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過去を学び、未来へつなげる平和教育真のグローバル生活人とは?

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過去を学び、未来へつなげる平和教育真のグローバル生活人とは?
ドキュメント2 09.9.16 8:32 PM ページ 6
過去を学び、未来へ つなげる平和教育
真のグローバル生活人とは?
なぎさ公園小学校
教 諭
石 原
幹 雄
また、困 難な課 題も全 校で力をあわ
より奪われたこと、
そして今生活する広
学びの発信
そして…これから
過去の成功も失敗もそれらを知り、
また
せて取り組むことで実現できると、折り
島の大部分が焼け野原となっていたこ
8月4日、児童会メンバーは全校で作
しかし、子どもたちの学びはここで終
たちの住む広島は、緑でいっぱいの平
文化として伝えていくことは、私たちの
鶴の作成にも挑戦しました。この鶴は、
とを心に感じ、各学年の学びの発表を
った平和のモニュメントを持って「原爆
わりません。4年生では、
さらに学習を発
和な社会となっています。しかし、
その
使命であり、未来への発展へとつなが
従来の千羽鶴ではなく、
なぎさっ子とし
共 有していきました。また、学 年ごとに
犠牲国民学校教師と子どもの碑」慰霊
展させ、
クラスの名前でもある楠木・青
社会の裏側に目をやると、餓えで苦しむ
っていく教育の力だと感じました。
ての想いをこめた鶴のモニュメントにし
平 和 への願いを込めた歌の発 表や、
祭に参加しました。たくさんの小・中学
桐の被 爆 樹 木について学びを深めて
何故、今平和教育が必要なのか?
ら学びを深めることだと強く感じました。
終 戦から早 、6 4 年が経ち、今 子ども
国、
また、戦争によって少年が武器を持
ようということで、子どもたちから2つの
平和についての作文や詩の発表も行
生が参加する中、本校の児童も学校を
いきます 。また、児童会役員は、
「今回
たざるを得ないなど、困 難な課 題に直
の図案が出されました。ひとつは、大き
いました。最後に各学級にあらかじめ
代表して折り鶴を献納してきました。学
の平和学習をまとめて、かべ 新聞を作
面したニュースも多く耳にします 。
“自
なハートの形に平和の象徴である鳩を
お願いしていた平 和のモニュメントの
校として取り組んだ学びを外界に発信し、
ろう!」とはりきっています。また、同じ地
分たちが暮らしている社会が幸せならば、
飾りつけたもの、
もうひとつは真ん中に
部品が代表者によって運ばれ、つなぎ
自らの自信へとつなげるとともに、平和
球に生きる仲間たちの中で、戦争や天
それでいいのか?”私は事あるごとに悩
‘Peace’の文字を入れ、世界にも平和
を発信したいというものでした。
み、考え込んでいました。そんな中、
「真
の平和とは、何だと思う?」と思い切って
あるはず。」と答えてくれたのです。
災などにより苦しい状況にある子どもた
生きる子どもたちとして平和への願いを
ちに、
自分たちができることを考え、
また
二度と過ちを繰り返すことのないよう、
しっかりと心に刻むことができたようです。
それを学校の取り組みとして立ち上げ
一つの学びが全体の学びへ
平和を考えることは、一人ひとりの生
き方を考え、心を豊かにしていくものだ
したらよいか。の問いに、
「平和集会を
このたびの平和教育を通して、子ど
と思います。そして学びを通して、
それ
全校に「平和」を意識させるにはどう
企画してみたい」という子どもたちから
もたちの心の中になにが残ったのでしょ
ぞれの想い、平和を発信する力が育つ
の新鮮なアイディアがでてきました。今
うか?ただ戦争という歴史を知っただけ、
のではないでしょうか。これこそが真の
までは、各教科や学級単位での学びは
むごさを感じただけでは、
ありませんで
グローバル生活人の育成といえるもの
あったものの全校に広が
した。どうして戦争が起こってしまった
だと考えます。私たちの平和教育は成
る平和教育ではなかたよ
のか、
そして戦争がもたらす悲しみ・苦
長し続けるものでありたい。明日を創る
うに思います。児童会の
しみまでを深く心で感じました。また、感
子どもたちへの取り組みを、今後もさら
子どもたちが 立 案し、そ
じる学びから、次に真の平和とは何かと
に発展させていきたいと思います。
過去を学び、未来へつなげる
れを代表委員会で提案、
いうことを一人ひとりが考えました。その
また、
そこのメンバーで意
ことは、子どもたちの詩からも読み取る
この広島に世界で初めて原子爆弾
見を交わし、学 年ごとの
ことができます。ただ、
目の前に戦争が
が落とされたこと… 。子どもたちは、本
取り組みへと発展してい
なければいいのか?自分たちは、平和に
当に知っているのか?時代は、流れ、語
く姿はさすが広島の子ど
暮らせているけれども、争っている国や
り継ぐ人たちも少なくなり、遠い昔の話
もたち、
と心から応援した
地域を無視していいのか?平和とは、一
のようになってきている今、やはり、子ど
い気持ちになりました。
人ひとりが幸せを感じることができる暮
で押し寄せているのではないか 。自分
らしを送ることではないのだろうか?そ
各学年の平和学習
のために今、
自分たちに何ができるので
あろうか?ある子どもは、戦争につなが
として、教師として、力のなさを感じてい
1・2年生…「おこりじぞう」
たとき、歌人正田篠枝さんの「太き骨は
3 年 生…「ちいちゃんのかげおくり」
平和集会
るような、小さな争いもなくしていきたい!
先生ならむ、
そのそばに小さきあたまの
4 年 生…「対馬丸」沖縄の戦争につ
7月14日の1時間目、厳粛な雰囲気の
と考えました。また、平和な世の中にす
中、児童会役員の司会により、平和集
るために、
自分の役割は、
この学びをま
この句から、過去をしっかりと見つめ学
5 年 生…「おじいちゃんの平和教室」
会が始まりました。64年前と同じように
た次へ つなげることだと決意を固める
ぶことは、先人の生き方を知り、そこか
6 年 生…「石臼のうた」
暑い朝、多くの命が一発の原子爆弾に
子どももいました。
骨あつまれり」の句碑に出会いました。
ようとしています。
学びの深まり
もたちにとって事実の風化はすぐそこま
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教育の学びの重さを深く感じ、広島に
そして、永遠に続く平和を願いました。
児童会の子どもたちに投げかけてみま
した。すると、
「僕たちにもできることが
合わされて、二つの大きなハートが完成
しました。その後 、みんなで黙 祷をし、
いての学習
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