行中・男性・6歳以下 歩行中・男性・7-12歳 歩行中・男性・13-15歳 歩行中・男性・16-19歳 歩行中・女性・計 歩行中・女性・6歳以下 歩行中・女性・7-12歳 歩行中・女性・13-15歳 歩行中・女性・16-19歳 200 人/10万人 歩行中負傷者数/男女別年齢層別人口 160 120 80 40 歩行中・男性・計 歩行中・男性・7-12歳 歩行中・男性・16-19歳 歩行中・女性・6歳以下 歩行中・女性・13-15歳 歩行中・男性・6歳以下 歩行中・男性・13-15歳 歩行中・女性・計 歩行中・女性・7-12歳 歩行中・女性・16-19歳 10 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 CY2001 0 子どもの人口 10 万人当たり自転車乗用中の交通事故死者数は、全年齢平均と比べ高い とは言えない。しかし、負傷者数では 7-12 歳男子、13-15 歳男女、16-19 歳男女で平 均を上回っている。(特に 16-19 歳男女、13-15 歳男子) 図表 II- 10 年齢階級別・人口 10 万人当たり自転車乗用中交通事故死者数(上)・負傷者数(下) 人/10万人 自転車乗用中死者数/男女別年齢層別人口 1.2 1 0.8 0.6 0.4 自転車乗用中・男性・計 自転車乗用中・男性・7-12歳 自転車乗用中・男性・16-19歳 自転車乗用中・女性・6歳以下 自転車乗用中・女性・13-15歳 600 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 0.2 自転車乗用中・男性・6歳以下 自転車乗用中・男性・13-15歳 自転車乗用中・女性・計 自転車乗用中・女性・7-12歳 自転車乗用中・女性・16-19歳 人/10万人 自転車乗用中負傷者数/男女別年齢層別人口 500 400 300 200 自転車乗用中・男性・計 自転車乗用中・男性・7-12歳 自転車乗用中・男性・16-19歳 自転車乗用中・女性・6歳以下 自転車乗用中・女性・13-15歳 11 自転車乗用中・男性・6歳以下 自転車乗用中・男性・13-15歳 自転車乗用中・女性・計 自転車乗用中・女性・7-12歳 自転車乗用中・女性・16-19歳 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 100 人口 10 万人当たり自動車乗車中の交通事故死者数は、近年急激に低下しつつあるもの の 16-19 歳男子で全年齢平均を上回っている。一方、負傷者数は、他の子どもの年齢階 級に比べ 16-19 歳男女の割合が高いが、近年では全年齢階級平均を下回っている。 図表 II- 11 年齢階級別・人口 10 万人当たり自動車乗車中交通事故死者数(上)・負傷者数(下) 人/10万人 自動車乗車中死者数/男女別年齢層別人口 8 7 6 5 4 3 2 1 自動車乗車中・男性・計 自動車乗車中・男性・7-12歳 自動車乗車中・男性・16-19歳 自動車乗車中・女性・6歳以下 自動車乗車中・女性・13-15歳 700 人/10万人 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 CY2001 0 自動車乗車中・男性・6歳以下 自動車乗車中・男性・13-15歳 自動車乗車中・女性・計 自動車乗車中・女性・7-12歳 自動車乗車中・女性・16-19歳 自動車乗車中負傷者数/年齢層別人口 600 500 400 300 200 自動車乗車中・男性・計 自動車乗車中・男性・7-12歳 自動車乗車中・男性・16-19歳 自動車乗車中・女性・6歳以下 自動車乗車中・女性・13-15歳 自動車乗車中・男性・6歳以下 自動車乗車中・男性・13-15歳 自動車乗車中・女性・計 自動車乗車中・女性・7-12歳 自動車乗車中・女性・16-19歳 12 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 0 CY2001 100 <参考> 子どもの事故割合が高い自転車「乗用中」の負傷者数を、さらに「運転中」と「同乗中」 に分解して比較 自転車「運転中」の交通事故負傷者数割合は、7-12 歳男子、13-15 歳男女、16-19 歳 男女で全年齢平均を上回っている(特に 16-19 歳男女、13-15 歳男子)。一方、自転 車「同乗中」の交通事故負傷者数割合は、6 歳以下男女で全年齢平均を大きく上回って いる。 図表 II- 12 年齢階級別・人口 10 万人当たり自転車運転中負傷者数(上)・同乗中負傷者数(下) 人/10万人 600 自転車運転中負傷者数/男女別年齢層別人口 500 400 300 200 100 自転車運転中・男性・計 自転車運転中・男性・7-12歳 自転車運転中・男性・16-19歳 自転車運転中・女性・6歳以下 自転車運転中・女性・13-15歳 40 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 CY2001 0 自転車運転中・男性・6歳以下 自転車運転中・男性・13-15歳 自転車運転中・女性・計 自転車運転中・女性・7-12歳 自転車運転中・女性・16-19歳 人/10万人 自転車同乗中負傷者数/男女別年齢層別人口 35 30 25 20 15 10 5 自転車同乗中・男性・計 自転車同乗中・男性・7-12歳 自転車同乗中・男性・16-19歳 自転車同乗中・女性・6歳以下 自転車同乗中・女性・13-15歳 自転車同乗中・男性・6歳以下 自転車同乗中・男性・13-15歳 自転車同乗中・女性・計 自転車同乗中・女性・7-12歳 自転車同乗中・女性・16-19歳 13 CY2011 CY2010 CY2009 CY2008 CY2007 CY2006 CY2005 CY2004 CY2003 CY2002 CY2001 0 6歳未満の同乗中の幼児は頭部損傷(構成率 40.5%)が4割以上を占める。