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ホンジュラス (319KB、2016年4月)

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ホンジュラス (319KB、2016年4月)
ホンジュラス医療情報
以下は必ずしも最新の医療事情ではありません。詳細(特に緊急時対応や予防薬の服
用方法など)については現地医療事情に詳しい医療専門家から常に最新のアドバイスを
受けるようにしてください。
最新更新履歴:2016 年 3 月更新
1.赴任前の準備
(1)予防接種
黄熱流行国(ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドルなど)から入国する際は、国際
予防接種証明書(イエローカード)の携帯を義務付けられている。その他、特に義務付け
られている予防接種はないが、①A型肝炎、②狂犬病、③破傷風、④B型肝炎の順で接
種を推奨する。赴任までに接種期間が十分にない場合は、少なくとも①②は事前に接種
してきたほうがよい。これらのワクチンは、ホンジュラスでは常に入手が可能な状況にな
いため、日本で接種してくることを勧める。
狂犬病については、2009 年 5 月、ホンジュラス国内で人への感染死亡例が確認され
ている。野犬などの哺乳類に咬まれた場合、狂犬病の基礎免疫を獲得していても追加接
種が必要である。また、破傷風ワクチンも同様で、外傷や汚染の程度により追加接種が
必要である。
新生児、乳幼児の予防接種は、免疫獲得までの期間や予防接種後の体調管理など
様々な問題があり、また、日本とホンジュラスでの接種計画は異なることから、かかりつ
け小児科医と相談し、日本で接種してくることが望ましい。現地で行う場合には、接種証
明書(母子手帳)を持参し、必要な予防接種計画を立てる。ホンジュラスで可能な予防接
種は、BCG、ポリオ、5 種混合、麻疹などである。ホンジュラスでは3種混合ではなく、日
本の3種にインフルエンザ菌(ヒブワクチン)、B型肝炎が加わった5種混合となる。
(2)その他の準備
眼鏡、コンタクトレンズは、ホンジュラスでも調達可能である。ソフト・コンタクトレンズは
2週間で交換するタイプはあるが、1日で交換するタイプのものは販売していない。また、
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ハード・コンタクトレンズの作成は可能だが、時間を要し高価なため、持参したほうが良
い。
歯科医療費は、技術レベルの高いクリニックを選択すれば、う歯や充填物の装着、歯
周炎など、簡単な治療は可能であるが、日本の方針とは異なり、歯の温存には消極的で、
抜歯をした上で審美歯科やインプラントなど高度な治療を推奨するケースが多く、注意が
必要である。また治療費は総じて高額であるため日本で治療を終えてから赴任すること
が望ましい。
2.医療事情
(1)医療機関
国公立の医療機関は、設備・施設とも不充分なため、受診は施設・設備の整った私立
病院を推奨している。私立病院では、海外(日本を含む)での研修経験のある医師も数
名存在し、医療機器も整っているが、日本と比較すると治療方針が異なることが多い。
一般的に受診する場合は、事前に予約をし、診察後、医師より処方の指示があった場
合は、病院内もしくは、最寄りの薬局で処方箋を提示し薬を購入する。検査等も医師の
指示書が必要になる。
邦人がよく利用する医療機関は次のとおりである。
<総合病院(全科)>
1)テグシガルパ市内
①Honduras Medical Center(私立)
所在地:Col. Las Minitas, Ave. Juan Lindo
電話:(504)2280-1500/Fax (504)2280-1560
首都テグシガルパで最も設備が整った総合病
院で、英語の対応が可能な医師が多数在籍す
る。
24 時間対応。診察料は約 1,000 レンピーラ(約 5,000 円)
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②Diagnosticos Medicos-DIME(私立)
所在地:Col. Humuya Ave. Ucrania No.2901
電話:(504)2239-2149/Fax(504)2239-9631
日本留学経験のある医師(循環器内科、循環器外科)が2
名おり、簡単な日本語及び英語での対応が可能である。
③Hospital y Clinicas Viera(私立)
所在地:Barrio la ronda, Ave. colon 5ta calle No. 1115
電話:(504)2237-3160
Fax(504)2237-6983
