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友達にあげたリンゴ

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友達にあげたリンゴ
3 学期 始業式 の話
友達に あげたリンゴ
2014.1.8
校長
西谷
秀幸
1 年 の 最 初 の 挨 拶 で す か ら 、 今 日 は 「 お め で と う 」 と 挨 拶 を し た い と 思 い ま す 。「 明 け
まして おめでとうございます」と言いますから、みなさんも先生に負けない声で元気よ
く 「 おめ で とう ござ い ます 」 と挨 拶 をし てく だ さい 。 明け まし て おめ で とう ござ い ます。
さて 、みな さん 今年は 何ど しか、 知っ ていま すか。 そう です。 午年 (うま 年)で す。
馬 に は 、 角 や 牙 が あ り ま せ ん (写 真 )。 そ の た め 、 敵 か ら 逃 げ る た め に 能 力
がすごいのです。馬は足が速いでしょう。それに、人間は目が前についてい
ますが、馬は目が横についています。そのため、真うしろを除いて、ほとん
ど の 場 所 (3 6 0 度 の う ち 3 5 0 度 程 度 )を 見 る こ と が で き 、 う し ろ か ら 敵 が
近 付い てきて も、 すぐに 逃げ ること がで きるの です。
また、馬は私たち人間と深いつながりがあります。初詣などに行ったとき
に 、「 絵 馬 」 (写 真 )を 見 た こ と が あ り ま せ ん か 。「 絵 馬 」 と い う 字 に は 「 馬 」
という字が使われています。もともと神社には、神様が乗る馬がいました。
そ の 後、 本 物の 馬の 代 わり に 馬の 絵 を描 いて 大 きな 「 絵馬 」(写真 )を飾 るよ う にな り、願
い ごと を書く 「絵 馬」に つな がって いる のです 。
ちなみに、馬の好きな食べ物はなんでしょうか。そうです。ニンジン
です。でも、馬は主に草を食べますが、実は甘い物も大好きなのです。
例 え ば ハ チ ミ ツ 。 そ れ に 角 砂 糖 。 な ん と リ ン ゴ (実 物 )も 好 き な の で す 。
さて 、今日 はも う1つ 、リ ンゴに 関係 する話 をしま す。
昔、あるところに、4人の男の子をもつお百姓さんがいました。
1番上の子供の名前は太郎、2番目は二郎、3番目は三郎、4番目
は四 郎とい いま した。
あ る日、 お百 姓さん は、 子供た ちの お土産 にリン ゴを 買って 帰り 、
2つずつ渡しました。当時はリンゴがとても高価で、なかなか買え
るも のでは あり ません でし た。
そ して 、次の日 の晩 、お百 姓さ んは 、子供 たち を集め てリン ゴの ことを 聞き ました 。
ま ず 、 一 番 年 下 の 四 郎 に 尋 ね ま し た 。「 四 郎 や 、 り ん ご は ど う し た 。」 す る と 、 四 郎
はニ ッコリ 笑い 、「 みんな食 べち ゃった 。お いしか った よ 。」と言 いま した。
次 に 、お 百 姓さ ん は一 番年 上 の太 郎 に尋 ねま し た。 太 郎は 「リ ン ゴの 木 をつ く るた
めに 、リン ゴの 種をと って 植えた よ 。」と答 えまし た。
さ らに 、お百 姓さ んは「 二郎 はど うした 。」と尋 ねまし た 。二郎 は「 友達 に見 せて 、
売っ てやっ たよ 。すご く儲 かった 。」 と答え ました 。
そ して最 後に 、お百 姓さ んは三 郎に 尋ねま した 。「と ころで 、三 郎はど うし た 。」
「 ‥ ‥ ‥ ‥ 」。 お と な し く て 気 の 弱 い 三 郎 は 何 も 言 い ま せ ん 。 お 百 姓 さ ん は 「 三 郎 は
ど う し た の だ 。 三 郎 は … 。」 と 、 何 度 も 聞 か れ る の で 、 三 郎 は 仕 方 が な く 「 み ん な 、
あげ ちゃっ たん だ 。」と答え まし た。
「な に ぃ。 あ げて し まっ たと … 。せ っ かく お土 産 に買 っ てき てや っ たの に 、一 体 誰に
あげ たんだ 。」 三郎は いよい よ泣 きそう な顔 で言い まし た。
「友 達 が病 気 で寝 て いた ので 、 元気 に なる よう に 持っ て いっ てあ げ たん だ 。で も 、友
達が もった いな くて食 べら れない と言 うから 、枕元 に置 いてき たん だ 。」
では 、皆さ んだ ったら 、ど うしま すか 。4つ から1 つ選 んで、 手を 挙げて くだ さい。
①
②
③
④
四 郎のよ うに 「食べ てし まう」 人?
太 郎のよ うに 「種を 植え て、リ ンゴ の木を つく ろうと する 」人?
二 郎のよ うに 「売っ て儲 けよう とす る」人 ?
三 郎のよ うに 「困っ てい る人に 、あ げよう とす る」人 ?
