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カキ殻とリン酸カルシウム奇給与した産卵鶏における 産卵性と卵殻質の

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カキ殻とリン酸カルシウム奇給与した産卵鶏における 産卵性と卵殻質の
兵庫農技研報(畜産)B
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4,48-53 (
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4
8
カキ殻とリン酸カルシウム奇給与した産卵鶏における
産卵性と卵殻質の比較
藤中邦則'・龍田
健
本
要 約
8月にえ付けした, 2
0から 8
0週齢までの白色レグホーン系市販麓卵鶏5
4
4
羽を用い,産卵鶏用市
こカキ殻とリン酸カルシウムを添加震と添加時期を変えて添加し,産卵性能と卵殻質を比較
販銅料 l
した.
1 飼料消費量,産卵率,卵重,収入にはカキ殻及びリン駿カルシウム添加方法による差がなかっ
た.
2 産卵最盛期の破卵・軟卵発生率には有意差はなかったが,カキ殻を 2-4%添加した方がやや
低い{頃向であった.
3 6
0
週齢以降の産卵抵下が緩やかな場合, 2
0
週齢以降のカキ殻連続給与,または 5
2
週齢までのカ
キ殻の十分量の給与により,産卵後半での破卵・軟卵発生率の上昇が抑制される額向であった.
LayingPerformanceandEggShellQuality
ofLaying狂ensFedOysterShellandCalciumPhosphate
KuninoriFUJINAKAandKenTATSUDA
Summarγ
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キーワード:産卵鶏,カキ殻, リン酸カルシウム,鹿卵性能,卵殻葉
緒
との差が大きい.また. Ca~原の粒度が Ca の吸収や卵
採卵鶏経営にとって,産卵鶏の加齢に伴う卵殻質の劣
殻質に影響するとの報告 2・ 肌 21)があるが,市販飼料の多
適齢以
化は重要な問題である.閣内の養鶏場では60-70
くは細粒の石灰石を配合している. このため,国内の養
降に卵殻質が劣化するとの認識が多く,これ以降平均淘
鶏場では飼料中の Ca
含量を増加させ,特に粒度の大き
汰i
題齢である 8
2
週齢27)までの那殻質の維持が重要である.
a
i
援を添加する目的で,市販鰐料に 2 %程度のカキ
いC
要求量は 3.
4
0%と記
日本鰐養標準には,産卵鶏の Ca
源を添加している場合が多い. この場合の
殻などの Ca
述されているが,市販鰐料の Ca
合最は. 2
.
6ないし 2.8%
添加方法は,養鶏場によって異なり,成鶏鰐料給与期開
と表示されているものが多く,銅養標準に示された要求
中を通じて同一量を添加,産卵最長義甥に添加量を増加,
または卵殻質が劣化する産卵後半に増加などの方法がと
1
9
9
7
年 8丹29B受理
られている.採卵鶏の銘柄によっては,飼養管理マニュ
*中央農業技術センター
アルの中で、 C
a
i
原の添加方法を細かく規定しているもの
兵庫県農業技術センター研究報告〔畜産縞〕第 3
4号 (
1
9
9
8
)
4
9
もある. しかし,いずれの添加方法についても産卵全期
で 4 %添加し,以後無添加は心区)とした. リンカル
間を通しての産卵性や卵殻質への影響を調査した報告は
0週齢まで無添加 (
P
O区
)
,
添加方法は1) 8
2) 6
0週齢
見当たらない.また,閣内の市販飼料の Ca含量分析値
.5
区)とした.供試羽
まで無添加で以後1.5%添加 (P1
は,おおむね 3.0~3.8% の範囲内にあり,これに Cai原を
4羽 x2反復で 5
4
43]3]を供試した.
数は各墜とも 3
補給すると Ca
過鵜になる可能性があるとの指摘7)もあ
産卵成績として毎日の産卵個数と産卵重量を記録した.
る.
