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新ひだか町酪農・肉用牛生産近代化計画書
別記様式第4号 計画期間 平成28年度~平成37年度 新ひだか町酪農・肉用牛生産近代化計画書 平成28年4月 北海道新ひだか町 目 次 Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 Ⅱ 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標 ‥‥‥‥‥‥‥ 4 1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4 2 肉用牛の飼養頭数の目標 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5 Ⅲ 酪農経営又は肉用牛経営の改善の目標 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6 1 酪農経営方式 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 7 2 肉用牛経営方式 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大のための措置 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9 1 乳牛(乳肉複合経営を含む)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9 2 肉用牛 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10 Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11 Ⅵ 生乳の生産者の集乳施設の整備その他集乳の合理化のための措置又は肉用牛の共同出荷 その他肉用牛の流通の合理化のための措置‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12 1 集送乳の合理化 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12 2 肉用牛の共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置 ‥‥‥‥‥‥‥ 12 Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 1 担い手の育成と労働負担の軽減のための措置 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 2 改良増殖の推進 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 3 新技術・効率的な生産方式の開発・普及 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13 4 経営技術指導の強化 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 5 家畜衛生及び畜産物の安全性の確保 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 6 環境問題への対応 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針 1.新ひだか町における酪農・肉用牛生産の位置づけと展開方向 (1)酪農・肉用牛生産の位置づけ 北海道の中でも比較的温暖で、雪が少ない新ひだか町は、気候風土を生かし、水稲・軽種馬を 基幹として、肉用牛生産及び酪農、施設園芸等を補完作目とする複合経営がなされてきた。 しかし、稲作は転作強化による他作物への転換が進み、草地への土地利用が増加した。 また、地域の主要産業である軽種馬生産は、外国産馬の出走機会の拡大による国際化、地方競馬 の相次ぐ廃止などが進み、販売が著しく悪化し、軽種馬農家の経営は厳しい時代を迎えた。 