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ナイジェリア医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情ではありません

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ナイジェリア医療情報 以下は必ずしも最新の医療事情ではありません
ナイジェリア医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の
服用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバ
イスを受けるようにしてください。
最新更新履歴:2014 年 1 月更新
1.赴任前の準備
(1)予防接種
入国に際し、黄熱病ワクチンの接種が義務づけられており、接種証明書(イエロー
カード)を携帯する必要がある。その他に A 型肝炎、B 型肝炎、破傷風、狂犬病、ポリ
オの予防接種を済ませておくことが望ましい。特に、ナイジェリアはポリオ常在国(イン
ド、アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリア)のひとつであり、接種を勧める。また、
ナイジェリアは髄膜炎ベルト地帯に位置しており、特に乾季(12 月~6 月)に滞在する
場合は接種を勧める。任国での予防接種は医療機関でのワクチン在庫が一定してお
らず、希望時に必ず接種できるとは限らない。本邦で接種可能な予防接種はできるだ
け出発前に済ませておくことを強く勧める。
(2)その他の準備
高血圧や脂質異常症など持病があり、内服治療中の場合は当面必要な量の薬を
持参するとともに、現地で継続治療を受けられるよう、「病名」「治療内容・内服薬(商
品名ではなく化学名)」等を記載された英文の診断書または紹介状を持参し、なるべく
早く、現地の主治医をみつけるようにする。また、日本製の医薬品は入手できないた
め、使い慣れた常備薬(胃薬、総合感冒薬、便秘薬、湿布、スポーツ飲料の粉等)は、
持参したほうがよい。
12 月から 3 月にかけてサハラ砂漠から大量の砂塵が舞い降りるハマターンと呼ば
れている時期は、流行性結膜炎をはじめとし、目や咽頭などの粘膜系、気管支系のト
ラブルが多い。喘息の既往がある場合は、発作を誘発することもあるので、要注意が
必要である。うがい薬やトローチは現地で入手可能。この季節は、普段コンタクトレン
ズを使用している人であっても眼鏡を使用することを勧める。
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2.医療事情
(1)医療機関
ラゴス、アブジャにおいては、公立総合病院、私立病院、個人クリニックが多数ある。
私立病院、クリニックにおいては、基本的に一般医(GP)による予約なしで 24 時間対
応をとっているところが多い。専門医は予約が必要で診察費用も高額である。検査や
入院施設も比較的整備されており、ある程度信頼できる医師も多いことから、外国人
やナイジェリア人の富裕層が利用している。
病院の種類(総合病院、開業医、クリニックなど)
◎アブジャ(首都)
Abuja Clinic(私立総合病院)
所在地:No 22 Amazon Street. Ministers Hill, Maitama、Abuja
電話:080-3665-0436
緊急時も同様
診療時間:一般医(GP)24 時間対応、 専門医は予約必要
診療科目:心臓外科・皮膚科・精神科を除き全科、歯科あり
備考:外来は、一般医(GP)の診療が主だが、専門医の受診は病院の Web 上でも
予約可能。ER(救急外来)もあるが重傷の対応がどこまで可能かは不明。高
血圧や脂質異常など慢性疾患の継続治療、下痢や風邪、マラリアなどの感
染症等で受診可能。MRI はないが、その他基本的な検査は院内で実施可
能。
心臓の CT アンギオ実施。血液人工透析 4 床あり。入院ベッドは 39 床あり清
潔で快適な環境であると思われる。
St. Francois Medical Centre (私立)
所在地:Plot 501, Bangui Street, Wuse 2, Abuja
電話:081-3883-2650
緊急時も同様
診療時間:24 時間対応
診療科目:GP によるプライマリーケアとして全ての傷病報告に対応する(重症対応
は不可)
