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介護保険制度の概説 - 東京金属事業健康保険組合

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介護保険制度の概説 - 東京金属事業健康保険組合
目 次
介護保険制度の概要
介護保険制度の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
被保険者・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
介護保険の保険者と医療保険者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
費用負担
費用負担の概要・・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
介護納付金・・
・
・
・
・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
健保組合における介護保険料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
健保組合における介護保険料の特例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第 2 号被保険者の適用、保険料の徴収にかかる質疑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第 1 号被保険者の保険料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
第 1 号保険料の多段階設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
介護保険の給付
利用手続・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
医療保険との給付調整・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
医療保険と介護保険の負担合計額が高額の場合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
食費・居住費にかかる給付・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
医療療養病床と介護保険施設・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
療養病床の再編成・・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
病床転換助成事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
地域包括ケアシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
参考資料
介護納付金収納額の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
第 2 号被保険者数の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
第 1 号被保険者数の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
要介護(要支援)認定者数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
サービス種類別にみた受給者数及び費用額累計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の概要・・・・・・25
介護保険制度の概要
介護保険制度の目的
介護保険制度は、老後の大きな不安要因である介護を社会全体で支えるため、加齢に伴って生じる心身
の変化が原因となって起こる疾病等により介護や機能訓練、看護などを要する状態となっても、尊厳を保
持し、その有する能力に応じて自立した日常生活を営めるように、必要な介護サービスを総合的・一体的
に提供しようとするものです。その根拠法となる介護保険法は平成 9 年 12 月に公布され、約 2 年間の準備
期間を経て、12 年 4 月から制度がスタートしました。
被保険者
海外居住者や適用除外施設入所者を除いた 40 歳以上の市町村または特別区の住民が被保険者になりま
す。年齢により第 1 号被保険者と第 2 号被保険者の 2 つに区分されます。
表 1 第 1 号被保険者と第 2 号被保険者
第 1 号被保険者
対 象 者
受給権者
保険料の
徴収方法
保険料の
賦課方法
65 歳以上の者
第 2 号被保険者
40 歳以上 65 歳未満の健保組合、全国健康保険協会、市町
村などの医療保険加入者
・要介護者
初老期認知症、脳血管疾患等、加齢に伴って生じる心身の変
・要支援者
化に起因する特定の疾病によって左の状態となった者
・市町村または特別区が徴収
健保組合、全国健康保険協会、市町村などの医療保険者が、
・個別徴収(普通徴収)または年金天引き(特別
加入する第 2 号被保険者の介護保険料額を一般保険料額と一
徴収)
所得段階別定額保険料
(低所得者の負担軽減あり)
体的に徴収し、納付金として納付
・被用者保険:
〔標準報酬月額及び標準賞与額〕×介護保険料
率(事業主負担あり [ 協会けんぽは国庫補助あり ])
・国保:所得割、均等割等に按分(国庫負担あり)
被保険者範囲の拡大と短時間労働者に対する適用拡大
長年の検討課題である被保険者範囲の拡大(第 2 号被保険者の範囲を 40 歳未満にも拡大)については、
社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度の見直しに関する意見(22 年 11 月 30 日)
」では賛否両論
を併記するかたちでまとめられていましたが、23 年 6 月の介護保険法改正には盛り込まれませんでした。
一方、政府・与党がまとめ、23 年 7 月 1 日に閣議報告された「社会保障・税一体改革成案」においては、
介護保険・医療保険ともに短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大が盛り込まれました。今後適用拡
大について検討されることとなりますが、◇健保組合によっては保険料収入が増加する一方、それを上回っ
て給付費や納付金の負担が増加する可能性がある、◇特定の業種(小売業、外食産業等)に負担増の影響
が集中する可能性がある─などの影響が生じることから、その具体的な内容の検討経過を注視する必要が
あります。
1
介護保険の保険者と医療保険者
介護保険の保険者は市町村及び特別区(以下「市町村」といいます。
)です。また、健保組合、全国健康
保険協会、市町村などの医療保険者(以下「医療保険者」といいます。
)は、介護保険の保険者ではありま
せんが、法律により介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならないとされて
います。
図 1 介護保険制度のしくみ(地域支援事業を除く)
市町村(保険者)
保険料
(50%)
国民健康保険
団体連合会
請 求
介護給付費
交付金
納 入
○
○
○
○
○
(全国プール)
介護
納付金
要介護認定
保険証の交付
介護保険料
サービス事業者
社会保険診療報酬
支払基金
市町村
年金保険者
医療保険者
市町村の個別徴収
(普通徴収)
年金からの天引き
(特別徴収)
医療保険料と
一括徴収
第1号被保険者
要介護者・要支援者
居宅サービス
地域密着型サービス
施設サービス
介護予防サービス
地域密着型介護予防サービス
第2号被保険者
1割負担
居住費・食費
サービス利用
2
費用の9割分の支払
公費(税)
(50%)
費用負担
費用負担の概要
介護保険の給付の費用(利用者の自己負担分を除く)は、公費(税)と保険料でまかなわれます。その
内訳は、公費が 50%(国 25%、都道府県・市町村が各 12.5%、施設等給付費は国 20%、都道府県 17.5%、
市町村 12.5%を負担)で、残りの 50%は被保険者が納める保険料です。なお、国が負担する 25%(施設等
給付費は 20%)のうち定率負担分は 20%(施設等給付費は 15%)であり、残りの 5%相当分は調整交付
金(第 1 号被保険者の後期高齢者割合や所得分布状況などによる各市町村間の保険料負担格差を是正する
ための交付金)となっています。保険料として徴収される 50%分については、第 1 号被保険者と第 2 号被
