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共鳴ラマン分光法

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共鳴ラマン分光法
Title
Author(s)
共鳴ラマン分光法
野口, 巧
Citation
Issue Date
2009-03-31
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/39183
Right
Type
bulletin (article)
Additional
Information
File
Information
67-068.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
4章
光測定
2. 光測定法
f.共鳴ラマン
野口
光法
巧웋
웗
共鳴ラマン
光法は,光合成試料中におけるクロロフィルやカロテノイドなどの色素の構造や相互作
用を調べるのに極めて有効な手法である.本稿では共鳴ラマンスペクトルの測定法と解析法について
解説する.
Res
onanc
eRamans
pec
t
ros
c
opy
TakumiNoguchi
Re
s
onanc
eRamans
pec
t
r
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c
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heme
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hodsofmeas
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ment
sand
aschl
or
ophyl
anal
ys
i
sofr
es
onanceRamans
pe
ct
r
aar
eexpl
ai
ne
d.
される双極子モーメントの強制振動に,
2.f.1 はじめに
子振動が重な
ることによる「うなり」の現象として理解することがで
子の振動スペクトルを測定する主な手法としては,
きる.入射光よりも小さい振動数の散乱光をストークス
光法の他に,ラマン
光法がある.共鳴ラマン法
散乱,逆に大きい振動数の散乱光をアンチストークス散
を用いることにより,多成
からなる光合成試料におい
乱と呼ぶ.常温では,
赤外
子はほとんど振動基底状態にあ
て,クロロフィルやカロテノイドなど,特定の色素のラ
るため,振動準位が一つ上に遷移するストークス散乱の
マンスペクトルを選択的に測定することができる.した
方が,アンチストークス散乱に比べて遥かに強い強度を
がって,蛋白質中の色素の構造や相互作用を,蛋白質や
持つ.そのため,通常は入射レーザー光よりも長波長側
水のバンドに妨害されることなく調べることが可能とな
る.赤外
光法と同様に,共鳴ラマン法が与える構造情
報は,水素結合構造など,X線結晶解析によって得られ
でラマン散乱を観測し,入射光の振動数からのシフト値
(ラマンシフト)を横軸にとってスペクトルを表示する.
ある
子の電子吸収帯と一致する波長の光を入射する
る情報と相補的なものを含んでおり,また微小な構造の
と,共鳴効果により,その電子遷移に共役する振動のラ
違いに敏感である.ラマン散乱の原理,及び測定法につ
マン散乱光が著しく増大する.これを共鳴ラマン散乱と
いては成書に詳しく述べられている웋
.ここでは,光合成
웗
呼ぶ(図 1
).共鳴ラマン法を用いると,蛋白質,脂質,
試料の共鳴ラマンスペクトルの一般的な測定法について
水など複合的な成
述べる.共鳴ラマン法の光合成系への応用については,
の振動スペクトルを,励起波長を変えることにより,選
過去に多くの
択的に測定することができる.光合成試料におけるラマ
説が出されているので,それらも参照さ
を持つ試料中において,特定の
子
ンスペクトル測定の対象は,ほとんどの場合,カロテノ
れたい워
.
욹
웑
웗
イドとクロロフィル・フェオフィチン類である.これら
の π電子共役系を持つ色素では,共役系に含まれる構造
2.f.2 共鳴ラマン散乱
部
の振動モードだけがスペクトル上に現れる.
光法では,物質に単色レーザー光を入射した
電子吸収帯に一致した励起光による真正共鳴ラマン散
ときの散乱光を観測する.
その散乱光の中には,
レーザー
乱に対し,それよりもやや長波長側の励起光によるラマ
光と同じ振動数を持つレイリー散乱の他に,
子振動の
ン散乱を前期共鳴ラマン散乱と呼ぶ(図 1
)
.この前期共
だけシフトしたラマン散乱光が存在している.
鳴条件でもある程度の共鳴効果が得られ,ラマン散乱光
ラマン散乱の原理は,定性的には,入射光によって誘起
の強度増大が見られる.よってスペクトルは,非共鳴ラ
ラマン
振動数
マン散乱とは異なり,やはり近くの電子遷移の性質を反
1)筑波大学
大学院数理物質科学研究科
物性・
子工
映したものとなる.
