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海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と

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海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と 海 外赴任と
と
任
赴
外
海
監修: 慶應義塾大学
名誉教授 南里清一郎
海外邦人医療基金
Japan Overseas Medical Fund
2016年8月改訂版
はじめに
MEMO
予防接種とは
一般財団法人海外邦人医療基金
現在の日本は、世界で最も衛生水準、医療水準の高い国の一つです。このような日本から、
欧米先進国へ行く場合、さほど問題ありませんが、発展途上国(以下、途上国)へ行く場合
には、種々の医療上の問題があります。特に感染症に関しては、途上国では感染源が多く、
「予防接種」とは、感染症を予防するために、病気を起こさないような弱い、または死んだ
個人予防対策である予防接種は重要です。先進国においても、特に、アメリカでは、集団生
病原体(抗原)を体内に入れ、その病気に対する抵抗力(抗体)を身体につけさせることで
活(幼稚園、小学校、中学校、高校、大学)に際しては予防接種は義務
(required)
となります。
す。ただし、
予防接種を受ければ、
その病気に決してかからないというわけではありません。
一般財団法人
海外邦人医療基金(Japan
Overseas Medical Fund)
予防接種に使われる病原体のことを「ワクチン」といいます。「予防注射」ということばを
目 次
○はじめに
1.予防接種とは……………………………………………… 2
2.日本の予防接種(小児)…………………………………… 3
(表1)日本の定期/任意予防接種スケジュール……… 4
3.米国の予防接種(小児・思春期)………………………… 5
(表2)米国の0~18歳の推奨予防接種スケジュール2016年…… 6
(表3)米国の成人の推奨予防接種スケジュール2016年…… 7
(表4-1)…中学高校入学時に NY 州法で義務付けられ…
ている予防接種(日本語版)……………………… 8
(表4-2)R
… EQUIREMENTS…MANDATED…BY…NEW…YORK…STATE…
JUNIOR…HIGH…SCHOOL…and…HIGH…SCHOOL…ENTRANCE…… 9
(表5)…Recommended…Immunization…Schedule…for…
Persons…Aged…0…Through…18…Years… ……… 10
(表6)…Recommended…Adult…Immunization…Schedule…… 11
4.日本と外国の予防接種の違い…………………………… 12
(表7)WHO 子どもワクチンスケジュール… ………… 12
① ワクチンの接種間隔
② 複数のワクチンの同時接種
③ 接種方法(皮下注射、筋肉注射)
④ 接種回数
(表8)小児のワクチン接種回数の日米の差… ………… 14
⑤ 外国にはあるが日本では承認されていないワクチン
⑥ 妊婦への予防接種
⑦ ワクチンの互換性
5.海外赴任に際し必要な予防接種(小児・成人)………… 16
(表9)成人の赴任先/赴任期間別推奨予防接種……… 23
参考資料…母子健康手帳英訳見本
予防接種証明の書き方…………………………………… 24
(表10)予防接種一覧……………………………………… 25
6.予防接種 Q…&…A… ………………………………………… 26
7.コラム……………………………………………………… 31
予防接種の情報収集におすすめのサイト…………………… 32
○参考資料
○おわりに
37
1
よく聞きますが、ワクチンは注射によって接種することが多いからです。ロタウイルスの生
1984年に外務省、厚生労働省(旧厚生省、労働省)の指導のもと、純民間の財
ワクチンは経口、BCG は日本では経皮接種です。
団法人として設立された。同年から労働福祉事業団(現在 労働者健康福祉機構)
ワクチンには、生ワクチン・不活化ワクチン・トキソイドなどがあります。
の委託を受け、海外巡回健康相談事業を展開。また、翌1985年には、シンガポ
生ワクチンは生きた病原体ですが、我々に病気を起こすことなく抵抗力だけをつけます。
ール日本人会診療所を設立し、邦人医師第1号の派遣を行った。1986年にはマ
生ワクチンは、ほとんど症状は出ませんが、本当に病気にかかった時と同じ様な状態になり、
ニラ日本人会診療所、90年ジャカルタ日本人医療相談室(現在はジャカルタ・
効果も高く、
1回接種すると長く抵抗力が続きます(図1)。以前、使用されていたポリオの
ジャパンクラブ医療相談室と改称)
、97年大連市中心医院医療相談室を開設。海
生ワクチンの場合、接種回数が多いのは、ポリオワクチンが1型、2型、3型の3種のウイ
外在留邦人の医療不安解消を目的に、
「(海外での)診療所や医療相談室の開設・
ルスを含んだ多価ワクチンであるためで、いずれのウイルスに対しても、抗体を獲得するに
運営援助」
「海外医療情報の収集・提供サービス」
「会員向け医療相談」
「海外在
は回数を必要とします
(図2)。2回接種
留邦人に対する巡回健康相談」
「海外医療従事者の日本研修」
「
(企業・健保組合
で3つのウイルスに対する免疫はある程
との健康診断委託契約に基づく)海外委託健康診断」などの事業を行なっている。
度獲得されますが、成人まで持続させる
2013年4月より一般財団法人に移行した。
には、
3回以上必要と考えられています。
不活化ワクチンやトキソイドは、死ん
だ病原体や無毒化した毒素を体内に入れ
抵抗力をつける方法です。生ワクチンに
〒105-0003 東京都港区西新橋2−4−2 西新橋安田ユニオンビル1階
比べると抵抗力のつきかたが弱く、持続
TEL:03-3593-1001
も短いので接種回数が多くなり、また、
FAX:03-3502-1229
何年かおきに追加接種の必要があります
URL ● http://www.jomf.or.jp/
(図3)
。
このように、予防接種にはその効果や
接種回数にいろいろ違いがあります。
途上国では、感染源が多いので感染症
予防対策として、個人予防対策である予
防接種を受けることが最も重要です。途
上国では、日本や先進国のように法律で
予防接種を定めるのではなく、個々の医
療機関(病院、診療所など)で、必要な
予防接種をすすめる国もありますので、
信頼できる所を選ぶ必要があります。
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2
はじめに
1
MEMO
予防接種とは
一般財団法人海外邦人医療基金
現在の日本は、世界で最も衛生水準、医療水準の高い国の一つです。このような日本から、
欧米先進国へ行く場合、さほど問題ありませんが、発展途上国(以下、途上国)へ行く場合
には、種々の医療上の問題があります。特に感染症に関しては、途上国では感染源が多く、
「予防接種」とは、感染症を予防するために、病気を起こさないような弱い、または死んだ
個人予防対策である予防接種は重要です。先進国においても、特に、アメリカでは、集団生
病原体(抗原)を体内に入れ、その病気に対する抵抗力(抗体)を身体につけさせることで
活(幼稚園、小学校、中学校、高校、大学)に際しては予防接種は義務
(required)
となります。
す。ただし、
予防接種を受ければ、
その病気に決してかからないというわけではありません。
一般財団法人
海外邦人医療基金(Japan
Overseas Medical Fund)
予防接種に使われる病原体のことを「ワクチン」といいます。「予防注射」ということばを
よく聞きますが、ワクチンは注射によって接種することが多いからです。ロタウイルスの生
1984年に外務省、厚生労働省(旧厚生省、労働省)の指導のもと、純民間の財
ワクチンは経口、BCG は日本では経皮接種です。
団法人として設立された。同年から労働福祉事業団(現在 労働者健康福祉機構)
ワクチンには、生ワクチン・不活化ワクチン・トキソイドなどがあります。
の委託を受け、海外巡回健康相談事業を展開。また、翌1985年には、シンガポ
生ワクチンは生きた病原体ですが、我々に病気を起こすことなく抵抗力だけをつけます。
ール日本人会診療所を設立し、邦人医師第1号の派遣を行った。1986年にはマ
生ワクチンは、ほとんど症状は出ませんが、本当に病気にかかった時と同じ様な状態になり、
ニラ日本人会診療所、90年ジャカルタ日本人医療相談室(現在はジャカルタ・
効果も高く、
1回接種すると長く抵抗力が続きます(図1)。以前、使用されていたポリオの
ジャパンクラブ医療相談室と改称)
、97年大連市中心医院医療相談室を開設。海
生ワクチンの場合、接種回数が多いのは、ポリオワクチンが1型、2型、3型の3種のウイ
外在留邦人の医療不安解消を目的に、
「(海外での)診療所や医療相談室の開設・
ルスを含んだ多価ワクチンであるためで、いずれのウイルスに対しても、抗体を獲得するに
運営援助」
「海外医療情報の収集・提供サービス」
「会員向け医療相談」
「海外在
は回数を必要とします
(図2)。2回接種 (図1)生ワクチン接種による抗体のでき方
留邦人に対する巡回健康相談」
「海外医療従事者の日本研修」
「
(企業・健保組合
で3つのウイルスに対する免疫はある程
との健康診断委託契約に基づく)海外委託健康診断」などの事業を行なっている。
度獲得されますが、成人まで持続させる
接種
抗 体
2013年4月より一般財団法人に移行した。
には、
3回以上必要と考えられています。
不活化ワクチンやトキソイドは、死ん
だ病原体や無毒化した毒素を体内に入れ
接種により増加した抗原量
抵抗力をつける方法です。生ワクチンに
〒105-0003 東京都港区西新橋2−4−2 西新橋安田ユニオンビル1階
(図2)ポリオ生ワクチン分割接種の意味
比べると抵抗力のつきかたが弱く、持続
TEL:03-3593-1001
も短いので接種回数が多くなり、また、
FAX:03-3502-1229
URL ● http://www.jomf.or.jp/
(図3)
。
1回目接種
抗 体
何年かおきに追加接種の必要があります
2回目接種
1型と3型の抗体
2型の抗体
このように、予防接種にはその効果や
接種回数にいろいろ違いがあります。
接種抗原量
途上国では、感染源が多いので感染症
予防対策として、個人予防対策である予
(図3)不活化ワクチン接種による抗体のでき方
防接種を受けることが最も重要です。途
予防接種を定めるのではなく、個々の医
初回
抗 体
上国では、日本や先進国のように法律で
2回目接種
3回目接種
追加接種
接種
療機関(病院、診療所など)で、必要な
予防接種をすすめる国もありますので、
信頼できる所を選ぶ必要があります。
1
37
接種抗原量
38
2
MEMO
日本の予防接種
平成6(1994)年に予防接種法の大改正が行われ、感染症の予防に関して社会防衛から個
2015年5月18日現在
2
MEMO
人防衛、即ち、集団接種から個別接種、義務接種から努力義務接種(国が勧奨し、子どもの
場合保護者が判断する)へと変わりました。
平成13(2001)年にインフルエンザワクチンが65歳以上の高齢者および60歳以上のハイリ
スク者に定期接種となり、定期接種は一類と二類に分類されました。
平成15(2003)年に小・中学生への BCG 接種が行われなくなり、平成17(2005)年には、
ツベルクリン反応検査を行わずに生後6カ月未満の乳児に BCG 接種が行われるようになり、
平成19(2007)年の結核予防法の廃止にともない、BCGは予防接種法に基づく定期接種と
して行われ、2013年4月から、生後1歳未満に接種されています。
4月からは麻しん風しん混合ワクチン(MR)が2回接種となりました。また、2008年~2013
年までは、中学1年生および高校3年生に MR ワクチンの接種が行われました。
任意接種としては、2008年から Hib(インフルエンザ菌 B 型)
、2009年から HPV(ヒト
パピローマウイルス)、2010年から肺炎球菌(7価結合型)
、2011年からはロタウイルスの
ワクチンが接種されるようになり、定期接種、任意接種を年齢相当に受ければ、世界のスタ
ンダードである米国方式に近づきました。2013年4月からは Hib、HPV、肺炎球菌(7価
結合型、2013年11月からは13価結合型)ワクチンは定期接種となりました。尚、2014年
10月からは、水痘、成人用肺炎球菌ワクチンが、定期接種となりました。B型肝炎ワクチン
は、2016年10月から0歳児の定期接種となります。
35
3
(表1)日本の定期 / 任意予防接種スケジュール(平成27年5月18日以降)
平成17(2005)年には日本脳炎の第Ⅲ期(14~16歳)が廃止されました。平成18(2006)年
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4
平成6(1994)年に予防接種法の大改正が行われ、感染症の予防に関して社会防衛から個
人防衛、即ち、集団接種から個別接種、義務接種から努力義務接種(国が勧奨し、子どもの
場合保護者が判断する)へと変わりました。
平成13(2001)年にインフルエンザワクチンが65歳以上の高齢者および60歳以上のハイリ
スク者に定期接種となり、定期接種は一類と二類に分類されました。
平成15(2003)年に小・中学生への BCG 接種が行われなくなり、平成17(2005)年には、
ツベルクリン反応検査を行わずに生後6カ月未満の乳児に BCG 接種が行われるようになり、
平成19(2007)年の結核予防法の廃止にともない、BCGは予防接種法に基づく定期接種と
して行われ、2013年4月から、生後1歳未満に接種されています。
4月からは麻しん風しん混合ワクチン(MR)が2回接種となりました。また、2008年~2013
年までは、中学1年生および高校3年生に MR ワクチンの接種が行われました。
任意接種としては、2008年から Hib(インフルエンザ菌 B 型)
、2009年から HPV(ヒト
パピローマウイルス)、2010年から肺炎球菌(7価結合型)
、2011年からはロタウイルスの
ワクチンが接種されるようになり、定期接種、任意接種を年齢相当に受ければ、世界のスタ
ンダードである米国方式に近づきました。2013年4月からは Hib、HPV、肺炎球菌(7価
結合型、2013年11月からは13価結合型)ワクチンは定期接種となりました。尚、2014年
10月からは、水痘、成人用肺炎球菌ワクチンが、定期接種となりました。B型肝炎ワクチン
は、2016年10月から0歳児の定期接種となります。
3
35
(表1)日本の定期 / 任意予防接種スケジュール(平成27年5月18日以降)
平成17(2005)年には日本脳炎の第Ⅲ期(14~16歳)が廃止されました。平成18(2006)年
MEMO
(国立感染症研究所ホームページ http://www.nih.go.jp/niid/ja/vaccine-j/2525-v-schedule.html より)
日本の予防接種
2015年5月18日現在
MEMO
36
4
3
参考資料
米国の予防接種
おわりに
この小冊子とあわせての活用をおすすめします。
WHO によれば途上国旅行者の約30%が下痢、約2%がマラリア、0.1~1.0%が A 型肝炎、
淋病、動物咬傷(狂犬病の可能性あり)
、B 型肝炎、0.01%が HIV 感染、以下、腸チフス、ポ
1995年に米国50州の予防接種スケジュールが初めて統一され、その後、予防接種諮問委員
●「海外生活における健康管理」
リオ、レジオネラ症、コレラなどが問題となっています。
会(ACIP)
、米国小児科学会(AAP)
、米国家庭医学会(AAFP)は合同で、小児・思春期の
外務省海外巡回医師団などで経験豊富な専門家により、各国の医療事情を含め様々な知識
感染症予防の最も確実な方法は、予防接種ですが、それに加え、予防接種を過信すること
推奨予防接種スケジュール(表2)を発表しています。日本と米国の最大の違いは、米国で
がわかりやすくまとめられています。2005年発行の初版に医学の進歩に合わせた加筆・修正
なく、
感染経路を遮断することです。小児の基本的な予防接種は WHO の EPI に基づいていま
は集団生活においては、生年月日
・現在の年齢により義務(required)となる予防接種に差が
を加え、随所に新規事項や重要な情報がコラムとして取り上げられています。これから渡航
すが、米国方式で行えば、世界に通用するものと考えます。成人においては、破傷風、A 型肝
ありますが、予防接種を決められたように受けていないと集団生活を拒否されることがあり
される方や駐在員や出張者を派遣する企業等に必携の一冊です。
炎、B 型肝炎は基本的に必要な予防接種です。それに加え、途上国では、黄熱、日本脳炎、狂
ます。アレルギーや免疫不全などの病気のために予防接種を受けられない場合、医師の証明
犬病、腸チフス、髄膜炎菌などが、小児、成人ともに必要な予防接種ということになります。
が必要となります。また、宗教的な理由により予防接種を拒否することはできますが、予防
慶應義塾大学名誉教授(元慶應義塾大学保健管理センター教授)
日本と外国では、色々と予防接種に関して相違点がありますが、小児に関しては日本の定
