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警察本部減らそう犯罪推進室 森木室長(以下,森木室長) 今回

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警察本部減らそう犯罪推進室 森木室長(以下,森木室長) 今回
警察本部減らそう犯罪推進室 森木室長(
以下,森木室長)
今回の共同研究のパートナーでもあります,警察の方から実務的な立場で,共同研究についての感想,気付きな
どについてご意見をいただきます。まず,少年育成官の土井さん,お願いします。
警察本部少年サポートセンター 土井少年育成官(
以下,土井育成官)
まず越智先生,たいへん有意義なご発表,どうもありがとうございました。私たち少年育成官が所属しております少
年サポートセンターというのは事件を犯した少年,いわゆる非行少年の立ち直り支援のために料理教室とかサッカー,
パソコン教室とか,子ども達が自分の自己評価を高めて,再犯防止につながるようなことを,地域の皆さま方とともに
進めております。それから犯罪防止,規範意識の向上のために,学校,高校に行きまして,犯罪防止教室を行ってい
ます。これも地域の皆さま方と進めていき,寸劇・
体験談などをお話しいただきまして,ほとんど全校で実施しておりま
す。
そのような中で感じますのが,先生のご発表の中にありましたとおり
,確かに非行少年が多い学校の生徒さん,そ
れから深夜徘徊や喫煙行為などの不良行為の数が多い学校さんにつきましては,その子たちだけではなくて,大多
数のそこまでいかない中間層の生徒さんたちの無力感を大変に感じます。ですから,そこは行きましても,写真の中
にありましたように,少しちょっと気力に欠けているような生徒さんが非常に目立ちまして,私たちとしましてはそちら
の方に目を奪われることもたびたびあります。そのような中でどうして進めていけばいいかというのが鍵となってくると
思いますが,私たちはどうしても事件を犯した子どもたちの方に目を向けて,そこに一生懸命立ち直り支援の活動を
進めていきがちですが,実はそうではなくて ,学校を変える,社会を変える力となる子どもたちの大多数がそうした無
力感を持つ生徒,この学校にいなくてはならないけれども,勉強したいけれども,今のままではなかなかできない,
そうしたあきらめにも似たような気持ちを持つ生徒,それからどうせこうなら,今が楽しければそれでいいやという享楽
的な気持ちをもって,その時だけを楽しむ子どもたち,その子たちに対してどのようにアプローチしていくかが犯罪
抑止につながる鍵になるのではないかと思っております。
そこで,先生にお伺いしたいのは,目立つ子どもたちだけではなくて,中間層の子どもたちに対して,私たち警察,
行政,そしてここにいらっしゃる地域の皆さま方,それから地域のボランティア活動をこれから熱心に進めていきたい
と考えている方々とともにどのようにアプローチしていけばよいかということをアドバイスいただきたいと思います。
越智教授
難しい問題ですが,私が考えていることを申しますと,確かにおっしゃったように中間層の子ども達が実は一番数
が多いんですよね。彼らは突出した一部の問題行動に走る生徒の陰で,置き去りにされているような格好になってい
ると思うんです。というのは,先生方は一部の子どものためにエネルギーをかなり吸い取られてしまっていて,その中
間層の子どもたちの面倒を見る余裕がないような状態になっていると思います。
例えば中間層というのはおもしろくて ,実はその問題校の中でも勉学意欲というのは強いんですね。勉強しようとい
う気持ちはかなり持っている。しかし,残念ながら基本的な学力がないですから,通常の授業にはついていけない。
そういう生徒たちに教える訓練が先生達にはできていませんので,授業がお互い成り立たないんですね。成り立た
ない授業の中で先生たちは無力感というものに打ちのめされてしまうし,生徒たちも授業に対するある種の無力感を
感じてしまうことになるだろうと思います。