また,毎日のひび卵数,軟卵数,流失卵数(内部が流失
産卵鶏の適正な Ca水準については多くの報告があ
る4. 6. 11. 叫叫 23-25) しかし,我が障で卵殻質が問題にな
破卵・軟卵数とした.ひび卵は集卵時に肉根で発見した
含量に関する報告は少ないベまた,
る老鶏で、の適正な Ca
ものとした.銅料と水は自由摂取とし,飼料の残量を 4
Ca
源として石灰石とカキ殻を比較した報告叫
は
週毎に測定して錦料消費量を計算した.飼料消費量にカ
多いが,市販鯖料への Ca源添加に関する報告も少な
キ殻とリンカ Jレは含めず,市販飼料のみの消費量を示し
い 1・8) 著者らは市販館料に種々のパターンでカキ殻を
4,4
0
.4
8,5
6,7
2週齢時に各反復ごとに 1
0個の卵
た. 2
添加した結果,産卵最盛期にカキ殻を添加すると,破卵
を採集し,卵般強度を測定した.収入の計算に当たって
率が減少するが,産卵後半にカキ殻を増量すると破卵率
は,卵価を 1
7
0丹/kgとして生産卵量に乗じて卵販売額
1
2
. 回. 1
9
)
し,卵殻だけが残った卵数)を詑録し,これらの合計を
が上昇することを示し,現状の市販飼料の Ca:P比は,
7丹/kg. カキ殻
を計算し,鰐料単価を産卵鶏用飼料 3
産卵後半では高すぎる可能性を示唆した幻.そこで,今
2
6
.
2
5円/kg. リンカル 1
3
4.
4
円 /kgとしてと飼料消費量
回,カキ殻の添船方法を 4湿りとし,産卵後半にリンを
に乗じて飼料代金を計算し,調者の差を収入とし. 18
添加して, Ca:P比を低下させた場合について,産卵性
1羽当りで計算した.
産卵鶏用飼料は表示値が CP17%. ME2.8Mcal/kg,
と卵殻質を比較したので報告する.
Ca2.8%. 全PO.55%の市販飼料を用い,その成分分析
値は C
P18.3%. Ca4.
43%. 全PO.64%であった. カキ殻
材料及び方法
1
9
9
5年 8月238に餌付けした白色レグホーン系の市販
の粒度は 4~8 酬のものを用いた.カキ殻の成分は 1995
鶏を 1
6
適齢時にひな 2段,関口 2
1
c
mのケージに収容した.
年版日本標準鈎料成分表の値 (
Ca38.1%. 全 PO.07%)
1
8
適齢まで市販の大雛用飼料, 2
0
適齢まで市販の産卵鶏
を用いて計算した.
用飼料を給与し. 2
0
遡齢から 8
0適齢まで供試した.
統計処理は主効果として,カキ殻添加方法
(
4水準)
試験はカキ殻添加方法 4通りと第 2リン酸カルシウム
とリンカル添加方法 (2水準)及ひ'再者の交互作用を取
(以下リンカルと呼ぶ)添加方法 2通りの 4x2の処理
水準で行った.
り上げて分散分析を行い,差の検定は 5%
を行った.カキ殻添加方法は,
1) 8
0趨齢まで無添加
(
0
0区). 2) 8
0週齢まで 2 %添加 (
2
2区
)
,
3) 5
2週
2
0区). 4) 5
2遡齢ま
齢まで 2%添加し,以後無添加 (
結 果
表 lに各処理の 50%産卵白齢,産卵率,卵重,日産卵
表1.各処理の 50%産卵日齢,鹿卵率,卵重,日産卵量,飼料消費量,飼料要求率,軟卵・破卵発生率,
残存家及び収入
o
s
50%産卵
日
齢
産卵率
(日)
(%)
(g)
(g)
。
勝
1
5
5
.
8
81
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6
5
.
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リンカノレ
1
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4
.
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1
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.
0
7
理
処
重
日産卵量飼料消費量飼
(g)
料
要求率
破卵・
残存率
軟卵率
(%)
(%)
収
入
(円)
カキ殻
5
0
藤中邦則・龍田
鑓:カキ殻とリン酸カルシウムを給与した産卵鶏における産卵性と卵殻質の比較
錦料消費最,飼料要求率,破卵・卵発生率,残存率
8
.5
6
.7
2遇齢における卵殻強度
表2
.2
4
.4
0
.4
及び収入を示 Lた.