こうした社会情勢の変化のもと、補完作目の充実による農業経営の転換を図られ、安定した飼養 作物の供給基盤が形成され、安定した収益が見込める肉用牛生産が促進された。酪農及び肉用牛生 産は、国民の食生活の多様化、欧米化にともなう需要の拡大と恵まれた土地資源を背景に町の主力 産業として順調な発展を続けており、地域経済を支える重要な役割を担っている。 平成25年度新ひだか町における酪農・肉用牛生産の位置 農家戸数 うち 酪農 うち 肉用牛 うち 畜産 販売額 (軽種馬含む) 静 内 三 石 全 体 区分 割合 区分 割合 区分 割合 487 戸 487 戸 100 % 18 3.7 9 1.8 27 5.5 戸 % 戸 % 戸 % 28 5.7 57 11.7 85 17.5 戸 % 戸 % 戸 % 4,243 100 2,864 100 7,107 100 百万円 3,259 百万円 76.8 % % 百万円 2,095 百万円 73.1 % % 百万円 5,345 百万円 75.2 % % うち 酪農 318 7.5 237 8.3 555 7.8 うち 肉用牛 482 百万円 11.3 % % 百万円 1,069 百万円 37.3 % % 百万円 1,551 百万円 21.8 % % 百万円 (資料:みついし及びしずない農業協同組合総会資料等) (資料:農林水産省HP掲載市町村農業統計データ) (2)酪農・肉用牛生産の抱える問題 新ひだか町の酪農・肉用牛生産農家のうち専業農家と第1種兼業農家が9割以上を占めているが、 担い手の高齢化や労働力不足、経済の国際化に伴う農業自由化の進展よる国内外の競争激化、配合 飼料の原料価格の高止まりなどの生産コストの上昇、悪性伝染病の発生懸念等、酪農・肉用牛生産 を取り巻く環境は厳しいものになっている。また、新規参入も少ない現状にあり、農家戸数は今後 において、減少に推移するものと予想され、地域の生産頭数の維持向上を図るには次代を担う後継 者の育成・確保が重要となっている。 農用地の利用においても農地の処分希望が増加傾向にある反面、高齢化や農業の先行き不安など から規模拡大を手控える傾向にあるため、農地の流動化の停滞が懸念され、買い手及び借り手のい ない農地管理の粗放化への対応も大きな課題である。 2.自給飼料基盤に立脚した畜産経営の育成 土地基盤など畜産環境に恵まれている当町において、飼料を国内外に依存している割合は比較的 少ないものの、今後、単位面積当たり飼料生産量の増加、品質改善、町有牧野の活用等を図り、飼 料自給率の向上による経営の安定化をより一層推進するとともに、稲作の副産物である稲わらの効 率的な収集・利用を図り、一層の自給率の向上と畜産物の安全性に寄与する。 また、畜産糞尿の低コスト処理と有機質資源として有効活用を図り、土地基盤に立脚した畜産を 推進する。 - 3 - 3.畜産物に係る安全・安心の確保 将来にわたり国民に安全な牛乳・牛肉の安定的供給地として発展していくために、土地基盤の 整備による飼料自給率の向上や需要動向に的確に対応しながら徹底した飼養管理の基本技術の励 行による高品質化、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別法(牛肉トレーサ ビリティ法)」の遵守により生産履歴の適正な記録の保管を行い、消費者に安全・安心な畜産物 の提供を推進していく。 4.家畜排せつ物の適正な管理と利用の促進 環境に対する配慮は、古くから家畜糞尿を農地に還元する手法が用いられていたが、米の転作 強化に伴い家畜飼養農家が増加し、かつ多頭数化に伴い排泄される糞尿量も増加し、河川や地下 水等への影響が懸念されていた。 平成11年施行の「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」により生産者 の意識は高まり、環境問題に加え、有機質資源として有効活用を図ることから多頭数飼養及び河 川近郊の農家により順次、堆肥舎等の整備を推し進めている。 家畜の糞尿は、生産過程から出される主要な廃棄物であるが、これは利用価値のない廃棄物で はなく、貴重な資源であり土地に適切に還元されることにより、再生産に役立てられ、同時に河 川や地下水等への環境汚染源を防ぐことができるため、町堆肥センターの活用や堆肥舎リース事 業等を利用することにより低コスト処理と合わせて資源循環体系の確立を図る。