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海洋と大気の問題 2012 年
海洋と大気の問題 2012 年 問1:2 上空の風を考えるとき、気圧傾度力と釣り合う力は転向力(コリオリの力)。このような風 を地衡風という。これで1か2とわかる。地上では摩擦力が風を邪魔するように働くので 力のつり合いは図のようになる。よって低気圧のほうへ風は吹く。 問2:3 天気図記号からFは温暖前線、Gは寒冷前線とわかる。温暖前線は暖気が寒気に乗り上げ るのだから、乱層雲が出て穏やかな雨が降る。よって3。 特に1は寒冷前線。急に気温が下がり激しく雨が降るのが特徴。 問3:1 強い風が吹くには気圧の差が大きくなればよい。発達した低気圧が通過したのは北海道。 問4:4 寒冷前線は暖気の下に寒気が潜り込んで暖気を押し上げている。また冷たい雨が降る。ゆ えに、2、4、6のいずれか。また、5km の高度差で温度差が 40℃。0.8℃/100m であるか ら、これは、湿潤断熱減率が 0.5℃/100m で、乾燥断熱減率は 1.0℃/100m だから、その間 の値となる。ゆえに、条件付き不安定。よって4. 参考 絶対不安定: 基本場の温度勾配が乾燥断熱勾配よりも大である状態。この場合、上昇流は周囲より高温、下 降流は周囲より低温。 絶対安定: 基本場の温度勾配が湿潤断熱勾配よりも小である状態。この場合、上昇流は周囲より低温であり、 下降流は周囲より高温。 条件付不安定: 基本場の温度勾配が湿潤断熱勾配と乾燥断熱勾配の間である状態。この場合、上昇流は周囲よ り高温であり対流を駆動するが、下降流は周囲より高温であり対流を抑制する。この場合の安定 性は、擾乱の構造に依存する。 問5:1 海洋大循環の問題。海底は水温が急激に下がる層がある。よってまずは5-8は×。海水 が重い→水温が低い、ということなので高緯度で沈む。よって3と4も×。上の層の海流 の原因は風であるから1を選択する。 問6:6 黒潮を思い出すと C→A は暖流になる。B→D は冷やされた海流になるはずだから、暖かいの は C で冷たいのは B とわかる。 2011 年 答え:4 この問題では、初めの設定が 20℃、1000hPa。気圧を下げると温度も下がった。空気が乾燥し ているときの乾燥断熱減率は 1K/100m。水滴ができると潜熱が放出されるので空気が暖められ る。よって湿潤断熱減率は 0.5K/100m。これで温度の下がる割合が小さくなった。 さらに気圧をさげて飽和水蒸気圧に達して水滴がたまった。水滴を取り除いて気圧を 1000hPa に戻すと、今度は乾燥断熱減率で温度が上昇する。湿潤断熱減率で温度が下がった気圧の範囲も 乾燥断熱減率で温度が上昇する。ゆえに 1000hPa に戻ったときの温度は、初期設定の 20℃よ り高くなる。よって、4. 答え:3 フェーン現象を考える。 溜まった水を注射器で抜くという作業は実際の気象に当てはめると地面に雨が降ったことに等 しい。 答え:3 フェーンだと思わなくても、飽和水蒸気圧は、ある気温において飽和している水蒸気圧のことで ある。そして気温が高いほど大きくなる。断熱膨張で気圧が下がった状態は、初期状態よりも気 温が低い。よって、風船内の飽和水蒸気圧は初めの温度での飽和水蒸気圧よりも小さい、が正し い。 答え:1 風は空気の流れ。一般に温度が高いと活発な上昇気流が起こるから、下層では低温域から高温域 へ空気が流れ込む。つまり温度の低い方から高い方へ風が吹く。エルニーニョの起きているとき は、通常年に比べて貿易風が弱くて、暖かい海水がインドネシアに吹き寄せられない。つまり、 暖かい海水が表面に残っていてペルー沖の海水温度が高い。 だから図3ではaとなる。よって1. 答え:3 太平洋赤道域東部では下層から冷たい海水が湧きあがるので海面温度が西部よりも低い。 答え:3 問 4 で説明したとおり。エルニーニョの起きているときは、通常年に比べて貿易風が弱くて暖 かい海水がインドネシアに吹き寄せられない。つまり、暖かい海水が表面に残っていてペルー沖 の海水温度が高い。ただ、海水の量は同じだから暖かい海水は、薄く広く広がっている。 2010 年 答え:4 気温の下がり方は、湿潤膨張<断熱膨張 台風は低気圧だから時計回りに風が吹き込む。