2)サン・ペドロ・スーラ市内
①Hospital del Valle(私立)
所在地:Blvd. del Norte, frente a Texaco Palenque
電話:(504)2527-8400/34/36 Fax:(504)2551-8435
サン・ペドロ・スーラで最も設備の整った医療機関。
②Centro Medico S.P.S -CEMESA(私立)
所在地:Col. Altamira, Boulevard del Sur
電話:(504)2516-0174 Fax:(504)2556-7180
<歯科医>
テグシガルパ市内
①Centro de Implantes Dentales
所在地:Blvrd. Suyapa col. Florencia Sur #4402
電話:(504)2239-9761/1331
多数の専門医が在籍しており、必要な治療に応じて専門歯科医が診察する。
②Dr.Jose Francisco Barahona
所在地:Condominio Lomas Ave. Rep. Dominicana, Col.Lomas Del Guijarro
電話:(504)2239-5310/3974
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歯科医は日本への留学経験あり。日本語での治療が可能。
(2)緊急時の対応と措置
緊急時は、前述の私立病院の利用を第一選択とする。移送が必要な場合、赤十字や
病院が所有する救急車は、燃料がなかったり、車輌設備状況が悪いなど、迅速性に問
題が多いこともある。別途契約料が必要だが、私立の緊急移送会社が利用できる。
Tegucigalpa(首都)の緊急移送会社
POR SALUD
Yohana Leiva cel.3391-5116
Jared Velasquez cel.3391-5793
3.医薬品、衛生用品
(1)携行することが望ましい医薬品
日本製の医薬品は入手できないため、目薬、風邪薬、胃腸薬、漢方薬など、常備薬は
持参したほうがよい。小児がいる場合は、シート状冷却剤を持参すると便利である。
(2)現地で調達できる医薬品
医薬品は豊富に出回っており、医師の処方した薬剤をはじめ、大抵のものは入手可能
である。小児の場合、購入した医薬品の作用や副作用が強く現れることがあるため、小
児用の解熱剤(アセトアミノフェン系)、風邪薬、整腸剤などを使用する際は、容量に注意
する。
(3)現地で調達できる衛生用品
生理用品は容易に入手が可能だが、生理用下着は販売していないため、必要であれ
ば持参する。ガーゼ、包帯、綿棒、避妊具などは、薬局やスーパーで購入できる。
(4)薬局
近年、都市にはチェーン店の薬局が多く開店しており、車に乗ったまま購入できるドライ
ブスルーの店も増えている。
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①Farmacia Center Plaza
所在地:Calle Las Minitas,
Colonia Tepeyac, Tegucigalpa
電話:2235-8869
②Farmaci Pierrett
所在地:Boulevard Morazan,
Centro Comercial Yojoa
電話:2239-4854、2235-4670
③kielsa
チェーン店であり、主な都市には必ずある。
所在地:Edificio Farinter,
atrás de la Toyota, Barrio la Granja
電話: 2289-6544
④Farma City
チェーン店であり、ドライブスルーでの購入も可能。主な都市には必ずある。
所在地:Col.Las Minitas Cont H.M.C
電話:2235-6318
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4.妊娠、出産、育児
(1)妊娠した場合の対応
産婦人科を受診し、検査を受けることが必要である。日本と異なる点は、妊娠期間中
の尿検査、血液検査などの実施頻度が低いことで、不安であれば医師に検査の指示を
依頼する。早産や異常妊娠/分娩への対応は困難な場合があるので、現地での出産は
勧めない。
(2)出産後の対応
新生児の衣服は病院には準備されていないため、入院する際は持参する必要がある。
入院期間は普通分娩で 1 日、帝王切開では3日程度である。
新生児の担当は小児科医であり、邦人がよく受診している小児科医に受診するか、産
婦人科医に紹介してもらうとよい。小児科医は予防接種、健康診断などを行っているの
で相談する。
(3)育児
育児用品は、紙おむつや哺乳瓶、離乳食、粉ミルク、おしり拭きティッシュ、衣類など、