保険者の人口比に基づき按分されます(このうち、第 2 号被保険者分を「第 2 号被保険者負担率[第 4 期:
30%]」といいます。
)
。ただし、地域支援事業のうち介護予防(・日常生活支援総合)事業を除いた事業に
ついては、第 2 号被保険者は負担せず、その分を公費で賄います。
表 2 費用負担割合(第 4 期 [21 ~ 23 年度 ])
公費(税)
保険料
第1号
人口比に基
第2号
被保険者
づき設定※2
被保険者
国
都道府県
市町村
居宅給付費
25%
12.5%
12.5%
20%
30%
施設等給付費
20%
17.5%
12.5%
20%
30%
25%
12.5%
12.5%
20%
30%
40%
20%
20%
20%
負担なし
給付費
介護予防(・日常生活
支援総合)事業※1
地域支援事業
包括的支援事業
任意事業
※ 1 介護予防・日常生活支援総合事業は 24 年 4 月 1 日より創設 ※ 2 第 5 期は第 1 号被保険者 21%、第 2 号被保険者 29%になる予定。
図 2 給付費の費用負担割合(第 4 期)
居宅給付費
施設等給付費
20%のうち5%は
調整交付金
25%のうち5%は
調整交付金
第1号被保険者
20%
第2号被保険者
30%
国
25%
都道府県
12.5%
市町村
12.5%
第1号被保険者
20%
国
20%
都道府県
17.5%
第2号被保険者
30%
市町村
12.5%
3
介護保険は 3 年を 1 期とする期間(事業運営期間)のなかで収支が均衡するよう運営されています。一
方で長期的には高齢化に伴う利用者の増加や 1 人当たり費用額の増加などにより、
介護保険の総費用は年々
増加しています(図 3 参照)
。そのため、第 1 号保険料は期を追うごとに増加しており、第 2 号保険料も同
様の傾向にあります。
図 3 介護保険の総費用と第 1 号保険料の動向
第1号保険料
〔全国平均
(加重平均)
基準月額〕
第1期 2,911円
3.6
第2期 3,293円
5.7
5.2
4.6
兆円
兆円
兆円
第3期 4,090円
6.2
6.4
6.4
6.7
16年度
17年度
18年度
19年度
兆円
兆円
兆円
兆円
第4期 4,160円
7.2
7.7
7.9
20年度
21年度
22年度
兆円
兆円
兆円
8.3
兆円
兆円
12年度
13年度
14年度
15年度
23年度
※総費用には利用者負担を含む
※12∼19 年度は実績、20∼22 年度は見込(20 年度:補正予算、21 年度:介護報酬+3.0%、22 年度:当初予算、23 年度:予算案)
第 5 期の費用負担
24 〜 26 年度の第 5 期についても、自然増や介護サービス基盤整備の影響による給付増などにより、総
費用が増加することになると考えられます。また、21 年度第 1 次補正予算で 21 年 10 月〜 24 年 3 月ま
で手当てされている介護職員処遇改善交付金(図 4 参照)が継続されるかどうか現時点では定かでありま
せん。これがもし、第 4 期と同じ国からの交付金方式ではなく、その費用を介護報酬のなかで手当てする
ことになると総費用の増加、ひいては保険料の増加につながることになります。
図 4 介護職員処遇改善交付金(第 4 期)
○ 介護職員(常勤換算)1 人当たり月額平均 1.5 万円の賃金引き上げに相当する額を介護職員の処遇改善に
取り組む事業者へ交付
○ 21 年 10 月サービス分から実施し、24 年 3 月までの 2.5 年分を予算計上
(21 年度第 1 次補正予算 事業規模:約 3,975 億円)
執行のイメージ
申請
支払いの委託
基金
交付金の支払い
4
国 保 連
② 財源:国費 10/10
事 業 者
(支払いは国保連に委託)
都道府県
① 都道府県が基金を設置して実施する。
介護納付金
2 ページの図 1 のとおり、医療保険者は第 2 号被保険者から徴収した介護保険料を介護納付金(介護給
付費・地域支援事業支援納付金)として社会保険診療報酬支払基金へ納めます。介護納付金は、第 2 号被
保険者の人数に応じて各医療保険者の負担が決まります(加入者割)
。
図 5 介護納付金の計算式(概要)
介護納付金
Ⅰ
介護納付金
第2号被保険者
1人当たり負担額
=
×
各医療保険者の
第2号被保険者数
×
第2号被保険者
負担率
第 2 号被保険者 1 人当たり負担額
標準給付費額及び
介護予防事業費額の総額
Ⅰ
第2号被保険者
1人当たり負担額
=
全医療保険者の
第2号被保険者の総数
図 6 第 2 号被保険者 1 人当たり負担額の推移
第1期
第2期
第3期
第4期
単位:円
31,764
36,093
38,356
45,323
41,688 43,417 43,145
47,330
49,119
52,107※
54,191※
24,901
12年度
13年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
23年度
※概算納付金における負担額
社会保障給付費の将来推計
私たちのくらしを支える年金や医療、介護
図 7 社会保障給付の規模・伸びと経済との関係
89.8 兆円
(23.9%)
1.6 倍
福祉等 28 兆円(5.3%)
といった社会保障の給付費は年々増加してい
くと見込まれています。特に介護給付費の伸
びは医療給付費の伸びを上回るとされ、現在
の保険給付の内容について、必要性、優先性
や自立支援の観点から見直しを行い、限られ
141 兆円
(26.1%)
福祉等 14.9 兆円(4.0%)
(うち介護 6.6 兆円(1.8%)
)
医療
27.5 兆円
(7.3%)
介護
2.6 倍
医療
1.7 倍
(うち介護 17 兆円(3.1%)
)
医療
48 兆円
(8.8%)
た財源の中で効率的かつ重点的にサービスを
年金
47.4 兆円
(12.6%)
年金
1.4 倍
年金
65 兆円
(12.0%)
提供する仕組みとしていくことが必要とされ
国民所得 375.6 兆円
1.4 倍
国民所得 540 兆円
ています。
18 年度(予算ベース)
37 年度
※上記見通しにおける人口前提は「日本の将来推計人口(14 年 1月推計)
」である。
(出典)厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し(18 年 5月)
」
5
健保組合における介護保険料
健保組合における第 2 号被保険者の負担する介護保険料(以下「第 2 号保険料」といいます。
)は、下図
の計算式(概要)により算出し、健康保険の保険料(一般保険料)と一体的に徴収されます。なお、介護
保険料は、一般保険料と同様に原則、被保険者と事業主で 1/2 ずつ負担します。
図 8 健保組合における介護保険料の計算式(概要)
第 2 号被保険者の負担する介護保険料(年額)
Ⅱ
介護保険料(年額)
=
標準報酬月額
×
Ⅱ
介護保険料率
×
+
12
標準賞与額
×
介護保険料率
介護保険料率
Ⅱ
介護納付金
≒
介護保険料率
第2号被保険者の標準報酬月額・標準賞与額の年間総額
介護納付金の負担
「社会保障・税一体改革成案」のなかでは、介護納付金の按分方法に総報酬額に応じた負担(総報酬割)
を導入することが盛り込まれています。
もし総報酬割が導入されると、協会けんぽに対する国庫補助の削減分を健保組合などが肩代わりする構
図となり、健保組合全体で大幅な負担増となります(図 9 参照)
。また、介護を社会化するという理念の
もと原則として自らは給付を受けられない第 2 号被保険者が公平に負担を分かち合うために介護納付金は
加入者割とされていましたが、総報酬割となると制度創設時の理念から逸脱することになり、また、総報
酬額の違いによって負担が極端に増減してしまうことになります。
図 9 介護納付金の総報酬割導入による財政影響試算(27 年度)
12000
1,300億円増
10000
国庫補助
1,600
億円
8000
500億円減
6000
4000
700億円増
9,000
7,700 億円
億円
8,200
7,700
億円
億円
2000
0
左:加入者割による負担額
(現行ベース)
右:総報酬割による負担額
(改革案)
計9,800億円
2,500
億円
健保組合
協会けんぽ
3,200
億円
共済組合
※厚生労働省資料にもとづき健保連試算。厚生労働省の試算によると健保組合のうち75%程度が負担増の見込み。
※増減の値は国庫補助を除いた実質負担で比較した差。
6
健保組合における介護保険料の特例
① 特定被保険者
健保組合の介護保険料は、第 2 号被保険者である健康保険の被保険者(以下「第 2 号被保険者たる被
保険者」といいます。
)を徴収の対象とするのが原則ですが、健保組合は、第 2 号被保険者である被扶
養者(以下「第 2 号被保険者たる被扶養者」といいます。
)を扶養している被保険者であって、自らは
第 2 号被保険者ではない者に対して、介護保険料を賦課することもできます。この被保険者を「特定被