そういう授業に関する訓練をしなければならないというのも大事ですが,もう一つは,勉強以外でスポーツだとか課
外活動だとか,いろんなところに能力を発揮する場所があるはずですけれども,残念ながら一般に問題校と言われる
学校は課外活動に対しても力をそれほど入れてない。むしろ課外活動が盛んなのはいわゆる良い学校とでも言いま
しょうか,勉強もできるし,運動もできる,そういう
学校。問題のある学校に限って言いますとむしろ盛んではないので,
頑張れる選択肢がかなり限られてしまう,これもある種の,マタイ効果の一つの事例だと思います。そういう
問題のあ
る学校ほど,課外活動などのサポート
をする,低い学力をサポートするという手当が必要なはずなのですが,逆にそ
れがないと言っていいんでしょうね 。ちょっとネガティブなお話になってしまいましたが,現状で言いますと,いろん
なサポート
するポイントがあるのですがそれが決定的に足りない,そういうふうに言って良いと思います。
土井育成官
一部の生徒だけではなくて,地域の皆さま方とともに問題校の,問題のある子が多い学校に対してはそういった全
体に対しての働きかけの必要があるということがよく分かりました。ありがとうございました。
森木室長
それでは,井本情報官の方からコメント
があったらお願いします。
警察本部減らそう犯罪推進室 井本減らそう犯罪情報官(
以下,井本情報官)
今,県警で犯罪情報の発信をしております井本と申します。匹田先生にはいろいろと研究の方でお世話になりまし
た。ありがとうございました。
県警では全国に先駆けて「
減らそう犯罪情報官」という
制度を作って情報発信を今行っているわけですが,犯罪を
起こりにくい安全・
安心なまちづくりのためには,やはり地域のコミュニティ
を高めて,地域社会がそもそも持っていた
犯罪の抑制機能を高めていくこと,再生していくことが大切なんじゃないかと感じております。そうした中で県民の
方々に対して,地域の方々の当事者意識や縄張り意識を高めていくことが非常に大事だとわかりました。そのための
情報発信の役割は非常に大きいと感じて現在活動しているわけですが,そういう中で今日,先生の研究発表を聞か
せていただいて,犯罪を減らしていこうという
メッセージを受け手の方に確実に到達させるためには,送信者と受信者
とのコミュニケーションが大事で,さらに充実,工夫を図っていかないといけないということがよくわかったのですが,
現実には様々なところでいろんな警察官が情報を作って発信していくということで,なかなか思ったような発信ができ
てないところもあるのかなと思います。
県警としては情報の内容,発信については金太郎飴を切ったような状態で,同じような内容を発信していきましょう
と,トータルCRという取組みを現在行っているところでありますが,中にはそういった情報を受けようとされない方,活
動に参加されない方が多いのも確かであります。消極的な方に対しては,先ほど吉中先生からポイントカードのよう
なものを配ってメリット
感を高めたらどうでしょうかというお 話もありましたが,そういう消極的な人に対する情報発信を
いかにすればいいのかが,今の情報発信についての課題と認識しておりますので,そういうところを教えていただけ
ればと思います。よろしくお願いします。
匹田助教授
これはたいへん難しい問題なのですが,いくつかあると思います。一つは,まずできることは メディアミックスという
ことです。1つのメディアで言うのではなくて,今トータルCRという話をされましたが,例えばそれはパンフレットで,
ポスターで毎月同じことを言うという
金太郎飴もあると思いますが,それだけでなくてテレビでも同じことを言って,ポ
スターでも同じことを言って,口頭でも同じことを言うという
タイプの金太郎飴もできると思うんですね。ですから,時期
を1つにして,ある程度区切って同じ内容を様々なメディアで言う。そうすると人によってはニュースを,テレビをよく
見る人もいるし,ある人は交番のポスターを見る人も多いと思いますが,非常に到達度は高まるだろうと。そうすれば
