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THE 仕事人

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THE 仕事人
スマホブランディング
THE
仕事人
「前例通り」が通用しないのが、変化の激しい今の時代。特に消費者のお気に入りメディア
がスマホへシフトするなど、メディア接触が大きく変化する中で、マーケターは常にチャレ
ンジが求められる厳しい仕事になっています。そんな環境にポジティブに向きあい、挑戦
を続けている新時代のマーケターの方たちに、現在の課題、そして未来構想を伺います。
今月の仕事人
「お客さまと接する“瞬間”をブランディングする」
販売台数と希少性はトレードオフの
ポルシェ ジャパン マーケティング部
シニアアソシエイト
志水 弘樹氏
るのは難しいことです。
関係にあります。加えて、マカンのよ
そこでコンテンツづくりにおいては
うな S U V モデルも登場し、販売のた
国内のメディアと組み、より広い層から
めにはお客さまの層も広げていかなけ
興味をもってもらえるようなコンテンツ
ればならないのですが、ラグジュア
づくりに力を入れています。かつては
リーなブランドとしてのポジションも
本国で制作した広告をアダプテーショ
引き続き維持していくことが求められ
ンして使用するケースが多かったこと
る。相反する課題を同時に解決しなけ
に比べると、方針は大きく変わりました。
ればならない、難しい局面にあると感
a n t e n n a *では女性セレブを起用し
じています。
たイベントの模様を動画コンテンツと
ラグジュアリーなブランドとは、
「知
して配信したり、2 月 11日のバレンタ
る人ぞ知る」では成立しません。誰も
インデー前の祝日には、W e bメディア
イベント企画、リサーチと、新規のお客さま向けの
が知っているけれど、オーナーになれ
「c a f e g l o b e」とのタイアップコンテ
マーケティング活動に幅広く携わる。
る人はごく一部というギャップがある
ンツの配信も行いました。a n t e n n a *
からこそ、憧れが醸成され、強いブラ
を選んだのは、女性との親和性が高く、
ンドができあがると考えています。単
またデジタルの中でも、S N S など能
にブランドの露出場所を絞り込めばよ
動的に接するものより、受動的に情報
いわけではありません。
に触れるa n t e n n a *のような場の方が、
(しみず・ひろき)SP制作会社、外資系広告会社
を経て、2014年6月にポルシェ ジャパン入社。広
告・宣伝、デジタルマーケティング、カタログ作成、
2015 年は全世界での販売台数が
過去最高の 20 万台を超えたポルシェ。
国内においても S U V やセダンタイプ
そこで近年は、商業施設でイベント
男性的イメージの強いポルシェがより
などのラインナップが拡充し、販売台
を開催するなど、日常の中でポルシェ
幅広い層とコミュニケーションをとる
数が伸び続けている。販売数が増える
と触れてもらえる接点づくりに力を入
上で、適していると考えたためです。
中で、いかにしてラグジュアリーなブ
れてきました。接点のひとつとしてデ
この施策では、あえてブランド関与
ランドとしてのポジションを維持し続
ジタル、特にスマホの活用も重視して
度の高くない女性をコミュニケーショ
けようとしているのか。また、そこで
います。デジタルでのコミュニケー
ン・ターゲットに据えましたが、すぐ
のスマホ活用の可能性とは。
ションはポルシェのファンの方たちの
に成果につながるわけではない、長期
熱量が可視化されるので、波及効果が
的な活動の効果をどう見ていくか。今
大きいと感じています。
後もブランディングにおける課題とし
これまでポルシェは幸いなことに、
て取り組んでいきたいと考えています。
ブランド力で売れていく環境にあり、
コミュニケーション・ターゲットが
「需要マイナス1台」と形容されるよう
拡大する中で、課題になるのがポル
デジタルで重視するのは、受け手に
な、希少性のコントロールにより強い
シェ=スポーツカーというイメージ。
とっての心地良さ。適切なタイミング
ブランド力を築いてきました。
そもそもスポーツ性と日常における実
で、適切なコンテンツを、適切なメ
しかし、ここ5年ほどでポルシェと聞
用性、デザイン性と機能性など相反す
ディアを介してお客さまに届ける。そ
いてイメージされるスポーツカー以外に
る特性を調和させたところにポルシェ
の体験を魅力的なものにすることで、
もラインナップが拡充。それに伴い国
の価値がありますが、クルマに興味・
ポルシェと接する“瞬間”をブラン
内での販売台数が急激に拡大しました。
関心のない方々にその情報をお伝えす
ディングしていきたいと考えています。
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宣伝会議 2016.5
2016.5 宣伝会議
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