学専攻
2
00
9 低 温 科 学
vol
.
6
7
4
9
1
図 2:光合成試料に適したラマン散乱測定の試料部.(
液体
a)
試料用回転セル.(
)
b)クライオスタットによる試料凍結;(
i
傾斜石英ガラスセル,(
)直接マウント試料.
i
i
図 1:真正共鳴ラマン散乱と前期共鳴ラマン散乱.
色レーザー光ではカロテノイドも同時に励起してしまう
が,クロロフィルやフェオフィチンの構造情報を示す
マーカーバンド(4.
参照)はカロテノイドのバンドとほ
2.f.3 測定法
とんど重ならないため特に問題にはならない(図 2
)
.バ
ラマンスペクトルの測定系は,レーザー光源,試料部,
光器,検出器よりなる.光合成試料の共鳴ラマンスペ
クトルの測定は,紫外から近赤外にわたる広い波長領域
で行われる.
通常は
散型
ク テ リ オ ク ロ ロ フィル a の 場 合 に は,紫 外 域 に あ る
63.
8nm
Sor
e
tバンドを励起するため,Ar
울レーザーの 3
の発振線を用いる.
光器を用いて測定を行うが,
クロロフィル類の Qy帯への真正共鳴ラマン散乱は,
近赤外領域の測定においては,フーリエ変換(FT)赤外
強い蛍光によって妨害されるため,一般的には観測が困
光計を用いた FT ラマン法を用いることができる.こ
難である.しかし,光合成細菌の反応中心蛋白質などで
れは異なる原理の測定法であるため,他とは区別して述
は,
励起波長の選択とスペシャルペアの酸化状態により,
べることとする.
各コファクターの共鳴ラマンスペクトルを選択的に測定
2
.f
.
3
.1 レーザー光源
す る こ と が 可 能 で あ る웒
.ま た,SERDS(Shi
욹
웋
월
웗
f
t
e
d-
励起光として,Ar
울レーザー,Kr
울レーザー,HeCd
e
xc
i
t
at
i
onRamandi
f
f
e
r
enc
es
pe
c
t
r
os
c
opy)法によっ
レーザーなどの各発振線,及び波長可変の Ti
:
s
apphi
r
e
て,数 cm욹웋だけ異なる励起光を用いてラマン散乱を測
レーザーや色素レーザーからの光を用いることができ
定し,その差を計算して蛍光によるバックグラウンドを
る.目的とする色素の吸収帯に合わせて励起光を選択す
除去するという手法もしばしば用いられる웋
.これら
웋
웦
웋
워
웗
る.
の測定には,7
5
09
0
0nm に存在するバクテリオフェオ
カロテノイドの共鳴ラマンスペクトルの測定には,
フィチン及びバクテリオクロロフィルの Qy帯に合わせ
1
4
.
5または 48
8
.0nm の発振線が最も
Ar
울レーザーの 5
て,連続波長可変の Ti
:s
apphi
r
eレーザーや色素レー
よく用いられる.これらの波長領域にはクロロフィルの
ザーが用いられる.
吸収帯が存在しないため,その共鳴ラマン散乱の混入を
2
.
f.
3
.
2
防ぐことができる.
光器
ラマン散乱を測定する際に最も注意を要することは,
一方,クロロフィル・フェオフィチン類の測定には,
強いレイリー散乱光を除去して迷光を除くことである.
通常,Sor
e
t帯を励起するレーザー光を用いる.クロロ
そのために,以前は,ダブルモノクロメータやトリプル
フィルの種類によって Sor
e
t帯の位置はそれぞれ異な
モノクロメータを用いるのが一般的であったが,スルー
るので,用いる励起光もそれに合うものを用いる.クロ
プットが低くなるという欠点があった.現在では,ノッ
ロフィル a の場合には,He
.
6nm の
Cdレーザーの 441
チフィルターなどによってレイリー光を選択的に除去
発振線,フェオフィチン a には Kr
6.
7ま
울レーザーの 40
し,シングルモノクロメータで測定するという手法がよ
たは 41
3
.1nm の発振線などが用いられる.これらの青
く
4
92
われる.それぞれの励起光に対して基本的に別の
共鳴ラマン
光法
フィルターを用意しなければならないが,フィルターを
は,クロロフィル類に対しては前期共鳴条件となり,蛍
傾けることにより,若干カットオフ波長をシフトさせる
光による妨害を回避してラマン散乱を測定することがで
ことができる.