会話が成立するようになるのではないかというのが一点。
それからもう一つはターゲットをもう少し,工夫したらよいかなと思っております。テレビのニュースなんかもそうなん
ですが,一般向け以外にどういう
ニュースがあるかと申しますと,障害者向け,例えば手話ニュースですとか,耳が聞
こえない方のために対応するようにテロップを工夫している,それから子ども向けのニュースとか,外国語放送という
ようなことをやっております。昨今,外国人が犯罪者になるケースも多いのですが,彼らは日本というのは防犯に対し
て意識が浅いからこう,ついやっちゃうんだ,機会論でいうと,機会がすごく多いと思いがちじゃないかなとも思うんで
すね。ですから,私たちが情報を発信していくということは,犯罪機会を減らすことにもつながりますし,ターゲットとい
うのが今一般に寄りすぎている,また場合によっては子どもだけに出している。そういうふうなこともあるんじゃないか
と。もう少し障害者ですとか,外国人ですとか,そういうマイノリティ
にも情報を提供できる工夫が欲しいかなというのが
2点目ですね。
3点目はもう少し難しいのですが,先ほど吉中先生が言われましたが,やはり最終的にはみんなが行動するように
情報提供する。意識だけですと共感してそれで終わりってなりますが,行動すると他の人が見ているんですよね。そ
れでつい他の人もまねしてみたくなる。ちょっと私ごとなんですが,私5年ほど前に広島にまいりまして,初めて路線
バスを利用した時に,運転手さんに小学生が「ありがとうございました」
と挨拶をされるんですよね 。東京では運転手さ
んに挨拶するなんて考えられなかったんです。ここの子どもたちはよくしつけができているなと思ったら,実は全員挨
拶するというのを知ってですね。これは実に気持ちいいことなので,私も真似しようと思って真似し始めた経緯があり
ます。だからみんなが行動していると,意識がない人でも徐々に真似し始めるということがある。単に金銭的にトクす
るだけではなくて気持ちもいい行動を徐々に広げていくという,地味な話かもしれませんが,メディアミックス,ターゲ
ットを広げる,気持ちよさ,みんながやっていることを広げていくという
3点が到達度を広げる上では,どれも効果があ
るのではないかなと思います。
井本情報官
ありがとうございました。情報発信をしながら感じることは,本当にこれがちゃんと到達しているんだろうかということ
です。例えば,講演に行って終わりに「
今日話したことをご家族に再度話してみてください。」とお願いするのですが,
不安な部分もあるというのが現状です。今日のお話を伺って自分たちが実際にやっていく中で一つ思うのは,私たち
が発信する情報をとにかく
気持ちを込めて発信する,その思いが最終的には伝わっていくのかなというようなことがあ
ります。
今,先生が気持ちよさというのを言われましたが,こうした消極的な人に対して伝達をしていくには,やっぱり積極
的な人に対して,一生懸命に情報発信をすることによって,受け手であるその人たちが今度は発信者としてさらに情
報を広めていただけるんじゃないかなということがよく分かりました。どうもありがとうございました。
森木室長
ありがとうございました。吉中先生には安佐南区のモデル事業を題材として研究していただいているのですが,実
はこの会場に,安佐南区のモデル事業を平成16年,17年の2カ年多大な成果を収めた事務局長としてご活躍いた
だきました水山事務局長さんがいらっしゃっていますので,安佐南区モデル事業についてのコメントをいただきたい
と思います。よろしくお願いいたします。
水山事務局長
防犯連合会の水山です。平成 16 年,17 年とモデル事業をやらせていただきました。一応 2 年間という限定でした
ので,3 月 17 日に一応の閉会総会を行いましたが,内部で非常に好評で,これからも継続したいという意見がござい
ました。そこで防犯連合会が,受け皿になりこれからも,規模は縮小するものの,まちづくり事業を安佐南区で続けて
いくために,今準備しているところです。