接種を受けていないと、受けていない病気が流行すると、集団生活が制限されることがあり
南里清一郎 編・著
期・任意接種を年齢相当に受け、成人に関しては、小児期に受けた予防接種の記録(記憶)
ます。一方、日本の場合、個人的な理由で予防接種を受けなくても集団生活をすることがで
2016年7月15日第三版発行
を参考に、基礎・追加接種を受けます。さらに、安全に海外生活を送るためには、それに加
きます。表4-1は、ニューヨーク州の日系の高校の2016年入学に際し、予防接種に関する文
定価 本体2,300円+税
えその国その国に合った予防接種を積極的に受けることです。海外では、デング熱の予防接
書を日本語に翻訳したものです。
発行発売 株式会社ライフマネージメント社 TEL
03-5637-0767 FAX 03-5637-0768
種が始まりました。
●「免疫手帳」
参考資料
いわばワクチン接種歴を記録するための専用記録簿です。大事な予防接種記録を渡航時に
・AAP:Red Book 30th Edition, 2015
携帯できる手軽なパスポートサイズで、海外渡航のみならず予防接種記録が必要な場合にも
・CDC:THE YELLOW BOOK, 2016
役立ちます。海外渡航時には保管に便利なパスポートサイズで、英語併記となっています。
・WHO:INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH,2015
・Dupont Steffen:Textbook of Travel Medicine and Health second edition,2001
・日本渡航医学会:海外渡航者のためのワクチンガイドライン2010,協和企画,2010
南里清一郎 監修
・岡部信彦、多屋馨子:予防接種に関するQ&A集2015,社団法人細菌製剤協会,2015
・
「小児内科」
・
「小児外科」編集委員会:予防接種 Q&A 改訂第3版、東京医学社,2013
2016年9月第三版発行予定
定価 本体1,000円+税
(表2)
発行発売 株式会社ライフマネージメント社 TEL 03-5637-0767 FAX 03-5637-0768
33
5
米国の0~18歳の推奨予防接種スケジュール2016年
慶應義塾大学名誉教授
34
6
IPV :lnactive Polio Vaccine(不活化ポリオワクチン)
Influenza:Influenza(インフルエンザ)
MMR :Measles(麻疹)
、Mumps(おたふくかぜ)
,Rubella(風疹)
Var :Varicella(水痘)
Hep A :Hepatitis A(A型肝炎)
Meningococal: 6週以上 Hib-MenCY、9カ月以上 MenACWY-D
2カ月以上 MenACWY-CRM
HPV :Human Papillomavirus(ヒトパピローマウイルス)
(2価、4価、9価)
表2、
表3一部改変 日本語訳
WHO によれば途上国旅行者の約30%が下痢、約2%がマラリア、0.1~1.0%が A 型肝炎、
①回
この小冊子とあわせての活用をおすすめします。
②
おわりに
19~ 2~3歳 4~6歳 7~10歳 11~12歳 13~15歳 16~18歳
23ヵ月
参考資料
米国の予防接種
3回
①
①
淋病、動物咬傷(狂犬病の可能性あり)
、B 型肝炎、0.01%が HIV 感染、以下、腸チフス、ポ
1995年に米国50州の予防接種スケジュールが初めて統一され、その後、予防接種諮問委員
●「海外生活における健康管理」
リオ、レジオネラ症、コレラなどが問題となっています。
犬病、腸チフス、髄膜炎菌などが、小児、成人ともに必要な予防接種ということになります。
が必要となります。また、宗教的な理由により予防接種を拒否することはできますが、予防
慶應義塾大学名誉教授(元慶應義塾大学保健管理センター教授)
日本と外国では、色々と予防接種に関して相違点がありますが、小児に関しては日本の定
接種を受けていないと、受けていない病気が流行すると、集団生活が制限されることがあり
南里清一郎 編・著
期・任意接種を年齢相当に受け、成人に関しては、小児期に受けた予防接種の記録(記憶)
ます。一方、日本の場合、個人的な理由で予防接種を受けなくても集団生活をすることがで
2016年7月15日第三版発行
を参考に、基礎・追加接種を受けます。さらに、安全に海外生活を送るためには、それに加
きます。表4-1は、ニューヨーク州の日系の高校の2016年入学に際し、予防接種に関する文
定価 本体2,300円+税
えその国その国に合った予防接種を積極的に受けることです。海外では、デング熱の予防接
書を日本語に翻訳したものです。
発行発売 株式会社ライフマネージメント社 TEL
03-5637-0767 FAX 03-5637-0768
種が始まりました。
●「免疫手帳」
参考資料
いわばワクチン接種歴を記録するための専用記録簿です。大事な予防接種記録を渡航時に
・AAP:Red Book 30th Edition, 2015
携帯できる手軽なパスポートサイズで、海外渡航のみならず予防接種記録が必要な場合にも
・CDC:THE YELLOW BOOK, 2016
役立ちます。海外渡航時には保管に便利なパスポートサイズで、英語併記となっています。
・WHO:INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH,2015
推奨なし
キャッチアップ
(追跡)
接種
①
①
毎年不活化①か②回
③
ハイリスクグループ
2回
④
④
③か④
④
③
Hep B :Hepatitis B(B型肝炎)
:Rotavirus(ロタウイルス)
、Rotarix2回、RotaTeg3回
RV
DTap :Diphtheria(ジフテリア)、Tetanus(破傷風)、
acellular Pertussis(無細胞型百日咳)
(破傷風)
、
(
d 減量ジフテリア)
、
ap
(減量無細胞型百日咳)
Tdap :T
:Hemophilus influenza type b(インフルエンザ菌b型)
Hib
PCV13 :Pneumococcal Conjugate Vaccine
(13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン)
PPSV23 :Pneumococcal Polysaccharide Vaccine
(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)
炎、B 型肝炎は基本的に必要な予防接種です。それに加え、途上国では、黄熱、日本脳炎、狂
ます。アレルギーや免疫不全などの病気のために予防接種を受けられない場合、医師の証明
②
ありますが、予防接種を決められたように受けていないと集団生活を拒否されることがあり
される方や駐在員や出張者を派遣する企業等に必携の一冊です。
②
すが、米国方式で行えば、世界に通用するものと考えます。成人においては、破傷風、A 型肝
毎年不活化または生①か2回
なく、
感染経路を遮断することです。小児の基本的な予防接種は WHO の EPI に基づいていま
は集団生活においては、生年月日
・現在の年齢により義務(required)となる予防接種に差が
を加え、随所に新規事項や重要な情報がコラムとして取り上げられています。これから渡航
⑤
感染症予防の最も確実な方法は、予防接種ですが、それに加え、予防接種を過信すること
1ヵ月 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 9ヵ月 12ヵ月 15ヵ月 18ヵ月
会(ACIP)
、米国小児科学会(AAP)
、米国家庭医学会(AAFP)は合同で、小児・思春期の
外務省海外巡回医師団などで経験豊富な専門家により、各国の医療事情を含め様々な知識
推奨予防接種スケジュール(表2)を発表しています。日本と米国の最大の違いは、米国で
がわかりやすくまとめられています。2005年発行の初版に医学の進歩に合わせた加筆・修正
③
③
③
②
②
②
①
①
①
②
②
・岡部信彦、多屋馨子:予防接種に関するQ&A集2015,社団法人細菌製剤協会,2015
①
南里清一郎 監修
米国の0~18歳の推奨予防接種スケジュール2016年
・日本渡航医学会:海外渡航者のためのワクチンガイドライン2010,協和企画,2010
①
推奨年齢
②
髄膜炎菌(ACWY)
ジフテリア、破傷風、百日咳
Tdap、7歳以上
ヒトパピローマウイルス
HPV2女性
HPV4、9男性、女性
A 型肝炎(Hep A)
不活化ポリオ(IPV)
18歳未満
インフルエンザ
麻疹、おたふくかぜ、風疹
(MMR)
水痘
①
髄膜炎菌 B
年齢
B 型肝炎
ロタウイルス(2回・3回)
ジフテリア、破傷風、百日咳
DTaP、7歳未満
インフルエンザ b 菌(Hib)
肺炎球菌(PCV13)
肺炎球菌(PPSV23)
(表2)
ワクチン
定価 本体1,000円+税
発行発売 株式会社ライフマネージメント社 TEL 03-5637-0767 FAX 03-5637-0768
出生
・
「小児内科」
・
「小児外科」編集委員会:予防接種 Q&A 改訂第3版、東京医学社,2013
2016年9月第三版発行予定
5
33
③
・Dupont Steffen:Textbook of Travel Medicine and Health second edition,2001
慶應義塾大学名誉教授
34
6
予防接種の情報収集におすすめのサイト
(表4-1)
中学高校入学時に NY 州法で義務付けられている予防接種
1回
外務省・在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
外務省・海外安全ホームページ // 感染症(新型インフルエンザ等)関連情報
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/
60~64歳
1回
1回
65歳以上
コラム
推奨なし
ハイリスクグループ
3回
推奨年齢
インフルエンザ b 菌
髄膜炎菌 B
髄膜炎菌(ACWY)
B 型肝炎
A 型肝炎
肺炎球菌(PPSV23)
肺炎球菌(PCV13)
帯状疱疹
ヒトパピローマウイルス(男性)
ヒトパピローマウイルス(女性)
水痘
破傷風、ジフテリア、百日咳
Td/Tdap、
インフルエンザ
麻疹、おたふくかぜ、風疹(MMR)
3回
19~21歳
年齢
ワクチン
米国の成人の推奨予防接種スケジュール2016年
(表3)
31
7
国立感染症研究所(NIID)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/
「感染症疫学センター」
(IDSC)のページでは、最新の予防接種スケジュールや「海外感染
症情報」
、
「人獣共通感染症」等各種感染症情報を見ることができます。
1~3回
2~3回
1回以上
1~2回
1回
1~2回
3回
22~26歳
3回
2~3回
CDC(米国疾病予防管理センター)
http://www.cdc.gov/
2回
Tdap を1回接種その後10年毎 Td
27~49歳
毎年1回
50~59歳
WHO(世界保健機関)
http://www.who.int/
国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター トラベルクリニック
http://www.travelclinic.ncgm.go.jp/
国立国際医療研究センター内のトラベルクリニック。感染症や予防接種、健康診断など海
外渡航にあたっての健康管理に関する情報を提供。
FORTH
http://www.forth.go.jp/
厚生労働省検疫所による海外渡航者向けの情報提供。
横浜市衛生研究所 横浜市感染症情報センター 疾患別情報 各国の予防接種
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/
国別予防接種情報。
世界の様子(国別生活情報)
http://www.jica.go.jp/regions/seikatsu/
国際協力機構(JICA)のサイト。食生活、衣料、住宅、教育、治安、緊急時の心得、出入
国及び帰国手続き等、途上国への赴任者にとって生活面における様々なカテゴリーの情報
が充実しています。
日本渡航医学会
http://www.jstah.umin.jp/
トラベルクリニック情報のコーナーに国内の予防接種機関が掲載されています。
(注)上記の URL および掲載情報は管理者の都合で変更される場合がありますのでご了承く
ださい。
32
8
7
コラム
◦ 麻疹(はしか)について
日本では、麻しん生ワクチンは、1969年から接種が開始され、1978年から幼児期
の定期接種となり、2006年から MR(麻しん風しん混合)ワクチンの2回接種です。
2008年から5年間のMRワクチンの時限措置(中1、高3に2回目接種)があります
ので、1990年以降の出生者は2回接種のチャンスがあります。2回接種の導入により、
国内発生の麻疹患者は激減しています。2015年3月に WHO により「麻疹排除」の認
定を受けました。一方で、海外では麻疹の流行はありますので、海外で感染した麻疹
患者(輸入麻疹)が問題となっています。
麻疹にかかった(診断が正しい場合)、麻しんワクチン2回接種している場合は、麻
疹の免疫はある(麻疹にかからない)と考えます。
麻疹にかかったかどうか不明、麻しんワクチン1回接種している場合は、麻しんワ
クチンの追加接種が必要です。
抗体検査により、免疫があるかないかは、わかります。抗体陰性、抗体陽性でも抗
予防接種の情報収集におすすめのサイト
(表4-1)
中学高校入学時に NY 州法で義務付けられている予防接種
外務省・在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
外務省・海外安全ホームページ // 感染症(新型インフルエンザ等)関連情報
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/
WHO(世界保健機関)
http://www.who.int/
CDC(米国疾病予防管理センター)
http://www.cdc.gov/
国立感染症研究所(NIID)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/
「感染症疫学センター」
(IDSC)のページでは、最新の予防接種スケジュールや「海外感染
症情報」
、
「人獣共通感染症」等各種感染症情報を見ることができます。
国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター トラベルクリニック
http://www.travelclinic.ncgm.go.jp/
国立国際医療研究センター内のトラベルクリニック。感染症や予防接種、健康診断など海
外渡航にあたっての健康管理に関する情報を提供。
体価が低い場合は、麻しんワクチン接種が必要です。
FORTH
http://www.forth.go.jp/
厚生労働省検疫所による海外渡航者向けの情報提供。
◦ 風疹について
横浜市衛生研究所 横浜市感染症情報センター 疾患別情報 各国の予防接種
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/
国別予防接種情報。
日本では、風しん生ワクチンは、1977年から女子中学生の定期接種として開始され、
1962年~1979年生まれまでは中学生で集団接種が行われました。1989年から幼児期
(男女)の定期接種となり、2006年からの2回接種、2008年から5年間の時限措置に
より、1990年以降の出生者は2回接種のチャンスがあります。
2013年の大流行により、先天性風疹症候群児の報告が増えています。海外では、風
しんワクチンが導入されていない国が多くありますので、数年おきに風疹の流行があ
ります。
風しんワクチン2回接種している場合、風しんの免疫はあると考えます。1回接種
の場合、風しんワクチンの追加接種が必要です。
風疹にかかった、不明の場合は、診断の間違い、不顕性感染が多いので、
抗体検査が必
要です。抗体陰性、抗体陽性でも抗体価が低い場合は、風しんワクチン接種が必要です。
世界の様子(国別生活情報)
http://www.jica.go.jp/regions/seikatsu/
国際協力機構(JICA)のサイト。食生活、衣料、住宅、教育、治安、緊急時の心得、出入
国及び帰国手続き等、途上国への赴任者にとって生活面における様々なカテゴリーの情報
が充実しています。
日本渡航医学会
http://www.jstah.umin.jp/
トラベルクリニック情報のコーナーに国内の予防接種機関が掲載されています。
(注)上記の URL および掲載情報は管理者の都合で変更される場合がありますのでご了承く
ださい。
風しんワクチン接種の世代背景としては、1990年以前出生の男性、女性、1979年
以前出生の男性の場合、抗体がないことが多い。風しんワクチン接種の最大の目的は、
先天性風疹症候群児の発生の予防です。
7
31
32
8
(表4-2)
7)Q.…B 型肝炎は日本方式では基礎接種に6カ月から1年かかりますが、3回目は外国で
REQUIREMENTSMANDATEDBYNEWYORKSTATE
受けていいのでしょうか?