その際、肥料コ ストの削減、地力の維持・増進はもとよりクリーンなイメージの向上等を考慮し、耕畜連携を強 化し農地・草地への還元を基本として、糞尿の良質堆肥化及びその有効利用を積極的に進める。 5.飼育管理技術の向上等の推進 (1) 安定的な生産拡大 経営の体質強化や農業生産の安定化拡大を図っていくうえで、高度な営農技術と優れた経営能 力を備えた担い手を確保し、これらが地域に定着するため、地域の畜産構造の現状及び将来の見 通しにおいて、畜産業が職業として選択し得る魅力とやりがいのあるものとなるよう、畜産経営 の目標を地域における他産業従事者並みの生涯所得に相当する年間農業所得、年間労働時間の水 準を実現できるものとし、効率的かつ安定的な農業経営体を育成する。 畜産経営の安定を図るため肉用牛の繁殖から肥育までの一貫生産体制の確立に向けて指導強化 を図るとともに、酪農の個体価格の低下による経営悪化の解消を図るため、肉用牛受精卵移殖技 術の確立に向けて取り組むなど、畜産業をとりまく社会情勢の変化に適切に対処していくことが 重要となっている。 また、飼養管理の基本的技術の励行による高品質化、経営実態に即した機械・施設の適切な整 備に努めるほか地域を主体とした共同作業体系の確立により省力化及び農業機械の効率化、堆肥 の有効活用による良質粗肥料の確保など積極的に推進し、重点振興策目として発展を図る。 (2) 優れた担い手の育成 優れた担い手の育成・確保を図るため後継者の新規就農を主体に促進するとともに、就農の動機 付けから技術習得、円滑な営農、資質の向上等の各段階における課題を個々のケースに応じて解 決していくことが重要であることから、行政機関及び農業団体等が相互に役割を分担しながら、 一体的に推進する。さらに、酪農・肉用牛を取り入れた複合経営の推進により、農業経営の安定 を図り担い手の育成に努めるとともに、優れた後継者、配偶者を確保するためにも、情勢の地位 向上と畜産業従事者に対する収益力向上を推進する。 - 4 - (3) コスト削減による競争力の強化 酪農において生産コストの削減を図るため、町有牧野の活用や共同作業体系の確立、無畜農家 との連携で堆きゅう肥の提供により敷きわらの確保、牛群能力検定による牛群整備を進め乳量・ 乳質の向上等を推進し、さらに、生産性・収益性の高い、合理的な酪農経営の育成・体質強化に より需給変動に大きく左右されず、安定した生産体制の確保に努める。 また、肉用牛生産におい ても生産コストの削減を図るため、除角実施による事故防止や町有牧野の活用、肥育簡易牛舎の 建設による規模拡大を進めるとともに、生育不良・死亡率低下等の予防対策を徹底し、飼養管理 に万全を期す。さらに、流通コストの低減と適正な価格形成を図るため、家畜市場での取引、繁 殖から肥育に至る経営内一貫生産を推進する。 (4) 地域ブランドの確立 消費者の健康志向や食品の安全に対する意識の高まりに対応するため、「安全・良質・新鮮」 に一層配慮した生産を推進していくとともに、販路と消費拡大を図っていくため、各種イベントを 通じてPR活動の展開並びに市場評価を踏まえて質的改善を積極的に推進し、地域ブランドの確立 を目指す。 (5) 多様な経営体の育成 労働環境の改善を図り、目標とする収入水準、労働形態及び労働条件等の個々の経営形態に合わ せた多様な経営体の育成を図る。 また、町有牧野の活用や地域内を主体とした共同作業部門の充実及びヘルパー組合等の育成・支 援を行うことにより労働負担を軽減し、ゆとりある経営の実現に努める。 - 5 - Ⅱ 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標又は肉用牛の飼養頭数の目標 1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標 生乳生産量については、飼養管理技術の向上や乳牛の育種改良を図りつつ、需要動向に即した 安定的な生産拡大に努めるものとし、平成37年度における目標値を8,400トンとする。 乳牛の個体能力及び繁殖管理技術の向上を勘案し、より効率的・集約的な経営を行うことによ って、1頭当りの更なる能力向上を目指すものとする。 