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2月の見通し 新興国市場の動揺を乗り越えて(ピクテ投信投資顧問)
2014年 2月7日号 Vol.142 2月の見通し 新興国市場の動揺を乗り越えて 引き続き株式市場に強気 1月の株式市場は新興国主導で大幅に下落 しました。中国の景気見通しに対する不透明 感やシャドーバンキングシステムへの懸念に 加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融 緩和の縮小を予定通り敢行したことから、世 界的に株安が進みました。 しかし、景気回復の勢いは依然として強く、投 資環境の見通しに大きな変化はありません。 また、新興国の危機や中国経済に対する懸 念は行き過ぎであると見ており、現在の株式 市場の調整は短期的な動きに過ぎないと考 えています。 為替については、引き続き米ドルに対して強 気です。堅調な米国経済に加えて、金融緩和 の段階的な縮小が基軸通貨としての長期的 な価値の上昇に寄与すると見ているためで す。 ユーロは、FRBが継続的に量的金融緩和の 規模を縮小する一方、欧州中央銀行(ECB)の 追加金融緩和観測が払拭できない状況にあ ることから、先安感が継続すると見ています。 ブラジルレアルは、利上げ実施によるインフ レへの対決姿勢はプラス要因ですが、度重な る政策金利の引き上げが実体経済に悪影響 を及ぼす事態も懸念されており、上値の重い 展開が予想されます。また、豪ドルについて は景気が軟調であることや中央銀行が依然 として通貨安を追求する姿勢を堅持している ことから弱気評価を継続します。 新興国は選別が重要 アルゼンチンが事実上自国通貨の切り下げ を決定したこと、トルコやウクライナにおける 政治・社会的な対立の激化、中国のシャドー バンキングに対する懸念の高まりなどから、 足元では投資家心理が著しく悪化していま す。しかし、アルゼンチンなどの懸念はあくま でも国内問題に留まり、新興国全体に波及す る可能性は小さいと見ています。 そもそも、新興国全体で見れば、対外公的債 務は低水準であり、経常収支も黒字を確保し ています。ピクテでは、新興国全体に危機の 萌芽が見られるとは考えていません。しかし、 新興国のなかでも投資対象国の選別はより 重要になっていると考えられます。 注目は「企業業績」 米国の量的金融緩和による流動性供給が終 了に向かう方向のなか、今後の株式市場を 見るうえで企業業績の重要性が一層高まっ ていくことになります。 株式市場が次の上昇局面を迎えるためには 企業業績の伸びが必須となります。今年は、 流動性相場から業績相場への転換が果たさ れる年になるのではないでしょうか。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績 は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全 性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることが あります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護 機構の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかな る情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。