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飯嶋 雄太(PDF形式 144キロバイト)
● 読書感想文コンク-ル 中学校の部 ● 入選 飯嶋 雄太(いいじま ゆうた) 七国中 3 年生 作品名:私のチーズはどこへ 図 書:チーズはどこへ消えた? 大好きなチーズがある日突然消えた。この日を境に私の人生は大きく変ることに なった。 ある迷路で美味しいチーズを毎日探し求めている二匹のネズミと二人の小人がい た。二匹のネズミの名前は「スニッフ」と「スカリー」 、二人の小人の名前は「ヘム」 と「ホー」 。二匹のネズミは単純な頭脳しか持っていなかったが、二人の小人は賢い 頭脳を持っていた。それぞれ自分たちのやり方で、好みのチーズを探していたとこ ろ、これまでにない大量のチーズを発見した。それからは毎日、この場所に来ては 満足そうにチーズを食べていた。そしてある日突然、そのチーズが無くなってしま ったのだ。スニッフとスカリーは特に驚きもせず、また新しいチーズを探しに出か けた。しかし、ヘムとホーは叫んだ。 「チーズはどこへ消えた」と。ヘムとホーはこ の出来事が信じられず、しばらく悩み続けた。数日後、ホーはこの場所を離れなけ ればいけないと思ったが、ヘムはその気はなく、ずっとこの場所に留まった。ホー は不安であったが勇気を振り絞り新しいチーズを見つけることを決意し、一人で迷 路を突き進んだ。そして数日後、ついに新しいチーズを見つけたのだ。それはこれ まで見たこともない沢山のチーズの山だった。近づいてみるとスニッフとスカリー の姿があった。ホーはやっと自分の行動が正しかったことを確信しほっとした。 筆者はなぜ、二匹のネズミと二人の小人を登場させ、お互いにチーズを追い求め る姿を描いたのだろうか。この本は都会で暮らす人々の描写をネズミと小人に例え、 物語風に語っている。ネズミと小人たちにとって生きる上で最も大切なものは「チ ーズ」であり、このチーズが見つからないと彼らにとっては死活問題となる。この 本の題名『チーズはどこへ消えた』の「チーズ」とは私たちが人生で必要となる学 校、家族、健康、スポーツなどを指し、また「どこへ」とはチーズを探しまわる場 所、道のり、過程、練習などを指しているのではないか。そう考えると、筆者の思 いが自然と浮かんでくる。人は皆、それぞれ異なる性格と能力を持つことから、追 い求める「チーズ」も当然異なってくる。また、そのチーズの探し方も様々である。 自分にとって最高のチーズを探すには、まず状況判断を正しく行い、そして失敗を 恐れず成功する姿を描き前進すること。そうすることで、人生で直面する出来事を 乗り越えられ、新しい出会いが生まれ、最後に幸せが待っていると、筆者は伝えて いるのだろう。今の自分の性格を振り返ると、前向きな姿勢や何事も自分でやりた いという意識はあるが、すぐに行動に移せない決断力の無さに悩んでいる。こんな 自分の性格はホーに似ている。ホーのように常にまわりを見ないで突然の出来事に 驚くことがある。しかし私との違いは、驚いた後のホーの行動であり、誰もが手本 にしたいと思うだろう。ホーはまず「もし恐怖がなかったら何をするだろう」と考 え、そして「こんなことが起こったらいいな」と想像してみた。そうしたら、なん だか楽になり自然と勇気がわいてきた。性格が似ていたって、私ができないことを 簡単にやり遂げてしまうホーに拍手をしたい。実は私を変えたのはホーの言葉だけ ではない。スニッフは常にまわりの状況を鋭い嗅覚でかぎつけ直感的に対応できる。 スカリーはとにかく思い立ったら何も考えず反射的に体が動く。ヘムは挑戦を一切 しない弱気な人と思われがちだが、意思が強く最後まで絶対にあきらめない。普通 の人ならホーのようになりたいと思うかもしれないが、私はあえてこう言いたい。 私はスニッフとスカリー、そしてヘムとホーの長所を全て兼ね備えた四人のように なりたい。ある時は即決し、またある時は考えてから行動し、そしてある時はずっ と我慢する。その時の状況に応じて、この四人の長所を使い分けられたら、きっと 素晴らしい人生を送れるに違いない。 この本を読んで、私のチーズは「卓球の試合で勝つこと」を想像してみた。試合 に勝つためには毎日、練習を積み重ね努力し、そして強い精神力を鍛える必要があ る。だから、この本でいう「どこへ」は、私にとって「目標を達成するための道の り」が当てはまると思う。そこで「私のチーズはどこへ」と題して、今後の私の卓 球にかける決意を三つ挙げたい。一つ目は状況に応じて的確に判断すること。その 場の状況を十分に把握し、物事をしっかり見極め決断できるようにしたい。二つ目 は恐怖を乗り越えられる強い精神力を持つこと。辛いことがあっても想像力を発揮 し、辛さを楽しさに変え心が折れないようにする。三つ目は努力を怠らないこと。 積み重ねてきた努力は必ず報われると信じ、その日が訪れるまで、とにかく頑張る。 私はこのことを胸に、この本で学んだ財産を卓球というスポーツで活用していき、 充実した人生を送りたい。