なお、従来から育成牛、初妊牛などの個体販売により、生産者所得の一部をまかなってきたが、 本計画においても個体販売に加え、肉用牛の受精卵移植事業を進めていることから、このことに ついても一定程度見込むものとする。 1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標 地域名 地域 の範囲 新ひだか町 町内一円 合計 現在(平成25年度) 目標(平成37年度) 経産牛1 経産牛1 生乳 経産牛 頭当た 生乳 経産牛 頭当た 総頭数 成牛頭数 総頭数 成牛頭数 頭数 り年間 生産量 頭数 り年間 生産量 搾乳量 搾乳量 頭 頭 頭 t kg t kg 頭 頭 頭 2,363 1,319 1,226 8,124 9,960 1,660 1,190 1,100 8,400 9,240 2,363 1,319 1,226 8,124 9,960 1,660 1,190 1,100 8,400 9,240 (注)1.成牛とは、24ヶ月齢以上のものをいう。以下、諸表において同じ。 2.生乳生産量は、自家消費量を含め、総搾乳量とする。 3.「目標」欄には、平成37年度の計画数量を、「現在」欄には原則として平成25年度の数量を記入する こと。以下、諸表について同じ。 - 6 - 2 肉用牛の飼養頭数の目標 肉用牛の飼養頭数については、軽種馬経営から肉用牛飼養農家への経営転換・複合化を支援する 目的で、繁殖牛の増頭に意欲があり経営改善が見込める生産農家に対し、町有繁殖用素牛の貸し付 けを行い、繁殖牛の増加を図るとともに、生産性の高い専業経営や軽種馬生産等との複合経営の育 成、近隣町を含めた地域内及び経営内一環生産体制の整備による肥育仕向け率の向上ほか、乳牛と 受精卵移植などの技術活用による黒毛和種の繁殖雌牛の増頭等を見込んで、平成37年度の当町に おける目標頭数を6,146頭とする。 2 肉用牛の飼養頭数の目標 地域名 現在(平成25年度) 肉専用種 地域の 範囲 肉用牛 繁殖雌 総頭数 肥育牛 その他 牛 頭 頭 頭 頭 新ひだか町 町内一円 5,277 計 乳用種等 乳用種 交雑種 頭 頭 頭 2,558 1,685 1,034 5,277 0 0 目標(平成37年度) 肉専用種 肉用牛 繁殖雌 計 総頭数 肥育牛 その他 牛 頭 頭 頭 頭 頭 計 乳用種 交雑種 計 頭 頭 頭 頭 0 6,146 2,935 1,760 1,451 6,146 0 0 0 合計 (注)1.繁殖雌牛とは、繁殖の用に供する全ての雌牛であり、子牛、育成牛を含む。 2.肉専用種のその他は、肉専用種総頭数から繁殖雌牛及び肥育牛頭数を減じた頭数で子牛を含む。以下、諸表において 同じ。 3.乳用種等とは、乳用種及び交雑種で、子牛、育成牛を含む。以下、諸表において同じ。 - 7 - 乳用種等 Ⅲ 酪農経営又は肉用牛経営の改善の目標 1 基本的考え方 当町の経営の強化を図る酪農又は肉用牛経営者が、粗飼料基盤を最大に活用した良質な粗飼 料の生産拡大を目指し、資源循環型経営の確立に向けた取り組みを着実に推進していくとの観 点に立って、地域の実情に即した経営能力の向上により、生産コストの低減や生産・販売の拡 大を通じた収益性の向上を図ることとし、実現可能な経営類型を想定し、10年後の経営指標 を設定しました。 2 経営指標の設定 経営指標は、経営規模や生産体系、畜種などに着目して区分した酪農又は肉用牛生産の経営 ごとに設定しました。 (1) 経営概要: 経営形態、飼養頭数、飼養方式、飼養管理の外部化、 飼料の給与方式、放牧利用 (2) 生産性指標 ア 牛 : 1頭当たり搾乳量、更新年次、分娩間隔、初産月齢、 出産月齢、出産時体重等 イ 飼料 : 作付体系、反収、作付延べ面積、飼料生産の外部化、 購入飼料、飼料自給率、粗飼料給与率、 経営内堆肥利用割合等 ウ 人 : 生産コスト、労働時間、粗収入、経営費、農業所得、 1人当たり所得 - 6 - 1 酪農経営方式 単一経営 経営概要 生産性指標 飼養形態 方式名 (特徴とな る取組の 概要) 牛 経営 放牧 形態 経産牛 飼養 給与 利用 外部化 頭数 方式 方式 (放牧地 面積) 頭 スタンチョン (集約放 牧) 40頭 家族 経営 50 ( ST ヘルパー 分離 ha) 生産コスト 労働 経営 作付 経営内 生乳1kg当 延べ 購入国 飼料自 