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平成 26 年度 秩父市経営方針(久喜プラン)〜新たな挑戦〜
平成 26 年度 秩父市経営方針(久喜プラン)〜新たな挑戦〜 秩 Ⅰ 父 市 長 はじめに 2020 年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まりました。国民は、 この吉報で落ち込んだ経済の立て直しに新たな期待を寄せています。しかし、国内の状 況を見直すと、東日本大震災からの復興がままならず被災地の悲痛な叫びが今なお続き、 福島原発事故の汚染水漏れも深刻さを増しています。国民生活でも消費税が 5%から 8%へと増税され、上がりかけた経済の再沈下や TPP 参加による地方経済への影響等、 懸念材料が多々あります。復興支援か、汚染水対策なのか、経済へのテコ入れなのか、 国の舵取りをすべき政府の軸足が定まっていないということが現状ではないでしょう か。 秩父市の状況をみると、人口減少に歯止めがかからず、市税は平成 24 年度決算で対 前年比約 2 億 9 千万円の減収であり、将来的にも減少していくと予想されます。加えて、 普通交付税については、合併特例措置の終了に向けて平成 28 年度から段階的に減額と なるため、特例措置が終了する平成 32 年度末には、総額約 18 億円もの減収が見込ま れています。このような厳しい状況下で、我々は、この「交付税ショック」という事態 を緩和するべく「聖域無き財政改革」を断行するとともに、新庁舎等の実施設計を終了 させ建設に向けて歩みだし、学校耐震化、インフラ整備、新火葬場建設、西武秩父線の 利用促進などの必要施策を確実に進めていかなければなりません。 1期目は前政権の積み残し施策をやり遂げ、さらなる課題にも取り組んで参りました。 2期目では、前述した国の状況、秩父市のおかれている現状を冷静に受け止め、輝く未 来の秩父市づくりの基盤を創り上げるため、平成 26 年度を「新たな挑戦」の年度とし て経営方針を策定しました。 まず、人口増加を全ての施策で目指すことを念頭に置き、特に雇用の場の確保、医療・ 福祉のさらなる充実、林業再生と再生可能エネルギーを含めた秩父市ならではの新たな 取り組み、おもてなし観光の強化に向け、軸足を明確に定めていくこととします。 そこで、職員は、人材教育の強化や市民から親しまれる窓口業務を行うとともに、積 極的に情報収集を行い、市財政の負担軽減のため国や県からの財源確保に努力し、市税 等の収納率を確実にアップさせることで歳入確保にも努めてください。また、常に費用 対効果を考え、事業実施には「選択」と「集中」を基本としてください。さらに、定住 自立圏構想をより充実させ、秩父地域全体の活性化を常に考えてください。 平成 26 年度はこの経営方針に従って、職員が一丸となり、全国から注目されるよう な秩父市の「新たな挑戦」のため、しっかりとした土台を築いて参りましょう。 1 Ⅱ 基本理念 ~豊かなまち、環境文化都市ちちぶ~ 市民との協働により、「日本一 しあわせなまち」へ Ⅲ 1 重点施策 〜人口増を目指す〜 雇用対策の強化 市民からの要望が最も多い雇用の促進について、引き続き企業誘致をはじめ、地元 企業の応援、FIND Chichibu との連携を強化する。また、高等学校・ハローワーク・ 企業と連携して雇用就労対策事業を実施し、若者の就労機会の拡大に取り組む。さら に、観光・森林等の地域資源の活用や特産品開発による新たな雇用の場の創出も検討 していく。 2 医療・福祉の充実 産科医療を充実させるとともに、医療機器の設備強化に努め、安心して住み続けら れるよう地域包括ケアシステムを確立する。そして、信頼される病院を目指し、市立 病院の黒字経営を継続する。また、健康診査の受診率向上に取り組み、市民の健康増 進を図る。 3 基礎学力の向上、知徳体の調和・慈しみ合う心の醸成 国や県の学力調査結果を十分に分析検討し、学校・家庭・地域が一体となって、基 礎学力の向上を図る。