次にこの 2 年間のモデル事業の成果ですが,まず数字的にいいますと,先ほど説明がありましたように,広島県
下が37.7%,安佐南区では40.6%ということで,ほっとしているところです。それと2年間の中で,3回ばかり一般区民
の防犯意識のアンケート
をやらせていただきました。その結果も,回を重ねるごとに防犯意識が改善していたというこ
とで,区民のなかに,まちづくり,あるいは防犯の意識の芽生えが生まれたことが大きな成果であったと思います。そ
れ以外にも,やはり私が大きな成果だったと思うのは,先ほど吉中先生の方からもお話がございましたように,防犯だ
けではなく,地域のつながり,各団体間のつながりが生まれたことが非常に大きかったと思います。チームワーク,ノ
ウハウといったものが安佐南区では大きな成果,財産になったように思います。
それから安佐南区が,どのようにモデル事業を進めたのか簡単に紹介いたします。まず安佐南区に「
減らそう犯
罪」
安佐南区まちづくり協議会を立ち上げました。この主体は,各区にもあると思いますが,区のコミュニティー交流協
議会を中心に協議会を立ち上げさせていただきました。みなさん大変,熱心に活動していただきましたが,良いこと
ばかりではありませんでした。参加の呼びかけをしても,最初から全然出席をしていただけなかった団体,あるいは
途中から出席していただけなくなった団体もございました。この点について,本当は,協議会でフォローしていくべき
であったのかもしれませんが,余裕がなかったもので,参加される人だけで行ったことが課題として残りました。私が
考えますに,協議会を立ち上げて,団体にお願いする期間が非常に少なかったために,理解が上手くなされなかっ
たのではないかと思います。この点が大きな課題として残りましたが,ほとんどの団体は,「
好きです安佐南区」
という
ようなスタンスで取り組んでいただけて,非常に良かったと思います。
また特に学校の先生方の協力を得られたということで,児童,生徒,学生さんに大変参加していただきました。たと
えば自転車の撤去作業にしましても,一つの高等学校が参加してくれますと,「
うちもうちも」
ということになりまして,
区内に6つの高等学校があるのですが,4つの学校に参加していただきました。この他,区内に6大学ありますが,あ
まりアプローチできなかったのですが,広島経済大学さんや安田女子大学さんに大変協力をしていただきました。こ
の他にもたくさんあるのですが時間の関係でこのぐらいにさせていただきます。ありがとうございます。
森木室長
ありがとうございました。安佐南区の 2 年間を,これからもまた防犯連合会あるいは協議会を中心に続けて行くとい
うことでありますが,安佐南区のモデル事業において呼びかけてもなかなか参加いただけないことがあったり,ある
いは今後の継続のためにどうすればいいのかという悩みもあるというように聞いておりますが,この点に関して吉中
先生の方から何かありますでしょうか。
吉中助教授
今,安佐南区のモデル事業の実態について伺ったわけですが,やはり非常に志の高い人々に支えられてきたと
いうことがいえると思います。この点は非常に素晴らしいことなのですが,一方で防犯活動を長く続けていくということ
を考えたときに,やはり裾野を広げて行く必要があるように思います。具体的には人数とそれから参加されるみなさん
の層を厚くするといったことが必要になると思います。現在参加されてらっしゃる方が,参加されていない人々に伝え
ていくということも非常に大切なのですが,今後参加されていない人々をどのように参加してもらえるかということを考
えるのは非常に重要であると考えております。先ほど匹田先生のお話にもありましたが,やはり参加していくことが気
持ちいいなといった,経済的な問題だけではなくて,達成感が感じられるといったような メカニズムを今後考えていく
必要があると思われます。
森木室長
ありがとうございます。先ほど防犯だけじゃない,さまざまな地域のつながりができたというふうなコメント
がございま
したが,こういう
面が浦先生,ソーシャル・
キャピタルの醸成ということになるのですか?
