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酪農家のみなさんへ - JA北海道中央会
JAグルー 、 化に向け プ北 強 の 海道 盤 基 一 産 体 生 で 農 目 酪 と 経営 の 安 う。 しょ ま し 指 定 酪農家のみなさんへ JAグループ北海道 北海道酪農が離農の進行により、地域コミュニティの存続が危機的状況で、 TPP大筋合意により、 将来にわたる影響が懸念される中、家族経営を中心とした中小規模層をはじめ多様な経営体が、 希望をもって営農できるよう、 持続可能な酪農経営の確立と酪農生産基盤の強化に向け、 JAグルー プ北海道の総意により、中長期的に安定した政策の確立を目指すとともに、安定生産・安定供給 販売体制の確立を通じ、経営の安定を目指します。 平成 28 年 2 月 ❶ ● 平成27年11月開催の北海道農協酪農畜産対策本部委員会において、 「 北海道生乳生産基盤・安定 供給強化対策 」を決定しました。 ● 国が策定した「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」において、平成37年度の北海道 の生乳生産目標数量は380万㌧∼420万㌧と示されており、 「北海道生乳生産基盤・安定供給強化 対策」は、「増産型の計画生産」とします。 対策の目的 ● 生乳共販体制の重要性を再認識し、生産見通しを販売と密接に結びつけ、安定的に供給・販売 していくことで経営の安定を図ります。(所得の確保) ● 安定的な生産体制の構築を図るため、生産目標数量にもとづく計画生産を進め、調整機能を担 い(JA段階における調整機能の発揮)、全道段階においては生産見通し(生産目標数量)を踏ま え、生乳取引に係る交渉等安定的に供給販売を進めます。 ● 生乳需給の環境変化が生じた際には、需給調整対策を実施することで、翌年度の生乳生産に影 響させず、生産基盤の毀損を最大限避けることを目的に減産対応しない仕組みを確立します。 実施期間 平成28年度 ∼ 平成30年度の3年間を基本とします。 生産目標数量の考え方 「 前年度生産実績×103% 」を基本とした各JAの「 生産意向数量 」を「生産目標数量 」とし て位置付けます。なお、「生産目標数量」については、各JAにおいて農業振興計画や中期目標に もとづき、酪農家のみなさんの合意形成を図った「生産意向数量」とします。 規模拡大分・新規就農者分について 従来設定していた規模拡大支援枠及び新規就農支援枠については、各JAの生産意向数量に含 め、生産目標数量として位置付けます。 なお、従来は規模拡大支援枠・新規就農支援枠に上限を設定しておりましたが、生産意向数量に 含める規模拡大分及び新規就農者分については、全道・JA・生産者各段階において、上限数量 は設定しません。 (規模拡大分及び新規就農者分については、生産意向数量の内訳を確認します) 生乳受託実績および前年度実績・計画生産目標数量対比の変遷 (千㌧) 3,840 受託乳量(千トン) 3,820 98.2 3,700 3,680 (%) 105.0 99.2 96.3 101.0 3,759 3,824 平成24年度 3,730 平成25年度 平成26年度 第8期対策において、「前年度実績 ×103%」を 生産目標数量として設定してきましたが、結果 99.0 として目標と実績に乖離が生じており、今後も 97.0 引き続き、増産型の計画生産を進める上では、 95.0 93.0 3,740 3,720 98.3 95.4 3,760 目標数量対比 103.0 101.1 3,800 3,780 前年度実績対比 これまで目標として掲げてきた「103%」を、増 91.0 産に向けての目標に掲げ、「前年実績×103%」 89.0 を基本に各JAの生産意向数量を生産目標数量 87.0 として位置付けます。 85.0 ❷ 生産目標数量の管理について 酪農家毎の目標数量はJAが調整機能をもって設定・管理することとし (従来同様)、道酪畜対におい て各JAの生産目標数量(生産意向数量)と生産実績の進捗管理を行います。 