きる웋
.一方,カロテノイドのラジカルカチオンなどの
웍
웦
웋
웎
웗
2
.f
.
3
.3 検出器
ように,1000nm 付近に吸収帯をもつ
子種に対しては
検出器として光電子増倍管を用いる場合には,モノク
真正共鳴ラマン散乱の測定となる웋
.FT ラマン法は,光
웏
웗
ロメータをスキャンしてラマンスペクトルを測定する.
合成細菌の第一電子供与体バクテリオクロロフィルの水
近年では,
素結合状態の解析に有効に利用されている웋
.
원
웗
光器をポリクロメータとして用いて,高感
度 CCD検出器(c
har
gec
oupl
e
ddevi
c
e)によって広い
波数領域を一度に測定するのが一般的である.
2
.f
.
3
.4 試料部
2.f.4 スペクトル解析
光合成試料などで共鳴ラマンスペクトルを測定する際
共鳴ラマンスペクトルでは,共鳴条件にある特定の色
の注意は,レーザー光照射による色素および蛋白質試料
素の振動のうち,励起電子遷移に共役するもののみが観
の破壊,不活性化をなるべく防ぐことである.液体試料
測されるため,バンドの帰属は比較的容易である.励起
で測定する際には,回転セル(図 2a)を用いて試料を回
波長を変えて測定すれば各色素への帰属も容易に判断で
転させることにより,同じ試料に励起光が当たるのを避
き,同位体置換が必要になることもあまりない.ただし,
けるようにする.光吸収による試料温度の上昇を防ぐた
試料中に同じ吸収帯をもつ同種の色素が多数含まれてい
めには,冷 N욽ガスなどを回転セルに吹き付けて,試料を
る場合には,それらのラマンバンドが重なって現れる.
冷やすとよい.
よって,各コファクターを識別するためには,酸化還元
また,クライオスタットを用いて試料を凍結させるこ
とにより,試料を動かさなくとも,励起光による温度上
昇と試料の破壊を抑えることができる(図 2b)
.図 2b
電位を変えて活性種の割合を変化させ,その差スペクト
ルを測定するなどの工夫が必要となる.
各色素のラマンスペクトルは,抽出精製物として様々
(
)の様に,金属ホルダーに直接試料溶液を載せて凍結
i
i
な溶媒中で測定されており,構造情報を導き出すための
すれば,1
0μLくらいの少量の試料で測定が可能である.
マーカーバンドもほぼ確定している워
.以下に,クロロ
욹웑
웗
また,レーザー光を直接試料に照射できるので,ガラス
フィル a とカロテノイドについて,マーカーバンドとそ
セルからのラマン散乱の混入を避けることができる.
れから得られる情報について簡単に述べる.
2
.f
.
3
.5 波数較正
2
.f.
4
.
1 クロロフィル a
ラマンスペクトルの横軸は励起光からのラマンシフト
16
2
0
-1
5
10c
m욹
웋の領域には,クロリン環の C=C伸縮
で表わされるため,波数較正が必要となる.特に,CCD
振動が現れる.これらの振動の振動数は中心 Mgへの配
検出器を用いる際には,生データの横軸は素子のチャン
位数の違いによって変化するため,配位数を決めるマー
ネル数であるため,標準物質のラマン散乱を用いてスペ
カーとなる웋
.6配位構造においては,中心 Mgは環平面
웑
웗
クトルの較正を行う.標準物質としては,一般的なラマ
上に位置するが,5配位構造では第5配位子によって中
ン測定ではインデンが用いられる場合が多いが,クロロ
心 Mgが環平面から引き出された構造を取る.よって,
フィル類のマーカーバンドが現れる 160
0
-1
7
50c
m욹
웋の
5配位構造において環はより縮んだ状態となり,C=C
領域にバンドを持たないため,光合成試料に対する標準
伸縮振動の振動数は6配位の場合よりも高く現れる.3
としてはあまり有用とは言えない.アセトンや酢酸エチ
つの C=Cバンドが,それぞれ 16
20
15
9
0
,15
6
01
5
40
,
ルなど,この波数領域に C=O伸縮振動バンドを持つ溶
1
530
1
51
0c
6
00cm욹
m욹웋の領域に現れ,そのうち,1
웋付近
媒が有用である.標準溶媒のラマンスペクトルは成書웋
웗
のバンドが最も明確に配位数依存性を示す.5配位では
の付録に纏められているので利用するとよい.