備考:フランス人医師の院長他、外国人医師 3 人による外来診療中心の小規模ク
リニックである。1 日に 100 人以上の外来患者が来院し、医師の対応も感じ
が良く日常診療に利用を勧められる。マラリア検査はアブジャで唯一 QBC 法
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にて検査をしている。当院で対応できない疾患は第三国へ移送することを基
本方針としている。
Zankli Medical Center (私立総合病院)
所在地:Plot 1021,B5 Shehu Yar'adua Way, Abuja
電話:09-6707-2734, 080-236-32104
緊急時も同様
診療時間:24 時間対応可(GP), 専門医は 8:00-14:00
備考:私立の総合病院であり、MRI、心血管造影以外の基本的検査は院内で実施
可能。院内に血液銀行、薬局、各種ワクチンの取り扱いあり。院長が熱帯感
染症の専門医のため感染症の対応には自信がある様子で検査施設がしっ
かりしている印象あり。マラリアの診断は、血液塗沫検査(厚層・薄層)とアク
リジンオレンジ蛍光顕微鏡を用いている。
National Hospital (国立総合病院)
所在地:Off Constitution Avenue (near UN House), Central District Area,
Abuja
電話:+234-809-751-9764
診療時間:一般外来 月~金 8:00~16:00
救急外来 24 時間対応
診療科目:全診療科
備考:アブジャにおける政府系病院の中で、最高の医療水準のある病院としての
機能を有している。24 時間体制の救急外来、ICU6 床を有し、アブジャで唯
一 MRI があるので、重症の場合の収容先として優先される。しかし、一般外
来は非常に混み合うため外国人の受診は勧められない。
Nizamiye Hospital (トルコ系私立総合病院)
所在地:Plot 113 Sectors, Codoster Zone , Abuja
電話:+234-09-291-51-73, (74, 75)
診療時間:24 時間対応
診療科目:脳外、皮膚科、泌尿器科、精神科以外
備考:2013 年 8 月にオープンしたばかりのトルコ人経営の私立病院。ヨーロッパス
タンダード医療システムに基づく病院運営を行うとのこと。トルコ人専門医が
常駐し、施設すべてが新しく大変清潔である。2013 年 11 月末現在、MRI の
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設置や救急外来の整備が途中であるなど、完全に稼働状況ではない。
Smile Dental Practice(歯科クリニック)
所在地:Suite C2, Ground Floor, Orji Uzor Kalu House, 1st Avenue Central
Business District FCT, Abuja
電話:09-780-2750
診療時間:月~金 9:00-17:00
備考:ナイジェリア人医師 3 人が勤務し、クラウンなどは外注(英国の場合もあり)し
ている。使用している器具は、院内のオートクレーブで滅菌され、ディスポ用
品も使用されている。歯科レントゲン(パノラマ)あり。衛生的で通常の歯科治
療では問題ないと思われる。インプラントは実施できない。
◎ラゴス
Ave. Maria Hospital (私立病院)
所在地:52 Adetokunbo Ademola Street, Victoria Island
電話:+ 234 (0)1 4617755
予約不要
診療時間:24 時間対応可
備考:ロシア人の女性院長(小児科医、ナイジェリア 20 年以上在住)を中心に、GP
(一般医)7 名が常勤している中規模病院である。CT や MRI は有していない
が、基本的な検査は院内で実施可能。院長が小児科医のためか小児の受
診が多い様子。各種ワクチンの在庫有り。救急、重症の対応は困難と思わ
れるが、医師の対応もよく、日常診療に利用できる。近所に 6 階建ての新病
院を建設中である。
International SOS Medical Clinic Lagos(私立クリニック)
所在地:1 Thomason Avenueb(c/o Olu Holoway road)Ikoyi, Lagos
電話:+234(0)1 462 5600