保険者」といいます。この特定被保険者制度を採用するためには、組合会の議決を経て組合規約を変更
し、厚生労働大臣の認可を受けることが必要です(現在約 600 組合(全組合の 4 割)が採用)
。
特定被保険者制度を採用した場合、特定被保険者からは、第 2 号被保険者たる被保険者と同様に、一
般保険料と介護保険料を合算した額を徴収します。
なお、以前は、一般保険料率と介護保険料率を合わせた保険料率に上限が設定されていましたが、平
成 13 年 1 月からは一般保険料率にのみ上限が設定され、
介護保険料率には上限が設けられていません(現
行の一般保険料率の上限:120/1000)
。
○ 介護保険料率への影響
介護保険料率は、各保険者に賦課された介護納付金額を第 2 号被保険者たる被保険者の標準報酬
月額及び標準賞与額の総額の見込額で割った率を基準に設定しますが、特定被保険者制度を採用し
た場合は、同見込額に特定被保険者分を算入しますので、介護納付金を負担する対象者が通常より
増え、介護保険料率を若干低下させる効果があります。
○ 特定被保険者の対象
特定被保険者の対象となるのは、第 2 号被保険者以外の被保険者が、第 2 号被保険者たる被扶養
者を扶養する場合であり、例えば、① 40 歳未満の健保組合の被保険者が第 2 号被保険者たる被扶養
者を扶養する場合、②健保組合の被保険者が国外に単身赴任し、国内に住所を有しない場合で、国
内の第 2 号被保険者たる被扶養者を扶養する場合などがこれに該当します。
具体的には、下表の①〜⑧の区分に応じて、各健保組合の規約により特定被保険者の範囲を限定
することが可能です。
表 3 特定被保険者の範囲設定
被保険者の年齢区分等
40 歳未満
40 歳以上 65 歳未満
65 歳以上
海外居住
①
②
③
適用除外
施設入所
④
⑤
⑥
上記以外
⑦
介護保険
第 2 号被保険者
⑧
国内居住
特定被保険者の範囲=第 2 号被保険者以外の被保険者であり、第 2 号被保険者たる被扶養者を有する
被保険者。ただし、次のⅠ〜Ⅳのなかでその範囲を選択する。
Ⅰ=①+②+③+④+⑤+⑥+⑦+⑧(全ての被保険者)
Ⅱ=①+②+③+⑦+⑧(適用除外施設入所者を除く。)
Ⅲ=④+⑤+⑥+⑦+⑧(海外に居住する被保険者を除く。)
Ⅳ=⑦+⑧(海外に居住する被保険者及び適用除外施設入所者を除く。)
7
② 承認健康保険組合における特別介護保険料
対象者から徴収する介護保険料の額の算定は、第 2 号被保険者たる被保険者(前述の特定被保険者を
含む。)の標準報酬月額及び標準賞与額の総額に介護保険料率を乗じる標準報酬比例方式が原則ですが、
もうひとつの方法として、全員同額または複数の所得段階別に介護保険料の額を定める定額方式の介護
保険料を採用することもできます。この定額方式の介護保険料のことを「特別介護保険料」といいます。
特別介護保険料を採用した健保組合の第 2 号被保険者たる被保険者の保険料額は、一般保険料額と特
別介護保険料額(定額)を合算した額となります。
特別介護保険料の方式を採用する場合には、組合会において組合議員定数の 3 分の 2 以上の多数によ
る議決を経て、厚生労働大臣の承認を受ける必要があります。承認を受けた健保組合を「承認健康保険
組合」と言います。また、特別介護保険料額の算定方法を定めた組合規約を組合会で議決し、厚生労働
大臣の認可を受けることも必要です。
健保組合が承認健康保険組合の承認と特別介護保険料額の算定方法に係る組合規約の変更の認可をう
けるためには、①承認(認可)をうける初年度の合算率(図 10 参照)とその計算の基礎を示した書類、
②特別介護保険料額の算定方法と初年度の介護納付金に要する費用の見込額を記載した文書─を添えて
申請します。なお、承認と認可は同時に行われますが、特別介護保険料額の算定方法を変更するときは、
あらためて認可申請を行います。
図 10 承認健康保険組合における合算率の計算式
合算率
合算率
特別介護保険料の総額(見込)
≒
+
一般保険料率
第2号被保険者の標準報酬月額・標準賞与額の年間総額(見込)
○ 特別介護保険料額
特別介護保険料額は規約により、1 または 2 以上の標準報酬月額の段階に応じて定めることになります。
1 段階とした場合には全員が同額となり、2 以上の段階とした場合は現在の標準報酬月額の等級である 47
段階が最大となります。また、組合会の議決をもって規約に「被扶養者の人数に応じて」徴収する旨を定
めることにより、
第 2 号被保険者たる被扶養者の人数に応じて特別介護保険料額を徴収することもできます。
なお、特別介護保険料額の徴収に際しては次の点に留意する必要があります。
(1)特別介護保険料額(定額)の算定にあたっては、1 または 2 以上の標準報酬月額の等級区分に応
じて定めることになるが、その際には低い等級区分の額が高い等級区分の額を上回らない定額の基
準額をそれぞれ設定する必要があること。
(2)等級区分ごとの基準額にそれぞれ該当する第 2 号被保険者たる被保険者数を乗じて得た額の合計
額が当該年度の介護納付金相当額に見合ったものとなっていること。
(3)第 2 号被保険者たる被扶養者の人数に応じて徴収する場合は、標準報酬月額等級区分に応じた基
準額に世帯内の第 2 号被保険者数(特定被保険者を除く)を乗じて得た額がその者の定額の介護保
険料になっていること。
(4)特別介護保険料額(定額)で徴収することとした場合、料率に換算した際には、所得の低い者が
所得の高い者の率よりも高くなるといった逆進性の問題を含んでいることについて関係者の理解を
得ておく必要があること。
8
○ 特別介護保険料額の設定例
例えば、以下の例の健保組合について、特別介護保険料額(月額)を設定してみます。
【設定例】
・被保険者数 10,000 人(うち 40 歳以上 65 歳未満 4,000 人)
・被扶養者数 5,000 人( 〃 2,000 人)
・第 2 号被保険者総数 6,000 人[4,000 人+ 2,000 人]
・第 2 号被保険者 1 人当たりの負担(見込)年額= 54,191 円
月額≒ 4,516 円
・当該年度の介護納付金の額(年額)= 325,146,000 円[54,191 円× 6,000 人]
(月額)≒ 27,096,000 円[ 4,516 円× 6,000 人]
(設定例では介護準備金、前年度繰越金等を考慮していません。また、特定被保険者制度を採用してないも
のとします。
)
○ 1 段階の特別介護保険料額を設定する場合
1 段階で特別介護保険料額を算出すると、
[27,096,000 円÷ 4,000 人= 6,774 円]となりますので、第 2
号被保険者たる被保険者 1 人当たり月額 6,774 円以上の特別介護保険料額を設定する必要があります。
○ 5 段階の特別介護保険料額を設定する場合
5 段階の特別介護保険料額を設定する場合は、例えば下表の区分のように特別介護保険料額を徴収す
ると、月額 27,400,000 円の介護保険料額を徴収することができ、当該年度の介護納付金を賄うことがで
きます。
今回の例では、標準報酬月額等級を 5 つに分け、最も低い等級区分の基準額を 1,000 円として、標準
報酬月額等級区分の上昇に従って、それぞれ基準額の 2 倍、5 倍、9 倍、16 倍しています。この乗率は、
1 < 2 < 5 < 9 < 16 となっており、段階設定の要件を満たしています。
表 4 5 段階の特別介護保険料額の設定例
標準報酬月額区分
基準介護
保険料額(月額)
対象
被保険者数
介護保険料収入
58,000 ~ 126,000 円
1,000 円
100 人
100,000 円
134,000 ~ 220,000 円
2,000 円
300 人
600,000 円
240,000 ~ 410,000 円
5,000 円
1,600 人
8,000,000 円
440,000 ~ 710,000 円
9,000 円
1,900 人
17,100,000 円
750,000 ~ 1,210,000 円
16,000 円
100 人
1,600,000 円
4,000 人
27,400,000 円
合 計
③ 事業主の負担割合の増加
介護保険料にかかる事業主の負担割合は原則 1/2 とされていますが、健保組合は規約で定めるところ
により、事業主の負担すべき介護保険料の負担割合を増やすことができるとされています。
9
第 2 号被保険者の適用、保険料の徴収にかかる質疑
Q1
介護保険の第 2 号被保険者の資格を取得するのは、満 40 歳に達したときと聞いていますが、具体的に
誕生日が 1日の場合には、いつが資格取得日になるのですか。
また、満 65 歳に達したときの第 2 号被保険者の資格を喪失する日はいつになりますか。こうした場合
の介護保険料はどうなるのですか。
A1
Q2
A2
1.