JUNIORHIGHSCHOOLandHIGHSCHOOLENTRANCE
A.
日本も含め世界には色んな種類のワクチンがあります。要は回数が問題となり、互
8)Q.狂犬病ワクチンの種類や接種方法の日本と外国の違いは?
A.WHO 方式が世界のスタンダードですが、使用するワクチンや接種方法は国に
よって少しずつ違いがあります。
換性は確かめられてはいませんが、欧米製のメーカーのワクチンを併用しても問題
1.ワクチンの種類(HDCV・PCEC 組織培養不活化ワクチン)
ありません。日本では3回接種ですが、外国には2回接種や A 型 B 型混合ワクチン
①米国FDA
(Food and Drug Administration)が承認している狂犬病ワクチンと抗狂犬病
があります。米国の思春期の2回接種のワクチンは RECOMBIVAXHB のみです。
免疫グロブリン
ヘプタバックスⅡは、輸入なので一部海外のワクチンとの互換性が確認されていま
製品
分類
す。
日本および世界で発売されている B 型肝炎ワクチンのジェノタイプ
Variant
Manufacturer
ヘプタバックス-Ⅱ
adw
MSD
ビームゲン
adr
アステラス製薬
Vaccine
Variant
Manufacturer
RECOMBIVAX HB
adw
MSD(米国)
GenHevacB
adw
PMC(フランス)
HepavaxB-Gene
adr
KGC(韓国)
Engerix-B
adw
GSK(ベルギー)
adw
GSK(ベルギー)
Sanofi Pasteur
筋注
Novartis
筋注
Imogam Rabies-HT
Sanofi Pasteur
咬傷部位およびその
周辺に浸透させる。
残りは筋注する。
HyperRab S/D
Talecris
Biotherapeutics
咬傷部位およびその
周辺に浸透させる。
残りは筋注する。
精製ニワトリ胚細胞
ワクチン(PCEC)
化血研
皮下注
精製ニワトリ胚細胞ワク
チン
(PCEC)
(Rab Avert)
抗狂犬病免疫グロブ
リン
〈海外〉
Twinrix
(A 型・B 型混合)
投与方法
ヒト用狂犬病ワクチ ヒト2倍体細胞ワクチン
ン
(HDCV)
(Imovax)
〈日本〉
Vaccine
製造元
②日本
ヒト用狂犬病
ワクチン
③その他(一部途上国で使用、副反応強く使用不適当)
1)羊脳由来センプル型狂犬病ワクチン
2)乳のみマウス由来狂犬病ワクチン
2.ワクチンの代表的な接種スケジュール
HBs抗原には4つのサブタイプ(adw、adr、ayw、ayr)があり、わが国では
ad型が99%を占めています。サブタイプの異なるワクチンであっても、感染
防御に重要な共通抗原 a が含まれているので、他のサブタイプの HB ウイル
ス感染に対してもある程度の予防効果が期待されます。
接種日
0
3
7
14
21
28
90
Essen 法1) 筋注
1
1
1
1
0
1
(1)
日本法2)
1
1
1
1
0
1
1
2
0
1
0
1
暴露後免疫
皮下注
Zagreb法3) 筋注
(表5)
暴露前免疫
WHO 法
筋注
1
0
1
0
0
1
日本法
皮下注
1
0
0
0
0
14)
1)Essen 法:・90日は省略してもよい。
・0日は抗狂犬病免疫グロブリン(RIG)を筋注する。CDC では、RIG を
筋注した場合4回(0、3、7、14)接種としている。
2)日本法:・皮内-皮下併用法がある。
・日本には RIG はない。
3)Zagreb 法:・0日に左右の腕に1本ずつ(計2本)
4)日本法:・6~12カ月後に追加免疫。3回接種後、6カ月以内に咬まれた場合、0日、
3日の2回接種、それ以上であれば0日、3日、7日、14日、30日、90日の6回接種
が必要です。
(注)暴露後免疫(犬などに咬まれた後から接種)
暴露前免疫(犬などに咬まれる前に接種)
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REQUIREMENTSMANDATEDBYNEWYORKSTATE
受けていいのでしょうか?
JUNIORHIGHSCHOOLandHIGHSCHOOLENTRANCE
A.日本も含め世界には色んな種類のワクチンがあります。要は回数が問題となり、互
8)Q.狂犬病ワクチンの種類や接種方法の日本と外国の違いは?
A.WHO 方式が世界のスタンダードですが、使用するワクチンや接種方法は国に
よって少しずつ違いがあります。
換性は確かめられてはいませんが、欧米製のメーカーのワクチンを併用しても問題
1.ワクチンの種類(HDCV・PCEC 組織培養不活化ワクチン)
ありません。日本では3回接種ですが、外国には2回接種や A 型 B 型混合ワクチン
①米国FDA
(Food and Drug Administration)
が承認している狂犬病ワクチンと抗狂犬病
があります。米国の思春期の2回接種のワクチンは RECOMBIVAXHB のみです。
免疫グロブリン
ヘプタバックスⅡは、輸入なので一部海外のワクチンとの互換性が確認されていま
製品
分類
す。
日本および世界で発売されている B 型肝炎ワクチンのジェノタイプ
Variant
Manufacturer
ヘプタバックス-Ⅱ
adw
MSD
ビームゲン
adr
アステラス製薬
Vaccine
Variant
Manufacturer
RECOMBIVAX HB
adw
MSD(米国)
GenHevacB
adw
PMC(フランス)
HepavaxB-Gene
adr
KGC(韓国)
Engerix-B
adw
GSK(ベルギー)
adw
GSK(ベルギー)
Sanofi Pasteur
筋注
Novartis
筋注
Imogam Rabies-HT
Sanofi Pasteur
咬傷部位およびその
周辺に浸透させる。
残りは筋注する。
HyperRab S/D
Talecris
Biotherapeutics
咬傷部位およびその
周辺に浸透させる。
残りは筋注する。
精製ニワトリ胚細胞
ワクチン(PCEC)
化血研
皮下注
精製ニワトリ胚細胞ワク
チン
(PCEC)
(Rab Avert)
抗狂犬病免疫グロブ
リン
〈海外〉
Twinrix
(A 型・B 型混合)
投与方法
ヒト用狂犬病ワクチ ヒト2倍体細胞ワクチン
ン
(HDCV)
(Imovax)
〈日本〉
Vaccine
製造元
②日本
ヒト用狂犬病
ワクチン
③その他(一部途上国で使用、副反応強く使用不適当)
1)羊脳由来センプル型狂犬病ワクチン
2)乳のみマウス由来狂犬病ワクチン
2.ワクチンの代表的な接種スケジュール
HBs抗原には4つのサブタイプ(adw、adr、ayw、ayr)があり、わが国では
ad型が99%を占めています。サブタイプの異なるワクチンであっても、感染
防御に重要な共通抗原 a が含まれているので、他のサブタイプの HB ウイル
ス感染に対してもある程度の予防効果が期待されます。
接種日
0
3
7
14
21
28
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Essen 法1) 筋注
1
1
1
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0
1
(1)
日本法2)
1
1
1
1
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1
2
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0
1
暴露後免疫
皮下注
Zagreb法3) 筋注
(表5)
暴露前免疫
WHO 法
筋注
1
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1
0
0
1
日本法
皮下注
1
0
0
0
0
14)
http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/downloads/child/0-18yrs-combined-schedule-bw.pdf より転載
詳細は http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/child-adolescent.html を参照
(表4-2)
7)Q.…B 型肝炎は日本方式では基礎接種に6カ月から1年かかりますが、3回目は外国で
1)Essen 法:・90日は省略してもよい。
・0日は抗狂犬病免疫グロブリン(RIG)を筋注する。CDC では、RIG を
筋注した場合4回(0、3、7、14)接種としている。
2)日本法:・皮内-皮下併用法がある。
・日本には RIG はない。
3)Zagreb 法:・0日に左右の腕に1本ずつ(計2本)
4)日本法:・6~12カ月後に追加免疫。3回接種後、6カ月以内に咬まれた場合、0日、
3日の2回接種、それ以上であれば0日、3日、7日、14日、30日、90日の6回接種
が必要です。
(注)暴露後免疫(犬などに咬まれた後から接種)
暴露前免疫(犬などに咬まれる前に接種)
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10
所の硬結が1~2カ月続くことがありますが特に心配いりません。
② A 型肝炎(Hepatitis A)不活化ワクチン
② 全身症状
日本と外国の予防接種の違い
基礎接種3回:1回目-[2~4週]-2回目-[6~12カ月]-3回目
追加接種1回:5年以上
1)ワクチンの成分(保存剤、安定剤、抗生物質、アジュバントなど)に対するア
レルギー反応として、発熱、頭痛、発疹、倦怠感などがあります。接種後2日以
内に現れ、2~3日で軽快します。
2)生ワクチンの場合、接種したワクチンにより軽くかかった様な症状がでますが、
特に心配はいりません。その時に、他の人にうつることはありませんが、抵抗力
の弱い未熟児や免疫不全の人には接触しない方がいいでしょう。
・麻疹:接種6~10日後に、発熱、発疹を認めることがありますが2~3日で軽
快すれば心配いりません。
・風疹:接種7~14日後に頸部リンパ節腫脹、発疹、関節痛を認めることがあり
ますが、2~3日で軽快すれば心配いりません。
・おたふくかぜ:接種2~3週後に、耳下腺の腫脹を認めることがありますが、
2~3日で軽快すれば心配いりません。
快すれば心配いりません。
重篤なもの
① アナフィラキシー
[注]http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/downloads/adult/adult-schedule.pdf より転載
詳細は http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/adult.html を参照
・水痘:接種1~3週後に発熱・発疹を認めることがありますが、2~3日で軽
ワクチンの成分に対するアレルギー反応です。接種30分以内(遅くとも1時間)
に発症し、適切な治療を行わないと死に至ることがあります。
②
1)急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンなどで発症することがあります。
頻度は日本脳炎で100万回に1回程度といわれています。発症しても軽快するこ
とが多いのですが、重篤な結果となることもあります。
2)脳炎、脳症
何百万回に1回程度と非常にまれですが、発症すると重篤な結果となります。
3)Q.ガンマグロブリン投与または輸血後のワクチン接種は?
A.生ワクチンの場合は3カ月以降、ただしガンマグロブリン大量投与の場合6カ月以
降に接種する。不活化ワクチンの場合は、いつでも接種できます。
4)Q.海外赴任で必要な成人の日本で承認されている予防接種の接種間隔は?