お百 姓さん は、 兄弟た ちに 何とい った でしょ うか 。続き を話 します 。
三 郎 の 話 を 聞 い た お 百 姓 さ ん は 、 思 わ ず 三 郎 を 抱 き 寄 せ て 頭 を な で ま し た 。「 え ら
いぞ 、三郎 。」 それか ら他の 兄弟 たちに 向か って、 こう 言いま した 。
「リ ン ゴを 食 べる の もい い。 リ ンゴ の 種を 植え て 育て る のも いい 。 リン ゴ を売 っ て金
儲け を する の もい い だろ う。 だ がお 前 たち よ。 三 郎の よ うに 人を 思 いや る 気持 ち を絶
対に 忘れて はい けない よ 。」
校長 先生は 、板 八小の 皆さ んが三 郎の ような 心を持 って ほしい なと 思いま す。
こ れか ら 始ま る3 学 期は 、 各学 年 のま とめ の 学期 で す。 1~ 2 学期 の 今ま での 自 分の生
活 を 振り 返 って みて 、 友達 の こと を 思い やる こ とが で きた 人も 、 あま り でき なか っ た人も
新 たな 気持ち で「 人を思 いや る気持 ち」 を大切 に、3 学期 を過ご して くださ い。
(裏面に「先生方へ」があります)
〈先生方へ〉
いよいよ、3学期のスタート。子供たちが決意を新たにする3学期始業式です。
子供たちは新しい年が始まったということで、気持ちも新たにして学校に来ます。
そ の 決 意 し た や る 気 を 大 事 に し て 、3 学 期 の ス タ ー ト を 切 っ て く だ さ い 。今 年 の 目 標 、
3 学 期 の 目 標 な ど を 立 て る と 思 い ま す が 、「 数 字 を 入 れ て 書 か せ る 」 と 漠 然 と し た 目
標から具体的な目標に変わります。学級の実態に合わせてご指導ください。
また、2学期もお願いしましたが、始業式のときは、子供たちのうしろではなく、
で き る だ け 子 供 た ち の 正 面 (も し く は 斜 め 前 )か ら 様 子 を 見 て く だ さ い 。 こ れ は 健 康 管
理上のことに加え、始業式の朝の顔にその子の長期休業中の様子が表れるからです。
話を聞いている様子をしっかりと見ていると、つまらない冬休みを過ごした子は、
話に集中せず下を見ることが多いものです。また冬休みに何かあった子は、担任と視
線がなかなか合いません。その顔は始業式が終わり教室に戻ると消えてしまい、分か
らなくなりますので、始業式の短い時間に、クラスの子供たちの冬休みの様子をしっ
かりと把握してください。始業式は、児童理解をするいいチャンスですから、みすみ
す逃すことのないようにしたいですね。よろしくお願いいたします。
3学期は、授業日数が53日(1~3年生は52日)しかありません。毎時間の授
業を今まで以上に意図的計画的にすすめ、無駄に過ごす時間をできるだけ少なくして
いきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、今日の始業式の話ですが、午年にちなんだ馬の話とともに、人に対する思い
やりの話をしました。欲張って、話が2つになってしまいましたが、干支に関する豆
知識は学校だよりにも少し載せたので、学級で補足していただければ助かります。
なお、今日は話題にしませんでしたが、ぜひ、教室で十二支や春の七草にもふれて
く だ さ い 。「 子 (ね ) ・ 丑 (う し ) ・ 寅 (と ら )・ 卯 (う )・ 辰 ( た つ )・ 巳 (み )・ 午 (う ま )・
未 ( ひ つ じ )・ 申 ( さ る )・ 酉 ( と り )・ 戌 (い ぬ )・ 亥 (い ) 」「 せ り な ず な ご ぎ ょ う は こ
べら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」…。これくらいは覚えさせたいです
ね。よろしくお願いします。
今週はやることが多いですが、徐々にペースをあげていただければと思います。車
と同じで急加速は厳禁です。お互いに健康第一で、この1年を進んでいきましょう。
〈資料〉 七草粥について
◆七草粥とは?
□ 七 草 と は 、 セ リ ・ ナ ズ ナ (通 称 : ペ ン ペ ン 草 )・ ゴ ギ ョ ウ ・ ハ コ ベ ラ ・ ホ ト ケ ノ
ザ ・ ス ズ ナ (蕪 )・ ス ズ シ ロ (大 根 )の 7 種 。
□七草粥は、正月行事として定着している日本の行事食だが、本来は1月7日の
「 人 日 (じ ん じ つ )の 節 句 」 の 行 事 で 、 五 節 句 の 1 つ で あ る 。
□七草粥に使われている春の七草は、早春の頃、一番に芽吹くため、七草粥は邪
気を払うと言われている。
◆七草粥を食べる理由
□その年1年が健康で、平和に暮らせるようにとの意味が込められている。
□正月に飲食して疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補
う目的もあり、日常の食生活に戻る1つの区切りとなっている。
◆七草粥の歴史
□七草粥の風習は、中国より伝わり平安中期頃から始まった。
□現在のように粥にして食べるようになったのは室町時代以降と言われている。
鎌 倉 時 代 に は 現 在 の 七 種 が 七 草 と な っ て い た よ う だ が 、粥 で は な く 、汁 だ っ た 。
□ 江 戸 時 代 に 「 人 日 (七 草 )の 節 句 」 と し て 五 節 句 の 1 つ に 定 め ら れ 、 定 着 し た 。
□ちなみに、万葉集にも七草用の若菜摘みをしたことが詠まれていることから、
料理こそ違え、奈良時代にはすでに現在に近い行事があったらしい。ただし、
奈良時代は、米・粟・稗・ミノ・ゴマ・アズキ・キビなどの穀類を使ったと言
われており、日付も正月15日と現在の七草の節句とは異なっていた。
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