これは気圧の差によるもの。よって気圧傾 度力。転向力は地球の自転によるもの。 答え:4 気圧傾度力によって台風の風は時計回りに吹き込む。よって摩擦力はその風に逆らうよう に働くから、4. 答え:3 対流圏では雲が出来る→水蒸気が多い オゾン減少は、フロンなどのガスが分解して塩素イオンをだし、これがオゾンを破壊する ことによる。 答え:2 大気は対流圏、成層圏、中間圏、熱圏に分かれる。オーロラは高さ 100km よりも高い。 よって適当でないのは2. 答え:2 Cでの流速は 0.25m/s である。B と C の海面高の勾配は 100km で 0.2m である。A と B は 100km で 1.2m だから勾配は 6 倍急になる。よって海流の流速は海面の傾斜に比例するのだから、 0.25×6=1.5m/s 答え:4 亜熱帯環流は南北両半球の太洋に存在する海流であり、西岸強化された黒潮やメキシコ湾 流の熱輸送量は大きい。 亜熱帯循環の中心は高気圧帯で、コリオリの力によりその高気圧帯の周りを北半球では時 計回りに、南半球では反時計回りに循環している。 中心の高気圧は環流の北側で西へ風が 吹き、環流の南側で東へ貿易風が吹くことが原因である。これらの風の摩擦により環流の 中心に向かう表面の流れが引き起こされ、中心に盛り上がった海水が赤道方向の流れを作 る。この流れはその後西岸境界流となり、極方向へと戻っていく。 各循環で西岸境界流に 相当するものは、メキシコ湾流(北大西洋亜熱帯循環)、黒潮(北太平洋亜熱帯循環)、ブ ラジル海流(北大西洋亜熱帯循環) 、東オストラリア海流(北太平洋亜熱帯循環)、アガラ ス海流(インド洋亜熱帯循環) 。亜熱帯環流の原動力は貿易風と偏西風である。 2009 年 答え:4 まず、図 1 を見て、海洋から出る熱エネルギーは表面温度が高いほど大きいことから、9 月 の温度が一番高いと解る。よってエは 9 月。逆に最も温度が低いのは 3 月。よってアは 3 月。12 月と 6 月の海水の温度は 6 月が高いと容易に想像できる。 答え:3 海洋から放射される電磁波は赤外線。 海水の温度がほぼ一定なのは熱のエネルギー収支が合っているから。 海水が蒸発することにより気化熱が大気中に放出される。 放射される熱エネルギーは熱に依存。 答え:6 飛行機が西へ向かって、地衡風が逆風となる。南が高気圧、北が低気圧とわかる。よって オは南。3または6が正しいことになる。気圧傾度力が高気圧から低気圧に働くのだから、 風に働くコリオリ力は気圧傾度力の逆。ゆえにカも南。飛行機は風と逆向きに進むから、 キは北。ここで正解は6とわかる。 地衡風は北半球では等圧線に平行に低圧部を左側に見て吹くのである。ただしこれは地上 1kmより上空の摩擦を無視できる上層天気図の話で地上天気図ではこれに摩擦力がかか る。 答え:1 高度 9800mであるから、対流圏上層にあたる。雲は対流圏にしかできないので、ここでは Aがあたる。地衡風は気圧傾度力が強い、すなわち気圧の高低差が大きくなると強くなる。 これはジェット気流。よってC。 ジェット気流とは対流圏上層に位置する強い偏西風の流れを言う。 答え:1 凝結:気体が冷却または圧縮されて液体に変わる現象。 昇華:固体が、液体を経ないで直接気体になること。 クについて水蒸気が雨になるのだから凝結。よって、1または2. ケとコについては、気温の下がり方が断熱減率よりも大きいと、どうなるか考える。雨に なれば熱が放出されるので、湿潤断熱減率は乾燥断熱減率よりも小さくなる。つまり、理 論上の値(断熱減率)よりゆっくりと気温が下がれば、その空気は安定と言える。理論上 の値よりも気温の下がり方が大きいと不安定と言える。よってケは不安定、コは安定だか ら1. 答え:3 雲のでき初めは、空気が飽和して水蒸気が凝結する。この図で言えば乾燥断熱のラインと 湿潤断熱の交点。よってB。雲の頂点は、周囲の気温と空気の温度が合ったところ、すな わち湿潤断熱と気温の交点。よってD。 2008 年 答え:2 エルニーニョは数年に一度起こる。 答え:4 海水が温まると上昇気流が出来る。よって3または4になる。温まった海水が熱を放出し て冷えれば下にしずむ。よって4. 