総労働時 経産牛 作付体 外部化 更新 面積 産飼料 給率 粗飼料 堆肥 たり費用合 経産牛1 間(主た 系及び 1頭当たり (種 産次 ※放牧 (種 (国産 給与率 利用割 計(現状平 頭当たり る従事者 粗収 経営 農業 単収 乳量 類) 飼養労働 入 費 所得 利用を 類) 飼料) 合 均規模との の労働時 時間 含む 比較) 間) kg 産次 ha % % 割 円(%) hr hr 万円 万円 万円 kg 集約 8,400 公共牧場 給与 放牧 人 飼料 5 チモシー主 体 トウモロコシ 24.6 個別 完結 3,750 - 74 74 (注)1.「方式名」欄には、経営類型の特徴を、「備考」欄には「方式」の欄に掲げる方式を適用すべき区域名等を記入すること。 2. 6次産業化の取組を織り込む場合には、基本方針の第3の票のように、6次産業化部門に係る指標を分けて記入すること。 3.(注)1,2については、「2肉用牛経営方式」についても同様とする。 - 7 - 主たる 備考 従事者 1人当 たり所 得 万円 10 75 3,900 3,400 82 (2,500) 500 320 2 肉用牛経営方式 (1)肉専用種繁殖経営 生産性指標 経営概要 飼養形態 方式名 (特徴とな る取組の概 要) 経営 形態 飼養 頭数 飼養 方式 外部化 牛 給与 方式 頭 肉専用種 繁殖経営 (複合) 家族 経営 複合 肉専用種 繁殖経営 (専業) 家族 経営 専業 繁殖 40 繁殖 100 牛房 群飼 - - 人 生産コスト 作付 放牧 延べ 購入国 飼料自 経営内 子牛1頭当た 利用 作付体 外部化 分娩間 初産月 出荷月 出荷時 面積 産飼料 給率 粗飼料 堆肥 り費用合計 (放牧 系及び (種 齢 体重 (種 (国産 給与率 利用割 (現状平均 隔 齢 ※放牧 反収 類) 地面 合 類) 飼料) 利用を 規模との比 積) 含む 較) ( ha) 牛房 群飼 飼料 分離 給与 分離 給与 ヶ月 5.5 12.9 16.3 12.9 ヶ月 ヶ月 kg ha kg 去勢 去勢 9.0 270 24 雌 雌 9.0 250 牧草 3,800 去勢 去勢 9.0 270 24 雌 雌 9.0 250 牧草 3,800 % % 割 労働 子牛1 頭当た り飼養 労働時 間 円(%) - - 95 95 総労働時 主たる 間(主た 従事者 農業所 る従事者 粗収入 経営費 1人当 得 の労働時 たり所 間) 得 hr 380,000 23.3 経営 hr 万円 万円 万円 2,280 1,640 5,225 4,100 1,125 万円 3,300 10 58 640 460 (2,000) 364,000 82.7 95 95 5,550 10 49 855 (2,500) (2)肉牛用(肥育・一貫)経営 経営概要 生産性指標 飼養形態 方式名 (特徴とな る取組の概 要) 肉専用種 一貫経営 経営 形態 家族 経営 専業 飼養 頭数 頭 繁殖 40 肥育 48 飼養 方式 牛 給与 方式 肥育開始 時月齢 ヶ月 牛房 群飼 分離 給与 9 出荷 月齢 飼料 人 生産コスト 労働 経営 作付 延べ 購入国 飼料自 経営内 肥育牛1頭当 総労働時 1 日 作付体 外部化 肥育 出荷時 面積 産飼料 給率 粗飼料 堆肥 たり費用合 牛1頭 間(主た 当たり 系及び (種 期間 体重 (種 (国産 給与率 利用割 計(現状平 当たり る従事者 粗収入 経営費 農業所 ※放牧 増体量 反収 類) 飼養労 得 類) 飼料) 合 利用を 均規模との の労働時 働時間 含む 比較) 間) ヶ月 ヶ月 去勢 去勢 28.0 19.0 雌 雌 29.0 20.0 kg kg kg 去勢 去勢 770.0 0.72 牧草 3,800 雌 雌 680.0 0.61 ha 15.1 - - (注)1.繁殖部門との一貫経営を設定する場合には、肉専用種繁殖経営の指標を参考に必要な項目を追加すること。 2.「肥育牛1頭当たりの費用合計」には、もと畜費は含めないものとする。 - 8 - % % 割 42 42 10 円(%) 735,000 hr 69.3 hr 5,550 (2,500) 万円 万円 4,290 3,570 万円 720 主たる 従事者 1人当 たり所 得 万円 540 備考 備考 Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大のための措置 1 乳牛 (1)地域別乳牛飼養構造 乳牛頭数 ①総農家戸数 ②飼養農家戸 数 地区域名 戸 新ひだか町 現在 戸 27 487 目標 ②/① ( ④うち成牛 頭数 ③総数 1戸当たり平 均飼養頭数 ③/② % 頭 頭 頭 5.54 2,363 1,319 87.5 1,190 72.2 1,319 87.5 1,190 72.2 23 ) 現在 目標 現在 ( 487 合計 目標 ( ) 27 6 23 ) 2,363 (注)「飼養農家戸数」欄の( )には、子畜のみを飼育している農家の戸数を内数で記入する。 (2)乳牛の飼養規模の拡大のための措置 乳牛の飼養頭数については、高齢生産者の離農等によって減少するが、規模拡大の意欲がある 酪農家に対しパイプライン・高容量バルククーラー等の導入による搾乳作業の効率化を図るとと もに、規模拡大のため、酪農家が作業しやすい牛舎スペースの確保や衛生的な飼養設備などの環 境整備を促進させ飼養規模の維持・拡大を図ります。 また、新規就農者の確保、担い手の育成と就農後の定着支援をすることにより、農家戸数の減 少を最小限に抑えることとし、酪農ヘルパーによる外部委託、生産者組織の強化、共同作業体系 の確立することにより労働負担を軽減し、個体管理を徹底させながら、地域の飼養頭数の維持・ 拡大を図ります。 -9- 2 肉用牛 (1)地域別肉用牛飼養構造 ② ① 総農家数 飼養農家 戸数 地域名 肉用牛飼養頭数 ②/① 肉専用種 総数 計 戸 戸 新ひだか町 現在 肉 専 用 種 繁 殖 経 営 71 487 肥育牛 その他 % 頭 頭 頭 14.6 2,928 2,928 1,894 1,034 3,692 3,692 2,241 1,451 2,928 2,928 1,894 1,034 3,692 3,692 66 目標 繁殖雌牛 乳用種等 頭 頭 計 乳用種 交雑種 頭 頭 現在 目標 現在 487 目標 66 14 487 ( 14 ) 14 ( 14 ) 71 14.6 合計 現在 新ひだか町 目標 肉 専 用 種 肥 育 経 営 2,349 2,454 1,451 現在 目標 現在 ( 487 合計 目標 乳 用 種 ・ 交 雑 種 肥 育 経 営 2.9 2,241 664 1,685 2,349 ( 664 ) ( 1,685 ) 694 1,760 2,454 ( 694 ) ( 1,760 ) ( ) ( ) 664 ( 664 ) ( 694 2,454 ( 694 ) ( 1,685 1,685 ) 1,760 1,760 ) ) 14 ( 14 ) 14 ( 14 ) 2.9 2,044 2,454 2,044 現在 目標 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 現在 目標 現在 合計 目標 (注)( )内には、一貫経営に係る分(肉専用種繁殖経営、乳用種・交雑種育成経営との複合経営)について内数を記入すること。 (2) 肉用牛の飼養規模の拡大のための措置 「 牛群管理システム」による肉用牛生産農家全体の繁殖牛情報の実態調査に基づく繁殖成績や 育種価等による繁殖牛の淘汰・更新により地域全体の優良繁殖牛生産の向上、更には、町有優良 繁殖用素牛の貸し付けにより牛群改良と繁殖牛の増加を支援します。また、肥培管理技術の普及 と定期的な草地更新による植生改善、牧草の適期収穫により良質粗飼料の増収など生産性の向上 に重点を置いた取り組みを推進します。 ア 肉専用種繁殖経営 所得の確保・増大に向け自給粗飼料の向上、機械作業可能な牛舎整備などによる生産効率の 向上を図り、肉専用種の生産を促進します。 イ 肉専用種一貫経営 牛群改良や肥育技術の向上により、肉質の向上と枝肉量の確保を図り、自動給餌機等の導入 による省力化により規模拡大を促進します。また、繁殖経営農家に対する肥育技術の普及によ り、一貫経営への移行を推進します。 - 10 - 頭 Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項 1 飼料の自給率の向上 現在 飼料自給率 目標(平成37年度) 乳用牛 62% 74% 肉用牛 66% 71% 3,840ha 3,840ha 飼料作物の作付延べ面積 2 具体的措置 畜産物の安定的供給と経営体質の強化を図るためには、国内外の情勢に対処し需給動向の的確な 対応とともに、中長期的な展望の下に良質かつ低コストな自給飼料の生産を拡大し、飼料自給率の 向上を図る。 以下、主な具体的措置については、次のとおりである。 (1)草地の植生改善による良質な自給粗飼料の増産 地域の草地の植生は、強害雑草の浸食により、近年悪化しており、牧草の栄養価の低下を招いて いることから雑草駆除の徹底と、良質堆肥の生産量向上を含めた肥培管理技術の向上と定期的な草 地更新による植生改善、牧草の適期収穫により、牧草の反収を 3,700㎏/10aから3,800㎏/10aへ 増加させます。 また。飼料用とうもろこしの作付にあたっては、黄熟期以上の熟度が見込まれる品種の選定と 適期収穫によりTDN収量を確保し、良質なサイレージ生産に取り組みます。 (2)放牧の推進 町有牧野の個別経営の飼料自給率の向上、放牧に適した栄養価の高い牧草品種の導入、それ ぞれの地域の土地条件・経営形態に応じ、転作田及び周辺草地との団地化に努めるとともに排水 不良地の改善を図り、単収の増大と良質飼料の確保を推進する。 - 11 - Ⅵ 生乳の生産者の集乳施設の整備その他集乳の合理化のための措置又は肉用牛の共同出荷 その他肉用牛の流通の合理化のための措置 1 集送乳の合理化 生乳については、健康飲料、基礎食品としての重要性を認識し、乳質の高品質化を図ることに より、需給変動に大きく左右されない安定した生産体制を確保し、地域内で計画的な供給を行う ことにより流通のコストの低減を図る。 2 肉用牛の共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置 (1) 肉用牛(肥育牛)の出荷先 現在(平成25年度) 目標(平成37年度) 区分 出荷先 出荷先 道内 道内 出荷頭 数 ① 区 域 名 肉専用種 ②/① 食肉処理 加工施設 家畜市場 その他 ② 頭 頭 766 766 頭 頭 道外 出荷頭 数 ① ②/① 食肉処理 加工施設 家畜市場 その他 ② 道外 頭 % 頭 頭 10 756 1.3 801 80 10.0 10 756 1.3 801 80 10.0 頭 頭 頭 % 乳用種 交雑種 肉専用種 合 計 乳用種 交雑種 (注)食肉処理加工施設とは、食肉の処理加工を行う施設であって、と畜場法(昭和28年法律第114号)第4条第1項の都道府県知事の許可を受けたものをいう。 (2) 肉用牛の流通の合理化 共同出荷を基本に素牛等の流通コストを削減するとともに、町内の肥育仕向け率を向上させる。 また、肥育を拡大するため、町及び農業協同組合の原資をもとに貸付実行している繁殖及び肥育 素牛導入資金制度の活用を図り、繁殖から肥育までの地域内一貫生産体制を推進する。 繁殖雌牛の資質の向上を図り、さらに、枝肉研究会を市場で開催し、枝肉に対する市場評価を踏 まえ、消費者ニーズに即した牛肉を生産することにより、市場出荷を基本に町内販売などを通じ、 販路の拡大及び定着を図る。そのため、肉専用種の特性を生かした肥育技術を確立し、肉質の向上 を図ることに加え、定時・定量出荷体制を整備することによりブランド力を強化し、販路の拡大に 努める。 - 12 - Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項 1 担い手の育成と労働負担の軽減のための措置 効率的かつ安定的な経営を育成するために、生産方式の高度化や経営管理の複雑化に対応できる る人材の育成に取り組み、意欲と能力のある者が幅広く農業に参入し得るように相談活動の一層の 充実、町和牛センターの実習生受入れや先進的な地域での実践研修、担い手として女性の能力を十 分に発揮させるための研修等を通じて経営を担う人材の育成を積極的に推進する。 また、農業従事者の安定的確保を図るため、他産業に比べて遅れている畜産従事者の労働負担の 改善に取り組むこととし、酪農ヘルパー制度への支援や休日を確保するため生産者間の協力体制の 確立、共同作業による労働時間の短縮を推進する。 