それ以外の 年齢層の損傷部位は、すべて全ての年齢層で脚部が最も多く、頭部損傷の割合は1∼2 割程度である。 図表 II- 13 自転車乗用中の年齢層別・損傷部位別死傷者数(平成 24 年) 資料)警察庁交通局(2013 年)『平成 24 年中の交通事故の発生状況』 14 (3)子どもの交通事故における曜日・時間帯・目的・道路形状・自宅からの距離(2011 年) ① 曜日別死傷者数 子どもの交通事故死傷者数は、曜日別に際立った傾向は見られない。ただし、幼児では親 とともに行動することの多い土日の士書写数割合が若干高くなっている。 図表 II- 14 中学生・小学生・幼児別・曜日別交通事故死傷者数内訳(2011 年) 中学生 (n=15410) 14.9 13.6 小学生 (n=27468) 14.5 13.1 幼児 (n=14765) 13.5 13.9 13.8 12.7 20% 月 13.9 14.6 12.4 0% ② 14.4 12.9 木 14.3 17.1 13.6 60% 水 13.3 16.4 13.2 40% 火 15.9 17.8 80% 金 土 100% 日 時間帯別死傷者数 子どもの交通事故死傷者数は、16∼18 時を中心に、夕方の時間帯で多くなっている。幼 児・小学生では 14∼16 時も多く、中学生では 18∼20 時がこれに次いでいる。 図表 II- 15 中学生・小学生・幼児別・時間帯別交通事故死傷者数内訳 0.5 0.3 中学生 (n=15410) 0.3 小学生 (n=27468) 13.5 9.6 6.3 10.6 12.8 22.5 17.1 6.9 3.3 0.2 5.3 5.7 0.7 7.6 10.8 22.0 33.5 11.3 0.2 幼児 14.1 14.2 14.2 17.0 21.1 11.0 4.9 (n=14765) 2.7 0% 20% 40% 60% 80% 0∼4 4∼6 6∼8 8∼10 10∼12 12∼14 14∼16 16∼18 18∼20 20∼24 15 100% ③ 目的別死傷者数 子どもの歩行中の交通事故死傷者数は、中学生では「登校」「下校」目的時、小学生では 「下校」「遊戯」目的時、幼児では「遊戯」「買物・飲食」目的時に多くなっている。 図表 II- 16 歩行中の中学生・小学生・幼児別・通行目的別交通事故死傷者数内訳 4.3 中学生 (n=1428) 26.1 小学生 (n=7603) 5.3 23.7 13.5 19.0 4.6 10.2 7.5 11.5 7.3 23.0 17.6 26.4 3.4 幼児 (n=2845) 9.5 17.9 8.4 3.0 0% 10% 20% 30% 登校 買物・飲食 その他 ④ 35.6 22.2 40% 50% 60% 下校 訪問 70% 80% 90% 100% 観光・娯楽・散歩 遊戯 道路形状別死傷者数 子どもの歩行中の交通事故死傷者数は、「交差点内」「単路」が多い。特に幼児で「単 路」の割合が多くなっている。また、幼児における「その他」は親とともに出かけた駐車 場等での事故が多いことを表している。 図表 II- 17 歩行中の中学生・小学生・幼児別・道路形状別交通事故死傷者数内訳 3.3 中学生 (n=1428) 47.2 8.6 40.9 3.3 小学生 (n=7603) 幼児 (n=2845) 0% 42.0 27.5 9.1 7.0 20% 交差点内 45.6 51.7 40% 交差点付近 16 13.8 60% 80% 単路 その他 100% ⑤ 自宅からの距離別死傷者数 子どもの歩行中の交通事故死傷者数を自宅からの距離別で見ると、中学生では「500m 以 内」「1,000m 以内」、小学生では「500m 以内」、幼児では「50m 以内」や「2001m 以上」が多くなっている。 図表Ⅱ-17 とⅡ-18 に示される結果は、幼児は親とともに買い物や娯楽施設に自動車で 出かけた際、出先の駐車場内で事故にあうことが多いことを反映したものである(したが って、必然的に自宅からの距離も長くなる)。 図表 II- 18 歩行中の中学生・小学生・幼児別・自宅からの距離別交通事故死傷者数内訳 中学生 5.5 9.5 28.9 14.0 25.5 0.1 16.6 (n=1428) 小学生 15.7 15.8 31.4 7.9 20.1 8.8 0.3 (n=7603) 幼児 26.8 12.4 18.2 12.4 22.1 7.7 0.5 (n=2845) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 50m以内 100m以内 500m以内 2,000m以内 2,001m以上 不明 17 70% 80% 90% 1,000m以内 100%