答え:3 下図を参照すると低気圧には反時計回りに風が吹き込む。寒冷前線は記号で尖った方に暖 気がある。風は寒気から暖気へ流れる。ことから、3. 答え:3 「春一番」が吹くのは、日本海で低気圧が発達しながら北東に進むときなどで、強い南風 の後には強い北風が吹いて、突風を伴うこともめずらしくありません。 集中豪雨 集中豪雨とは、「多量の雨が、短時間に狭い地域に集中して降る」現象です。真夏の午後、積乱 雲の発達で起こる激しい「雷雨」や、秋雨前線による集中豪雨があります。6 月末~7 月になり「太 平洋高気圧」が勢力を増すと「梅雨前線」が日本付近に停滞し「台風」が接近したときなどによく起 こる梅雨末期の特徴的な気象です。 台風が日本に近づいてくるときに、日本付近に梅雨前線や秋雨前線などが停滞していると、台風 が遠くにあるうちから強い雨が降り出すことがあります。このようなときには、雨が降る時間が長く なることが多く、さらに台風が通過するときに一層激しい雨が加わって大雨となり、大きな災害に つながることがあります。 答え:3 赤道は暖かく、極地は寒い、事を考えれば3が正しいと察しが付く。 答え:2 設問は大規模な熱の移動であるから、海陸風は規模が小さい。 2007 年 答え:4 海水中の主なイオン(海水1kg当たり) 塩化物(Cl-) 19.4 g ナトリウム(Na+) 10.8g 硫酸(SO42-) 2.7g マグネシウム(Mg2+) 1.3g カルシウム(Ca2+) 0.4g カリウム(K+) 0.4g 炭酸水素(HCO3-) 0.1g 答え:2 海水の塩分は世界の海で平均すると 35‰(1kg の海水中に 35g)。亜熱帯では一般にこの値 より高い。 答え:3 Aは温暖前線、Bは寒冷前線。よって、Bが通過すると北寄りの風。温暖前線は寒気の上 に暖気が滑り上がって行く。一方、寒冷前線は、暖気の下に寒気が潜り込んでいく。よっ て積乱雲が出来やすいのは寒冷前線。寒冷前線が温暖前線に追いつくことはよくある。 答え:6 地上の風を考えると、コリオリ力は気圧の高い方へ向く。よって東側で気圧が高いのはZ。 気圧傾度力は高い方から低い方に働く。よって南側の気圧が低いのはY。 答え:1 2 つの位置関係を考える。同じ速さで進んでいるのだから、ともに同じ距離を保って移動。 低気圧は西から東へ移動するから低気圧の中心は、気圧の谷がZにある時、12 時-3 時=9 時間で、9 時間分東に居ることになる。低気圧の中心から気圧の谷を見るから西にある。 15m/s で進むと言う事は、9 時間=60 秒×60 分×9=32400 秒。ゆえに水平距離は 15m×32400 =486000m=486km(計算しなくても 0.015km×32400s は 50km 付近の値ではないことは解 るので、答えは1) 答え:4 下線bより 7 月は 4 月より風邪が弱まる。→2または4と予想される。春から夏で南風(+) か北風(-)かの選択。夏は南風ということで4. 2006 年 問 1:2 水の収支は合うはずである。海上の蒸発と降水の差が 434-398=36.この分が大気循環によ って陸上大気へ持っていく。陸上の降水と蒸発の差は 107-71=36.この分が陸から海への 流入である。 問 2:あやまっているものを選ぶ。陸よりも海の方が緯度による温度差は少ない。よって1 は正しい。温室効果ガスがあることで、地表から放出する熱が宇宙へ出て行かない。よっ て2は誤り。大気中の水蒸気が増えると温室効果は強まる。3は正しい。雪や氷に覆われ る面積が増えると太陽光をたくさん反射する。4も正しい。 問 3:この図を見て、 低気圧と高気圧について(http://rika.shinshu-u.ac.jp/ischool/tenki99/zensen/kiatu01.htm) 空気の層が厚いところは気圧も高くなり、薄いところは気圧が低くなるので、高気圧と低 気圧ができる。当然、空気はたくさんあるところから少ないところへうごくので、高気圧 から低気圧に向かって風が吹きだす。 H L H この図より高気圧が吹きだし、低気圧が吹き込みだから青(寒気)や赤(暖気)の風が卓 越する。よってこれに合う図は1. 問 4:中緯度上空では地表付近から上空までが偏西風であるため、高緯度に熱を運ぶために 偏西風は南北に蛇行する。