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実施報告 - 仙台市
せんだい市民カフェ 第3回 「私たちの協働指針をつくろう!」 今回のテーマ 新たな協働の仕組みを考えよう! <実施報告> 1.開催趣旨 ・ 「市民協働」の今までの在り様や今後の望ましい形等について、市民とともに認識を共有する 場を設けます。 ・ 今後さまざまな分野において市民協働が根付き、推進されていくような協働の指針づくりの 土台を作るヒントを得る機会とします。 ・ 市民活動実践者を主な対象とします。 2.開催概要 (1)日時 平成 26年 1 月 20日(月)14:00~16:00 (2)場所 仙台市市民活動サポートセンター 6階セミナーホール 3.実施結果 (1)参加者 総参加者数 ・内訳 14名 NPO7名、行政3名、検討委員等(内、コーディネーター 1 名含む)4名、 (2)プログラム ○ コーディネーター茂木氏挨拶ならびに趣旨説明 ○ グループ内自己紹介 ○ ショートスピーチ 「これまでの市民公益活動促進と協働」 ○ テーブルトーク 「新たな協働の仕組みを考えよう!」 4.ショートスピーチ 「これまでの市民公益活動促進と協働」 仙台市市民公益活動促進委員会の遠藤委員より、これまでの市民協働にかかわる政策の流れの 説明、ならびに仙台市市民活動促進委員会での検討の経過についてお話がありました。 (資料参照) 5.テーブルトーク 「新たな協働の仕組みを考えよう!」 参加者+指針策定ワーキンググループメンバー等で5名程度のグループを3つつくり、テーマ に沿って自分の意見や感想などを色別の付箋紙に記入し、模造紙に貼りながら意見を交わすこと で、市民協働に対する各人の経験や思いを共有しました。 【ワーク① 新たな協働のアイディア、盛り込みたいこと】 ※以下、グループワークで作成した模造紙から抜粋 ○協働して良かったこと ・NPO からの提案事業で、意見を尊重してもらい、行政と上手く協働できている。 ・仙台協働本( 「こらぼん」 )では、NPO が行政側に言いたいことをきちんと取り上げてくれてい る。 ・改めて仙台協働本を読むと、行政側の手続きなども理解することができ、NPO にとっても協働 の手引書となる。 ・協働相談所で改めて協働の相手の方の立場や考え方等を理解することができた。 ・人と出会う→情報を共有する→話し合う→協働につながるというプロセスが踏めることは大切 だし、活動も非常に円滑に進む。 ・市民カフェは考え方を共有できる貴重な場である。 ・NPO は「第3の力」と言われてきたが、近年は企業も「第3の力」となっているので、企業と の協働も視野に入れたい。 ・組織の中のキーパーソンを上手く見つけ、つながれるかどうかで協働の成否が決まる。 ・協働するためには提案団体側のレベルアップも大切だ。きちんと情報収集を行うなどして、対 等な立場に立てるように努力する必要があると気づくことができた。 ○協働する際に困ったこと ・協働の窓口となる担当部署は熱心に取り組んでくれるが、それ以外の部署はなかなか関心を示 してくれない。 ・行政は組織が大きいため、担当者や職場風土によって対応に違いがある。 ・協働本をもっと熱心に紹介すべきだ。 ・協働とはどういうことか伝える人がいない。 ・ 「協働」をイメージできるような、別の言葉がない。(世代などが異なる多くの人にどういうも のか理解してもらえる言葉がない。 ) ・ 「市民」 「協働」などの言葉の定義が明確でない。 ・提案団体は、活動は熱心に行うことができるが、説明が上手にできない。 ・NPO は様々なことに手を付けてしまい、協働の相手から何でもできると勘違いされて「何でも 屋」になってしまいがちだ。→団体の強みをアピールして、弱い部分は他の団体と連携するな ど、第三者の力を借りて解決するなどの方策も必要だ。 ・震災後、東京のベンチャー企業と協働しようとしたが、被災地の現状を相手方が良く知らない ため、問題意識のすりあわせが難しかった。→思いを伝える、図表や文書に落とし込んで伝え る、噛み砕いて伝える等、相手方によって説明手法を変えることも必要だ。 ・行政も NPO もそれぞれ独自のやり方で進めてきたため、相互に理解しようとする努力が必要 だった。 ・NPO と行政が仕事をする際、行政主体なら「委託」、民間主体なら「補助」ということが言わ れるが、そういった二者択一ではない契約の形(協定など)があるのではないか。 ・協働事業の成果物の帰属に悩みがある。 ○提案したいこと ・行政と NPO が理解し合うまでの時間を確保し、目標を共有する。 ・最初にそれぞれの主体の立ち位置を明確にしておく。 ・協働コーディネーターを設ける。 (協働について話ができる伝え手を様々な分野で育成する。 ) ・具体的な事業を行うにあたって、事前に行政と NPO が互いの専門性等を生かして知恵を出し 合い、決して NPO に「おまかせ」にしない。 ・文書や言葉では誤解が生じるので、協働の設計図(実施したい協働の図解)を作る。 ・行政も NPO も困っていること(資金、フィールド、成果の広め方等)を声にして伝える。 ・宮城県が作成している委託の協働ガイドラインのように、協働した方が良い事業を設定する。 【ワーク② 新たな協働の仕組みをつくってみよう】 ※以下、グループワークで作成した模造紙から抜粋 ・PDCA サイクルの大切さを改めて認識しよう。→特にプランを立てる前の課題のすりあわせ、 きっかけ作り、相手方との新しい出会い、市民カフェの活用など、協働に動き出す前の前準備 (プレプランニング)をしやすい環境を整え、積極的に活用し、その場を大切にする。 ・チェックの段階では、明確な評価基準を定め、面倒がらずに評価を行い、場合によっては第三 者による評価手法を取り入れる。 ・評価した内容をノウハウとして蓄積し、手引書や協働相談所などで活用するとともに、それを プランニングの仕方にフィードバックし、適時適切に手引書などの見直しも行う。 ・協働事業提案制度に、行政からの提案事業を導入したり、行政の既存事業も協働提案を受け入 れたりして、バリエーションを広げる。 ・地域が行政依存にならず、住民主体で課題解決に取り組むようになる。 ・市民協働について、仙台市全体での協働促進と、個別事業での協働促進を図る仕組みを設ける。 ・行政と NPO は積極的に関わりを持つ。(尊重=遠慮ではない。 ) ・何のために協働するのか、協働の目的を明確にする。 ・協働の相手同士が対等に話す場を作り、お互いのルールを対等のテーブルにのせて話し合う。 ・地域課題の共有の場を設ける。 (円卓会議、フューチャーセンターなど) ・NPO と行政の人事交流を行う。例えば、協働事業を行う際には、行政からパイプ役の職員を NPO に出向させる。 ・行政の人事考査制度に「協働」の視点を入れたり、NPO のことを学ぶ研修を実施する。 ・退職者(元気な高齢者)を市民活動の貴重な人材として活用する。 ・地域での市民活動を充実させるため、地域の NPO に資金が回る仕組みをつくる。 ・地域の人たちに「市民活動」に対する正しい知識を持ってもらう。 6.まとめ(テーブルトークとアンケートから) 40~60代まで各世代から参加していただきました。属性は、今回のカフェの主な対象とし ていた市民活動実践者(NPO 職員)が7名、行政職員が3名でした。参加の理由として、 「市民 協働の仕組みづくりは他人事ではないと思った」 「自分が担当している仕事で、市民協働の手法を 取り入れたい」 「市民協働が進みにくい状況を変えたい」との思いを挙げていました。 テーブルトークについては、参加者それぞれの活動や体験に基づく多様な考えを共有する機会 でもあり、グループごとにワーク①、ワーク②のテーマに沿って活発な意見交換が行われました。 「協働の大切さや、協働を進めるうえでの課題等について、深く考えるきっかけとなった。」「協 働を実践している方の話を聞くことができて有意義だった。」 「NPO、市民団体の方の話をもっと 詳しく聞きたかった。 」との声が出ました。 次回以降のせんだい市民カフェ「私たちの協働指針をつくろう!」でとりあげてほしいテーマ としては、 「地域で活動する複数の NPO や企業の CSR との協働について」 「協働の先進事例を聞 く機会を設けて、仙台独自の協働指針を考える機会がほしい」等が寄せられました。 【写真】