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研究の背景(近年の自動車交通事故の現状とドライブレコーダの可能性)
研究の背景(近年の自動車交通事故の現状とドライブレコーダの可能性) 4,500 ■近年の自動車交通事故の特徴 ■ドライブレコーダの活用 近年ドライブレコーダが開発され,タクシーなどの営業車を中心 に普及しています.(公社)自動車技術会では,ドライブレコーダ によって収集されたヒヤリハット事例をデータベース化しました. このデータベースを活用することで,ニアミス発生前後の時間的 挙動を把握することができ,リアルワールドの事故発生メカニズ ムを解明できる可能性があり ・予防安全システムの提案と評価(くるま) ・運転教育手法,歩行者への安全教習手法の開発(ひと) ・危険交差点の特徴分析と改良,ITS技術(みち) といった,ひと・みち・くるまの3方向から,交通事故ゼロ化を実現 するための方策を検討することができます.本研究室ではドライ ブレコーダによるデータベースを活用し,ひと・みち・くるまの視点 から交通事故低減につながる研究を展開しています. 自動車乗車中 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 歩行中 1,500 1,000 500 状態別死者数の推移 ドライブレコーダ,ヒヤリハットデータベース 10 年 09 年 08 年 07 年 06 年 05 年 04 年 03 年 02 年 01 年 0 2000 年 死者数[人] 交通事故による経済損失は,年間6兆以上とも試算されており, 自動車メーカー,行政,大学や研究機関において,如何に交通 事故を減らしていくべきかが真剣に議論されています. 近年の交通事故死者数を見ると,自動車乗車中は堅調に減 少しています.これはエアバッグや衝突安全ボディなど乗員保 護性能の向上による効果が大きいといえます.今後は衝突被 害軽減ブレーキや自動ブレーキ等の予防安全技術によってさら に死傷者を低減できると考えられます.一方,歩行者について は,ひとたび交通事故に巻き込まれれば,歩行者のダメージを 低減する有効な手段がなく,歩行者の行動特性を理解し,事故 発生そのものを如何に減らしていくかが重要視されています.