浦教授
まさしくそうだと思います。いわゆる地域の中で1つのボランティア,例えばまちづくりのボランティアをしているとい
う人たち同士がつながり合うことによって,こういうアプローチ,やり方があるのだと気づくことがあるんですね。先ほど
から情報という言葉が何度も出てきますが,例えばインターネットとかラジオとかチラシとかについ目がいきがちなん
ですが,いちばん大きな情報は何かというと具体的に自分の目の前で,例えばボランティア活動をしている,そういう
こと知ることが,一番大きな情報として意味を持ってくるわけですね。
私の報告の中にもありましたが,なぜ地域内活動とか地域間活動とか活発であれば,人々の治安維持活動があが
るのか,恐らくそれはそういう形で地域のために働いている人がご近所に実際にいる,そのことを知ることによって,
こういう
行動をしている人がいるから私にも何かできるんじゃないかとメッセージとして伝わっていくことだと思うんで
すね。ま,そういう形で情報を人々が得ることによって,少しずつ地域を守っていきましょうという
輪が広がっていく,
そのことがいわゆる結合型も橋渡し型も含めてソーシャル・キャピタルがより大きな広がりを持っていくことの大きな原
動力になるんではないかなと,今のお話を伺って改めて感じているところです。
森木室長
ありがとうございました。時間も押してきてまいりましたが,会場の皆さまの中でぜひ聞いてみたいというご意見,ご
質問がございましたら,挙手していただけますでしょうか? じゃ,そちら,どうぞ。
来場者Aさん(
男性)
薬研堀から来ました。薬研堀といいますと歓楽街ということで,先ほどのお話とはまたちょっと違った特殊な地区で
すが,この歓楽街と呼ばれる地区で,今年の5月1日から迷惑防止条例が改正されました。この地区の大きな問題とさ
れていました路上での客引きについて禁止になりまして,歩きやすい街に変わりつつあるのですが,条例ができたと
いうことで問題は解決したと大半の方が思っておられるという現状もあります。この条例をスタート
としてまた新しいま
ちづくりをしていかないといけないと思いますが,歓楽街という特殊な地区ですので,住民のみなさんが関心を持っ
てまちづくりに参加するにはどのような方法をとればできるのか,一部の人間だけでなくて,どのような取組みをした
らみなさんが関心を持ってやっていただけるのか教えていただきたいと思います。
森木室長
吉中先生,環境学的な関係でいかがでしょうか?
吉中助教授
先ほど報告の中でも述べさせていただきましたが,商店街や歓楽街の地域ですとやはり消費行動との関係で,参
加しない人に自分の時間を使って防犯活動をすることに対してメリットが感じられるように働きかけるべきだと思いま
す。もちろんそれは経済的な問題だけではないですが,何か具体的な,例えば商店街の中で使えるようなポイントが
付くような仕掛けを考えるといったことができるのではないでしょうか。やはり志が高くないんだけれども,メリット
を感
じられるのならばやってみようという人々は多いと認識しております。子どもならまだしも,大人はそのようなメリットが
なくても参加するべきだという考え方もわかるのですが,今の時代というのは,大人も褒められることを求めていると思
います。そのような,なにかメリット
を感じられる仕組みを工夫して考えられていくのがよいのではないかなと思いま
す。
匹田助教授
ちょっと補足してもいいですか? 私がお聞きしていて思ったのは,多分ファンクラブとかそういうのはもうすでに
お作りになっているのではないかと思うんですね。薬研堀とか流川というのは結構みなさん,昔はよかっただとか,こ
うなってほしいとか思っておられる方結構多いと思うので,いろんな形で募集をかけてみたらいいかと思います。勉
強会とかやって,それが一つ。
それからもう一つはですね,おもてなしを受けられるというような場所を増やすというのは必要じゃないかなと思い
ますね。今まで薬研堀になかった,イメージが違うもう少し安心ができるサービスですとか,施設ですとか。例えば文
化施設が1つできたら客層が全然変わりますね。何とかミュージアムみたいなのを1室につくるとか,それから地域住
民が観光客を案内するウォーキングツアーみたいなのを開催するとか。夜中でも安心できる,確実に子どもでも安心
できるようなサービスを提供するというようなことをやるとか,やり方はあると思うのですが,これまでと違ったイベントを
やってみる。もちろん最初は参加者が0だったりするかもしれませんが,少し継続してやってみるっていうのも手なん
じゃないかなと思います。
森木室長