生産目標数量を踏まえた安定供給について 北海道生乳生産基盤・安定供給強化対策においては、増産型の計画生産とし、各JAの生産意向数量を生産 目標数量と位置付け、「生乳受託販売方針」にもとづき、安定的に供給販売していくことを目指します。 「前年度生産実績 ×103%」を基本とした各JAの生産意向 数量を積み上げ、全道の生産見通し(生産目標数量)と位置 付けます。 【JA段階における調整機能の発揮】 密接に結び付けることで 計画生産を推進 全道段階において、生産見通しを踏まえ、生乳取引に係る 交渉等安定的に供給販売を進めます。 そのため より正確な生産意向数量を 積み上げることを全道の共 通認識として取り組みます! 酪農家のみなさんにおかれては、JAと十分協議の上、 より正確な生産意向数量の積み上げをお願い致します! 生産実績が生産目標数量(生産意向数量)を下回った際の未達対策については、28年度は実施せず、生産実績との比較・ 検証(かい離がある場合は理由等)を行った上で、必要に応じ、より正確な生産意向数量を積み上げるための対応策の 協議を進めていきます。 ※未達対策並びに、下記の公平性確保の仕組みについては、より正確な生産意向数量を積み上げるための対応策です。 拠出事業について 第8期生乳安定生産対策を基本に全酪農家による拠出事業を継続実施します。 (拠出単価は、毎年度決定します) 従来の拠出事業を基本に実施 さらに、生乳需給の環境変化が想定される場合、 ① 牛乳・乳製品需要拡大事業 乳製品市場に影響を及ぼさないよう、 ② 牛乳消費喚起対策事業(全国事業) ④ 需給調整対策(委託加工等)の実施を検討 します。 ③ BSE対策及び残留農薬対応酪農互助基金 への拠出(全国事業) ※単年度精算とし残額があれば返戻致します。 需給調整対策に係る基本的考え方について 平時における乳業者の乳製品在庫水準の嵩上げや、国の主導による万全な需給調整対策を求めた上で、 生乳需給の環境変化が想定される場合においては、 全酪農家による拠出事業の活用を基本に、北海道全体で 委託加工等の需給調整対策を検討します! 生産実績が生産目標数量を上回った際の公平性確保の仕組みについては、平成28年度は実施せず、生産目標数量と生産実 績との比較・検証(かい離がある場合は理由等)を行った上で、生産・販売環境を踏まえ、必要に応じ、協議を進めていきます。 達成対策について 北海道全体で委託加工等の需給調整対策について検討することから、今までのような ペナルティ要素 のある達成対策については講じません。 ❸ 北海道生乳生産基盤・安定供給強化対策に係る全体像 ● 北海道生乳生産基盤・安定供給強化対策においては、3年間(平成28年度∼平成30年度)を基本に、 引き続き増産型の計画生産とします。 ●「生乳の生産と販売の計画性の在り方・概念の再構築」ならびに「短期的な需給緩和時に減産対応しな い仕組みの確立を図る」ことを基本認識に、経営の安定と適切な需給調整の実現を目指します。 ※生乳共販体制の重要性を再認識し、生産見通しを販売と密接に結びつけ、安定的に供給・販売していくこ とで経営の安定を図る。 (所得の確保) ※安定的な生産体制の構築を図るため、 JA段階において生乳出荷者の合意形成を図り、生産目標数量にも とづく計画生産を進め、調整機能を担い (JA段階における調整機能の発揮) 、全道段階においては生産 見通し (生産目標数量) を踏まえ、生乳取引に係る交渉等安定的に供給販売を進める。 ※生乳需給の環境変化が生じた際には、需給調整対策を実施することで、翌年度の生乳生産に影響させず、 生産基盤の毀損を最大限避けることを目的に減産対応しない仕組みを確立する。 増産型の計画生産に向け、 「前年度生産実績 ×103%」を基本に各JAの生産意向数量を生産目標数量として位置付けます。 より正確な生産意向数量を積み上げることを全道の共通認識として取組みます 全道段階においては、生産見通しを踏まえ、「生乳受託販売方針」にもとづき、 生乳取引に係る交渉等安定的に供給販売を進めます。 生乳需給の環境変化が想定される場合においては、 需要見通しと生産見通しを比較するなど、生産・販売環境を踏まえ、需給調整対策 の実施の必要性について協議します。 ●平時における乳業者の乳製品在庫水準の嵩上げを求めることや、国の主導による 経営の安定と適切な需給調整の実現を目指す 生産目標数量の設定︵安定的な生産販売体制の確立︶ 北海道生乳生産基盤・安定供給強化対策における目的 需給調整対策を求めた上で、需給調整対策が必要となった際には、乳製品市場に 影響を及ぼさないよう、国・乳業者等との連携のもと、当面は拠出事業の活用を 基本に北海道全体で委託加工等への取組みを検討します。 北海道生乳生産基盤・安定供給強化対策における需給管理の流れ より正確な生産意向数量を積み上げることを全道の共通認識として取り組みます 道酪畜対において、各JAの生産目標数量と生産実績の進捗管理を実施 ※秋以降、生乳需給の環境変化が想定される場合には、 需給調整対策の必要性について検討します 27年度 28年度 29年度 11月末 12月∼1月 5月 対策の 決定 28年 度 各JA生 産意向数量の取 りまとめ (併せて29年度、 30年度の見通し を確認) 28年 度 各JA 生産意向数量 の確認 6月 秋頃 5月 6月 各JA生産意向数 量を積み上げ28 年 度 全 道 生 産目 標数量を設定 ※生産目標数量の設定以降、 調整は行いません。 29年度各JA 生産意向数量 の取りまとめ 全道の生産見通しに基 づき生乳取引に係る交 渉 等 安 定 的に供 給 販 売を進める。 29年度各JA 生産意向数量 の確認 各JA生 産 意 向 数 量を 積み上げ 29年度全道生産 目標数量を設定 生産見通しを販売とよ り密接に結びつける。 ※乳業メーカーへの供給責任の観点から、より正確な 生産見通しをたてることが重要です。 ❹ JAグループ北海道「持続可能な酪農経営の確立と酪農生産基盤の強化(めざす姿)」について 担い手が希望をもって、就農・営農できる環境づくりが最重要課題であり、後継者及びその配偶者の価 値観の変化により、規模拡大・ゆとり・自給飼料主体など経営方針が多様化していることや、北海道酪農 が離農の進行により地域コミュニティの存続が危機的状況であることを踏まえ、地域農業に視点をおい た生産振興・政策立案を図るため、酪農経営の持続性の実現のために土・草・牛づくりの基本に立ち返りな がら、自ら行うべきこと、国の仕組みに求めることを整理の上、平成26年7月にJAグループ北海道は、 以下を全道の共通目標とした「めざす姿」を策定いたしました。 「めざす姿」における全道の共通目標 【持続可能な酪農経営の確立】 【酪農生産基盤の強化】 担い手が多様な経営方針を実現するための 所得の確保 30円/㌔ 労働力問題等の地域の抱える課題解決に向けた 地域生産構造の再編の推進 【国の仕組みに求めること】 【国の仕組みに求めること】 ● 乳製品用途に着目した生産コストと販売価格の差を補てん する仕組みの創設 ● 希望をもって就農・営農できる環境づくり ● コントラクター・TMRセンターの施設機械投資の支援 ● ふん尿処理施設投資への支援 ● 草地更新への支援 ● 施設・機械投資に係る融資に伴う機関保証の充実 ● 後継者支援対策 ● 新規就農者支援対策 ● 法人経営だけでなく、家族経営にも対応した生産性向上や 労働力確保・負担軽減に資する施設・機械導入支援の創設 ● コントラクター、TMRセンター、乳牛預託施設等の支援 組織の施設、機械投資の支援 ● 乳用種資源確保対策 持続可能な酪農経営の確立と酪農生産基盤の強化を図るためには、平成27年3月に決定された「食料・ 農業農村基本計画」、「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」に掲げる目標実現に向けた 実効ある施策の確立が必要であり、今後も「めざす姿」の肉付けを行った上で、酪農畜産政策・価格対 策に向けた政策提案を行ってまいります。 第28回 JA北海道大会決議事項 JAグループ北海道は、北海道550万人と共に創る「力強い農業」と「豊かな魅力ある農村」をメインテー マに、平成27年11月に第28回JA北海道大会を開催し、『協同の力で「農業所得20%増大」と「新規担 い手倍増」の実現』を基本目標の一つに掲げています。 