容易に入手が可能である。布おむつを使用する場合、おむつカバーは入手できないので
持参することを勧める。
衛生状態が悪い公共の場所などでは、乳幼児が感染症に罹患することもあるため、特
に複数の子供と接触が多い場合は、手洗い、うがい等の感染症に対する予防行動が必
要である。
5.手術
(1)現地で可能な手術
全科の手術が可能であるが、技術水準は高いとは言えず、手術後の合併症の不安も
あり、緊急以外の手術や高度な治療が必要な場合は、医療事情の良い第 3 国または日
本での治療を勧める。
入院は完全看護であるが、付き添いも可能である。病院により違いはあるが、私立の
総合病院は基本的に個室で、病室には、TV、冷蔵庫、トイレ、シャワーが完備され、病衣、
タオル、シーツも定期的に交換される。
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(2)その他の留意点
輸血用血液に対しては、各種感染症の事前検査をしているが、輸血後感染症の可能
性は否定できない。輸血はその緊急性と重要性を十分考慮したうえで行うべきで、現地
で輸血を実施した場合にはその後、感染の有無についてモニタリングが必要である。
ホンジュラス人の血液型は、O型(72%)と A 型(15%)が大半を占め、B型は 10%、A
B型は 3%と全人口に対して占める割合が少ないため、B型、AB 型は血液の確保が困
難である。
また 6 ヶ月以内にマラリアやデング熱に罹患した場合は、献血できない。
6.現地での傷病
(1)一般の疾病
高地では、昼夜の温度差が大きいため風邪をひきやすく、注意が必要である。また細
菌や寄生虫による下痢などの消化器症状を起こす人も多く、水や生ものなど飲食物に注
意が必要である。5 月から 7 月にかけてはインフルエンザが流行する。
(2)風土病、感染症
マラリア、デング熱、チクングニア熱、ジカ熱、シャーガス病、A 型肝炎、アメーバ赤痢、
結核、寄生虫症など様々な感染症が存在する。
マラリアは、カリブ海沿岸および南部地方など高温多湿地域で多く発生し、三日熱マラ
リアが主であるが、熱帯熱マラリアも存在する。アフリカなどに比較すると発症数も少な
いため、マラリア予防内服の必要性は少ないが防蚊対策に十分注意する必要がある。
デング熱・チクングニア熱等の蚊の媒介する感染症は、首都テグシガルパや大都市
(特にサン・ペドロ・スーラ)など、人口密度が高く衛生状況の悪い場所で多発し、5 月から
7 月にかけて流行する。2015 年は、チクングニア熱が大流行し、また、同じく蚊の媒介す
るジカ熱も 2015 年 12 月から流行し始めており、2016 年の大流行が危惧されている。デ
ング熱は状況によっては重症化する場合がある為、早期に検査・治療を開始したほうが
よい。また、アスピリン系の解熱鎮痛剤は出血傾向を助長させるため、デング熱と確定さ
れなくとも、解熱鎮痛剤はアセトアミノフェン系を利用する。ジカ熱に関しては、妊婦の感
染と小頭症との関連が疑われており、調査中であるため、妊娠初期、妊娠する可能性の
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ある場合の渡航はできるだけ控えたほうが良い。
アメーバ赤痢、A 型肝炎、消化器系寄生虫疾患などの予防には、食事、水に対する注
意が必要である。
(3)有害動物、病害虫
野犬や放し飼いの犬が多く、狂犬病の患者も報告されているので要注意である。哺乳
類に属する家畜やペットも狂犬病ウイルスを保有している可能性があるため、犬と同様
に注意が必要であり、動物好きであっても不用意に近寄らない。
防蚊対策として、蚊取り線香、蚊帳、虫除けスプレーや虫除けクリーム、マット式蚊取
り器などの入手が可能であるが、日本製のものと比較すると目や咽頭への刺激が強いも
のが多い。
ダニによる被害も多く、居室の衛生や換気に注意する必要がある。また、時にはサソリ、
ムカデ、毒グモによる被害もあるため、受傷後はすみやかに受診することが必要である。
海岸線にはヘヘンという小さなブヨがおり、咬傷により長期間掻痒感が持続する。対策と
しては、日本製防虫スプレーよりも強力な、現地で購入できる防虫スプレーを使用する。
7.保健衛生
(1)飲料水
水道水を直接飲用することは避け、水道水を煮沸するか、市販のボトルウオーターを
飲用する。街頭で売られているかき氷や氷の入った飲み物など、水の安全性が確認でき
ないものは、購入を避ける。
(2)濾過器の入手
濾過器は現地でも調達が可能であるが、カートリッジが在庫切れ等の場合が多い。蛇
口の形状が日本の製品とは異なるため、日本から浄水器を持参する場合は蛇口接続部
が万能タイプのものを選ぶ必要がある。
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