→ゆえに4 問 5:問題文から、深層循環の始まりはある地点で海水が沈み込むことであると読みとれる。 海水が沈み込むと言うことは、回りの海水よりも重くなること。重くなる要素は2つ。冷 えることと塩分濃度が上がること。問題を見ると、このことを言っているのは3。 問 6:深層循環のサイクルは平均約 1000 年という知識を持つと簡単。1 秒あたり1mmだ から、1 日 86m 進む。1 年だと 31km くらい進む。赤道上の地球 1 周 40000km だから、 1000 年オーダーになるだろうと当たりをつけられる。いずれにせよ答えは3。 2005 年 問 1:文脈から、熱収支の話と察しをつける。選択肢の中で紫外線と赤外線があり、熱に関 するものは赤外線。次に、4、5、6のうち、赤外線を吸収するものは5の水蒸気。 問 2:対流圏における高度による温度変化は 100m につき 0.6 度。覚えていないときも、標 高 1000m の軽井沢あたりの気温を東京の気温と比べたときに、10 度は違わないだろうとい う感覚があれば1だとわかる。 問 3:5.5km 上がると半分になる。ことからさらに 5.5km 上がった 11km ではその半分、 すなわち地上の 4 分の 1 になる。よって 25%の4。 問 4:問題文を読むと、月側とその反対側が引っ張られることがわかる。よって5。 問 5:間違っているものをさがす。潮汐は月と地球の引っ張り合いで、位置関係による。よ って1,3,4は正しい。ゆえに間違いは2。 問 6:新月と満月のときは大潮になる。よって月に2回ある。2と3は×。太陽は遠いから 月より大きいことはない。月食は満月のとき起きるから、4。 2004 年 図 2 のグラフを見ると、A のほうが高度が低い。高層天気図は同じ気圧になる高度を結んで いるもの。よって、等圧面の高さが低いところは周りに比べて気圧が低いことになる。ま た、上空の風は等圧面の等高線に平行に吹いている。 上空での気圧傾度力は地表との摩擦がないので 問 1) A 点のほうが B 点より、低圧。P 点では南が高く、北が低い。今 P では南が高気圧 で北が低気圧になっているので、気圧傾度力は北向き。 こたえ4 問 2)中緯度地域では東西の風が卓越している。この風に関して正しいものは? 1 月で北が低気圧だから、気圧傾度力は北向きになる。この時、風は東に向かって吹いてい る。ということは、西風。7 月も極域のほうが低気圧だから風向きは同じ。ただし、等高線 の間隔が広い。よって、1 月のほうが風は強い。→2 問 3)等高線の間隔が 1 月よりも 7 月のほうが広い理由は? 気圧の差は気温の差。よって、気圧差が小さい(等高線の間隔が広い)のは、温度差が小 さいからと考えられる。→4 問 4)海の波について・・・波長が水深に比べて小さい波は表面波 。→4 問 5)水の粒子は、波の進行方向に平行な鉛直断面で円運動。この伝搬速度が重力加速度を g、波長を L として v = gL 2π 浅くなって海底の影響を受けると、水の粒子は楕円軌道になる。さらに浅くなって波長が 水深に比べて十分大きくなると軌道はほぼ直線になり、速度は v = gh となる。 →6 問6)波の伝搬速度について間違っているのは? →3 波長が水深に比べて小さい時は、円運動になって、波長Lが大きいほど速い。この場合は、 速度の式に水深hは入っていない。 波長が水深に比べて十分大きい時は、直線運動になって、速度の式に波長Lは入って来な いで、水深hの関数となる。 2003 年 問 1:南半球の低気圧は北半球の形と逆。数はいずれも北半球での例。 北半球の温帯低気圧はふつう西側に寒冷前線、東側に温暖前線をもっている。北半球は2 だから、南半球は1. 問 2:気圧傾度力は高いほうから低い方へ働く。ゆえに2か3.北半球では気圧傾度力から 時計回り 90 度が風。南半球では北半球と逆のはず。よって3。 問 3:北半球でコリオリ力は以下。地球を下の図のような円盤として考える。地球の自転に よる回転の距離の大きさ(つまり速さ)は赤道で最大、北極に向かってだんだん小さくな り、北極で最小(0)になる。