「満 40 歳に達したとき」とは、法律(年齢計算に関する法律及び民法)上、誕生日の前日を意
味しています。したがって、誕生日が 1 日の場合には、誕生月の前月の末日がその者の第 2 号被
保険者の資格取得日になり、介護保険料については、誕生月の前月から徴収することになります。
2.また、介護保険第 2 号被保険者が「満 65 歳に達したとき」には、誕生日の前日をもって第 2
号被保険者の資格を喪失することになりますが、同時に第 1 号被保険者になります。
3.したがって、誕生月(誕生日が 1 日の場合は誕生月の前月)は、第 2 号被保険者としての介護保
険料を納める必要は無くなりますが、第 1 号被保険者としての介護保険料を納める必要があります。
40 歳から 64 歳までの健康保険組合の被保険者であっても、第 2 号被保険者の適用対象外となる場合
があると聞いていますが、具体的にはどんな場合なのでしょうか。
40 歳から 64 歳までの健康保険組合の加入者であっても、海外勤務で国内に住所を有さないよう
な者や、次のような施設に入所している者は、介護保険の第 2 号被保険者とはなりません。 (介護保険法施行法第 11 条)
(1)
児童福祉法第 43 条の 4 に規定する重症心身障
害児施設
(2)
児童福祉法第 7 条第 6 項の厚生労働大臣が指定
する医療機関(当該指定に係る治療等を行う病床
に限る。
)
(3)
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞ
みの園法第 11 条第 1 号の規定により独立行政法
人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置
する施設
る保険給付を受給しており、かつ、居宅において
介護を受けることが困難な者を入所させ、当該者
に対し必要な介護を提供するものに限る。
)
(7)
障害者支援施設(知的障害者福祉法第 16 条第
1 項第 2 号の規定により入所している知的障害者
に係るものに限る。
)
(8)
指定障害者支援施設(障害者自立支援法第 19
条第 1 項の規定による支給決定(生活介護及び施
(4)
ハンセン病問題の解決の促進に関する法律第 2
設入所支援に係るものに限る。
)を受けて入所し
条第 2 項に規定する国立ハンセン病療養所等(同
ている知的障害者及び精神障害者に係るものに限
法第 7 条又は第 9 条に規定する療養を行う部分に
限る。
)
(5)
生活保護法第 38 条第 1 項第 1 号に規定する救
護施設
(6)
労働者災害補償保険法第 29 条第 1 項第 2 号に
規定する被災労働者の受ける介護の援護を図るた
10
めに必要な事業に係る施設(同法に基づく年金た
る。
)
(9)
障害者自立支援法第 29 条第 1 項の指定障害福
祉サービス事業者であって、障害者自立支援法施
行規則第 2 条の 3 に規定する施設(同法第 5 条第
5 項に規定する療養介護を行うものに限る)
。
Q3
A3
資格の取得、喪失のあった月における介護保険料の徴収の具体的な取扱いはどうなるのですか。
第 2 号被保険者の資格取得の月においては、たとえ月の最終日が資格取得の日であっても、その
月分の介護保険料の全額が徴収され、資格喪失の月においては、前月より引き続き被保険者である
者の喪失の場合には、その月分の介護保険料は徴収できません。
(資格を取得した月に資格を喪失
した場合は、その月分の介護保険料は徴収されます。
)
ただし、第 2 号被保険者の資格喪失の月に再び第 2 号被保険者となった場合は、その月分の介
護保険料は徴収されることになっています。
図 11 第 2 号保険料の徴収①
A−1月
A 月
A+1月
40歳到達
第2号被保険者
国内居住
40歳以上
65歳未満
第2号被保険者
65歳
国外居住
国内居住
第2号被保険者
第2号被保険者
退職
就職
②
▼
▼
③
第2号被保険者
就職
①
退職
②
▼
▼
③
第2号被保険者
40歳
①
退職
▼
②
徴収あり
徴収なし
第2号被保険者
①
徴収あり
徴収なし
第2号被保険者
国外居住
A月分保険料
就職
▼
③
第2号被保険者
40歳
国外居住
第2号被保険者
国内居住
65歳
第2号被保険者
徴収あり
③で徴収あり
②と③で徴収あり
③で徴収あり
徴収あり
徴収あり
11
【参考】介護保険料の徴収の取扱いについて
①まず、A月において一般保険料(医療保険分)を徴収するかを判断する。
図 12 第 2 号保険料の徴収②
A−1月
(1)
A月
A+1月
一般保険料
無
(2)
一般保険料
(いわゆる資格の同月得喪)
徴収
②次に、一般保険料を徴収される場合に介護保険料も併せて徴収するか否かを判断する。
健康保険において一般保険料を徴収するに当たり、介護保険料を上乗せするか否かを、
介護保険の資格から判断することが必要。
図 13 第 2 号保険料の徴収③
(1)
介護保険分
A−1月
A月
A+1月
( A月において第 2 号 被 保 険 者であれ
ば、介護保険分を上乗せ)
②
医療保険分
(2)
介護保険分
②
①
医療保険分
(3)
介護保険分
②
医療保険分
(4)
介護保険分
②
医療保険分
退職
※ ①…第1号被保険者 ②…第2号被保険者
12
(A月において第2号被保険者でなくな
るのであれば、介護保険分は上乗せし
ない)
(A月において第2号被保険者になって
再び2号でなくなる場合は、介護保険分
を上乗せ)
(A月においてそもそも一般保険料は徴
収されないため、介護保険分の資格は
考慮する必要がない)
第 1 号被保険者の保険料
3 ページの表 2 のとおり按分された第 1 号被保険者の負担は、65 歳以上の高齢者に個人単位で課した保
険料(以下「第 1 号保険料」といいます。
)により賄います。第 1 号保険料は、低所得者などに配慮し負担
能力に応じた負担を求める観点から、市町村民税の課税状況などに応じた保険料率(保険料基準額×所得
段階別の割合)により算定されています(標準は 6 段階設定)
。
図 14 第 1 号保険料の賦課
市町村民税本人非課税
市町村民税本人課税
(保険料基準額 ×)1.5
1.25
月 4,160 円(第 4 期全国平均)
1.0
0.75
0.5
第 1 段階
第 2 段階
第 3 段階
第 4 段階
第 5 段階
第 6 段階
収入
第 1 段階
第 2 段階
第 3 段階
第 4 段階
第 5 段階
第 6 段階
生活保護受給者
世帯全員が市町
村民税非課税
かつ本人年金収
入 80 万円以下等
世帯全員が市町
村民税非課税
かつ本人年金収
入 80 万円超等
本人が市町
村民税非課税
(世帯に課税者
がいる)
市町村民税課税
かつ基準所得金額
200 万円未満
市町村民税課税
かつ基準所得金額
200 万円以上
第 1 号保険料の多段階設定
第 1 号被保険者の負担能力に応じて保険料を賦課する観点から、第 3 期(18 年度~ 20 年度)から、保
険者において、保険料負担段階の第 5 段階以上(本人課税層)の多段階化及び保険料率の設定ができるよ
うになりました。これを保険料の「多段階設定」といいます。第 5 期においても、地域の実情に応じて、
第 5 段階以上の多段階設定を行うことが可能となっています。
また、第 5 期においては、①第 3 段階の対象者について、保険者の判断により、第 3 段階の所得区分を
細分化できる措置の新設(特例第 3 段階の新設)
、②第 4 段階の対象者のうち、公的年金等収入金額及び合
計所得金額の合計額が 80 万円以下の被保険者について、保険者の判断により、基準額に乗じる割合を軽減
することができる措置の継続(特例第 4 段階の継続)─が予定されています。
図 15 多段階設定の概略
(保険料率)
多段階設定
特例第 4 段階※
