h24-4

４．定点把握対象感染症患者報告状況(月報)
（１）過去５年間の報告状況
疾患名
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
性器クラミジア感染症
198
145
172
147
133
性器ヘルペスウイルス感染症
87
77
93
83
106
尖形コンジローマ
63
48
60
44
58
淋菌感染症
51
37
31
37
19
性感染症報告数 小計
399
307
356
311
316
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
365
378
439
338
350
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
15
11
23
13
11
薬剤耐性緑膿菌感染症
3
7
11
2
5
－
－
353
366
薬剤耐性アシネトバクター感染症*）
薬剤耐性菌感染症報告数 小計
383
473
396
*）
平成２３年２月１日より定点把握疾患として追加された。
（２）性感染症患者報告状況
性感染症患者総報告数は 316 件、前年（311 件）とほぼ同数であり、過去 5 年間でも差は少なく毎年
300～400 件で推移している。また男女別では、男性 240 件、女性 76 件と、男性が女性の約 3 倍多く報告
され、疾患別でも、性器クラミジア感染症（42.1％）、性器ヘルペスウイルス感染症（33.5％）、尖形コ
ンジローマ（18.4％）、淋菌感染症（6.0％）の順に多く、毎年同様の傾向が見られている。
① 性器クラミジア感染症
年間報告数は 133 件と、前年（147 件）より約 10％減少した。年間を通じて報告されたが、男女別で
は、男性 116 件、女性 17 件と全体の約 9 割が男性であり、年齢別報告数では、20 歳代 33.1％、30 歳代
33.1％、40 歳代 20.3％と、20～40 歳代の報告が全体の 86.5％を占めた。
性器クラミジア感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
20
(件)
60
女
男
(件)
女
前年(男女計)
40
10
20
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
- 28 -
男
② 性器ヘルペスウイルス感染症
年間報告数は 106 件（男性 59 件、女性 47 件）であり、前年（93 件：男性 35 件、女性 48 件）に比べ
男性の報告数が約 70％増加した。また性感染症全体でみると、男性が女性の約 3 倍報告数が多くなって
いるが、本疾患は女性報告数の割合が他の疾患に比べ多かった。
年齢別では、20 歳未満からの報告は少なかったが、20～60 歳代の各年齢層とも 15～20 件とほぼ同じ
報告数であり、20 歳以上において年齢差はみられなかった。また、60 歳以上の報告数が 28 件と他の性
感染症と比較してこの年代に占める割合が高いが、高齢者では潜伏していたウイルスによる再発の可能
性も考えられる。
性器ヘルペスウイルス感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
20
女
男
30
前年(男女計)
(件)
女
15
男
20
10
10
5
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
③ 尖形コンジローマ
年間報告数は 58 件（男性 47 件、女性 11 件）であり、前年（44 件）に比べ約 30％増加した。本疾患
も性器クラミジア同様に男性が約 8 割と大半を占め、20～40 歳代の報告が全体の約 86％を占めた。
尖形コンジローマの月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
30
15
女
男
(件)
女
前年(男女計)
20
10
10
5
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
- 29 -
男
④ 淋菌感染症
年間報告数は 19 件、前年（37 件）の約半数に減少し、過去 5 年間減少傾向を示している。男女別では、
大半が男性の報告であり女性の報告は 1 件だけであった。
年齢層別では 20～40 歳代の報告が最も多く、20～30 歳代が全体の約 84％を占めた。
淋菌感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
(件)
10
10
女
男
前年(男女計)
女
男
7.5
8
5
5
2.5
3
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
（３）薬剤耐性菌感染症患者報告状況
薬剤耐性菌感染症の総報告数は 366 件であり、前年（353 件）とほぼ同数であった。過去 5 年間でも平
成 22 年（473 件）以外は 350～400 件で推移し、大きな変化は見られていない。疾患別でも同様に、メチ
シリン耐性黄色ブドウ球菌感染症が約 96％を占めた。
① メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
年間報告数は 350 件（男性 217 件、女性 133 件）あり、前年（338 件）と大きな変化はなかった。年齢
層別でも前年同様 60 歳以上からの報告が多く全体の約 84％を占め、各年齢層いずれも男性の報告が多か
った。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
(件)
60
女
男
前年(男女計)
45
300
女
200
30
100
15
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
- 30 -
男
②
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
年間報告数は 11 件（男性 7 件、女性 4 件）あり、前年（13 件）と比べ変化は見られなかった。年齢別
も前年同様に 10 歳未満（約 64%）と 70 歳以上（約 27％）の報告が多かった。
ペニシリン耐性肺炎球菌感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
(件)
4
女
男
10
前年(男女計)
女
男
8
3
6
2
4
2
1
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
③
薬剤耐性緑膿菌感染症
年間報告数は 5 件（男性 3 件、女性 2 件）あり、前年（2 件）からやや増加した。年齢層はすべて 70
歳以上であった。
薬剤耐性緑膿菌感染症の月別患者報告数と年齢別患者報告数
(件)
(件)
3
女
男
6
前年(男女計)
5
女
男
4
2
3
2
1
1
0
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
(月)
④
薬剤耐性アシネトバクター感染症
平成 23 年 2 月から新たに追加された疾患であり、平成 23、24 年とも報告がなかった。全国では 7 件
の報告が見られている。
- 31 -