1
6
20
1
60
0c
,6配位では 16
0
01
59
0cm욹웋にバンドが
m욹웋
2
.f
.
3
.6 フーリエ変換ラマン法
現れる.
近赤外励起のラマン散乱測定法として,FT ラマン法
が普及している.励起光としては Nd:YAGレーザーの
13
웋ケト C=Oはクロリン環の共役系に含まれている
ため,その伸縮振動は比較的強い強度を示す.1
71
0
16
4
0
1
06
4nm の発振線が主に用いられ,試料からの散乱光を
.水素結合相互作用が
c
m욹
웋の範囲にバンドが現れる웋
웒
웦
웋
웓
웗
フーリエ変換赤外
ない場合には,1
7
10
16
8
0c
m욹웋に振動数を示す.その際,
光計に導入し,そのスペクトルを観
測する.検出器としては,近赤外領域に感度を持つ,I
n-
C=O基が存在する環境の誘電率が高いほど,低い振動
GaAs検出器や Ge検出器などを用いる.この励起波長
数となる.水素結合を形成することにより,より低波数
2
00
9 低 温 科 学
vol
.
6
7
4
9
3
他のクロロフィル類に関しても,多少の振動数の違い
はあるものの,同様のマーカーバンドを用いてスペクト
ルを解釈することができる.
2
.
f.
4
.
2 カロテノイド
カロテノイドの共鳴ラマンスペクトルにおける顕著な
バンドは,1
60
0
-1
5
0
0c
30
0
11
0
0
m욹웋の C=C伸縮振動,1
c
m욹
웋に現れる CC(C=Cまたは CC)伸縮/CH 面内変
角振動,1
00
0cm욹웋付近の Me横揺れ振動,960cm욹
웋付近
に現れる C.
H 面外変角振動のバンドである워
월
웗
共役二重結合の長さが長いカロテノイド程,C=C結
合は低い振動数を持つ워
.これにより,ラマンスペクトル
웋
웗
からカロテノイドのポリエン鎖長をある程度推定するこ
とができる.しかし,溶媒や蛋白質環境の違いによって
も C=C振動数が変化するので注意が必要である워
.一
워
웗
般に,電子吸収バンドの波長と C=C伸縮振動数とは負
の相関があることが知られている.
12
0
0
-1
1
00c
m욹
웋の CC伸縮/
CH 変角領域には複数の
バンドが見られ,
そのバンドパターンからシス/
トランス
異性体を区別することが可能である원
.紅色光合成細菌
웦
워
웍
웗
の反応中心蛋白質に結合するカロテノイドが 15シス型
を持つことは,この CC/
CH マーカーによって明らかと
なり워
,後にX線結晶解析により確認された워
.
웎
웗
웏
웗
96
0cm욹웋付近の対称 CH 面外変角振動バンドの相対
強度により,ポリエン鎖の捻じれ構造を知ることができ
る(図 4
)
.ポリエン鎖が平面構造を取っている際に
워
원
웦
워
웑
웗
は,この振動モードはほとんど強度を示さないが,二重
結合に対して捻じれて対称性が崩れることにより,強い
図 3:光化学系쒀反応中心蛋白質の電子吸収スペクトル(A)
と共鳴ラマンスペクトル(B).共鳴ラマンスペクトル(B)は,
441
.
6nm(a)及び 4
06.7nm(b)励起によるもの.ラマン散
乱測定の試料温度は 8
5K.
ラマン強度を示すようになる.蛋白質に結合したときの
カロテノイドの捻じれ構造は,光合成細菌の光捕集系に
おけるカロテノイドからバクテリオクロロフィルへの一
重項励起エネルギー移動効率워
や,植物の LHCI
웑
웗
Iの非
光化学消光워
と関連付けて議論されている.
웒
웗
側にシフトし,通常は,16
8
0
-1
6
60c
m욹
웋にバンドを示す.