だから上の図のように、赤道から北極向かってボールを投 げようが、北極から赤道に向かってボールを投げようが、いずれにしても目標に向かって まっすぐには飛んでいかず、なぜか右へ右へと曲がっていってしまうことになる。赤道で 大きく曲で小さい。南半球は逆になる。よって、3または6.ここで西風だから、西から 東へ吹く。北半球では東から西へ吹く風に対してコリオリ力は北から南向きに働く。よっ て3. 問 4:太平洋の海流(気象庁より) http://www.data.kishou.go.jp/db/kaikyo/knowledge/kairyu.html この図を見て南東貿易風によって西向きに流れているのは図の⑥の南赤道海流。よって答 えは4. 1. 黒潮 2. 親潮 3. 北太平洋海流 4. 北赤道海流 5. 赤道反流 6. 南赤道海流 7. 南インド海流 8. 南大西洋海流 9. 北大西洋海流 10. 南極海流 11. カリフォルニア海流 問 5:海面勾配によって生じる力を選ぶ。転向力と摩擦力は違う。表面張力も違うので、答 えは圧力傾度力の3。 問 6:エルニーニョで間違っているものを選ぶ。答えは3 エルニーニョは貿易風が弱くて暖かい海水が南米に残る現象。よってペルー沖で冷たい海 水のわき上りが弱い。ラニーニャは逆。 2002 年 問 1:梅雨は勢力を増してきた南の太平洋(小笠原)高気圧と勢力が弱まってきた北のオホ ーツク海高気圧の力が釣り合うので、長い間前線が停滞する。よって答えは、梅雨前線の 北側はオホーツク海高気圧、南側は小笠原高気圧となり答えは2。 問 2:積乱雲が発達しやすいのは寒冷前線。これは、上空に寒気が入り込んで、冷たい空気 は重いので下へ降りる。降りてきた冷たい空気が暖かい空気を押し上げる。冷たいものは 重いので地表付近が冷たくても空気は動かない。上が冷たくて下が暖かければ空気が動く。 よって、誤っているものを選ぶのだから、1. 問 3:気圧傾度力は高いほうから低い方へ働いて、それと右回り 90 度で地衡風が吹く。よ って向きは西向き。気圧傾度力が大きいほうが地衡風は強い。よって答えは3。 問 4:海面から蒸発するのは水だけ。水が減るから塩分濃度は相対的に上がる。また、水が 蒸発するとき、周りの温度を奪う(うち水などを思い出す)。よって温度が下がる。だから 答えは4。 問 5:海水の構造は、深層と表層で異なり、混じり合わない。間の色つきの層は温度躍層と いう。よって答えは4。安定して分離しているのだから1と2は無い。下の図は塩分濃度。 2 図とも1は高緯度海域、2は低中緯度海域を示す。 問 6:海水は冷たいほうが重い。重いものは下にさがり、押し出されて今まで下にあったも のが上に上がる。これは対流運動。図 2 のグラフを見ると、水は 4 度が密度最大で、0度 。よって答えは1 になると密度が下がる(軽くなる) 2001 年 問 1:雲の分類のだいたいの知識が必要。一番高層に出るのは巻雲。よって4. 問 2:温暖前線と寒冷前線の雲。まず、寒冷前線の雲は積乱雲、は覚えておく。選択肢を見 るとアが積乱雲なのは2と4.温暖前線で出てくる雲を考えると、下の方の雲は雨をふら せる。乱層雲と高層雲は名前から言って乱層雲が下のはず。よって2が正解。 問 3:大気の大循環は半球ごと 3 つの流れがある、という知識(だから、北半球であれば南 から貿易風、偏西風、極東風と言うのが吹く)があれば、1と2は無い。北東貿易風は、 北東から南西に向かって吹いているから、答えは3. 問 4:まず、コリオリ力はどういうものかを知っておかなくてはいけない。いろいろな人 が色々と説明しているのでしっくりくるものをさがしてください。で、この場合は、地 衡風を覚えておくと良いかもしれない。図のように平行な等圧線がある場合、気圧傾度 による風は「高気圧」から「低気圧」へと吹き始める。この風にコリオリの力が働くと 直角に曲げようとする(北半球では右へ)ので、ついには、気圧傾度による力とコリオ リの力が釣り合い、風は等圧線と平行で、気圧の低い方を左に見ながら吹くようになる。 流れの向きは地衡風の向きだから、コリオリ力はdとなる。答えは4. 問 5:圧力傾度力は、高い方から低い方へ働く。問題は低気圧だから中心が低い。よってま ず圧力傾度力はhの向きに働くので答えは4.この時流れの向きは圧力傾度から右回転な のでgとなる。よって答えは3.