診療時間:8:00-18:00(月~土)、救急は 24 時間対応
備考:インターナショナル SOS 直営のクリニックであり、ナイジェリア国内に 5 か所
あるうちのひとつ。コーポレーション制での診療のため、一般利用者が日常
診療での利用不可である。
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Lagoon Hospitals、Apapa
所在地:8 Marine Road, Off Liverpool Road, Apapa, Lagos
電話:+234(0)1 870 7011
診療時間:24 時間体制
備考:ラゴス市内において、Reddington Hospital と並び、最も高度医療が可能な
病院のひとつである。Lagoon hospitalは、ナイジェリア最大の医療・保険・福
祉関連の総合グループであるHygeia Nigeria Limited傘下の病院で、同グ
ループはラゴス市内に3ヶ所のLagoon hospital(Apapa, Ikeja, Victoria
Iisland)と、Lagoon clinic(Ikeja)、Lagoon specialist suites(Victoria island)
の計5施設の病院・クリニックを有しており、日本の総合病院と同等の施設で
ある。
(2)緊急時の対応と措置
緊急時は、各病院に救急車を要請する。日本のような救急車はなく、各病院がそ
れぞれ救急車を待機させている。日本のような救急隊員(パラメディク)の同乗は困難
と予測する。交通渋滞等の事情を考慮すると、救急車の到着を待つよりも、自家用車
で搬送するほうが早く医療機関に到着できる場合もある。
輸血用の血液は、各病院に血液銀行があり保存血を用意しているが、感染症のス
クリーニングの信頼性からも現地での輸血は可能な限り避けることが望まれる。
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
日本製の薬品は販売していないため、家庭常備薬(胃薬、総合感冒薬、便秘薬、
湿布、スポーツ飲料の粉等)は使い慣れたものを持参することを勧める。持病があれ
ば治療に必要な医薬品を必要量用意する。現地での受診のため英文の診断書/紹介
状を持参することを勧める。自動血圧計や体重計など現地購入も可能であるが使い
慣れたものを持参するとよい。虫よけや蚊取り線香、蚊帳は現地スーパーマーケット
や薬局でも入手可能ある。
(2)現地で調達できる医薬品
ほとんどの医薬品や衛生材料は、入手可能である。在庫がなくともヨーロッパ等
から輸入することも可能である。マラリア予防薬、治療薬とも購入可能。ビタミン剤や
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サプリメントも豊富に販売されている。しかしながら、ナイジェリアは偽薬が大きな社
会問題になっており、注意が必要である。NAFDAC(National Agency for food and
drug administration and control ナイジェリア食品薬品管理規制局)という組織が、
国内流通している偽薬や不法に生産・輸入された医薬品、安全基準を満たさない医
薬品、その他食品、飲料水、酒類、衛生用品などの登録、管理統制をしている。ナイ
ジェリアで製造されたものには登録番号が印刷されている。医薬品を購入する際に
は、信頼できる薬局の印である『緑十字』看板マークのある薬局で、高価でも欧米か
らの輸入製(GSK,ノバルティスなど)の医薬品を選ぶこと、または、信頼できる病院
の院内薬局からの購入がよい。
(3)現地で調達できる衛生用品
衛生用品は、ヨーロッパ製や南アフリカ製のものなど多数出回っている。生理用品
はタンポンやハネつきの生理ナプキンなど入手可能。避妊具も薬局やスーパーマー
ケット等で売られている。ガーゼ、包帯、各種テーピングやサポーター類、綿棒、化粧
用コットン、ウエットティッシュ、ポケットティッシュ、女性用カミソリ(顔・からだ用)、男性
用カミソリも売られている。
(4)薬局
市中やスーパーマーケット内に大小さまざまな薬局があり、取扱う医薬品の種類は
ほぼ問題ない。在庫の無いものはヨーロッパからの取り寄せが可能なところもある。
しかしながら、(2)現地で調達できる医薬品のところで記載のとおり、偽薬の問題ため
信頼できる薬局で購入することが肝要である。