クロロフィル会合体において,ケト C=Oが別のクロロ
フィルの中心 Mgに直接配位すると,その伸縮振動は,
1
66
0
16
5
0c
m욹
웋に現れる.また,水との会合体において,
-HO(
C=OH)Mgのような架橋構造によって著しく
2.f.5 測定例:光化学系Ⅱ反応中心蛋白質の
共鳴ラマンスペクトル
光化学系쒀の反応中心蛋白質には,コファクターとし
強い水素結合が形成されると,1
6
5
01
6
40c
m욹
웋まで振動
て6
子のクロロフィル a と2
数がシフトする.
a ,2
子の βカロテン,1
1
3
워エステル C=Oは,共役環の近傍に存在している
子のフェオフィチン
子のチトクロム b 55
9が含
まれている.4
06
.
7nm と 4
41
.
6nm の励起光を用いて,
ため,弱いラマンバンドを示すことがある.ケト C=Oよ
クロロフィル及びフェオフィチンの Sor
et帯を励起し,
りも高い 1
75
0
17
1
0c
m욹
웋の振動数領域にバンドを示す
それらの共鳴ラマンスペクトルを測定する.
ため,ケト C=Oとの区別は容易である.水素結合の形成
励起光として,He(Ki
Cdレーザー
mmonI
K5
651
RG)
により,また,極性環境下おいて,より低波数側に振動
の4
4
1
.6nm,及び Kr
の4
06
.
7
울レーザー(I
nnova90
K)
数を持つことはケト C=Oと同じである.
nm の発振線を用いる.
4
94
共鳴ラマン
光法
3)B.
Robe
r
t
,Biochim. Biophys. Acta 1
0
1
7(
1
9
9
0
)p.
9
9
.
4)M.
Lut
z& W.Ma
썥nt
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l
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,Chl
or
ophyl
l
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d.H.
Scheer
,
CRC Pr
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aRot
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9
9
1
,p.
8
5
5
.
5)B.
Robe
r
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,Bi
ophys
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c
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nPhot
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9
9
6
,p.
1
6
1
.
6)Y.
Koyama& R.Fuj
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1
9
99
,p.
1
61
.
7)B.
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ThePhot
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eds
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9
9,p.
1
8
9.
8)V.
Pal
ani
appan,C.
C.
Sc
he
nc
k& D.F.
Boc
i
an,J. Phys.
図 4:紅色光合成細菌のクロマトフォアにおけるカロテノイ
ドの共鳴ラマンスペクトル(CH 面外変角振動領域)
.
(a)
omatium vinosum .CH 面
Rhodobactersphaer
oides(b)Chr
外変角振動バンドを矢印で示す.Rb. sphaer
oides の弱い CH
面外変角振動バンド,及び Ch. vinosum の強い CH 面外変角
振動バンドは,それぞれ,ポリエン鎖の平面,及び捩れ構造を
表す.
0mM Hepe
1
% dode
Hepes緩衝液(5
s
NaOH,0.
c
yl
5
)に懸濁した反応中心蛋白質(0
.2mg
mal
t
os
i
depH 7.
/mL)を石英ガラスセル(図 2b(i
))に入れ,クライ
Chl
オスタット(Oxf
5K にする.
or
dDN17
0
4)中で温度を 8
試料部において 1
5mW の強度のレーザー光をやや焦点
をぼかして照射し
(局所的な温度上昇を防ぐため)
,レー
ザー光に対して直角方向の散乱光を集光する.ノッチ
フィルター(Kai
)でレイリー
s
e
rOpt
i
calSys
t
e
ms
,I
nc
.
散乱を除去した後,シングル
光器に入射し,
光され
たラマン散乱光を CCD検出器(Pr
i
nce
t
onI
ns
t
r
ument
s
,
I
nc
.
,LN/
CCD1
1
00
PBUVAR)を用いて検出する.
図3のスペクトルが得られる워
.クロロフィル a の
웓
웗
41
.
6nm による励起では,クロロ
Sor
e
t帯と一致する 4
フィルと β-カロテンのバンドが,またフェオフィチン a
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.7nm の励起では,これらに加え
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t帯に近い 4
て,フェオフィチンのバンドが観測される.
参
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