特例第 3 段階※
・・・
第 1 段階
第 2 段階
第 3 段階
第 4 段階
第 5 段階
第 6 段階
第 7 段階
第 8 段階
第 9 段階
※介護保険法施行令の改正後、実施される予定。
13
介護保険の給付
利用手続
介護保険の被保険者が介護保険の介護サービスを受けるためには、まず市町村から、被保険者の心身の
状況調査(認定調査)
、主治医の意見書に基づき、要介護認定・要支援認定を受けます。認定基準は、全国
一律に客観的に定められており、要介護度に応じて、在宅の場合は利用できるサービスの費用の限度額が、
施設の場合は施設に支払われる費用が決まります。また、要支援度に応じても、介護予防サービスなどの
支給限度額が決まります。各種サービスの利用にあたっては、利用者の希望や心身の状態、そのおかれて
いる環境などにあったサービスを効率的・計画的に提供する観点から、介護サービスの利用計画(ケアプ
ラン)に基づいて行われるのが基本です。介護給付のケアプランは、在宅サービスの事業所や施設にいる
介護支援専門員(ケアマネージャ)に相談して、計画をたててもらいます。予防給付もしくは地域支援事
業のケアプランは地域包括支援センターが策定します。ケアプランの作成やプランに基づくサービス提供
のためのマネジメント費用は、全額が介護保険から給付され、利用者負担はありません。
図 16 サービス利用の手続き
∼
要 介 護
認 定
要 支 援
市 町 村 の 窓 口
利 用 者
○地域密着型サービス
・定期巡回・随時対応型訪問
介護看護※
・夜間対応型訪問介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護
・複合型サービス※ など
○施設サービス
・特別養護老人ホーム
・老人保健施設
・介護療養型医療施設
要介護状態となるおそれがあり
日常生活に支援が必要な方
要支援・要介護に
なるおそれのある者
・介護予防通所介護
・介護予防通所リハビリテーション
・介護予防訪問介護 など
○地域密着型介護予防サービス
・介護予防小規模多機能型
居宅介護
・介護予防認知症対応型
共同生活介護 など
○介護予防・日常生活支援
総合事業※
○介護予防事業
○市町村の実情に応じた
サービス
※は24年4月1日より創設
14
地域支援事業
非該当
○介護予防サービス
予防給付
要支援 1
要支援 2
介護予防ケアプラン
認 定 調 査 ・医 師 の 意 見 書
要介護 5
・訪問介護 ・訪問看護
・通所介護 ・短期入所生活介護
など
介護給付
要介護 1
介護サービスの利用計画
︵ケアプラン︶
寝たきりや認知症で
介護サービスが必要な方
○居宅サービス
医療保険との給付調整
介護保険から給付されるサービスのなかには、医師による医学的管理等、看護師等による訪問看護など、
要介護者等の心身の特性をふまえた医療サービスもあります。介護保険と医療保険の給付が重なる部分に
ついては、介護保険の給付が優先するしくみとなっています。
一方、介護保険の受給者(要介護者等)であっても、病状が悪化したり新たな病気にかかって一般の医
療機関を受診した場合や、急性期病棟に入院した場合などで、介護サービス以外の急性期医療などが必要
な場合は、原則として医療保険から給付を受けます。
図 17 介護サービス受給者に対する医療保険の給付範囲
介護サービス受給者に対する
【参考】介護保険の給付
医療保険の給付
○ 介護ニーズに対応する医療
○ 通常の医療
・一般の医療機関における外来
・主治医による医学的管理等
・急性期病棟への入院
・看護師等による訪問看護
・訪問・通所リハビリテーション
○ 緊急等やむをえない場合の医療
・老人保健施設への入所
(介護保険適用部分での複雑な医療)
・介護療養型医療施設への入院(長期療養に
○ 介護保険施設での対応が困難な医療
対応する日常的な医療行為に限る)
(歯の治療など)
医療保険と介護保険の負担合計額が高額の場合
同一の医療保険に加入する被保険者とその被扶養者について、毎年 8 月からの 1 年間に負担した医療保
険の一部負担金等の額と介護保険の利用者負担額の世帯合算額が、
算定基準額(表 5 参照)を超える場合に、
医療保険者、後期高齢者広域連合からは「高額介護合算療養費」が、介護保険の保険者からは「高額医療
合算介護(予防)サービス費」が支給されます。
ただし、医療にかかる自己負担額または介護にかかる利用者負担額のいずれかが 0 円の場合は支給され
ません。また、高額療養費や付加給付、高額介護サービス費等を受けられる場合は、その支給額を控除し
てなお残る負担額が合算額となります。
表 5 算定基準額
70 歳未満の世帯
70 ~ 74 歳の世帯
75 歳以上の世帯
上位所得者・現役並み所得者
126 万円
67 万円
67 万円
一 般
67 万円
62 万円( 56 万円※)
56 万円
31 万円
31 万円
19 万円
19 万円
市区町村民税非課税者
低所得者
34 万円
老齢福祉年金受給者
※ 24 年 7 月 31 日までに受けた療養の場合
※合算額が算定基準額を超えても、その額が支給基準額(500 円)を超えない場合は支給されません。
15
図 18 高額介護合算療養費等の支給に係る事務手続の流れ
計算期間内に加入している保険者に変更がない場合
⑤計算結果(支給額)の送付
①支給申請書兼自己負担額
証明書交付申請書(※)
③支給申請書(②の
証明書を添付)
(※)
Ⓐ
医療保険者
被保険者及び
その被扶養者
介護保険者
Ⓒ
④支給額
の計算
Ⓑ
②自己負担額証明書交付
Ⓓ
Ⓓ
⑥支給決定通知書の送付及び現金の支給
⑥支給決定通知書の送付及び現金の支給
※ 被保険者及びその被扶養者は、介護保険者から自己負担額証明書の交付を受ける。(介護保険者に対しては、個人ごとに介
護の被保険者として手続きを行う。ただし、自己負担額が零のときは、当該手続きは省略可能。)
支給計算は基準日に加入する医療保険者が行うため、被保険者は本人及びその被扶養者に係る自己負担額証明書を添付し
て、当該医療保険者へ支給申請を行う。
食費・居住費にかかる給付
介護保険における施設サービスや短期入所生活介護などの短期入所サービス(ショートステイ)におけ
る食費・居住費(滞在費)は、サービスの利用者が全額自己負担します。ただし、低所得者に対しては、
所得に応じて設定された負担限度額を超える費用について、特定入所者介護(介護予防)サービス費(補
足給付)が支給されます。
一方、医療保険では 65 〜 74 歳の人が医療保険の療養病床に入院している場合には入院時生活療養費(食
費+居住費)が、それ以外の場合には入院時食事療養費(食費)が支給されます。その支給額は基準額か
ら標準負担額を除いた額となります。
図 19 食費・居住費
介護保険 介護保険
医療保険 医療保険
基準額
基準額
保険給付 保険給付
標準負担額 標準負担額
患者負担 患者負担
低所得者
基準費用額 基準費用額
低所得者
一般
一般
※
※
保険給付 保険給付
負担限度額 負担限度額
利用者負担
利用者負担
利用者負担
利用者負担
※食費または居住費が、国が定める基準費用額を超え
※食費または居住費が、国が定める基準費用額を超え
る場合、補足給付は支給されません。
る場合、補足給付は支給されません。
16
表 6 医療保険における食費・居住費
療養病床に入院する 65 歳以上の方(※ 1 )
(入院時生活療養費)
区 分
基準額(※ 2 )
標準負担額
一般の方
左以外の方(一般病床など)
(入院時食事療養費)
(食 費)1 食 554 円
(居住費)1 日 398 円
1 食につき 640 円
(食 費)1 食 460 円(※ 3 )
(居住費)1 日 320 円
1 食につき 260 円
市町村民税非課税の
世帯に属する方等
(食 費)1 食 210 円
(居住費)1 日 320 円