4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
私立病院の産婦人科であれば、超音波検査等の設備があり、正常の妊娠経過で
正常分娩であれば出産は可能と思われる。しかし、ナイジェリアはアフリカ内でも妊婦、
新生児死亡率の高い国であり、不測の事態での緊急対応、マラリア等の熱帯感染症
等のリスク要因は多く、現地での妊娠経過および分娩は避けるべきである。妊娠が判
明して安定期をむかえたらできるだけきるだけ早く〔16 週目以降〕帰国することを強く
勧める。
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(2)出産後の対応
病院、クリニックなどの産婦人科で、母子検診や乳幼児の予防接種は可能である。
(3)育児
哺乳瓶、紙おむつ、粉ミルク、離乳食、ベビーパウダー、ベビー石けん、おしゃぶり、
お尻拭き、乳幼児衣類、ベビーカー、ベッドなどは豊富に出回っている。外国人がよく
利用するスーパーや薬局で入手可能。輸入製品が多いため比較的高価である。
5.手術
(1)現地で可能な手術
緊急性のある手術以外は、第三国(ヨーロッパもしくは南アフリカ)または日本で受
けることが望ましい。
(2)手術設備の状況
アブジャ、ラゴスとも私立総合病院、アブジャの National Hospital(国立)等で、
様々な手術が行われており必要な機材は揃っているが、術後の管理や重症の場合
の ICU 管理に不安もある。また、心臓血管外科や脳外科の手術は設備がなく緊急移
送で第 3 国へ移送が必要となる。
(3)その他の留意点
アブジャにおいては、2013 年にトルコ系の私立病院がオープンし、MRI や最新の
検査、手術設備を備えているが、実際の稼働状況はしばらく様子を見る必要がある。
輸血の血液に関しては、各病院に保存血が用意されており、各種感染症検査は行わ
れているものの、その検査の信頼性は先進国に比べると低いといわざるをえず、輸
血後感染症の恐れは否定できない。輸血はその緊急性と重要性を十分考慮した上で
行うべきで、やむを得ず現地で輸血を実施した場合には、その後の感染の有無につ
いてモニタリングが必要である。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
食べ物や飲み物が原因と考えられる下痢・嘔吐・腹痛・発熱などは常に注意が必
要である。時にはアメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫などの腸管寄生虫疾患や腸チフスな
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ど細菌感染による消化器系疾患にかかる可能性もある。これらは経口感染であるた
め、生食を避け、ミネラルウォーター等安全な水を飲用するなど、不衛生と思われる
飲食物を摂取しないよう注意が必要である。発熱、強い腹痛、便に血液が混じるよう
な下痢症状の場合は、医療機関を受診することを勧める。発熱の場合、腸チフスとマ
ラリアの鑑別が重要となることがある。マラリアが否定された場合、腸チフスと診断さ
れることが多いが、血液培養はほとんど実施されず、ヴィダールテスト(血液検査、
Widal test)での診断されることが多い。特に、腸チフスの予防接種をしている場合は
感染していなくとも陽性の反応がでるため注意が必要である。
12 月から 3 月にかけてサハラ砂漠から大量の砂塵が舞い降りる「ハマターン」と呼
ばれている時期は、流行性結膜炎をはじめとし、目や咽頭などの粘膜系、気管支系
のトラブルが多い。喘息の既往がある場合は、発作を誘発することもあるので、要注
意が必要である。
乾季は日差しも大変強いため、屋外では直射日光を避けるため、帽子をかぶると
よい。紫外線予防として、肌の露出をできるだけ少なくする、日焼け止めを塗るなどの
対策も必要である。
皮膚トラブルも多く、主に原因不明の湿疹、虫刺され、アレルギー皮膚疾患、外傷、
マンゴーかぶれなど。湿疹や虫刺されは引っかき傷がすぐに化膿するので、注意が
必要である。外傷は、小さな傷も日本より治りにくいため、症状を軽視せず、こまめに
消毒処置を行い、患部の保護・消毒に努めることが大切である。
(2)風土病、感染症
ナイジェリア全土にマラリアが蔓延し、国の最大の健康問題である。マラリアの中で
も最も悪性である熱帯熱マラリアがほとんどを占める。マラリアは蚊(ハマダラカ)に刺
