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7 新発田農村整備部で農地法の許認可を担当して2年が過ぎた。地産

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7 新発田農村整備部で農地法の許認可を担当して2年が過ぎた。地産
新発田農村整備部で農地法の許認可を担当して2年が過ぎた。地産・地消、食育をはじめとする将来への
展望が語られる一方、食料自給率低下、農地の荒廃と担い手不足、農山村の限界集落の増加など日本の農業・
農村地域を取り巻く現実は厳しいと感じる。
そんな中、新発田地域の女性農業委員さんたちが中心となって、
「何をしようか、何ができるか……」あ
れこれと考え、行動していることに触れたので紹介したい。
雪の合間の青空が、そろそろ春かな……と思わせる2月28日。新発田市立天の原保育園の運動場で「おも
しろいお客様がきましたよー。」と園長先生が、お客様を子供たちに紹介した。
当日は週に一度の「子育て支援の日」ということで、地域のお母さんや子供たちも一緒で大勢集まった子
2月末、雪空をぬっ
た晴れ間の天の原保
育園
供たちは大騒ぎ。
さて、おもしろいお客様とは?
アンパンマンやジャムおじさん、
コメ太郎くんなど、ぬいぐるみや
お面を付けた「お米や野菜を作っ
ているおばさん」たちだ。
一週間ほど前、新発田市の農業
委員を務める井伊榮子さんから
「子供たちに、ごはんをもっと食
べてもらいたくて、女性メンバー
で、農閑期に保育園をまわって
チョットした寸劇をしているの」
と伺った。
何やら楽しそうな話。さっそく
農業委員会や保育園からご協力い
ただき、参加できることにしてい
ただいた。
コメ太郎君 チョッキ
には手作りの色々な食
べ物が
寸劇が始まった。アンパンマンとジャムおじさんが子供たちに質問する。
「みんな、パンは好きですかー!」
子供たち、声を揃えて「ハーイ」と返事。
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「おやっ」と感じませんか? みなさん。
普通なら「ご飯は好きですか?」なのだろうが、
パンときた。そこで、井伊さんがおばあちゃん姿で
登場。「でも、おじいちゃんやおばあちゃん達が子
供の頃は、パンは食べられなかったの。みんなでお
米をつくってご飯をたべていたのよ」とやさしく話
をした。続けて「お米はいろいろな食べ物に変身し
ま す。カ レ ー や お 寿 司。み ん な は 何 が 好 き で す
か?」
子供たち。大好きな料理を元気に答える。
チャーハン、おにぎり、おつゆ……「お汁? は
ちょっと違うねー。」少し吹き出した。
園児、保護者にあいさつする井伊新発田市農業委員
「ご飯の他にも、食べているものあるよね? それ
は『おかず』。みんなは嫌いなものはありますか?」
また、会場は大騒ぎ。人参・ピーマン、ねぎ……たくさん出てくる。
それから、四季を通じて地元新発田で取れる農産物が登場する。
春には青虫がキャベツを食べ、筍が伸び、特産のアスパラもぐんぐん伸びる。夏には色とりどりの野菜
……。田植えをして稲の花が咲き、収穫しておいしくお米を炊く。季節と旬の野菜と一緒に、稲の変化・収
穫そして食卓へまでを綴っていた。
さて、この寸劇では、いろいろな手作りの『食べ物のぬいぐるみ( ? )』が登場する。おにぎりの米太郎く
んと米子ちゃん。夏には着グルミのイチゴちゃん。秋には鈴なりのサツマイモ(もちろんぬいぐるみ)を元
気にみんなで引っこ抜き『イモ掘り』。
小道具とは言い難いほどの手作りのアイテム……「作り始めたらどんどんエスカレートしてしまった」と
いうが、様々なアイテムと一緒に、子供たちの中に入り、揉みくちゃになってどちらも楽しそうだ。
春。青虫がキャベツを食べる。キャベツは傘で
作ってあった
暖かくなり、筍とアスパラがぐんぐん伸びる
新鮮な感性の子供たちは、この寸劇を通じて、嫌いな人参やピーマンも大好きなイチゴも、故郷の風景や
季節と一緒のものとして食べ物について、楽しく触れ合い楽しんでいる。
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農閑期での活動とはいえ、忙しい中でも楽しそう
に活動しているおばちゃんたち。
きっと、会場の子供たちは食物や食べることを
『感じること』ができたと思う。
そして、子供たちが感じたことを、生活の中で刻
みこむための、地場農産品や季節の食材が盛り込ま
れた毎日の給食、家庭の食卓があって、豊かな『食
育』の取り組みになっていくと感じた。
元気に芋掘り。あまりに元気で芋が取れてしまった
農地法というと、どんなイメージだろう。『役所』『規制』『違反』『罰則』だろうか。
おそらく大半の皆さんがそうだと思う。しかし、最近はそうでもないと思うようになった。
農地法はその目的を第1条で次のように謳っている。
「この法律は、農地はその耕作者自らが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促
進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もっ
て耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的とする」
つまり、
「耕作者の農地取得や権利保護、その利用関係の調整は手段(役割)であって、その目的は、耕作者
の地位の安定と農業生産力を増進すること」ということだ。
農地法制定は昭和27年。戦後、圧倒的多くの小作農民は、農地改革で「自作農民」に変わり、農地法はそ
の『成果』を維持するため、多くの規制を盛り込み定められたと聞く。
維持するべき『成果』は、農業者が自信を持って、人間らしく生活し営農できる条件でないかと思う。
農業・農村を取り巻く環境が厳しい昨今、様々な政策が打ち出されているが、地域の農業関係者の方々の
苦労は大変なものだと感じる。
農業の発展には、生産基盤の確立はもちろんだが、農村集落の発展が無くては継続し得ない。生活基盤づ
くり、交流人口拡大のためのイベント、地域限定農産物(ご当地モノ)づくりなど、付加価値のある、消費
者とつながった生産者の創意工夫ある活動が不可欠だと思う。
先にご紹介した保育園での食育の取り組みは「新発田市農業者年金女性友の会」によるものだが、地元の
農業、農村を元気にする「目的」のため活動が始まった。出来ることで「役割」をきちんと果している。
農地法はその役割である『規制』をきちんと地域で保つ必要がある。けれども、その「役割」だけが強く
なってしまうと、時に目的に相反する判断をする可能性がある。
農業関係者の創意工夫ある活動の目的や地域で果す役割を良く理解し、その活動が成果あるものとなるよ
う、道を示す良きアドバイザーとしての仕事も必要だと思う。
農地法の『目的』と『役割』どちらにも適うよう仕事をすれば、きっとお堅い『お役所』ではなく、農村
や農家の心強い味方にイメージも少しずつ変わっていくと思う。
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