上記のうち、世帯全
員が一定の所得以下
(食 費)1 食 130 円
(居住費)1 日 320 円(※ 5 )
1 食につき 210 円(※ 4 )
1 食につき 100 円
※ 1 難病等の入院医療の必要性の高い方の負担額は、1 食 260 円等(居住費の負担なし。)
※ 2 厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして届出をし、当該基準による療養を行う場合。
※ 3 管理栄養士等による栄養管理、適時・適温の食事等が提供されている場合に限る。 ※ 4 過去 1 年間の入院日数が 90 日超の場合。
※ 5 老齢福祉年金受給者の場合はさらに軽減。
表 7 介護保険における食費・居住費
介護保険施設に入所している方(多床室)
(補足給付)
区 分
(食 費)1日 1,380 円
(居住費)1日 320 円
基準費用額
負担限度額
(例)
年金 80 万円超で
市町村民税非課税
(食 費)1日 650 円
(居住費)1日 320 円
(例)年金 80 万円以下
の者
(食 費)1日 390 円
(居住費)1日 320 円
(例)生活保護受給者
(食 費)1日 320 円
(居住費) 0 円
医療療養病床と介護保険施設
医療保険制度では、病院または診療所が保険診療を行うには地方厚生(支)局長による保険医療機関の
指定を受ける必要があります。同様に、介護保険制度では、介護保険の施設サービスを行う介護保険施設
は都道府県知事の指定(老人保健施設については開設許可)が必要となっています。指定(開設許可)を
受けるためには、施設の種類毎に医療の必要度や求められる機能などに応じて定められた施設・人員など
の基準を満たしていなければなりません。
表 8 医療療養病床と介護保険施設
1 人当たり
床面積
(参考)一般病床
医療療養病床
介護療養病床
介護療養型
老人保健施設
(従来型の)
老人保健施設
特別養護
老人ホーム
6.4㎡以上
6.4㎡以上
6.4㎡以上
8.0㎡以上(大規模改
修までは 6.4㎡以上)
8.0㎡以上
10.65㎡以上
医師 3 人
看護職員 20 人
介護職員 20 人
医師 3 人
看護職員 18 人
介護職員 18 人
医師 1 人
看護職員 18 人
介護職員 18 人
医師 1 人
看護職員 10 人
介護職員 24 人
医師 必要数
看護職員 3 人以上
介護職員 31 人以上
(入所者数 100 人の場合)
人員配置
医師 6.25 人
(100 床当たり) 看護職員 34 人
施設の種類
財 源
病 院
医療保険
施 設
介護保険
17
療養病床の再編成
介護療養病床については、 24 年 3 月 31 日までに、 医療の必要度に応じた機能分担を図るため老人保健
施設や特別養護老人ホームなどの介護施設等に転換し、 制度は廃止されることとなっていましたが、転換
は当初のねらいどおりにすすみませんでした。そこで、23 年 6 月に改正された介護保険法では、廃止期限
が延長され、24 年 4 月 1 日時点で指定を受けているものについては、30 年 3 月 31 日まで存続できること
となりました(ただし、
改正から 3 〜 4 年後の実態調査に基づいて見直すこととされています)
。その一方、
24 年度以降、新設は認められないこととされました。
図 20 療養病床の再編成
35万床
高
医療の必要性の高い方と低い方とが混在
医療の必要性の高い方と低い方が混在
低
介護療養病床
医療療養病床
(介護保険から
サービスを給付)
(医療保険からサービスを給付)
※
転 換
︿平成 年度∼﹀
夜間対応
介護療養型老人保健施設
従来型の老人保健施設
医療療養病床
30
特別養護老人ホーム 等
主に医療を必要とする方
(医療保険)
主に介護を必要とする方
(介護保険)
※病床転換助成事業
(19 ページ参照)の対象
35万床
表 9 療養病床数の推移
医療療養
介護療養
療養病床数
病床数
病床数
計
18 年 4 月※ 1
263,742
120,700
384,442
19 年 4 月※ 1
250,955
113,777
364,732
20 年 4 月※ 1
255,483
103,705
359,188
21 年 4 月※ 2
260,452
94,839
355,291
22 年 4 月※ 2
262,665
87,142
349,807
22 年 7 月※ 2
263,269
85,676
348,945
※ 1 確定数
※ 2 概数
(出典)厚生労働省「病院報告」
18
病床転換助成事業の概要
病床転換助成事業は、療養病床の転換を支援するため、都道府県の区域内にある医療機関が療養病床(医
療保険適用)から介護保険施設等へ転換する場合にその整備費用を都道府県から助成するものです。
(20 〜 24 年度)。
その費用負担割合は、
「国:都道府県:医療保険者 =10:5:12」となっています。
図 21 病床転換助成事業の流れ
支援金額の通知
社会保険
診療報酬
支払基金
交付
病床転換助成交付金(12/27)
都道府県
交付金申請
支援金額
の通知
医療機関
(注)
(5/27)
国
医療保険者
病床転換支援金
交付金(10/27)
申請
(注)支払基金は、医療保険者から病床転換支援金を徴収し、都道府県に対して病床転換助成交付金を交付
図 22 病床転換助成事業の対象
対象となる転換先施設
対象となる病床
①療養病床(介護療養型医療施設を除く)
②一般病床のうち、療養病床とともに同一病院(また
は同一診療所)内にあり、療養病床とともに転換を
図ることが合理的であると考えられるもの
転換に係る整備費用を助成
転 換
補助単価
○創設 100 万円
(既存の施設を取り壊さずに、新たに施設を整備)
○改築 120 万円(既存の施設を取り壊して、新たに施設を整備)
○改修 50 万円(躯体工事に及ばない屋内改修(壁撤去等))
①ケアハウス ②老人保健施設(介護療養型を含む)
③有料老人ホーム
(居室は原則個室とし、1 人当たりの床面積が概ね 13 ㎡以上で
あること。)
④特別養護老人ホーム
⑤ショートステイ用居室(特別養護老人ホームに併設するものに
限る。)
⑥認知症高齢者グループホーム
⑦小規模多機能型居宅介護事業所
⑧生活支援ハウス
⑨適合高齢者専用賃貸住宅になりうる高齢者専用賃貸住宅
※上記対象転換先施設については、介護療養型医療施設転換整備事業と同様
病床転換助成事業
健保組合も医療保険者として、事業の発足当初(20 年度)から病床転換支援金等を負担していますが、
その根拠となる病床転換助成事業は 24 年度までと法律に規定されています。
ただし、介護療養病床の廃止期限が延長された(18 ページ参照)ことを受けて、今後の病床転換助成事
業の取扱いが検討課題となりそうです。
19
健保組合も医療保険者として病床転換助成事業に要する費用の 12 / 27 を加入者見込数に応じて、病床
転換支援金等として負担します。しかし、医療療養病床から介護保険施設への転換が当初の見込みほど進
んでいないことから、21 年度までで約 65 億円の残高が生じてしまうこととなりました。この剰余金につ
いては医療保険者への返還規程がないことから、社会保険診療報酬支払基金において積立金として処理さ
れています。そこで、22・23 年度の病床転換支援金等は計算こそされるものの、22・23 年度の事業に要す
る費用に積立金を充てることで、実際の賦課額は 0 円となっています。
図 23 各医療保険者に賦課される病床転換支援金等の計算式(概要)
病床転換支援金
Ⅲ
病床転換支援金
=
加入者1人当たり負担額
×
各医療保険者加入者見込数
※ 後期高齢者支援金や前期高齢者納付金のように、「概算」、「精算」はありません。
加入者 1 人当たり負担額
Ⅲ
病床転換助成事業に要する費用