破卵・軟卵発生率はカキ殻の 2
2区と 4
心区がやや低い
処理
傾向で,残存率はリンカルのP1
.5
匿がやや高い傾向であっ
2
4
4
0
3
.
6
8
3
.
9
0
2
.
9
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C
k
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'
)
カキ殻
たが,他の項目では処理問の差は極めて小さかった.い
OO
嗣
ずれの項呂についても処理問に有意な差は認められなかっ
2
2
2
0
4
0
f
こ.
関 1に 4趨毎のカキ殻処理部日産卵量とカキ殻及びリ
ンカルの処理別の破卵・軟卵発生率を示した.日産卵量
3
.
7
1
3
.
1
1
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.
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2
PO
以上を維持した.どの時期でみても処理問の差は小さかっ
2
.
9
7
3
.
0
0
.5
P1
た.破卵・軟卵発生喜界をカキ殻の処理別にみると 2
8から
員組問時時説憎社内判
3咽密制国
6
0
十
5
0
0
0
--2 2
叩
4
0
3
0
十
2
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吋い
4-0
2
0
9
罷凶黒焼根什内判
<
>
.
0
0
6
盤略語底樫
︿
ぎ
時M
m
十
2
2
3
十
2-0
。
吋← 4
-0
9
{一民附宮崎警再会
6
P
O
3
P
1
.
5
。
3
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2
.
9
1
3
.
0
2
3
.
0
1
2
.
9
8
リンカノレ
は産卵後半でも重く推移し,各処理とも 8
0週齢まで 5
0g
2
4
7
2
4
8
5
6
6
4
関1. 4週毎の尽蔵卵量および破卵・軟卵発生率
7
2
8
0 選齢
兵庫県農業技術センター研究報告〔畜産編〕第 3
4号 (
1
9
9
8
)
5
1
週齢にかけてはふO
区の発生率がやや低い傾向で, 0
0
5
2
鰐料消費量,産卵率,卵重に差がなかったために収
区は 3
6から 5
2適齢の発生率がやや高かった.しかし, 5
6
入に対しでも,カキ殻の添加は影響しなかったものと考
適齢までのカキ殻処理簡の葉は小さし有意な差は認め
えられる.なお,本試験ではひび卵の単価も正常卵と詞
られなかった. 5
7遡齢以降ではかO区と 2
0区の破卵・軟
様に計算したが,ひび卵の単価が正常卵の半値であると
2区と 4
心区は上昇の程度が緩やか
卵発生率が上昇し, 2
依定すると
1日 1羽当たり収入は, 0
心
, 2
2
,2
0
,4
0
であった.ただし,この時期でも処理問の悲は有意で、は
の各処理でそれぞれ4
.
0
2, 3
.
9
5, 3
.
9
6, 3
.
9
8月となり各
なかった. リンカル処理問についても破卵・軟卵発生率
処理問の差はより小さいものであった.
6
0
遡齢噴までの産卵盛期の卵殻質については, Caレ
に差は認められなかった.
表 2に各適齢における卵殻強度を示した. 4
8
週齢では
ベルが高い方が卵比震が重いとする報告が多い 6・
胤
悶
.
回
紛
}
0
区がやや強く,ふO
区はや
カキ殻の添加量に応じて, 4
瓦e飴shavarz と Naka
可jima l3川
) lは立 20~6
臼
4遇齢の鶏で、也
Ca
叫
4.0% は
や弱い{頃向であったが,他の時期ではカキ殻の添加量に
よる一定の額向は認められなかった.また,いずれの時
C必
a
3.5%よりも卵上比七霊が霊く, NRC鯛養標準の Ca
要求童
3.75%が妥当であるとし, Roush ら 24) は 18~58 週齢の鶏
期でみても,処理関に有意な差は認められなかった. 7
2
で卵殻卵霊比は C
a4.75%で最大になるとしている.ま
週齢でのリンカル添加区間の差も小さかった.