A.破傷風、日本脳炎は基礎接種の有無で接種回数は異なります。A 型肝炎、B 型肝炎は
(表6)
血液検査〔A 型(抗体)、B 型(抗原、抗体)〕後に接種することがあります。
27
11
① 破傷風(Tetanus)、トキソイド(不活化ワクチン)
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~18カ月]
-3回目
追加接種1回:5~10年毎
③ B 型肝炎(Hepatitis B)不活化ワクチン
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~(12カ月)]-3回目
小児に関しては、どの国も表7に示すようにWHOの拡大予防接種計画(Expanded Pro 追加接種1回:1年以上
gramme on Immunization:EPI)に従って、
衛生水準・医療水準が低ければ低いほど接種開始
④ 狂犬病(Rabies)不活化ワクチン
年齢を早く、接種回数を多くすることが多く、また、その国の実情に合ったワクチンが追加
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~12カ月]-3回目
され、日本では、日本脳炎が追加されています。
変法 4回:1回目-
[1週]
-2回目-
[2~3週]
-3回目-
[12カ月]
-
日本は、衛生水準・医療水準とも高く、国民皆保険制度により治療費が安く、また予防接
4回目
種による健康被害が問題となり、以前は、諸外国に比べると接種開始年齢が、やや、遅く、
追加接種1回:適宜
接種回数も、やや、少ないようでした。しかし、近年の予防接種制度の改革により、定期・
⑤ 日本脳炎(Japanese Encephalitis)不活化ワクチン
任意接種を年齢相当に受ければ、世界標準(米国方式)に近づいています。小児の予防接種
基礎接種3回:1回目-[1~4週]-2回目-[12カ月]-3回目
に関しては、特殊な地域にのみ必要なワクチンを除けば米国方式で行っておけば世界のどこ
変法 4回:1回目-
[1週]
-2回目-
[3週]
-3回目-
[12カ月]
-4回
へ行っても間違いありません。
目
追加接種1回:3~4年毎
(表7)WHO 子どもワクチンスケジュール(拡大予防接種計画 EPI)
生後
生後
生後
9カ月
出生時
6週
10週
14週
5)Q.…麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘にかかったことのない人が、そのような病気の人
BCG
①
と接触した時の予防接種は?
ポリオ
①
②
③
④
A.麻疹、水痘に関しては、接触後72時間以内ならば予防接種は有効です。
DPT
①
②
③
風疹、おたふくかぜに関しては、その有効性は不明です。
麻疹
①
6)Q.…海外へ持って行く予防接種証明は、英語表記の母子健康手帳で有効でしょうか。別
B 型肝炎
①
②
③
途予防接種証明が必要でしょうか?
A.母子健康手帳を英訳して持っていくことをおすすめします。母子健康手帳の日本
①
語/外国語併記
(英語、中国語など9種)のものが母子保健事業団(TEL 03-4334ワクチンの接種間隔
1188、FAX 03-4334-1181)で入手できますので、それに転記してもよいでしょ
日本では、図4のように生ワクチン接種の場合は、ウイルスの干渉(先の生ワクチンが次
う。しかし、保護者が転記した場合は、医師のサイン等がないと認められないこと
の生ワクチンの免疫反応をじゃまする)や副反応の可能性を考え、27日以上間隔をあけ、不
もあります。また、赴任期間中に出産予定のある方は、これを持っていき、現地で
活化ワクチン接種の場合は副反応の可能性を考え6日以上間隔をあけ、次のワクチンを接種
記載してもらうことをおすすめします(P.23参照)。
します。生ワクチンと生ワクチンの接種間隔を27日以上にする必要はありますが、副反応の
ことに神経質にならなければ生ワクチンと不活化ワクチン、不活化ワクチンと不活化ワクチ
ンの場合、接種間隔を考える必要はありません。外国では、生ワクチンと生ワクチンの間隔
は27日以上ですが、それ以外は、接種間隔は特に気にしません。
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所の硬結が1~2カ月続くことがありますが特に心配いりません。
② A 型肝炎(Hepatitis A)不活化ワクチン
② 全身症状
日本と外国の予防接種の違い
基礎接種3回:1回目-[2~4週]-2回目-[6~12カ月]-3回目
追加接種1回:5年以上
1)ワクチンの成分(保存剤、安定剤、抗生物質、アジュバントなど)に対するア
レルギー反応として、発熱、頭痛、発疹、倦怠感などがあります。接種後2日以
内に現れ、2~3日で軽快します。
2)生ワクチンの場合、接種したワクチンにより軽くかかった様な症状がでますが、
特に心配はいりません。その時に、他の人にうつることはありませんが、抵抗力
の弱い未熟児や免疫不全の人には接触しない方がいいでしょう。
・麻疹:接種6~10日後に、発熱、発疹を認めることがありますが2~3日で軽
快すれば心配いりません。
・風疹:接種7~14日後に頸部リンパ節腫脹、発疹、関節痛を認めることがあり
ますが、2~3日で軽快すれば心配いりません。
・おたふくかぜ:接種2~3週後に、耳下腺の腫脹を認めることがありますが、
2~3日で軽快すれば心配いりません。
快すれば心配いりません。
重篤なもの
① アナフィラキシー
[注]http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/downloads/adult/adult-schedule.pdf より転載
詳細は http://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/adult.html を参照
・水痘:接種1~3週後に発熱・発疹を認めることがありますが、2~3日で軽
ワクチンの成分に対するアレルギー反応です。接種30分以内(遅くとも1時間)
に発症し、適切な治療を行わないと死に至ることがあります。
②
1)急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチンなどで発症することがあります。
頻度は日本脳炎で100万回に1回程度といわれています。発症しても軽快するこ
とが多いのですが、重篤な結果となることもあります。
2)脳炎、脳症
何百万回に1回程度と非常にまれですが、発症すると重篤な結果となります。
3)Q.ガンマグロブリン投与または輸血後のワクチン接種は?
A.生ワクチンの場合は3カ月以降、ただしガンマグロブリン大量投与の場合6カ月以
降に接種する。不活化ワクチンの場合は、いつでも接種できます。
4)Q.海外赴任で必要な成人の日本で承認されている予防接種の接種間隔は?
A.破傷風、日本脳炎は基礎接種の有無で接種回数は異なります。A 型肝炎、B 型肝炎は
血液検査〔A 型(抗体)、B 型(抗原、抗体)〕後に接種することがあります。
① 破傷風(Tetanus)、トキソイド(不活化ワクチン)
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~18カ月]
-3回目
追加接種1回:5~10年毎
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③ B 型肝炎(Hepatitis B)不活化ワクチン
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~(12カ月)]-3回目
小児に関しては、どの国も表7に示すようにWHOの拡大予防接種計画(Expanded Pro 追加接種1回:1年以上
gramme on Immunization:EPI)に従って、
衛生水準・医療水準が低ければ低いほど接種開始
④ 狂犬病(Rabies)不活化ワクチン
年齢を早く、接種回数を多くすることが多く、また、その国の実情に合ったワクチンが追加
基礎接種3回:1回目-[4週]-2回目-[6~12カ月]-3回目
され、日本では、日本脳炎が追加されています。
変法 4回:1回目-
[1週]
-2回目-
[2~3週]
-3回目-
[12カ月]
-
日本は、衛生水準・医療水準とも高く、国民皆保険制度により治療費が安く、また予防接
4回目
種による健康被害が問題となり、以前は、諸外国に比べると接種開始年齢が、やや、遅く、
追加接種1回:適宜
接種回数も、やや、少ないようでした。しかし、近年の予防接種制度の改革により、定期・
⑤ 日本脳炎(Japanese Encephalitis)不活化ワクチン
任意接種を年齢相当に受ければ、世界標準(米国方式)に近づいています。小児の予防接種
基礎接種3回:1回目-[1~4週]-2回目-[12カ月]-3回目
に関しては、特殊な地域にのみ必要なワクチンを除けば米国方式で行っておけば世界のどこ
変法 4回:1回目-
[1週]
-2回目-
[3週]
-3回目-
[12カ月]
-4回
へ行っても間違いありません。
目
追加接種1回:3~4年毎
(表7)WHO 子どもワクチンスケジュール(拡大予防接種計画 EPI)
生後
生後
生後
9カ月
出生時
6週
10週
14週
5)Q.…麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘にかかったことのない人が、そのような病気の人
BCG
①
と接触した時の予防接種は?
ポリオ
①
②
③
④
A.麻疹、水痘に関しては、接触後72時間以内ならば予防接種は有効です。
DPT
①
②
③
風疹、おたふくかぜに関しては、その有効性は不明です。
麻疹
①
6)Q.…海外へ持って行く予防接種証明は、英語表記の母子健康手帳で有効でしょうか。別
B 型肝炎
①
②
③
途予防接種証明が必要でしょうか?
A.母子健康手帳を英訳して持っていくことをおすすめします。母子健康手帳の日本
①
語/外国語併記
(英語、中国語など9種)のものが母子保健事業団(TEL 03-4334ワクチンの接種間隔
1188、FAX 03-4334-1181)で入手できますので、それに転記してもよいでしょ
日本では、図4のように生ワクチン接種の場合は、ウイルスの干渉(先の生ワクチンが次
う。しかし、保護者が転記した場合は、医師のサイン等がないと認められないこと
の生ワクチンの免疫反応をじゃまする)や副反応の可能性を考え、27日以上間隔をあけ、不
もあります。また、赴任期間中に出産予定のある方は、これを持っていき、現地で
活化ワクチン接種の場合は副反応の可能性を考え6日以上間隔をあけ、次のワクチンを接種
記載してもらうことをおすすめします(P.23参照)。
します。生ワクチンと生ワクチンの接種間隔を27日以上にする必要はありますが、副反応の
ことに神経質にならなければ生ワクチンと不活化ワクチン、不活化ワクチンと不活化ワクチ
ンの場合、接種間隔を考える必要はありません。外国では、生ワクチンと生ワクチンの間隔
は27日以上ですが、それ以外は、接種間隔は特に気にしません。
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特に報告はない
特に報告はない
3~4回接種後~約1年間 特に報告はない
5年以上
3年
5年
日本では、単独接種が基本だったので複数のワクチンを同時接種することは少なかったの
ですが、近年、乳児期の定期接種の増加により、同時接種が一般化しています。予防接種ガ
70~90%
有効率90%以上
ほぼ100%
有効率50%以上
有効率50~80%
有効率85~100%
抗体陽性率
イドラインには、
「あらかじめ混合されていない2種以上のワクチンについて、医師が必要と
ほぼ100%
90%以上
73~100%
有効率70%
70~90%
ほぼ100%
約85%
80%以上
ほぼ100%
95%以上
80~90%
95%以上
95%以上
90%以上
ほぼ100%
ほぼ100%
認めた場合には、同時に接種を行うことができる」と書いてあります。海外赴任に際しては、
80%
90%
90%
短期間で行う場合が多いので、同時接種が必要です。海外では広く同時接種が行われており、
2回接種(12~15カ月、18~23カ月)
基礎免疫:接種回数、完了期間
① 生ワクチン、生ワクチンの同時接種可
3回、1年
3回、6月
4回、6日
1回
3回、1年
1回接種
⑥ 異なるワクチンを1本の注射器に吸い混合しての接種不可
4回、1年3月
1年6月
3回、6月
3カ月毎に1回
2回、6月
4回、1年6月
3回、6~12月
⑤ 腸チフス(経口生)、ポリオ(経口生)の同時接種不可
4回、1年6月
3回①1~6週②1~6週
2回①1~6週②
④ コレラ(注射不活化)接種3週間以内の黄熱接種不可
2回(13歳以上1回)、4週
2回接種(1~2歳、5~7歳)
2回接種(1~2歳、5~7歳)
1回接種
2回接種(1~2歳、5~7歳)
2回接種(国内では中止)
② 生ワクチン、不活化ワクチンの同時接種可
③ 不活化ワクチン、不活化ワクチンの同時接種可
接種可能年齢
1回
1回
1回
1回
4回
4回
4回
4回
⑦ 異なる部位に個別に接種する、同じ上腕なら、Red Book*によれば1インチ(2.54cm)
以上間をあける、3種類であれば、3回接種する
コンジュゲートワクチン
不活化ワクチン
肺炎球菌(PCV13)
ダニ媒介性脳炎*
1歳
2歳
2カ月
2カ月
結合型ワクチン
ポリサッカライドワクチン
インフルエンザ b 菌
6カ月
2歳~55歳
2歳
肺炎球菌(PPSV)
不活化ワクチン
生ワクチン
生ワクチン
生ワクチン
生ワクチン混合
生ワクチン混合
不活化ワクチン
接種方法(皮下注射、筋肉注射)
不活化ワクチン
生ワクチン(皮内)
トキソイド
不活化ワクチン
トキソイド
トキソイド+不活化混合
血漿由来/遺伝子組み替え
Ty21a * 生ワクチン(経口)
ViCPS * 多糖体ワクチン
不活化ワクチン
ヒト免疫グロブリン
ポリオ経口生 (OPV) 生ワクチン(経口)
Salk ワクチン(IPV) 不活化ワクチン
コレラ(経口不活化)
死菌トキソイド混合(経口)
WC/rCTB *
ワクチンの種類
③
髄膜炎菌 メナクトラ(MCV4) コンジュゲートワクチン
MPSV4* ポリサッカライドワクチン
健康被害が生じた時の救済に関し問題点があります。
3カ月
3カ月
3カ月
3カ月
1歳未満
6歳
2歳
2カ月
全年齢
全年齢
3カ月
2カ月
12カ月
6カ月
12カ月
12カ月
12カ月
12カ月
12カ月
全年齢
2~5歳
6歳以上
9カ月
法律的な問題ですが、定期接種・任意接種・国内未承認ワクチンの同時接種に関しては、
*米国小児科学会により編集された小児感染症の手引き
皮下注射の部位としては、日本では、上腕外側下3分の1部、上腕外側上3分の1部ですが、
海外では、乳児では大腿部、年長児(1歳以降)
・成人では、主に、上腕三角筋部に行われます。
1)Q.同じワクチンで接種間隔があきすぎた場合
筋肉注射の部位としては、大腿四頭筋前外側部、上腕三角筋部ですが、乳児では、大腿四
A.日本で問題となるのは、DPTと日本脳炎です。ポリオはあきすぎても問題ありませ
頭筋外側前部、年長児・成人では、上腕三角筋部に行われます。小児では、臀部に行っては
ん。
いけません。
その他、狂犬病ワクチンは皮内接種で行われることもあり、
BCG 接種は日本では経皮接種
① DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)
です。現在日本では行われていませんが、痘そうは多刺法により圧迫接種します。
ⅰ)Ⅰ期1回のみ接種の人は
4週間隔で2回接種し、その後通常の追加接種1回(計4回)
④
ⅱ)Ⅰ期2回のみ接種の人は
接種回数
◦6カ月未満の場合 3回目を接種し、
その後通常の追加接種1回
(計4回)
◦6カ月以上の場合 追加接種1回(計3回)
(表8)小児のワクチン接種回数の日米の差
ワクチン ⅲ)Ⅰ期3回のみ接種の人は
日本
米国
通常の追加接種1回(計4回)、
但し年齢が7才半以上なら
DT のみでよい
DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風混合)
4回
(DPT-IPV、DPT) 5回(DTaP)
DT(ジフテリア、破傷風混合)
1回
1回(Tdap)
② 日本脳炎
ポリオ(IPV)
4回(不活化)
4回(不活化)
ⅰ)Ⅰ期1回のみ接種の人は
麻疹・風疹
2回
2回
MMR
◦1年未満の場合 1回接種し、その後通常の追加接種1回(計3回)
おたふくかぜ
2回(任意)
2回
◦1年以上2年未満の場合
BCG
1回
1回(ハイリスク群)
・1回接種し、その1~4週後に追加接種1回(計3回)
日本脳炎
4回
3回(任意)
・1回接種し、その後通常の追加接種1回(計3回)
水痘
2回
2回
◦2年以上 Ⅰ期の通常通りの3回接種(計4回)
母キャリア
3回
3回
B 型肝炎 ⅱ)Ⅰ期2回のみ接種の人は
母非キャリア
3回(任意)*
3回
追加接種1回(計3回)
インフルエンザ菌
b 型(Hib)
4回
4回
肺炎球菌(PCV)
4回
4回
(注)アメリカ合衆国では、気づいた時点から、通常の接種間隔で、通常の接種回数
ロタウイルス(1価、5価)
(2回、3回)
(2回、3回)
を行なっています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)
3回
3回(2価女性、
4価、
(2価、4価、9価)
9価女性・男性)
2)Q.副反応に関する家庭での対処法および接種後どれくらいで起こるのか?