加入者1人当たり負担額
× 12/27
=
全医療保険者加入者見込総数※
※ 後期高齢者医療広域連合を除く
表 10 2 年間の執行実績
【 20、21 年度合計】
金 額
支援金徴収対象
病 床 数
6,703 百万円
22,000 床
249 百万円
1,241 床
差引計
6,454 百万円
20,759 床
執行率
3.72%
5.64%
交付実績
(出典)厚生労働省資料
表 11 医療保険制度別の剰余金
(単位:百万円)
20 年度
①徴収額
( 10,000 床)
④徴収額
③差引(①−②)
( 12,000 床)
⑤実績
( 778 床)
⑥差引(④−⑤)
剰余金計
(③+⑥)
協会けんぽ
834
30
804
1,209
46
1,163
1,967
健保組合
712
26
687
1,034
39
994
1,681
共済組合
219
8
211
313
12
301
512
市町村国保
902
32
870
1,267
48
1,219
2,088
88
3
85
125
5
120
205
2,756
99
2,657
3,947
150
3,797
6,454
国保組合
合計
(出典)厚生労働省資料
20
②実績
( 463 床)
21 年度
地域包括ケアシステム
急速な高齢化に伴う諸課題に対応するため、介護保険法を一部改正し、医療、 介護、 予防、 住まい、 生
活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)を推進することとされました。
(24 年 4 月 1 日施行)
【地域包括ケアの 5 つの視点による取組み】
地域包括ケアを実現するためには、 次の 5 つの視点での取組みが包括的(利用者のニーズに応じた①〜
⑤の適切な組み合わせによるサービス提供)、継続的(入院、 退院、 在宅復帰を通じて切れ目ないサービス
提供)に行われることが必須。
①医療との連携強化
・24 時間対応の在宅医療、訪問看護やリハビリテーションの充実強化
・介護職員によるたんの吸引などの医療行為の実施
②介護サービスの充実強化
・特養などの介護拠点の緊急整備(21 年度補正予算:3 年間で 16 万人分確保)
・24 時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設など在宅サービスの強化
③予防の推進
・できる限り要介護状態とならないための予防の取組や自立支援型の介護の推進
④見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など
・一人暮らし、 高齢夫婦のみ世帯の増加、 認知症の増加を踏まえ、様々な生活支援(見守り、配食など
の生活支援や財産管理などの権利擁護サービス)サービスを推進
⑤高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備(国交省と連携)
・一定の基準を満たした有料老人ホームと高専賃を、サービス付高齢者住宅として高齢者住まい法に位
置づけ
※ 「地域包括ケアシステム」 は、ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健
康を確保するために、医療や介護、予防のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の
場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制と定義する。 その際、 地域包括ケア圏域については、
「お
おむね 30 分以内に駆けつけられる圏域」 を理想的な圏域として定義し、具体的には、中学校区を基本とする。
(「地域包括ケア研究会報告書」 より)
21
参考資料
■介護納付金収納額の推移
医療保険別
12年度
協会けんぽ
13年度
(単位:億円)
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
20年度
21年度
3,927
4,340
3,960
4,398
5,246
5,954
6,029
6,074
5,920
6,218
船員保険
34
36
27
30
33
30
31
33
30
32
共済組合
1,004
1,119
1,085
1,266
1,496
1,682
1,697
1,676
1,590
1,631
健保組合
3,135
3,432
3,189
3,662
4,292
4,758
4,879
4,948
4,818
5,086
国民健保
4,388
4,962
4,880
5,705
6,876
7,756
7,828
7,490
6,755
6,550
12,489
13,889
13,141
15,062
17,942
20,180
20,464
20,222
19,113
19,518
18年度
19年度
20年度
合計
※上記数値は各制度別に各事業年度(5 月〜 4 月)に実際納付された額。
※上記数値は億円未満を四捨五入しているため、合計が一致しないことがある。
※ 20 年 10 月 1 日、全国健康保険協会(協会けんぽ)が設立。以前は、政府管掌健康保険。
(出典)社会保険診療報酬支払基金「平成 21 事業年度介護保険特別会計付属明細書」
■第 2 号被保険者数の推移
医療保険別
12年度
協会けんぽ
13年度
(単位:万人)
14年度
15年度
16年度
17年度
21年度
1,329
1,307
1,288
1,271
1,269
1,284
1,286
1,306
1,334
1,338
船員保険
10
10
9
8
8
8
7
7
7
7
共済組合
350
353
353
353
353
355
355
350
350
356
健保組合
1,066
1,049
1,029
1,019
1,021
1,023
1,030
1,059
1,080
1,080
国民健保
1,553
1,564
1,586
1,610
1,621
1,606
1,560
1,511
1,470
1,452
合計
4,308
4,282
4,264
4,262
4,272
4,276
4,239
4,233
4,240
4,233
※上記数字は社会保険診療報酬支払基金が納付金額を確定するために医療保険者から報告を受ける
「第 2 号被保険者等報告書」を集計したものであり、各年度内の月平均値である。
※上記数値は万人未満を四捨五入しているため、合計が一致しないことがある。
※ 20 年 10 月 1 日、全国健康保険協会(協会けんぽ)が設立。以前は、政府管掌健康保険。
(出典)厚生労働省「第 2 号被保険者にかかる介護保険料について」
■第 1 号被保険者数の推移
区分
65~75歳未満
75歳以上
計
12年度
13年度
(単位:万人)
14年度
15年度
16年度
18年度
19年度
20年度
21年度
1,319
1,342
1,371
1,374
1,387
1,413
1,450
1,471
1,504
1,514
923
974
1,023
1,076
1,124
1,175
1,226
1,280
1,328
1,377
2,242
2,317
2,393
2,449
2,511
2,588
2,676
2,751
2,832
2,892
※上記数字は年度末現在の値である。
※上記数値は万人未満を四捨五入しているため、合計が一致しないことがある。 (出典)厚生労働省「平成 21 年度介護保険事業状況報告(年報)」
22
17年度
■要介護(要支援)認定者数
区 分
要支援1
第 1 号被保険者
要支援2
要介護1
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
計
591
631
0
825
816
688
607
538
4,696
87
97
0
108
120