た,飼料中の石灰石の一部をカキ殻に置き換えると,卵
比重が璽くなるとする報告もある 2
1
・日,同.本試験ではカ
考
キ殻添加量と 4
8
適齢時の卵殻強度との聞に一定の傾向が
察
飼料消費量については,高 Caの方が消費量が多いと
毘られ, 5
2
週齢までの破卵・軟卵発生率はカキ殻 4%添
する報告 4.ι ぺ少ないとする報告2ペ 差 が な い と す る
加区がやや低く,無添加区がやや高い傾向であった.す
報告1
3
1
5
.2
5
)がある.これらのうち,高 Caの方が消費量
なわち,;卵殻質に限って,
が多いとする報告では試験期間が訪日 ~6 週間と短く,
レベルは, 6
0
適齢までの産卵盛期では,日本飼養標準が
他は 12~52趨間と長い.高 Ca飼料給与による摂取量の
示す 3
.4%よりも高い可能性がある. この時期では,市
増加は短期的な現象である可能性があり,長期的には鈎
販飼料へのカキ殻添加は卵殻費に対しである程度の効果
料摂取量は飼料の MEレベルによって決定されると考え
があるものと考えられる.藤中ら 8) は 20~44趨齢の鶏で
るのが一般的であろう.本試験では,試験期間が6
0
週間
カキ殻 1%の添加では卵殻質に対し,何ら効果がないと
と長く,処理問の MEレベルには差がなかったことから,
していることから,添加震は 2%
以上が必要であろう.
飼料消費量にも差が生じなかったものと考えられる.
ただし,この時期の卵殻質は,元々良野であり,実際に
産卵率については,銅料中 Caが 2.5~5.5%程度の間で
は産卵率に影響しないとする報告が多い 2
・4
・6. 1
3
1
5
.1
8
.・
剖
甜また,:0灰石とカキ殻の比較でも産卵率には影響し
2
.叫べ一方,
ないとする報告が多い叫 1
80~96週齢の Ca
6
.
5
%
1
,
l
14
9 6
9
週齢のカキ殻1
1
.7%の添加 (
C
aでは 6
.
7
"
.
.
.
,
%に相当)))では産卵率が低下したとしている.本試験
でカキ殻の 2ま,
f
;
こは 4%の添加で Caレベルはそれぞれ
これを最高にする銅料中 Ca
カキ殻を添加する必要があるのは,極端に低い破卵率が
求められるなど特殊な場合に限られると考えられる.
6
0
遡齢以緯の卵殻質について,カキ殻の処理を比較す
ると,この時期にカキ殻を添加した 2
2区と 5
2週齢まで
4%添加した 4
01Rが優れる結果であった.一般に 6
0週
齢以降産卵量は低下するが,本試験では 6
0
週齢が 9
6
年1
0
月間日に当たり産卵に適した気候条件となったため, 6
0
5
.
0
9
%,5
.
7
3
%となり,産卵率への影響はほとんどなかっ
適齢以降の産卵震の低下が緩やかであり,
たものと考えられる.また,各処理の銅料消費量に差が
要求蓋が多かったものと推察される.そのため,産卵後
なく,これは CPおよびME
消費量にも悲がなかったこと
半にもカキ殻を添加した 2
2援の破卵率が{尽くなり, 4
0
を意味しており,このことも,産卵率に差がなかったこ
区は 5
2
適齢までカキ殻を 4%添加したため,骨への Ca
との一因であると考えられる
の沈着が十分となり,その結果,卵殻は鹿卵後半にも良
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又はカキ殻の添加で卵嚢が軽
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に対してほとんど影響しなかった. リンの期別給与を行
叶
この結果 Ca
また,本試験でリンカルの処理は, 6
0週齢以降の卵殻
う場合,飼料中のリン含量は日齢と共に漸減するのが一
肌紛は Caレベルは卵重に影響しないとしている.本試
般的であるが,本試験のようにリン含量を増加しでも卵
験でも,躍卵率と詞様にカキ殻の 2~4% の添加は,卵
殻への影響は小さーいことから,産卵後半のリンレベルは
重に対してほとんど影響しなかったものと考えられる.
卵殻に対してあまり重要な役割を果たしていない可能性
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健:カキ殻とリン酸カルシウムを給与した産卵鶏における産卵性と卵殻震の比較
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) 藤中邦則・龍田 鍵 (
1
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9
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):産卵鶏用市販館料へ
のカ牛殻添加が産卵性と卵殻に及ぼす影響:日本家禽
学会誌(投稿中)
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