A.
⑤
症 状
*2016年10月から0歳児の定期接種になります(P.18参照)
。
対処法
① 発赤・腫脹・硬結(しこり) 経過観察、冷湿布
外国にはあるが日本では承認されていないワクチン
副反応には、局所反応と全身反応があり、軽いものと、重篤なものがあります。通
③ 腸チフス
生ワクチン
には、DPT、DT、A型肝炎(外国製)
、B型肝炎などがあります。アルミニウム塩を含むワク
生ワクチン
ます。アジュバントの一つにアルミニウム塩がありますが、アルミニウム塩を含むワクチン
② 発熱
① コレラ(経口不活化)
③ 発疹
② ダニ媒介性脳炎
A型肝炎
ヒト免疫グロブリン
(表10)予防接種一覧
ワクチンには、その効果を高めるためにアジュバントというものが添加されたものがあり
25
13
予防接種 Q & A
皮下注射、米国では筋肉注射です。
不活化ワクチン
1日に何種類接種してもかまいませんが、以下のようなルールがあります。
6
麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘は日米ともに皮下注射です。インフルエンザは日本では
*:未承認、個人輸入により接種可能な医療機関あり
**:2016年7月11日から有効期限が永年。既に取得済の証明書(期限切れの証明書を含む。)については7月11日から自動的に有効期限が永年。更新手続不要。
***:国内では、1989年4月~1993年迄定期接種
特に報告はない、2歳未満は避ける
場合一般に足に筋肉注射をします。
生 ワ ク チ ン
5年以上
ギランバレー症候群
特に報告はない(ギランバレー症候群既往者に注意)
特に報告はない
3~5年
5年
2回接種後1週~1年
6日以上
特に報告はない
2回接種後~約10年間
2回接種後~6から12カ月 特に報告はない
特に報告はない
2回接種後~5年以上
特に報告はない
2カ月後~10年以上
最終接種~5年
2週後~3年以上
不活化ワクチン
複数のワクチンの同時接種
数日~10年以上
腋下リンパ節腫脹、局所の潰瘍
特に報告はない
接種後2カ月~5年以上
特に報告はない、2~8℃で保存
特に報告はない
特に報告はない、1歳以上の接種推奨
特に報告はない
接種後1カ月~5年
投与直後~3カ月未満
弛緩性麻痺
特に報告はない
帯状疱疹
生 ワ ク チ ン
接種後4週~数年
4回目接種後~5年以上
10日後~10年以上
4週後~10年以上
2から3週後~数年以上
特に報告はない
3回接種後~6から18カ月 特に報告はない
有 効 期 間
②
10日後~10年以上**
生 ワ ク チ ン
27日以上
接種後2週間~1から4年 急性散在性脳脊髄炎(疑い)
脳炎、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
特に報告はない
無菌性髄膜炎
麻疹・風疹に準ずる
無菌性髄膜炎、1993年4月中止***
重篤な副反応、補足
4カ月以下の者では脳炎
(図4)異なるワクチンの接種間隔
冷却、解熱薬使用
経過観察
インフルエンザ
ジフテリア
百日咳
破傷風
DPT-IPV
B型肝炎
腸チフス 日本脳炎
軽いもの
⑤ DPT・ポリオ・B 型肝炎混合
麻疹
風疹
おたふくかぜ
MR
MMR *
常不活化ワクチン・トキソイドは1週間以内、生ワクチンは4週間以内に起こります。
④ MMR
は、筋肉注射が行われますが、日本では皮下注射が一般的です。日本で筋肉注射を嫌うのは、
ワクチン名
チンに関しては皮下に注射すると副反応(発赤、硬結など)が起こりやすい理由で、米国で
BCG
水痘
現れ、2~3日で軽快します。アジュバントを含む
DPT、DT、B 型肝炎などは、局
⑦ DPT・ポリオ・インフルエンザ菌
b 型混合
狂犬病
①
局所反応は、局所の発赤、腫脹、疼痛、掻痒感などがあります。接種後、すぐに
⑥ DPT・インフルエンザ菌
b 型混合
腿外側広筋(足)という場所に筋肉注射すれば、特に問題は起こりません。外国では小児の
黄熱
以前、筋肉注射による大腿四頭筋拘縮症という問題があったからではないかと思います。大
26
14
麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘は日米ともに皮下注射です。インフルエンザは日本では
特に報告はない
特に報告はない
3~4回接種後~約1年間 特に報告はない
5年以上
不活化ワクチン
3年
5年
日本では、単独接種が基本だったので複数のワクチンを同時接種することは少なかったの
ですが、近年、乳児期の定期接種の増加により、同時接種が一般化しています。予防接種ガ
70~90%
有効率90%以上
ほぼ100%
有効率50%以上
有効率50~80%
有効率85~100%
抗体陽性率
イドラインには、
「あらかじめ混合されていない2種以上のワクチンについて、医師が必要と
ほぼ100%
90%以上
73~100%
有効率70%
70~90%
ほぼ100%
約85%
80%以上
ほぼ100%
95%以上
80~90%
95%以上
95%以上
90%以上
ほぼ100%
ほぼ100%
認めた場合には、同時に接種を行うことができる」と書いてあります。海外赴任に際しては、
80%
90%
90%
短期間で行う場合が多いので、同時接種が必要です。海外では広く同時接種が行われており、
2回接種(12~15カ月、18~23カ月)
1日に何種類接種してもかまいませんが、以下のようなルールがあります。
基礎免疫:接種回数、完了期間
① 生ワクチン、生ワクチンの同時接種可
3回、1年
3回、6月
4回、6日
1回
3回、1年
1回接種
⑥ 異なるワクチンを1本の注射器に吸い混合しての接種不可
4回、1年3月
1年6月
3回、6月
3カ月毎に1回
2回、6月
4回、1年6月
3回、6~12月
⑤ 腸チフス(経口生)、ポリオ(経口生)の同時接種不可
4回、1年6月
3回①1~6週②1~6週
2回①1~6週②
④ コレラ(注射不活化)接種3週間以内の黄熱接種不可
2回(13歳以上1回)、4週
2回接種(1~2歳、5~7歳)
2回接種(1~2歳、5~7歳)
1回接種
2回接種(1~2歳、5~7歳)
2回接種(国内では中止)
② 生ワクチン、不活化ワクチンの同時接種可
③ 不活化ワクチン、不活化ワクチンの同時接種可
接種可能年齢
1回
1回
1回
4回
4回
4回
4回
1回
⑦ 異なる部位に個別に接種する、同じ上腕なら、Red Book*によれば1インチ(2.54cm)
以上間をあける、3種類であれば、3回接種する
1歳
コンジュゲートワクチン
肺炎球菌(PCV13)
不活化ワクチン
2歳
2カ月
2カ月
結合型ワクチン
ポリサッカライドワクチン
インフルエンザ b 菌
6カ月
2歳~55歳
2歳
肺炎球菌(PPSV)
不活化ワクチン
生ワクチン
生ワクチン
生ワクチン
生ワクチン混合
生ワクチン混合
不活化ワクチン
接種方法(皮下注射、筋肉注射)
不活化ワクチン
トキソイド
不活化ワクチン
トキソイド
トキソイド+不活化混合
生ワクチン(皮内)
血漿由来/遺伝子組み替え
Ty21a * 生ワクチン(経口)
ViCPS * 多糖体ワクチン
不活化ワクチン
ヒト免疫グロブリン
ポリオ経口生 (OPV) 生ワクチン(経口)
Salk ワクチン(IPV) 不活化ワクチン
コレラ(経口不活化)
死菌トキソイド混合(経口)
WC/rCTB *
ワクチンの種類
③
髄膜炎菌 メナクトラ(MCV4) コンジュゲートワクチン
MPSV4* ポリサッカライドワクチン
健康被害が生じた時の救済に関し問題点があります。
3カ月
3カ月
3カ月
3カ月
1歳未満
6歳
2歳
2カ月
全年齢
全年齢
3カ月
2カ月
12カ月
6カ月
12カ月
12カ月
12カ月
12カ月
12カ月
全年齢
2~5歳
6歳以上
9カ月
法律的な問題ですが、定期接種・任意接種・国内未承認ワクチンの同時接種に関しては、
*米国小児科学会により編集された小児感染症の手引き
皮下注射の部位としては、日本では、上腕外側下3分の1部、上腕外側上3分の1部ですが、
海外では、乳児では大腿部、年長児(1歳以降)
・成人では、主に、上腕三角筋部に行われます。
1)Q.同じワクチンで接種間隔があきすぎた場合
筋肉注射の部位としては、大腿四頭筋前外側部、上腕三角筋部ですが、乳児では、大腿四
A.日本で問題となるのは、DPTと日本脳炎です。ポリオはあきすぎても問題ありませ
頭筋外側前部、年長児・成人では、上腕三角筋部に行われます。小児では、臀部に行っては
ん。
いけません。
その他、狂犬病ワクチンは皮内接種で行われることもあり、
BCG 接種は日本では経皮接種
① DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)
です。現在日本では行われていませんが、痘そうは多刺法により圧迫接種します。
ⅰ)Ⅰ期1回のみ接種の人は
4週間隔で2回接種し、その後通常の追加接種1回(計4回)
④
ⅱ)Ⅰ期2回のみ接種の人は
接種回数
◦6カ月未満の場合 3回目を接種し、
その後通常の追加接種1回
(計4回)
◦6カ月以上の場合 追加接種1回(計3回)
(表8)小児のワクチン接種回数の日米の差
ワクチン ⅲ)Ⅰ期3回のみ接種の人は
日本
米国
通常の追加接種1回(計4回)、
但し年齢が7才半以上なら
DT のみでよい
DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風混合)
4回
(DPT-IPV、DPT) 5回(DTaP)
DT(ジフテリア、破傷風混合)
1回
1回(Tdap)
② 日本脳炎
ポリオ(IPV)
4回(不活化)
4回(不活化)
ⅰ)Ⅰ期1回のみ接種の人は
麻疹・風疹
2回
2回
MMR
◦1年未満の場合 1回接種し、その後通常の追加接種1回(計3回)
おたふくかぜ
2回(任意)
2回
◦1年以上2年未満の場合
BCG
1回
1回(ハイリスク群)
・1回接種し、その1~4週後に追加接種1回(計3回)
日本脳炎
4回
3回(任意)
・1回接種し、その後通常の追加接種1回(計3回)
水痘
2回
2回
◦2年以上 Ⅰ期の通常通りの3回接種(計4回)
母キャリア
3回
3回
B 型肝炎 ⅱ)Ⅰ期2回のみ接種の人は
母非キャリア
3回(任意)*
3回
追加接種1回(計3回)
インフルエンザ菌
b 型(Hib)
4回
4回
肺炎球菌(PCV)
4回
4回
(注)アメリカ合衆国では、気づいた時点から、通常の接種間隔で、通常の接種回数
ロタウイルス(1価、5価)
(2回、3回)
(2回、3回)
を行なっています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)
3回
3回(2価女性、
4価、
(2価、4価、9価)
9価女性・男性)
2)Q.副反応に関する家庭での対処法および接種後どれくらいで起こるのか?
A.