「めざす姿」においても、担い手が多様な経営方針を実現するための所得の確保として、30円/㌔を目指 しており、第28回JA北海道大会決議の実践に着実に取り組みます。 実搾乳量㌔当たり所得の推移(北海道) 円/㎏ 所得目標 30円/kg 35.0 30.0 25.0 29.0 29.0 28.8 28.5 28.0 27.5 25.1 24.4 20.0 21.4 19.6 18.2 15.0 16.3 17.1 14.2 14.3 10.0 19.8 19.5 所得20% 増大 5.0 0.0 10 度 年 11 度 年 12 度 年 13 度 年 14 度 年 15 度 年 16 度 年 17 度 年 18 度 年 19 度 年 20 度 年 21 度 年 22 度 年 23 度 年 24 度 年 25 度 年 26 度 年 27 度 年 28 度 年 ❺ 平成27年度補正予算・平成28年度当初予算のポイント ● 平成27年度補正予算について、農林水産関係は総額で4,008億円、うちTPP関連対策で3,122億円が確保 されました。 ● 酪農畜産分野では、TPP関連政策大綱にもとづく施策の推進として、 ①畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(610億円) →畜産クラスター事業が拡充され、畜産クラスター計画を策定した平場・中山間地域など地域の収益性 向上等に必要な機械のリース導入、施設整備、家畜導入を支援 ②畜産・酪農生産力強化対策事業(30億円) →和牛受精卵・性判別精液の活用、優良な純粋種豚・精液の導入を支援 ③畜産経営体質強化支援資金融通事業(20億円) →意欲ある畜産農家の既往負債の借換えに係る利子補給等を支援 ※上記①∼③については、TPP対策として基金化されます。 ● なお、畜産クラスターについては、以下のとおり見直しが実施されます。 1.基金化 ∼複数年を見据えた計画的な検討が可能になります。 2.施設整備事業で多様な担い手を支援するため、 ●法人化計画要件の緩和 ●上限単価の引き上げ ●家畜導入の拡充 3.機械のリース導入事業について、施設整備事業との一体性の確保が図られます。 ● 平成28年度予算については、酪農経営支援総合対策事業(畜産物価格関連対策)として、 ①下痢・肺炎予防ワクチンの接種の取組みを支援する子牛の損耗防止対策 (1/2相当定額、北海道:4.1億円) ②乳酸菌製剤添加の取組みを支援する子牛の発育向上対策 (1/2相当定額、北海道:1.3億円) ③27年度においても措置された「酪農生産基盤確保・強化緊急支援事業」と同様、後継者への初妊牛導入支 援、簡易牛舎の整備、畜舎の増改築、乳用牛の地域内継承奨励金、暑熱対策、乳房炎防止対策、乳用牛 の快適性に配慮した畜舎環境の改善等の取組みへの支援措置(以上、北海道5億円) ④乳牛の生産性向上のため、遠隔地から粗飼料を調達する広域流通等による供給モデルの実証(定額2.5 円∼5円/kg、北海道1億円)を支援する措置が講じられます。 適切に見直す。準備が整い次第、協定発効 に先だって実施」と明記されました。 約126万㌧ 約120万㌧ チーズ ︵非関割︶ 該単価を将来的な経済状況の変化を踏まえ チーズ ︵その他︶ 追加し、補給金単価を一本化した上で、当 チーズ ︵関割︶ 品を加工原料乳生産者補給金制度の対象に 脱脂濃縮乳 加工向 生クリーム 大綱」において、 「生クリーム等の液状乳製 濃縮乳 ※平成27年11月に決定した「TPP関連政策 約45万㌧ 乳製品向用途全体を対象に補給金を交付 約300万㌧ 平成29年度からの実施に向け、生クリーム・脱脂濃縮乳・濃縮乳の全てを対象に、需給調整並びに再生産可能の 観点から、生産費と販売価格の差を補てんする補給金単価に一本化し、安定的な制度見直しに向け、引き続き 最重点事項として取り組みます。 今後も、持続可能な酪農経営の確立と酪農生産基盤の強化(めざす姿)の実現に向け、 JAグループ北海道として全力で取り組みます。 (発行元:JA北海道中央会農業対策部酪農畜産課)