91
73
68
643
504
533
0
717
696
597
534
471
4,053
10
20
0
22
33
24
19
21
150
601
651
0
847
849
713
626
559
4,846
12.4%
13.4%
0.0%
17.5%
17.5%
14.7%
12.9%
11.5%
100.0%
65 ~ 75 歳未満
75 歳以上
第 2 号被保険者
総 数
構 成 比
(単位:千人)
経過的
要介護
※ 21 年度末現在
(出典)厚生労働省「平成 21 年度介護保険事業状況報告(年報)」
■サービス種類別にみた受給者数及び費用額累計
介護予防サービス 21 年 5 月審査分~ 22 年 4 月審査分
累計受給者数
(単位:千人)
累計費用額
(単位:百万円)
総 数
9,973.1
397,873
介護予防居宅サービス
9,836.4
351,059
9,519.7
318,968
4,665.6
94,999
5.2
180
289.5
8,225
88.4
2,371
介護予防通所介護
3,926.4
142,976
介護予防通所リハビリテーション
1,379.2
59,067
介護予防福祉用具貸与
1,690.1
11,150
121.2
4,387
105.2
3,707
15.3
638
1.0
42
介護予防居宅療養管理指導
243.3
2,498
介護予防特定施設入居者生活介護
244.4
25,206
9,463.0
41,001
62.8
5,812
9.8
429
介護予防小規模多機能型居宅介護
42.3
2,812
介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
10.7
2,571
0.0
1
訪問通所
介護予防訪問介護
介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
短期入所
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護(老健)
介護予防短期入所療養介護(病院等)
介護予防支援
介護予防地域密着型サービス
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用)
※ 1 1 年間のうち介護予防サービスと介護サービスの両方を受けた者は、それぞれに計上される。
※ 2 費用額とは審査月に原審査で決定された額であり、保険給付額、公費負担額、利用者負担額の合計額である。
市町村が直接支払う償還払いは含まない。
(出典)厚生労働省「介護給付費実態調査」を基に健保連作成
23
参考資料
介護サービス 21 年 5 月審査分~ 22 年 4 月審査分
累計受給者数
累計費用額
(単位:千人)
(単位:百万円)
総 数
37,229.6
6,833,097
居宅サービス
25,352.0
2,934,557
22,709.1
2,271,753
9,527.9
617,911
952.5
55,815
2,921.2
130,082
648.1
20,067
11,238.1
908,878
4,437.6
358,889
11,656.2
180,111
3,818.4
357,440
3,215.7
300,831
605.7
51,519
50.1
5,089
居宅療養管理指導
3,330.6
35,738
特定施設入居者生活介護
1,325.0
269,625
22,949.7
302,046
2,916.1
636,917
54.0
1,379
認知症対応型通所介護
630.4
69,807
小規模多機能型居宅介護
406.6
80,980
1,706.5
454,002
2.8
200
地域密着型特定施設入居者生活介護
29.3
6,032
地域密着型介護老人福祉施設サービス
91.7
24,517
10,168.9
2,959,576
介護福祉施設サービス
5,201.1
1,405,857
介護保健施設サービス
3,890.2
1,120,351
介護療養施設サービス
1,117.5
433,368
訪問通所
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
通所介護
通所リハビリテーション
福祉用具貸与
短期入所
短期入所生活介護
短期入所療養介護(老健)
短期入所療養介護(病院等)
居宅介護支援
地域密着型サービス
夜間対応型訪問介護
認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)
認知症対応型共同生活介護(短期利用)
施設サービス
※ 1 1 年間のうち介護予防サービスと介護サービスの両方を受けた者は、それぞれに計上される。
※ 2 費用額とは審査月に原審査で決定された額であり、保険給付額、公費負担額、利用者負担額の合計額である。
市町村が直接支払う償還払いは含まない。
(出典)厚生労働省「介護給付費実態調査」を基に健保連作成
24
■介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の概要
= 23 年 6 月 22 日公布=
改正の目的
高齢者が地域で自立した生活を営めるよう、
医療、
介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される「地
域包括ケアシステム」の実現に向けた取組を進める。
改正法の概要
1.医療と介護の連携の強化等
① 医療、
介護、
予防、
住まい、
生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケア)を推進。
② 日常生活圏域ごとに地域ニーズや課題の把握を踏まえた介護保険事業計画を策定。
③ 単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24 時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービ
スを創設。
④ 保険者の判断による予防給付と生活支援サービスの総合的な実施を可能とする。
⑤ 介護療養病床の廃止期限(24 年 3 月末)を猶予。(新たな指定は行わない。)
2.介護人材の確保とサービスの質の向上
① 介護福祉士や一定の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施を可能とする。
② 介護福祉士の資格取得方法の見直し(24 年 4 月実施予定)を延期。
③ 介護事業所における労働法規の遵守を徹底、事業所指定の欠格要件及び取消要件に労働基準法等違反者を追加。
④ 公表前の調査実施の義務付け廃止など介護サービス情報公表制度の見直しを実施。
3.高齢者の住まいの整備等
① 有料老人ホーム等における前払金の返還に関する利用者保護規定を追加。
※厚生労働省と国土交通省の連携によるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進(高齢者住まい法の改正)
4.認知症対策の推進
① 市民後見人の育成及び活用など、市町村における高齢者の権利擁護を推進。
② 市町村の介護保険事業計画において地域の実情に応じた認知症支援策を盛り込む。
5.保険者による主体的な取組の推進
① 介護保険事業計画と医療サービス、住まいに関する計画との調和を確保。
② 地域密着型サービスについて、公募・選考による指定を可能とする。
6.保険料の上昇の緩和
○ 各都道府県の財政安定化基金を取り崩し、介護保険料の軽減等に活用。
施行日
1 ⑤、2 ②については公布日施行。その他は 24 年 4 月 1 日施行。
25
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