⑤
症 状
*2016年10月から0歳児の定期接種になります(P.18参照)
。
対処法
① 発赤・腫脹・硬結(しこり) 経過観察、冷湿布
外国にはあるが日本では承認されていないワクチン
副反応には、局所反応と全身反応があり、軽いものと、重篤なものがあります。通
③ 腸チフス
生ワクチン
には、DPT、DT、A型肝炎(外国製)
、B型肝炎などがあります。アルミニウム塩を含むワク
生ワクチン
ます。アジュバントの一つにアルミニウム塩がありますが、アルミニウム塩を含むワクチン
② 発熱
① コレラ(経口不活化)
③ 発疹
② ダニ媒介性脳炎
A型肝炎
ヒト免疫グロブリン
(表10)予防接種一覧
ワクチンには、その効果を高めるためにアジュバントというものが添加されたものがあり
13
25
予防接種 Q & A
皮下注射、米国では筋肉注射です。
*:未承認、個人輸入により接種可能な医療機関あり
**:2016年7月11日から有効期限が永年。既に取得済の証明書(期限切れの証明書を含む。)については7月11日から自動的に有効期限が永年。更新手続不要。
***:国内では、1989年4月~1993年迄定期接種
特に報告はない、2歳未満は避ける
場合一般に足に筋肉注射をします。
生 ワ ク チ ン
5年以上
ギランバレー症候群
特に報告はない(ギランバレー症候群既往者に注意)
特に報告はない
3~5年
5年
2回接種後1週~1年
6日以上
特に報告はない
2回接種後~約10年間
2回接種後~6から12カ月 特に報告はない
特に報告はない
2回接種後~5年以上
特に報告はない
2カ月後~10年以上
最終接種~5年
2週後~3年以上
不活化ワクチン
複数のワクチンの同時接種
数日~10年以上
腋下リンパ節腫脹、局所の潰瘍
特に報告はない
接種後2カ月~5年以上
特に報告はない、2~8℃で保存
特に報告はない
特に報告はない、1歳以上の接種推奨
特に報告はない
接種後1カ月~5年
投与直後~3カ月未満
弛緩性麻痺
特に報告はない
帯状疱疹
生 ワ ク チ ン
接種後4週~数年
4回目接種後~5年以上
10日後~10年以上
4週後~10年以上
2から3週後~数年以上
特に報告はない
3回接種後~6から18カ月 特に報告はない
有 効 期 間
②
10日後~10年以上**
生 ワ ク チ ン
27日以上
接種後2週間~1から4年 急性散在性脳脊髄炎(疑い)
脳炎、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
特に報告はない
無菌性髄膜炎
麻疹・風疹に準ずる
無菌性髄膜炎、1993年4月中止***
重篤な副反応、補足
4カ月以下の者では脳炎
(図4)異なるワクチンの接種間隔
冷却、解熱薬使用
経過観察
ダニ媒介性脳炎*
インフルエンザ
ジフテリア
百日咳
破傷風
DPT-IPV
B型肝炎
腸チフス 日本脳炎
軽いもの
⑤ DPT・ポリオ・B
型肝炎混合
麻疹
風疹
おたふくかぜ
MR
MMR *
常不活化ワクチン・トキソイドは1週間以内、生ワクチンは4週間以内に起こります。
④ MMR
は、筋肉注射が行われますが、日本では皮下注射が一般的です。日本で筋肉注射を嫌うのは、
ワクチン名
チンに関しては皮下に注射すると副反応(発赤、硬結など)が起こりやすい理由で、米国で
BCG
水痘
現れ、2~3日で軽快します。アジュバントを含む
DPT、DT、B 型肝炎などは、局
⑦ DPT・ポリオ・インフルエンザ菌
b 型混合
狂犬病
① 局所反応は、局所の発赤、腫脹、疼痛、掻痒感などがあります。接種後、すぐに
⑥ DPT・インフルエンザ菌
b 型混合
腿外側広筋(足)という場所に筋肉注射すれば、特に問題は起こりません。外国では小児の
黄熱
以前、筋肉注射による大腿四頭筋拘縮症という問題があったからではないかと思います。大
26
14
(表9)成人の赴任先
⑧ B 型肝炎・インフルエンザ菌
/ 赴任期間別推奨予防接種
b 型混合
⑨ A 型肝炎・B 型肝炎混合
途上国
先進国
ワクチン
短期 中期 長期 b 型・B
流行 型肝炎混合
職種 短期 中期 長期 流行 職種
⑩ DPT・ポリオ・インフルエンザ菌
破傷風
○
○
○
○
○
○
⑪ インフルエンザ(吸入)
A 型肝炎
○
○
○
○
○
○
一部の未承認ワクチンの接種を受けることができる医療機関は、
“予防接種の情報収集にお
B 型肝炎
○
○
○
○
○
○
○
すすめのサイト”
(
P.32)のFORTH、
日本渡航医学会のホームページを参照してください。
狂犬病
○
○
○
○
○
○
日本脳炎
○
○
○
○
○
ポリオ
○
○
○
○
○
妊婦への予防接種
インフルエンザ
○
○
○
○
○
○
○
○
黄熱(特定国) ○
○
○
○
○
○
○
○
日本では、生ワクチンは接種禁忌です。不活化ワクチン・トキソイドは「接種を受けるこ
髄膜炎菌
○
○
○
○
○
○
○
○
とが適当でない者」の範囲には含まれていませんが、妊娠初期は自然流産の確率も高いので、
腸チフス
○
○
○
この時期での接種は避けた方がよいでしょう。妊娠12週、
できれば、妊娠20週以降がよいと
コレラ
○
○
○
考えます。インフルエンザに関しては平成21年10月に下記のように改訂されました。
ダニ媒介性脳炎
○
○
○
○
○
○
○
○
改訂前
改訂後
青字:国内未承認ワクチン
渡航先の詳細 FORTH(厚生労働省検疫所)
妊娠中の接種に関する安全性は確立してい
妊娠中の接種に関する安全性は確立してい
WHO(InternationalTravelandHealth)
ないので、妊婦又は妊娠している可能性の
CDC(YellowBook)
ないので、妊婦又は妊娠している可能性の
ある婦人には接種しないことを原則とし、 ある婦人には予防接種上の有益性が危険性
短期(短期赴任者…滞在1カ月未満)
先進国・途上国ともに、麻疹・風疹・おたふく
中期(中期赴任者…滞在3カ月未満)
予防接種上の有益性が危険性を上回ると判
を上回ると判断される場合にのみ接種する
かぜ・水痘の予防接種を受けていなかったり、か
長期(長期滞在者)
断される場合のみ接種すること。
こと。
かったことがない場合は、成人でも予防接種を受
流行(流行地域への赴任者)
なお、小規模ながら、接種により先天異常
ける必要があります。
職種(職種により必要となるケース)
の発生率は自然発生率より高くならないと
する報告がある。※
※出 典:BirthDefectsandDrugsinPregnancy,1977
⑥
予防接種証明の書き方
海外赴任に際し必要な予防接種(小児・成人)
①
黄熱
流行地は、赤道アフリカ、中南米です。特定国においては、入国時に国際予防接種証明書
(イエローカード)の提示を求められます。2016年7月11日からは、黄熱ワクチンによる防御期間
と証明書の有効期限が変更される予定です。卵やゼラチンアレルギーがあると注意が必要です。
副反応に関して9カ月未満の乳児、高齢者(65歳以上)、特に、75歳以上では注意が必要
です。
②
コレラ
中央南アジア、東南アジアなどを中心に、アフリカ、中南米の途上国が流行地です。日本製
のワクチン(注射不活化)は有効率が低く、WHOからも推奨されておらず、現在、製造されて
いません。欧米で認可された新型ワクチン(Dukoral、Shanchol)
(経口不活化)は、より有効
率が高く旅行者下痢症の主な原因菌(毒素原性大腸菌)にも効果があると報告されています。
胃摘出者、胃酸抑制薬内服者は接種を考慮する必要があります。
③
狂犬病
アジア、アフリカ、中南米の途上国が流行地です。日本のワクチンは、組織培養不活化ワ
米国では、生ワクチンの中で、黄熱は、必要性が強ければ接種可であり、不活化ワクチン・
クチン(ニワトリ胚細胞ワクチン)で、副作用はほとんどありませんが、途上国で使用され
トキソイドに関しては、状況により必要性が強ければ接種可です。2012年からは、妊娠20
ているワクチンの中には、副作用が問題となるものがあります。狂犬病の場合、感染した可
週以上の Tdap(成人用三種混合ワクチン)未接種の妊婦に Tdap の接種を勧告しています。
能性があれば感染後から予防接種を行う方法もありますが、抗狂犬病免疫グロブリンの入手
その理由としては、生後間もない乳児への百日咳罹患の予防のためです。
やワクチンの問題もあり、流行地に長期滞在する場合は、日本で接種していくことが勧めら
れます。卵やゼラチンアレルギーがあると注意が必要です。日本と外国で、曝露前・後の予
⑦
ワクチンの互換性
AAPによれば、異ったメーカーで製造されたワクチンの互換性について、互換性があるも
防接種方法が異なっています。
赴任先としては、インド、中国、フィリピン、インドネシア、タイなどで接種が必要とな
ります。
のは、ジフテリア・破傷風トキソイド、A 型肝炎ワクチン、乳児の B 型肝炎ワクチン、狂犬
病ワクチンです。Tdap に関しては、小児期の DTaP の製造メーカーと一致される必要はあ
りません。日本での検討では、日本の狂犬病ワクチン(PCEC)と、ベロ細胞ワクチン(PVRV)
や PCEC(Rabipur など)と、互換性があります。
23
15
④
麻疹、おたふくかぜ、風疹、MR(麻疹・風疹混合)、
MMR
(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合)
日本脳炎に関しては、日本のワクチンとIXIARO(GSK)
、IMOJEV(サノフィ)との互換
日本では、麻疹、風疹は2006年4月から麻疹・風疹混合
(MR)
ワクチンとして、1歳から2
性は不明です。
歳未満(Ⅰ期)
、5歳から7歳未満(Ⅱ期)の2回、2008年4月から2013年3月迄は中1
24
16
予防接種証明の書き方
(表9)成人の赴任先
⑧ B 型肝炎・インフルエンザ菌
/ 赴任期間別推奨予防接種
b 型混合
⑨ A 型肝炎・B 型肝炎混合
途上国
先進国
ワクチン
短期 中期 長期 b 型・B
流行 型肝炎混合
職種 短期 中期 長期 流行 職種
⑩ DPT・ポリオ・インフルエンザ菌
破傷風
○
○
○
○
○
○
⑪ インフルエンザ(吸入)
A 型肝炎
○
○
○
○
○
○
一部の未承認ワクチンの接種を受けることができる医療機関は、
“予防接種の情報収集にお
B 型肝炎
○
○
○
○
○
○
○
すすめのサイト”
(
P.32)のFORTH、
日本渡航医学会のホームページを参照してください。
狂犬病
○
○
○
○
○
○
日本脳炎
○
○
○
○
○
ポリオ
○
○
○
○
○
妊婦への予防接種
インフルエンザ
○
○
○
○
○
○
○
○
黄熱(特定国) ○
○
○
○
○
○
○
○
日本では、生ワクチンは接種禁忌です。不活化ワクチン・トキソイドは「接種を受けるこ
髄膜炎菌
○
○
○
○
○
○
○
○
とが適当でない者」の範囲には含まれていませんが、妊娠初期は自然流産の確率も高いので、
腸チフス
○
○
○
この時期での接種は避けた方がよいでしょう。妊娠12週、
できれば、妊娠20週以降がよいと
コレラ
○
○
○
考えます。インフルエンザに関しては平成21年10月に下記のように改訂されました。
ダニ媒介性脳炎
○
○
○
○
○
○
○
○
改訂前
改訂後
青字:国内未承認ワクチン
渡航先の詳細 FORTH(厚生労働省検疫所)
妊娠中の接種に関する安全性は確立してい
妊娠中の接種に関する安全性は確立してい
WHO(InternationalTravelandHealth)
ないので、妊婦又は妊娠している可能性の
CDC(YellowBook)
ないので、妊婦又は妊娠している可能性の
ある婦人には接種しないことを原則とし、 ある婦人には予防接種上の有益性が危険性
短期(短期赴任者…滞在1カ月未満)
先進国・途上国ともに、麻疹・風疹・おたふく
中期(中期赴任者…滞在3カ月未満)
予防接種上の有益性が危険性を上回ると判
を上回ると判断される場合にのみ接種する
かぜ・水痘の予防接種を受けていなかったり、か
長期(長期滞在者)
断される場合のみ接種すること。
こと。
かったことがない場合は、成人でも予防接種を受
流行(流行地域への赴任者)
なお、小規模ながら、接種により先天異常
ける必要があります。
職種(職種により必要となるケース)
の発生率は自然発生率より高くならないと
する報告がある。※
参考資料 母子手帳英訳見本
母子健康手帳英訳見本
※出 典:BirthDefectsandDrugsinPreg+($/7+5(&25'
nancy,1977
'HOLYHU\
1DPH/DVW)LUVW0LGGOH 䠖
䠖 1RUPDO
⑥
6H[
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䠖㻌㻌FP
䠖㻌㻌FP
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5
海外赴任に際し必要な予防接種(小児・成人)
①
黄熱
流行地は、赤道アフリカ、中南米です。特定国においては、入国時に国際予防接種証明書
(イエローカード)の提示を求められます。2016年7月11日からは、黄熱ワクチンによる防御期間
と証明書の有効期限が変更される予定です。卵やゼラチンアレルギーがあると注意が必要です。
副反応に関して9カ月未満の乳児、高齢者(65歳以上)、特に、75歳以上では注意が必要
です。
②
コレラ
中央南アジア、東南アジアなどを中心に、アフリカ、中南米の途上国が流行地です。日本製
のワクチン(注射不活化)は有効率が低く、WHOからも推奨されておらず、現在、製造されて
いません。欧米で認可された新型ワクチン(Dukoral、Shanchol)
(経口不活化)は、より有効
率が高く旅行者下痢症の主な原因菌(毒素原性大腸菌)にも効果があると報告されています。
胃摘出者、胃酸抑制薬内服者は接種を考慮する必要があります。
③
狂犬病
アジア、アフリカ、中南米の途上国が流行地です。日本のワクチンは、組織培養不活化ワ
米国では、生ワクチンの中で、黄熱は、必要性が強ければ接種可であり、不活化ワクチン・
クチン(ニワトリ胚細胞ワクチン)で、副作用はほとんどありませんが、途上国で使用され
トキソイドに関しては、状況により必要性が強ければ接種可です。2012年からは、妊娠20
ているワクチンの中には、副作用が問題となるものがあります。狂犬病の場合、感染した可
週以上の'37'37ï,39
Tdap(成人用三種混合ワクチン)未接種の妊婦に Tdap の接種を勧告しています。
239,39
能性があれば感染後から予防接種を行う方法もありますが、抗狂犬病免疫グロブリンの入手
9DFFLQH
WK
5XEHOOD5 05
その理由としては、生後間もない乳児への百日咳罹患の予防のためです。
%&*
⑦
0HDVOHV0
やワクチンの問題もあり、流行地に長期滞在する場合は、日本で接種していくことが勧めら
0XPSV
9DULFHOOD
-DSDQHVHHQFHSKDOLWLV
+LE
3&9
5RWDYLQXV
+39
,QIOXHQ]D
+HSDWLWLV%
+HSDWLWLV$
5DELHV
2WKHU
れます。卵やゼラチンアレルギーがあると注意が必要です。日本と外国で、曝露前・後の予
防接種方法が異なっています。
ワクチンの互換性
赴任先としては、インド、中国、フィリピン、インドネシア、タイなどで接種が必要とな