家族経営農家が大部分である地域であり、雇用の場となり得る大規模農業法人が少ないことも畜 産への参入が進まない要因となっていることから、畜産経営の法人化を推進し、福利厚生面の充実 などにより、幅広い人材(従業員)の確保をすることとし、経営の多角化など事業展開の可能性を 広げ、経営の発展を図る。 新規就農者の確保と定着支援の活動として、町内畜産団体を含む関係機関で組織する「農業担い 手支援協議会」による就農相談会等で町内への就農を推進し、就農後においては、経営相談・経営 指導により担い手のサポート支援に努める。 規模拡大にともなう労働負担の軽減は、畜産農家が作業しやすい牛舎スペースの確保や衛生的な 飼養設備などの環境整備を促進させる。更に、高性能農業機械の導入により労働負担軽減を進め、 それによって得られた余剰時間を家畜の飼養管理に充当させ、経営の向上を図ります。 2 改良増殖の推進 乳牛の改良については、乳量の増加に加えて、特に乳蛋白割合に重点を置いて進めるとともに、 受精卵移植技術等を用いた改良方法を活用して、優良な雌牛群の早期増殖・普及により効率化を 図る。 肉用牛の改良については、国際化の進展に対応して、黒毛和種を増殖し、輸入牛肉及び国内他 産地との競争力の強化を図るため、肉質の差別化と生産コストの削減を基本として、飼養管理産 地との競争力の強化を図るため、肉質の差別化と生産コストの削減を基本として、飼養管理技術 の改善により、産肉能力の向上と斉一化を推進する。このため、優良種雄牛の優良精液の確保を 図るとともに、繁殖成績、肥育成績等の能力成績による優良雌牛の増殖等を推進し、雌牛側から の改良を促進する。 3 新技術・効率的な生産方式の開発・普及 乳牛については、受精卵移植技術の向上・普及など改良増殖の推進を図るとともに、混合飼料 給与技術などの各種技術を組み合わせた省力的な飼養管理技術の体系化に努める。 肉用牛については、町和牛センターを主体とした実証生産に取り組み、その過程において特に 有望であると思われるものについては、他関係機関・団体とともに十分に協議し生産者に対して 普及促進を図る。 - 13 - 4 経営技術指導の強化 経営技術指導の強化を図るため、生産者組織による研修並びに町和牛センター、農業試験場、 農業改良普及センター、関係機関・農業団体の密接な連携の下に、生産者が迅速に情報収集・ 交換を行うことができる情報ネットワークを構築するとともに、地域の現状と課題の協議を行い、 地域の収益性を向上させる畜産クラスターの継続的な取り組みを推進します。 更に、関係機関・団体で構構成する指導チームを編成し、畜産経営に係る指導、肉専用種肥育に 係る技術指導として、定期的に先進地から指導者を招き、農家巡回指導により技術習得を図る。 5 家畜衛生及び畜産物の安全性の確保 酪農・肉用牛経営の生産性向上を図るため、畜舎の基本的な衛生管理を徹底し、哺育・育成 期における事故率の低下、乳房炎・第四胃変位等の生産病の防止、伝染性鼻気管炎の予防、ピロ プラズマ病等の防止に重点をおいて、自主的な衛生管理及び自衛防疫組合の指導の下に自衛防疫 を徹底するとともに、家畜保健衛生所、農業共済組合等の疾病診断機能や家畜衛生情報ネット ワークの強化により、獣医療提供体制の充実を図る。なお、町有牧野の衛生対策については、入 牧前に各種予防注射を行うとともに、定期的な健康検査と適正な放牧群を構成する。 また、食品の安全性に対する消費者の期待に応え、安全な畜産物の生産を推進するため、人畜 共通伝染病の発生防止をはじめとして、動物用医薬品、飼料及び飼料添加物の適正飼養の徹底に 努める。 6 環境問題への対応 畜産環境問題については、米の転作強化に伴い急速な経営規模拡大による家畜飼養頭数が増加 したため、家畜糞尿が河川や地下水の影響などの環境汚染が懸念されている。 畜産農家のほぼ全戸に堆肥舎が設置されているが、1戸当たりの飼養頭数の増加や老朽化によ り施設内容は未だ不十分な農家も見受けられる。 また、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」の施行により、なお一層 の家畜糞尿の周辺環境への汚染防止を図ることと適正な処理による堆肥の有効利用を促すために 施設等の整備を促進し、適切な肥培管理により生産される良質な自給飼料を生産により、資源循 環型の酪農・畜産業を推進する。 - 14 -