されて感染する病気であり、防蚊対策の徹底が重要である。ナイジェリア滞在中、発
熱があった場合には医療機関を受診しマラリアの検査をすることが必要である。ナイ
ジェリアにおいてマラリア検査は血液塗沫検査が一般的で、簡易検査キットは一般的
で な い 。 治 療 は 、 合 併 症 が な い 場 合 は 政 府 の ポ リ シ ー で ACT ( Artemisinin
combination therapy: 商品名コアルテム(Coartem)など)で治療が行われている。
重症例は入院しキニーネの治療となる。マラリアは予防可能な疾患であり、防蚊対策
の徹底と予防薬内服(メフロキン、ドキシサイクリン)を強く勧める。防蚊対策としては、
蚊帳、蚊取り線香、防虫スプレー(軟膏)の利用、白い長袖、長ズボン、靴下の着用、
ハマダラ蚊の活動する夕方から朝方の外出を控える等の対策が有効である。
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ナイジェリアは髄膜炎ベルト地帯に位置しており、12 月から 6 月の乾季に流行が発
生する。飛沫感染であり、症状は発熱、頭痛、意識障害など脳炎様症状で適切な治
療を行わないと死亡することもある。予防にはワクチン(4 種混合の ACWY が推奨さ
れる)が有効である。
ナイジェリアはポリオウィルス野生株が流行しているポリオ常在国のひとつである。
ポリオウィルスによるいわゆる小児麻痺だが成人にも感染する。感染者の糞便や咽
頭分泌物から経口感染する。予防にはワクチンが有効であり、日本でも 2012 年 9 月
より不活化ワクチンの接種が可能となった。特に 1975 年から 1977 年生まれの方は
抗体保有率が低いとされているので追加接種を勧める。
その他、細菌性下痢、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫、コレラ、A 型肝
炎、B 型肝炎、破傷風、狂犬病、黄熱病、住血吸虫などもみられる。衛生的な飲食、
不用意に動物に近づかない、安易に淡水に裸足で入らない、防蚊・防虫対策の徹底
などにより感染症の予防につとめ、長期滞在者は、ワクチン接種を推奨する。また、
ナイジェリアは 2007 年に鳥インフルエンザのヒト感染死亡例が出ている。日ごろから
手洗い、うがいを習慣にし、体力を落とさないよう規則正しい生活を心がけ、家禽類
やその排泄物には接しないよう注意する。
(3)有害動物、病害虫
マラリア、デング熱、黄熱病等対策として、防蚊対策は年間を通じて必要。ハマダラ
蚊のほか、ブヨ、ネズミ、毒蛇、ムカデ、サソリもいる。自宅周辺には材木やガラクタ、
ダンボールなどの不用品を放置せず、草もこまめに刈っておくこと。蛇に咬まれた場
合は蛇の特徴を覚えておき、できるだけ早く病院を受診しなければならない。場合に
よっては血清をうつことがある。
蠅蛆症(ようそしょう)は、ハエの卵が衣類に付着し、孵化後に幼虫が皮膚を刺し吸
血するものである。これを防ぐため、戸外に洗濯物を干さないことが最も効果的だが、
戸外に干す場合には必ずアイロンをかけることが必要である。ダニ、アリの被害も多
い。害虫用の殺虫剤は現地で入手可能。
7.保健衛生
(1)飲料水
アブジャ、ラゴスをはじめとした主要都市では上水道も利用できるが、水質管理は
よい状態とはいえない。直接の飲用は避け、濾過し、煮沸後の飲用またはミネラルウ
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ォーターを飲用することを勧める。
(2)濾過器の入手
スーパーマーケットで入手可能。
(3)その他の留意点
治安上の問題から市中を徒歩移動することは少なく、ほとんどが車両移動となる。
交通量が大変多く、道路事情の悪い箇所もあり、オーバースピードと運転マナーも良
くないため交通事故への注意が重要である。信頼できるドライバーの確保とともに、
常時シートベルトを着用し、時間に余裕を持って行動する必要がある。
娯楽やスポーツ施設の少なさから、運動不足になったり、外食の機会が多いとアル
コールや塩分、脂質の摂り過ぎに注意が必要である。長期滞在者は、特にこれらに
注意し、自己健康管理に努める必要がある。
日常生活で多くの病原体にさらされるため、感染予防として、外出から帰ったら、手
洗い・うがいを励行することを勧める。
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