AAPによれば、異ったメーカーで製造されたワクチンの互換性について、互換性があるも
ります。
のは、ジフテリア・破傷風トキソイド、A
型肝炎ワクチン、乳児の B 型肝炎ワクチン、狂犬
䞉 ẕᏊ೺ᗣᡭᖒ䛾ⱥヂ䛾ሙྜ
7KHRULJLQDOLQIRUPDWLRQRQ䚷ྡ๓䚷ZDVSURYLGHGE\6KLEX\D:DUG0HGLFDO2IILFH7RN\R
ẕᏊ೺ᗣᡭᖒ䜢῰㇂༊䛷䜒䜙䛳䛯ሙྜ
病ワクチンです。Tdap
に関しては、小児期の
DTaP の製造メーカーと一致される必要はあ
䞉 䛛䛛䜚䛴䛡་䛾ሙྜ
7KLVLVWRFHUWLI\WKDWWKHVHGDWDFRPHIURPRXUPHGLFDOUHFRUGV
0'6LJQDWXUH
J
りません。日本での検討では、
日本の狂犬病ワクチン(PCEC)と、ベロ細胞ワクチン(PVRV)
༡㔛㻌Ύ୍㑻䚷6(,,&+,521$15,0'+HDOWK&HQWHU.HLR8QLYHUVLW\
6KLQDQRPDFKL6KLQM\XNXïNX7RN\Rï-$3$1
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や PCEC(Rabipur など)と、互換性があります。
麻疹、おたふくかぜ、風疹、MR(麻疹・風疹混合)、
MMR
(麻疹・おたふくかぜ・風疹混合)
母子健康手帳英訳見本
日本脳炎に関しては、日本のワクチンとIXIARO(GSK)
、IMOJEV(サノフィ)との互換
日本では、麻疹、風疹は2006年4月から麻疹・風疹混合
(MR)
ワクチンとして、1歳から2
性は不明です。
歳未満(Ⅰ期)
、5歳から7歳未満(Ⅱ期)の2回、2008年4月から2013年3月迄は中1
南里清一郎編・著:海外生活における健康管理より引用
15
23
④
24
16
(Ⅲ期)
スラムの巡礼時期)が流行地です。イスラムの巡礼時期にサウジアラビアへ入国する際に要
、高3(Ⅳ期)に定期接種として行われました。おたふくかぜは任意接種ですが、麻
⑦
ます。日本では一部のトラベルクリニックで、輸入ワクチンとして接種を受けることが出来
ポリオ
求されることがあります。また、米国で寮生活をする場合接種を勧められます。それに、欧
疹、風疹と同じスケジュールでの2回接種が望まれます。途上国において、麻疹に関しては、
ます。
米では、小児期での接種が推奨されています。ワクチンには、4価(A・C・Y・W-135)の
WHO の勧告のように1歳未満で行うことが望ましいのですが、その場合、抗体の持続を考
日本では、経口生ワクチン(OPV)が使用されていましたが、2012年9月から IPV、11
多糖体(MPSV4)と結合体(MCV4)の2種類があります。米国では
慮すると1歳以降に2回接種が必要となります。現在、米国、イギリスをはじめとして、諸
MCV の接種が一般
的です。欧州では乳幼児期に1価(C)のワクチンが接種されることがあります。日本では、
外国では、1歳以降に MMR として2回接種を行っています。
ロタウイルス感染症
⑲
もありますが、先進国では不活化ワクチン(IPV)
(注射)が使用されています。経口生ワク
Ⓡ
2015年5月からメナクトラ
このように、生ワクチンでも2回接種を行いますが、その理由としては、接種により、ほ
(MCV4)が認可され接種できるようになりました。この髄膜
チンと不活化ワクチンを併用しても問題はなく、要は回数が問題となります。日本の OPV
乳幼児下痢症の最も多い原因はロタウイルスです。5歳以下の小児で重症になることが多
月から DPT・IPV が使用されるようになりました。国によっては、OPV を使用している国
とんどの人は抗体ができますが数%は抗体ができません。このことをPrimary
vaccine fail炎は細菌性髄膜炎といわれますが、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の髄膜炎はウイルス性
は2回でしたが、日本以外の国では、小児期の OPV は3回以上 IPV は4回以上、OPV と
く、2歳以下でより問題となります。伝染性が強いので、集団生活をしていると問題となり
ure(PVF)といいます。また、接種後、時間が経つにつれ抗体が少なくなっていきます。こ
(無菌性)髄膜炎です。一般にウイルス性髄膜炎は細菌性髄膜炎に比べ、予後は良好です。
IPV の組み合わせの場合4回以上接種です。
ます。米国では、1歳までに経口生ワクチンを2回(RV1:ロタリックス)か3回(RV5:
のことを Secondary vaccine failure(SVF)といいます。PVF や SVF によりワクチン接
2015年5月ポリオが発生している国は、アフガニスタン、カメルーン、赤道ギニア、エチ
ロタテック)受けることになっています。RV1の場合ラテックスアレルギーがあると注意が
⑯ インフルエンザ菌 b 型
乳幼児の髄膜炎、敗血症の原因菌としてインフルエンザ菌 b 型は重要です。欧米では広く
⑤ 水痘
乳幼児に接種されています。日本では2008年から任意接種、2013年から定期接種として行
オピア、イラク、イスラエル、ナイジェリア、パキスタン、ソマリア、シリアです。WHO
必要です。以前使用されていたワクチンは、ワクチン接種後の腸重積の発生が問題となりま
われています。接種年齢は、1歳未満が特に重要ですが、5歳未満までが接種対象となりま
日本で開発されたワクチンで、副反応が少なく、接種が望まれます。特に、成人において
す。使用するワクチンにより、接種回数が異なります。日本では生後2カ月以上で4回接種
は重症化しやすく、妊婦がかかると胎児に影響があるため、成人においても接種が必要です。
ヒトパピローマウイルス
⑳
けることを勧めます。また、中央アジア、中東、中央アフリカへ行く時は、発生国でなくて
が行われていますが接種開始月・年齢により接種回数が異なります。米国では乳幼児の集団
途上国では接種できないことが多いので、日本で接種することが勧められます。日本小児科
も注意が必要です。パキスタンに4週間以上滞在後、同国を出国する渡航者に対して、出国
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因の99%以上を占めています。
性行為と濃厚接
生活では、義務(required)となる場合があります。
学会では、1歳過ぎに1回目、それから3カ月以上間をあけ2歳前に2回目の接種を勧めて
時に1年以内に接種したポリオワクチンの接種証明書が、パキスタン政府から求められるこ
触によりヒトからヒトへ伝染します。米国では思春期以降にワクチン接種を行います。ワク
います。米国では、1歳から1歳6カ月に1回目、4歳から6歳に2回目とし、2回目を18
とがあります。
チンにはサーバリックス(2価)とガーダシル(4価)それに9価のワクチンがありますが、
⑰ 肺炎球菌
肺炎球菌は肺炎の原因菌として重要です。近年、抗生物質の効かない肺炎球菌(抗生物質
⑥ 日本脳炎
耐性肺炎球菌)が増加しています。
しばらくの間併用される日本の経口生ワクチンには、ゼラチンが微量含まれています。ま
日本では2009年10月にサーバリックスが2011年8月にガーダシルが承認されました。
すで
現在日本で使用されているワクチンには、23価多糖体ワクチン(PPV)と7価、13価結
日本でよりも東アジア、東南アジア、南アジア、北部オーストラリアなどでの流行が現在
節痛、皮膚の痛み等)、しびれ、脱力などが現れ、長期間症状が持続する例が報告されている
合型ワクチン(PCV)があります。PPV
は、2歳未満には使用できません。その理由とし
では問題となっています。米国、ヨーロッパ、アフリカなど流行のない国へ行く場合には、
ため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可
ては、2歳未満は抗体が出来にくいからです。2009年10月に初回接種から5年以上経過し
接種の必要はありません。成人の場合、1954年、特に、1965年以降に生まれ、小児期に基
能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと」が追加されています。
た、
重症化するリスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ患者には再接種が認められ
礎免疫が完了していれば、1回追加接種をするといいでしょう。但し、北海道で小児期を過
1945年以前に生まれた人は、抗体保有率は80%以上ですが、1960年以後に生まれた人は、
るようになりました。2009年10月に日本で承認されたPCV(7価)
、2013年に承認された
した場合、基礎免疫が完了していないことがあります。
抗体保有率は5%以下です。よって、若い人は、接種を受けることが望ましいのですが、日
PCV(13価)は、
2歳未満にも使用できます。接種対象は生後2カ月以上9歳未満です。生
2005年5月厚生労働省は、日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控えを行いました。
本においては、以前は、16歳未満の人には接種が認可されていませんでしたが、2013年3
後2カ月以上で4回接種が行われます。接種開始月・年齢により接種回数が異なります。
その理由として副反応の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の重症例が出たためです。通常ADEM
月から0歳からの接種が可能となりました。WHO のガイドラインでは1歳以上の小児への
2010
年 か ら 定 期 接 種 と し て 行 わ れ て い ま す。米 国 で は 乳 幼 児 の 集 団 生 活 で は、義 務
は接種100万回に1回位起こりますが、ほとんどの場合は完全に治ります。また、同年7月
接種が推奨されています。
種をしても、病気にかかることがあるので、これを防ぐために2回接種が行われます。
歳までに終了することが勧められています。2014年10月から定期接種となりました。
(required)となる場合があります。
にはⅢ期(14~16歳)の定期接種が中止されました。積極的勧奨の差し控えにより、1995
~2006年度に生まれた人は、日本脳炎の予防接種が不十分のことがあります。日本国内にい
ダニ媒介性脳炎
⑱
種医とよくご相談ください。2009年6月から新しいワクチン(細胞培養日本脳炎ワクチン)
によれば、2015年9月現在、ポリオの常在国は、パキスタン、アフガニスタンです。
したが、2006年から使用されている現在のワクチンは問題ありません。2011年から日本で
成人の場合、
1950年以降に生まれた人は、小児期にワクチン接種を受けていますが、発生
も、米国で接種されている2種類のワクチンの任意接種ができます。
国へ行く時には1~2回 IPV の追加接種を受けた方がいいでしょう。特に1975~1977年生
まれの人はポリオの抗体が少ないという報告がありますので、1~2回 IPV の追加接種を受
た、被接種者の約500万人、接触者の約800万人に1人に弛緩性麻痺(VAPP)を生じるこ
に接種を行っている欧米では、対象は10代前半の女性を優先接種としています。米国では、
とがあり、接種後1カ月以内に頻回に筋肉注射を行うとVAPP発生のリスクを高めると言わ
4価
・9価のワクチンは、男性にも接種されています。2013年6月からの添付文書には「発
れています。
生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(筋肉痛、関
⑧
A 型肝炎
日本では3回接種ですが、外国では、2回または3回接種です。また、A 型肝炎、B 型肝
炎の混合したワクチン(輸入)もあります。
れば日本脳炎のリスクは低いですが、流行地では問題となります。流行地に行く場合は、接
21
17
の接種が開始されています。小児の場合、国内では、定期接種の標準的年齢は3歳ですが、
スカンジナビア、西・中央ヨーロッパ、旧ソ連の国々が流行地です。森林、田畑、牧場な
⑨
流行国へ行く場合は、生後6カ月から定期接種として受けることができます。
どでダニに刺されることにより感染します。一般の人は、感染するチャンスは少ないので、
2016年10月から0歳児の定期接種になります。海外長期滞在者は、ワクチン接種の対象
ワクチン接種の必要性は低くなります。卵アレルギーがあると注意が必要です。
となります。
ワクチンはドイツ、オーストリアで作られており、ヨーロッパで接種を受けることが出来
特に、B 型肝炎のキャリアが多い国に長期滞在をする場合には接種を受けることが望まれ
B 型肝炎
22
18
疹、
求されることがあります。また、米国で寮生活をする場合接種を勧められます。それに、欧
風疹と同じスケジュールでの2回接種が望まれます。途上国において、麻疹に関しては、
⑦
ます。
WHO
米では、小児期での接種が推奨されています。ワクチンには、4価(A・C・Y・W-135)の
の勧告のように1歳未満で行うことが望ましいのですが、その場合、抗体の持続を考
日本では、経口生ワクチン(OPV)が使用されていましたが、2012年9月から IPV、11
慮すると1歳以降に2回接種が必要となります。現在、米国、イギリスをはじめとして、諸
多糖体(MPSV4)と結合体(MCV4)の2種類があります。米国では MCV の接種が一般
月から DPT・IPV が使用されるようになりました。国によっては、OPV を使用している国
外国では、1歳以降に
的です。欧州では乳幼児期に1価(C)のワクチンが接種されることがあります。日本では、
MMR として2回接種を行っています。
もありますが、先進国では不活化ワクチン(IPV)
(注射)が使用されています。経口生ワク
このように、生ワクチンでも2回接種を行いますが、その理由としては、接種により、ほ
2015年5月からメナクトラ (MCV4)が認可され接種できるようになりました。この髄膜
チンと不活化ワクチンを併用しても問題はなく、要は回数が問題となります。日本の
OPV
乳幼児下痢症の最も多い原因はロタウイルスです。5歳以下の小児で重症になることが多
(Ⅲ期)
スラムの巡礼時期)が流行地です。イスラムの巡礼時期にサウジアラビアへ入国する際に要
、高3(Ⅳ期)に定期接種として行われました。おたふくかぜは任意接種ですが、麻
Ⓡ
ます。日本では一部のトラベルクリニックで、輸入ワクチンとして接種を受けることが出来
⑲
ポリオ
ロタウイルス感染症
とんどの人は抗体ができますが数%は抗体ができません。このことをPrimary
vaccine fail炎は細菌性髄膜炎といわれますが、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の髄膜炎はウイルス性
は2回でしたが、日本以外の国では、小児期の
OPV は3回以上 IPV は4回以上、OPV と
く、2歳以下でより問題となります。伝染性が強いので、集団生活をしていると問題となり
(無菌性)髄膜炎です。一般にウイルス性髄膜炎は細菌性髄膜炎に比べ、予後は良好です。
ure(PVF)といいます。また、接種後、時間が経つにつれ抗体が少なくなっていきます。こ
IPV
の組み合わせの場合4回以上接種です。
ます。米国では、1歳までに経口生ワクチンを2回(RV1:ロタリックス)か3回(RV5:
のことを Secondary vaccine failure(SVF)といいます。PVF や SVF によりワクチン接
2015年5月ポリオが発生している国は、アフガニスタン、カメルーン、赤道ギニア、エチ
ロタテック)受けることになっています。RV1の場合ラテックスアレルギーがあると注意が
⑯ インフルエンザ菌 b 型
乳幼児の髄膜炎、敗血症の原因菌としてインフルエンザ菌 b 型は重要です。欧米では広く
水痘
⑤
乳幼児に接種されています。日本では2008年から任意接種、2013年から定期接種として行
オピア、イラク、イスラエル、ナイジェリア、パキスタン、ソマリア、シリアです。WHO
必要です。以前使用されていたワクチンは、ワクチン接種後の腸重積の発生が問題となりま
われています。接種年齢は、1歳未満が特に重要ですが、5歳未満までが接種対象となりま
日本で開発されたワクチンで、副反応が少なく、接種が望まれます。特に、成人において
まれの人はポリオの抗体が少ないという報告がありますので、1~2回 IPV の追加接種を受
す。使用するワクチンにより、接種回数が異なります。日本では生後2カ月以上で4回接種
は重症化しやすく、
妊婦がかかると胎児に影響があるため、成人においても接種が必要です。
けることを勧めます。また、中央アジア、中東、中央アフリカへ行く時は、発生国でなくて
が行われていますが接種開始月・年齢により接種回数が異なります。米国では乳幼児の集団
途上国では接種できないことが多いので、日本で接種することが勧められます。日本小児科
も注意が必要です。パキスタンに4週間以上滞在後、同国を出国する渡航者に対して、出国
ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因の99%以上を占めています。性行為と濃厚接
生活では、義務(required)となる場合があります。
学会では、1歳過ぎに1回目、それから3カ月以上間をあけ2歳前に2回目の接種を勧めて
時に1年以内に接種したポリオワクチンの接種証明書が、パキスタン政府から求められるこ
触によりヒトからヒトへ伝染します。米国では思春期以降にワクチン接種を行います。ワク
います。米国では、1歳から1歳6カ月に1回目、4歳から6歳に2回目とし、2回目を18
とがあります。
チンにはサーバリックス(2価)とガーダシル(4価)それに9価のワクチンがありますが、
⑰ 肺炎球菌
肺炎球菌は肺炎の原因菌として重要です。近年、抗生物質の効かない肺炎球菌(抗生物質
日本脳炎
⑥
耐性肺炎球菌)が増加しています。
しばらくの間併用される日本の経口生ワクチンには、ゼラチンが微量含まれています。ま
日本では2009年10月にサーバリックスが2011年8月にガーダシルが承認されました。すで
現在日本で使用されているワクチンには、23価多糖体ワクチン(PPV)と7価、13価結
日本でよりも東アジア、東南アジア、南アジア、北部オーストラリアなどでの流行が現在
節痛、皮膚の痛み等)、しびれ、脱力などが現れ、長期間症状が持続する例が報告されている
合型ワクチン(PCV)があります。PPV は、2歳未満には使用できません。その理由とし
では問題となっています。米国、ヨーロッパ、アフリカなど流行のない国へ行く場合には、
ては、2歳未満は抗体が出来にくいからです。2009年10月に初回接種から5年以上経過し
接種の必要はありません。成人の場合、1954年、特に、1965年以降に生まれ、小児期に基
A 型肝炎
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能な医療機関を受診させるなどの対応を行うこと」が追加されています。
た、重症化するリスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ患者には再接種が認められ
礎免疫が完了していれば、1回追加接種をするといいでしょう。但し、北海道で小児期を過
1945年以前に生まれた人は、抗体保有率は80%以上ですが、1960年以後に生まれた人は、
るようになりました。2009年10月に日本で承認されたPCV(7価)
、2013年に承認された
した場合、基礎免疫が完了していないことがあります。
抗体保有率は5%以下です。よって、若い人は、接種を受けることが望ましいのですが、日
PCV(13価)は、2歳未満にも使用できます。接種対象は生後2カ月以上9歳未満です。生
2005年5月厚生労働省は、日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控えを行いました。
本においては、以前は、16歳未満の人には接種が認可されていませんでしたが、2013年3
後2カ月以上で4回接種が行われます。接種開始月・年齢により接種回数が異なります。
その理由として副反応の急性散在性脳脊髄炎
(ADEM)の重症例が出たためです。通常ADEM
月から0歳からの接種が可能となりました。WHO のガイドラインでは1歳以上の小児への
2010 年 か ら 定 期 接 種 と し て 行 わ れ て い ま す。米 国 で は 乳 幼 児 の 集 団 生 活 で は、義 務
は接種100万回に1回位起こりますが、ほとんどの場合は完全に治ります。また、同年7月
接種が推奨されています。
種をしても、病気にかかることがあるので、これを防ぐために2回接種が行われます。
歳までに終了することが勧められています。2014年10月から定期接種となりました。
(required)となる場合があります。
にはⅢ期(14~16歳)の定期接種が中止されました。積極的勧奨の差し控えにより、1995
~2006年度に生まれた人は、日本脳炎の予防接種が不十分のことがあります。日本国内にい
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によれば、2015年9月現在、ポリオの常在国は、パキスタン、アフガニスタンです。
したが、2006年から使用されている現在のワクチンは問題ありません。2011年から日本で
成人の場合、
1950年以降に生まれた人は、小児期にワクチン接種を受けていますが、発生
も、米国で接種されている2種類のワクチンの任意接種ができます。
国へ行く時には1~2回 IPV の追加接種を受けた方がいいでしょう。特に1975~1977年生
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ヒトパピローマウイルス
た、被接種者の約500万人、接触者の約800万人に1人に弛緩性麻痺(VAPP)を生じるこ
に接種を行っている欧米では、対象は10代前半の女性を優先接種としています。米国では、
とがあり、接種後1カ月以内に頻回に筋肉注射を行うとVAPP発生のリスクを高めると言わ
4価・9価のワクチンは、男性にも接種されています。2013年6月からの添付文書には「発
れています。
生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛(筋肉痛、関
ため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可
日本では3回接種ですが、外国では、2回または3回接種です。また、A 型肝炎、B 型肝
炎の混合したワクチン(輸入)もあります。
れば日本脳炎のリスクは低いですが、流行地では問題となります。流行地に行く場合は、接
ダニ媒介性脳炎
の接種が開始されています。小児の場合、国内では、定期接種の標準的年齢は3歳ですが、
スカンジナビア、西・中央ヨーロッパ、旧ソ連の国々が流行地です。森林、田畑、牧場な
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流行国へ行く場合は、生後6カ月から定期接種として受けることができます。
どでダニに刺されることにより感染します。一般の人は、感染するチャンスは少ないので、
2016年10月から0歳児の定期接種になります。海外長期滞在者は、ワクチン接種の対象
ワクチン接種の必要性は低くなります。卵アレルギーがあると注意が必要です。
となります。
ワクチンはドイツ、オーストリアで作られており、ヨーロッパで接種を受けることが出来
特に、B 型肝炎のキャリアが多い国に長期滞在をする場合には接種を受けることが望まれ
種医とよくご相談ください。2009年6月から新しいワクチン(細胞培養日本脳炎ワクチン)
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B 型肝炎
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ます。キャリアとは、B 型肝炎のウイルスに感染しているが本人に症状は現れず、しかし、
2003年から日本でのBCG接種は、乳幼児期1回のみとなり、小学生、中学生での接種は
感染源となり、輸血(キャリアから採血した血液)や性行為などにより他人に移す可能性の
なくなり、2005年からはツ反を行わずに生後6カ月未満、2013年4月から生後1歳未満の
ある人です。家族内などの濃厚接触では、汗、涙、唾液、尿などからも感染の可能性があり
乳児に接種しています。
ます。B 型肝炎のキャリアは、東アジア・東南アジア・アフリカなどは8~20%、南アジ
オーストラリア1%以下といわれていますが、若年者程、キャリアは少なくなっています。
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日本では3回接種です。海外では、2回または3回接種です。また、A 型肝炎、B 型肝炎
DPT は日本の接種方法で特に問題はありません。DPT の中の百日咳ワクチンに関しては、
の混合したワクチン(輸入)もあります。
日本では改良百日咳ワクチン aP(無細胞型百日咳ワクチン)が1981年から使用されていま
ア・西アジア・東南ヨーロッパ・ロシア・中南米2~7%、北西ヨーロッパ・北アメリカ・
百日咳、ジフテリア、破傷風、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風混合)
す。海外では日本と同じものはDTaPと表記されることが多く、DPTまたはDTPであれば、
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腸チフス
P は wP(全菌体型ワクチン)であり、副反応(発赤・腫脹・発熱など)がやや強く出るこ
とがあります。百日咳ワクチンに関しては、日本製が最も安全性が高く、有効性も高いので、
アフリカ、アジア、中南米の途上国が流行地です。経口生ワクチンと不活化ワクチン(注
日本で受けることを勧めます。
射)があります。経口生ワクチン(輸入)の場合、抗マラリア薬、抗菌薬の内服に注意が必
破傷風に関して破傷風菌は、全世界の土壌中に存在します。予防接種をしないかぎり、抗
要です。経口生ワクチンは4回接種、不活化ワクチンは1回接種です。抗体陽性率、副反応
体はできません。成人に関しては1968年(昭和43年)以降に生まれ、小児期にDPTまたは
にあまり差がないので、最近では、不活化ワクチンが使用されることが多いようです。日本
DT を受けていれば、1回の追加接種、以後10年おきに追加接種が必要です。追加接種の場
では、まだ、未承認です。
合、成人での百日咳の流行や途上国でのジフテリアの流行を考慮しますと、DT 0.1~
不活化ワクチン(輸入)の場合、リスクが高い地域では、3年ごとの追加接種が推奨され
0.2ml、DPT 0.2ml で追加接種することもありますが、Tdap(輸入)の接種が望まれます。
ます。胃酸の分泌が悪い人はリスクが高いので接種することをお勧めします。
今までに破傷風の予防接種を受けていなければ3回接種、以後10年おきに追加接種が必要で
す。2012年11月から小児期の DPT は DPT-IPV に変更になりました。
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ペスト
アフリカ(マダガスカルなど)、アジア(インド、モンゴル、ベトナムなど)
、南米(ブラ
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ジル、ペルーなど)が流行地です。一部の職業の人に必要なワクチンで、一般の人には、不
日本では、インフルエンザは、12月頃から3月頃まで毎年流行し、そのピークは、1月20
必要であると WHO や CDC でいっています。現在、使用可能なワクチンはありません。
日~2月10日頃です。2009年迄は季節性インフルエンザとして A ソ連型(H1N1)
・A 香
インフルエンザ
港型(H3N2)、B 型の3種類が、少しずつ変異しながら流行していました。インフルエン
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BCG
ザ予防接種の有効率は70%程度ですが、かかっても軽くてすむので、接種することを勧めま
す。また、SARS や鳥インフルエンザと症状が似ていますので、無用の混乱をさける意味で
途上国においては、いまだ結核患者は多数認められます。小児では、BCG は髄膜炎や粟
も、接種が必要です。ワクチンは WHO の意見を参考に、各国で作られますが、北半球では
粒結核に対し予防効果もあり、特に日本製は効果が高く優れています。接種方法については、
ほぼ同じものなので、日本で接種してもいいし、赴任国で接種してもかまいません。2009年
日本では経皮接種ですが、諸外国では、注射による臀部・大腿部・上腕部などへの接種が行
は、日本では従来の季節性インフルエンザワクチンと新型インフルエンザワクチンの接種が
われているために接種後の局所の副反応が強く出ることもあるので、必ず日本で接種してい
行われました。2010年からは、季節性インフルエンザワクチンの A ソ連型(H1N1)が新
きましょう。先進国では、BCG 接種を行っていない国があります。結核の予防方法には、
BCG 接種と予防薬の2種類があります。
米国では、BCG 接種を行わないので、入園・入学時にツベルクリン反応検査を行い、そ
型インフルエンザ(H1N1)2009に変わりました。2011年4月以降は、インフルエンザ
(H1N1)2009は季節性インフルエンザとして取り扱われます。2015年からはワクチンには
A(H1N1)pdm09、A(H3N2)
、B(山形系統、ビクトリア系統)の4種が含まれています。
の結果が陽性であれば、結核に感染していると判断し、胸部 X 線撮影を行い、治療(予防投
が多いので、BCG 接種を受けた旨を予防接種証明書に明記してもらってください。また、
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QFT検査かT-spot検査が陰性であれば、ツベルクリン反応検査が陽性でも問題ありません。
流行性髄膜炎はアフリカの髄膜炎ベルト地帯(赤道から北緯20°間)、サウジアラビア(イ
薬)されることがあります。BCG 接種をしていれば、ツベルクリン反応は陽性になること
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髄膜炎菌
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