また、道徳教育と体育活動の充実を図り、豊かな心を育む教育 を行い、いじめ根絶に向け、学校が一丸となって取り組む。 4「環境立市ちちぶ」の更なる推進 秩父市に潜在する再生可能エネルギーを活用し、新たなエネルギー政策にいち早く 対応したエコタウンの推進に取り組む。また、広域森林組合と連携しながら、秩父市 の森林が蘇る、林業再生を目指す。 5 地域経済の活性化、第 6 次産業の確立と秩父銘仙の復活 定住自立圏を活用しながら、有害鳥獣対策を強固にして、生産意欲をかきたてる農 業施策を行う。また、地域の特産品による地域ブランドを確立し、姉妹都市交流を活 用しながら、全世界に秩父ブランドを売り出していく。併せて、秩父銘仙の復活を目 指す。 6 訪れたくなる秩父を目指して 新たな観光資源を整備、活用し、秩父地域おもてなし観光公社が中心となり、観光 2 客倍増を目指す。また、ミューズパークスポーツの森の運営改善に向けて取り組む。 7 安心・安全なまちづくりの推進 地域組織との協働などにより安心・安全に暮らせるまちづくりを目指す。 8 強いライフラインの確保 市民生活に必須となる水道等のライフラインや道路・橋梁などのインフラ整備、更 新について、計画的に取り組む。 9 特色を生かした魅力ある地域づくり それぞれの地域が有する特性や資源を活かした、魅力あるまちづくりを推進する。 10 より親しみやすい市役所づくり 信頼される職員の人材育成を行うとともに、親しみやすい窓口業務の提供に努める。 11 公共施設の見直し(ファシリティマネジメント)と適正な財源確保の推進 公共施設の在り方を検討し、地域の方々への説明責任を十分に果たしながら、施設 数や規模も含めた見直しを確実に実施し、計画的な管理運営を実現していく。 また、国や県からの財源確保に努力し、適正な受益者負担を求めるとともに、市税 等の収納率の向上に努め歳入確保を図る。 Ⅳ 1 平成 26 年度最重点事項 産科医療の確保・市立病院における最新医療機器の導入 秩父市立病院内に産科開設を目指す。また、高性能かつ心臓撮影にも適した CT 装 置(コンピュータ断層撮影装置)への更新により、検査環境の向上と循環器内科機能 の充実を図り、地域住民へ安心を提供する。 2 学力の向上と教育環境の整備 学力調査等の結果分析を強化し、課題を明確にしたうえで、未来の秩父市を担うこ どもたちの基礎学力向上に取り組む。また、継続して取り組んでいた学校施設の耐震 化工事を完了させ耐震化率を100%とする。 3 セメント跡地へのバイオプラント建設の推進 森林資源を活用した地産地消の持続可能なバイオエネルギーの循環システム構築 のため、バイオプラント建設について検討する。これにより、林業再興や雇用の場の 3 確保につなげていく。 4 秩父駅東側再開発と秩父まつり会館への誘客促進 地域活性化を図るため、秩父駅からセメント跡地へ続く秩父駅東側の再開発を検討 する。また、前年度からの継続事業として、本物を体験できる秩父まつり会館へのリ ニューアルにより、観光客数の増加を図る。 5 おもてなし観光の推進と西武秩父線の利用促進 秩父地域おもてなし観光公社の機能を強化し、多様化・個別化する観光ニーズに対 応した秩父地域観光圏の確立を目指すとともに、西武秩父線の利用促進にもつなげる。 6 ミューズパーク活性化の推進 運営体制の刷新のため新たな民間活力を導入し、より機能を充実させ、観光誘客を 促進する。 7 WHO推奨のセーフコミュニティの推進 平成27年度のセーフコミュニティ・セーフスクール認証取得を目指し、引き続き 取り組みを強化する。 8 市役所本庁舎等の建設 災害時の拠点となる機能を持つ市役所、地域文化の振興に資する(仮称)市民会館 ホールの平成 27 年度末完成へ向け建設に着手する。 9 水道事業の広域化の推進 安心・安全な水道水を安定供給するため、経営基盤の強化、効率的・効果的な運営 を目指し秩父圏域における水道事業の発展的広域化を推進する。 4