ありがとうございます。もうひと方ありましたら,どうぞ。
来場者Bさん(
男性)
安佐北区の亀山南から来ました。情報発信という関係でお伺いしたいと思うのですが,情報発信というのはそれぞ
れの方法は別として,定期的に行う場合とその場で行わないといけない情報があると思うんです。うちの町内の自治
会が5つあるのですが,自主的にもうすべてにパトロール隊ができて,児童が下校する時とかもずっとパトロールして
いるんですね。ちょうど10日くらい前なんですが,自分たちがパトロールしている時に,上空でヘリコプターが20∼
30分くらい舞っていまして。火事でもないのに何だろうという
不安を持ちながら,パトロールしていると,そこの地域の
人から「
先ほど傷害事件があって刃物を持った人が街をうろうろしていると聞いたんですが,どうですか?」
と連絡が
入ったんですよ。そこで警察に電話したら「
何もないですよ」
というから,私の方が「
地域の人から,傷害事件があって
刃物を持った人がうろうろしているという
情報が入ったんですが」と言ったら初めて「
実はそうなんです」と言われまし
て。ちょうど私がパトロールしていたところの直線距離で500メートル先なんですよ。学校とは離れていますが,それ
でも児童はいる。そんな中で情報が入ってこない。じゃあ警察とパトロール隊とが地域も含んでですが,そういう情報
を共有しないと犯罪が減らないというのは一つのパターンだと思うのですが,どういう
情報がどの範囲まで流されるか
ということをお聞きしたいと思います。
井本情報官
犯罪捜査との兼ね合いがある話なので非常に難しい部分も確かにあるとも思います。その当時の状況が少しわか
りませんが,犯人を捕まえるというような状況があるのであれば,犯罪捜査上なかなか出せないような場合もあるかも
しれません。ただ,そうではなくて広く情報発信をすることによって県民の皆さま方の安全とかといったものを確保す
るということであれば,積極的に,現在不審者の情報については積極的に発信させていただいておりますので,そう
いう部分の情報についてはこれからも発信していきたいとは思っております。適切な回答にはならないかもしれませ
んが,安全なまちづくり,犯罪の起こりにくいまちづくりのために出せる情報,これは県民の皆様方が知りたがってお
られる犯罪の情報ですとか,それから防犯行動を自主的に起こしていただけるような情報,こういった情報について
は積極的に警察が独占するのではなくて出していきたいと思っております。ただ犯罪捜査との兼ね合いがある,個人
情報とのかねあいがあるということについてはご理解をいただきたいと思います。答えにならなかったかもしれませ
んが,これで失礼します。
来場者Bさん
やっぱりそういうふうにしていただかないと,こちらも力になれないと思います。ただ,防御する気持ちを持ってお
かないといけないと思うので,その辺も含んで今後もよろしくお願いします。
森木室長
ありがとうございました。時間が押してまいりました。ここでパネルディスカッション及び意見交換を終了させていた
だきたいと思います。私たちは今後地域の防犯リーダーを育成するために,今年度秋に安全・
安心アカデミーなど開
講しながら,地域の防犯リーダーの育成を図っていきたいと思っておりますが,今日,4人の先生方,短い時間の中
で全ての内容は発表していただけませんでしたが,こうした研修の中でも講師としてご参画いただいて,今後とも安
全・
安心まちづくりにさまざまなご支援をお願いしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。それでは司会の
丸子さんに引き継ぎたいと思います。
司会
越智さん,浦さん,吉中さん,匹田さん,そして森木さん,本当にありがとうございました。今日は会場の皆さん,い
ろいろな立場からいろいろなご意見を持って,またいろいろな問題点を抱えてこの会場の方にお越しくださいまして,
ありがとうございます。今日得たいろいろなヒント,あったと思うのですが,匹田先生の言葉の中にありました,学んだ
こと,知識を得たことは会話をすることで自分がより理解をする,私はその言葉を受け止めまして,まず私は我が家に
帰って,夕飯を食べながら今日あったことを娘に話し,またゴミを出しながらご近所のみなさんとこういうことがあった
のよと話し,また参観日に言ったとき保護者のみなさんと何らかの形でこういう
意見がありましたということを,まずは個
人のレベルから始めたいと思いました。みなさんはいかがでしょうか。
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